山陰同人誌即売会 花鳥風月

山陰同人誌即売会 花鳥風月
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資金と料金設定

目次

  1. 金がないと話にならない
  2. お金を支払うことで得る信用
  3. どんくらいお金が要りますか
  4. 具体的な計算いってみよー
  5. スペース代はどうやって算出?
  6. 参加者さんに負担させてはいけないこと
  7. パンフレットの販売価格

金がないと話にならない

 イベントは気合!と言った人がいるかどうかは知りませんが。現実問題として何がなくとも資金がなければイベントは開催できないです。世の中ゼニです。ゼニゼニ、銭形警部も真っ青です。
 大体どれくらいいるか、っていうのは会場費・規模によってまったくと言っていいほど異なります。
ので、具体的に例をあげて説明させていただこうかと思います。
 説明は後にして、どうしてお金がないといけないのかということを少々。
 会場を予約すると、殆どの会場に於いて「予約金」もしくは「全額前納」という形で、会場費を納めることになります。私が使用しているくにびきメッセも予約時で30パーセント、使用10日間前までに残り70パーセントを納入する規定になっています。
 聞いてみたら、予約金はキャンセル料に充てるそうです。つまり、10日間前までに70パーセントが支払われなかったら自動キャンセル、その費用に。あとは、借りてはキャンセルする人間(日程を押さえるだけ押さえておいて他業者が取れないように妨害されるのを防ぐため)のけん制だとか。

 話がずれましたが、貴方が使用している会場がどういう様式かは知りませんが、全額納入と言われてすぐに支払えるだけのお金がないと借りることは出来ません。
 これで「高校生はムリ」と述べた理由がわかりましたか?確かに中には会場費数万程度の場所もあるでしょう。ですが、イベント開催前に必要なお金はそれだけではありません。会場費を除いて最低10万くらいの先行投資が出てきます。やっぱりそういう面からしても社会人になってから。
 もしくは自転車操業にしても、それだけの資金が確保できていないとね。

お金を支払うことで得る信用

 信用は印象とか応対だ、と前の章で言いましたが、それはあくまでも参加者さんに対してのもの。
 企業さんがどういう点で貴方を信用するかというと、お金の支払いがきちんとできるかという点です。
 請求書が届いても、払込期限ギリギリまで放っておく、過ぎて催促されてしぶしぶ支払う…ということをすると、会場側や企業さんは「次に契約の申込があっても何とか理由をつけて断ろう」と判断されます。これをいろんな会場・企業さん相手にすると、業界の横のつながりは貴方が思っているよりも意外と強かったりするので(笑)、「この前さぁ、うちにこんな客来たけど、恐ろしく金払い悪いから契約しない方がいいよ」という話が広まったりします。
 それから、これは肝に銘じて欲しいのですが、会場を借りるのは貴方だけではありません。他のイベンターさんも借りられます。貴方が会場費を踏み倒したばかりに、貸出禁止になってしまったら…。夜道歩けなくなりますよ(笑)?

 まあ冗談はさておき、貴方が会場や企業に「こうして欲しい」「備品を貸して欲しい」というような、取引が出来るのはこういう「義務」を果たしている場合です。金も払わないのにクレームつけてばかりでは、誰にも相手にされないですよ?
 社会では金が信用を得るということもあると覚えておいて下さいな。

どんくらいお金が要りますか

 こーれーが、分かれ道ですね(笑)。あいにくと私の地域ではメッセ大展示場を除き、恐ろしく物価が安いのであまり参考にならないかもしれないですが、何とか参考にして下さい(笑)。

■どんな場合でも必要な資金は■
・会場費(全額が望ましい)
・付帯設備料金(つまり机イスのレンタル料金、冷暖房費などの備品代ですね)
・交通費(いろいろなイベントに申込用紙配布をする為)
・人件費(スタッフの交通費、昼食代等。さらにチラシ撒きをする時は規模により人に手伝ってもらおう。ジュースやご飯おごる程度で十分。でも必要経費として認められるよ)
・申込用紙送料(他イベントにお願いしてチラシ置き場へ置いてもらう場合など。宅配便がいいよ。これは1回800円程度×送る予定回数)
・印刷費(10万は用意しましょう。お金と好物は多くあるに越したことはないよん)
・雑費(いろいろとねーかかるんだよねー。3~5万程度)
・ネット費用(有料レンタルサーバー等1万円程度・有料レンタルを借りた方がいいです。無料の場合商用使用が認められていないサービスであれば、規約に引っかかります。また、不安定でたびたび接続できなくなるところは意味がありません)
・イベント情報誌への掲載費、アニメイト等アニメ店へのチラシ設置費用(ネットが主になり、無料のところがほとんどになりました)
・安全管理費用(7、8万程度。イベント保険、警備員数人)

ということで、サークル参加費が集まったらそれから出してもいいですが、印刷代やら何やらやっぱり事前にまとまったお金が必要ですよ。

■安全管理費用についての特筆
 私はイベント開催においては安全管理の面から、有資格者の警備員を雇ったり、イベント保険をかけることを強く勧めています。
 100人以上が集まるイベントでは絶対にいた方がいいです。
 オタクは安全、とかいうような声もありますが、その100人が絶対に善人とは限りません。
 参加される方を疑ってかかるのもよくないですが、マナーを守らない人がいる現状、また、規模が大きくなればイベントとは関係ない方、一般の方もやってきます。
 そういう人達に対してスタッフだけで対応というのは実質無理があります。
 花鳥風月が25年間、大きなトラブルなくやってこれているのも、警備員さんが会場内を見回り、参加される方の安全を守って下さっているからです。盗撮に関してもしっかり対応しています。
 イベント主催者として、参加される方の安全(スタッフも含めて)はもっとも最優先されるべきものである、ということを覚えておいて下さい。

具体的な計算いってみよー

 数学が出来んでも算数が出来れば大丈夫。いきまっせー。

■申込用紙をどれだけ刷るか■
 会場からの貸出承認が下りて申込用紙を作り上げたら、印刷にかけます。あ、入稿する前に第3者に落ちや漏れがないか確認だけはしてもらいましょう。出来あがったらなかなか直せないもんね。
 で、申込み受付〆切から現時点まで遡って、申込用紙を配布できるイベントを探します。大手イベントは事前に許可が必要ということですのですぐに問い合わせて、配布可能な日程を聞きましょう。

 それらを一覧表にして(頭の中で計算できれば別にいいです)そのイベントの募集スペース数を全部合計(※オンリーイベントを企画していて、そのジャンルのサークルにのみ配布する場合は、見込み数×配布するイベントの回数合計)します。
 まずそれをどっかにメモしておいてね。
 次に、イベント情報サイトに掲載されて請求が来る分を計算。これはどんぶり勘定でいいと思います。
 30枚×掲載した冊数。ジャンルによってはもっと来る場合もありますので、心配ならもう少し多めに設定してもOKです。
 そして、イベントのチラシ置き場に置く分と、貴方のスペースに置く分ですが、上のスペース配布をしたイベントで更にチラシ置き場に置かせてもらえるならチラシ置き場分は100枚×イベント回数。貴方のサークルに置くのは50枚×イベント回数。これもまたジャンルや傾向によって大分違います。
 チラシ置き場の申込用紙は閉場後回収しようなー。
 ただ、勘違いしないでもらいたいのは、通りすがりの方に申込用紙を「どうぞ」と無理やり押し付ける人がいますが、これは逆効果です。自由に取ってもらうようにしておいた方がいいです。一般参加予定の方ならその日時をチェックされるし、サークル参加予定の方ならどうぞと言わなくても持っていかれます。
 スペースに置いたからといって通る方全員がサークル参加の方ではないんですから。

 ここまでの枚数(赤い文字のところ)をトータルしたものが貴方が印刷するべき枚数でございます。ガンバレ。
 ちなみに私は、大体トータルで500枚くらい。これは、定着していて参加者さんが日程をチェックして下さるからこそ出来る手抜きだと思ってください(汗)。最近では県外イベントに参加がほぼ出来なくなっているので枚数もぐっと減りました。

スペース代はどうやって算出?

 その会場で同じような規模のイベントがあったのなら、それに習うがいいと思います。高すぎても低すぎてもまあいろいろと(笑)。貴方がそれで納得するなら自由に設定して下さい。

 でもって、まったく新しい会場で始めるとか、定説を打ち破りたいというチャレンジャーな方のために(笑)。
方法がいろいろと考えられると思うので、私がやった方法を紹介しておきます。これ以外にあるという方は心置きなくどうぞ。

■会場費を募集サークル数で割る■
 単純で分かりやすい方法。私もこれです。メリットは計算が楽なこと。デメリットは、募集数に満たなかった時ピンチだということ(ウチはなんとか…/笑)。

■会場費+パンフレット印刷代金(おおまかに)を募集サークル数で割る■
 これは、パンフレット価格を安く設定したいと言う時や、会場費がまあまあ安くて、募集サークル数で割ってもその地方の相場くらいになるという時に。
 メリットは一般参加者さんがパンフレット価格が安くて喜ぶ。
 サークルさんに1冊ずつ進呈できる。全員購入制にしなくて済む。
 デメリットは、参加費が相場よりも高くなりやすい、パンフレットのページ数・部数が大幅に増えた時に、パンフレット価格をあげなくてはならなくなる。
ちょっと博打気味。

■相場にあわせる■
 その地域のイベント代や前例のスペース代に合わせる。
 メリットは、新規イベントでも参加者さんは違和感なく申し込める。
 デメリットは、総サークル参加費が会場費に満たなかった場合、パンフレット代でその埋め合わせと印刷代・その他の支出をしなくてはならないため、入場者が予想以下だった場合…自腹です。
 あ、これはちょっと番外ですね。

■イベント割引を使う方へ■
 パンフレット印刷代が○%オフとかはいいのですが。無料印刷を引き受けているところがありますね。
 それを使用される方へ、一イベンターの意見として聞いてください。
 どう考えても会場費がサークル参加費でまかなわれていて、余剰金が数万以上ある、というイベントで20ページ程度のパンフが500円とか700円とかで全員購入制だったりすると非常に反感を買います。
 もちろん、地域の相場によるでしょうけど。
 このサービスが適用になるイベントの規模は説明しませんが、某所であったんですよ…。
 確かに赤字を出さないことは大切ですが(ううっ、耳がいてぇ!)、必要以上の黒字を出すのは無意味です。どんぶり計算でもいいですから、軽く計算してみましょう。その算出額に2万程度の幅を持たせてやれば、それほど失敗することもないはずです。

参加者さんに負担させてはいけないこと

 自分の都合でパンフレット入稿が遅れたのに、特急の印刷代をパンフレット印刷代に上乗せする主催者。
 バレないと思ってるんでしょうが、大抵サークルさんは本を出してるから見当つきますよ?イベントパンフだと大抵いくらか割引にもなるはずですしね。
 これは申込用紙印刷代にも言える事です。
 特急かかった分は自腹を切れ。

 また、スタッフとの打ち上げですが。
 企業なら人件費となりますが、昼食・交通費・バイト代(定めているなら)はともかくとして、打ち上げの代金はスペース代・パンフレット代に含めない方がいいです。
 税務署の方でも「必ずしも必要な経費」と認めたがらないので、アレですし…。
 絶対、というわけではなくて、推奨ですので、「絶対お礼がしたい!」っつーんなら止めませんが、参加者さんの中にはあまりいい傾向と受け取らない方もいる、ということは覚えておいてね。

パンフレットの販売価格

 勘違いされている方がいらっしゃいますが。
 パンフレットは貴方の同人誌ではありません。自分のサークルのインフォメーションだとか、フリートークだとか、そういうものは載せてはいけません。
 スタッフさんもそうです。
 あるイベントパンフで、当日注意、サークルカットときて、主催とスタッフのサークルPRに対談、フリートークが載っていて、参加者さんの反感を買っていたものがありました。

 なんつーか、これこれを入れたからページ数が増えた。だからパンフの値段が上がった。仕方がないんだという言い訳は、一番されたくない言い訳です。
 それを入れたのは主催者の勝手であって、参加者には関係のないことです。ましてや「そこのページいらないから値段下げて」って言うわけにいかないでしょ?
 選択できない価格のパンフは作るべきじゃありません。

 お前のトコはどうなんだって言われると、ウチは最初に価格ありきです(笑)。500円という値段は一律のもので、ページ数に左右されません。だったらページ数少なくして儲けてやがるんだろうなコンチクショウという意見もあるかもしれないですが。
 答えは全然。です。むしろ足が出まくってます。

 すいません思い切りずれました。
 結局何が言いたいかというと、納得できる価格にして下さいということです。500円にするなら面白い企画ページを作る、内輪受けのものは除外する、主催・スタッフの「穴埋め」的なページは入れないなど、やれることはたくさんありますよね。
 多少余裕があるなら、サークルさんからCMを募集するとか、パンフにもイベント同様の気を遣ってくださいね。

■マンガをつける…?
 えっとですね。知り合いのイベンターさんから「パンフレットにアンソロジーをつけようと思うんですよ!」という相談を受けまして。
 アンソロジーって、よく店で売ってるやつだよなぁ…(当たり前)と思いながら、「それは無料配布?」と聞くと「違いますよ!パンフにくっつけて1000円で売るんです!」
 もちろん即座に「やめとけ!」と言いましたけど。
 流行ってるとか何とかバカなこと言ってましたが、パンフレットはあくまでもパンフレット。余計な機能は持たせなくていいと思います。アンソロジーくっつけるにしても、パンフ分の価格で販売するならいいですけどね。
 例えば、パンフだけの印刷代が10万、アンソロジーをくっつけると20万になるとします。この場合、参加者さんに支払わせていいのはパンフ代だけ。アンソロジー分の印刷代を一切含まない価格なら、「アンソロなんかいらん!」という方も損しないで済むでしょう?それに「アンソロジー分は価格に載せておりませんので」ってきちんと言えるし(ちゃっかり上乗せしといてこう言うのはイカン!)。
 また実際アンソロくっつけるにしても、オンリーなら幅広く傾向が偏らないように気を配るのも手。
 そういう配慮が出来ないなら作らない。アンソロったって、結局主催側の自己満足に過ぎないんだから、参加者さんに無理やり押し付けてはダメ。
 あと、流行ってるからとか、喜んでもらえるに違いないという思い込みはドブに捨てといて下さい。
 そういうものの見方が貴方のイベントをだめにします。

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