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最後の弁護人

第1話(03/01/15)

なんか医者もの、刑事もの、弁護士ものは定期的に回ってくるような気がしますが、
刑事ものを除いては大抵不発に終わるのは何故でしょう。
弁護士ものなどは特に、映画のようなドラマティックな展開を期待して見る分落胆が
でかいのかもしれません。昔ユースケサンタマリアがやっていた、「弁護士花村なんとか」
というのは最後の最後に展開があって良かったのですが、いかんせん主役に花が
なさすぎました。

さて今回の主役、弁護士有働和明はびんぼーな弁護士です。なんで弁護士が貧乏
かというと単に依頼が来ないだけでなく、国選弁護人を進んで引き受けたりなど、
実は熱血弁護士だったりする場合もあるのであなどれません。
有働さんの場合はいかがでしょうか。

金の取立てに四つ葉銀行からやってきた良子さんは、たまたま有働のところに入って
きた国選弁護人の依頼についていくことにします。いくら何でも一銀行員が、昔は
弁護士に憧れていたからといってもそういうところまでついていくのは、いきなり無茶が
ありすぎると思うのですが。せめて叔父という設定にでもしておけばよかったのに
と思います。

今回の殺人事件の容疑者赤倉は、目撃者の証言及び動機から容疑者としてあげられた
ようです。現場から、赤倉がいつもかぶっている帽子をかぶった人間が出てくるのを
目撃されたこと、被害者の血痕がついた、赤倉の指紋つきのナイフ。まあこんな誰にでも
容易に偽造できる証拠で赤倉を逮捕したのだったら、明智さんではありませんが日本の
警察はよっぽどへぼとしかいいようがないかと思います。今頃、捜査最前線で働いている
刑事の皆さんも「ふざけんな」とさぞかしお怒りのことでしょう。
裁判所も「え、キミこんな証拠で逮捕状出せっていうの?キミ新人?」と言うに違い
ありません。
ちなみに、更生している人間でも何かあるとそういう目で見るのはあまりよろしくないかと
思います。「罪を憎んで人を憎まず。ひとつ 人の生き血をすすり ふたつ 不埒な悪行三昧
みっつ 醜い浮き世の鬼を 退治てくれよう桃太郎」というではないですか。(言いません)

ところで良子さんは何故弁護士事務所に入り浸っているのでしょうか。仕事さぼって
あげく、勝手に弁護を始めてしまうような人間に有働弁護士もとやかく言われたくないと
思います(笑)。つーか須藤さんがやられる役って大体「お前は黙ってろ」といわれかねない
役が多いのはどうしてなんでしょうかね。
ともあれ有働さんは弁護を開始しますが、検察側は何かジョーカーを持っていることを
におわせます。そのジョーカーは、赤倉君が血まみれのナイフを握り締めているところ
を見た証人だということです。これはまずそうですね。

有働は、赤倉を雇っていたおっさんを訪ねます。人のいいおっさんですが、有働は
おっさんが何故か前科のある人間ばかりを雇っていること、何故深夜に人気のない
事件現場を覗いたのかが気になったようです。
確かに、大学出のボンボンより、走ってたやんちゃ坊主の方が車とかバイクに詳しかったり
します。が、コツコツ真面目に学んできた人も沢山いるので、一概にどちらがいいとは言い
切れないでしょう。そして事件現場を覗いたことについては、赤倉君がバイクに乗っていた
ことから、その音が聞こえたような気がすると答えました。
有働はおっさんに尋ねます。
「では、私は人なんか信じない方がいい、に1000円かけます」と。
有働は何か発見したようですね。

散々「サイテー」とか「娘さんにも嫌われてるんですよ」とか口汚く罵った良子ですが、
熱心に下調べを続けている有働の様子を見て見直したようです。がしかし、有働について
いたため住居不法侵入で捕まってしまい、良子は上司に厳しく叱責されます。
まあ当然の結果ですな。
ところでここでも有働はいいところに目をつけたようです。
起訴は終了しているのに何故赤倉の家を刑事が張っていたのか。それは証拠が足りない
からではないのか。
この弁護士、なかなか侮れません。もしかしたら、コナンやハジメちゃん並みの推理力
を持っているかもしれません。そういえば外見に気を遣わなさ過ぎるところといい、女の
子によく「サイテー!」といわれるところといい、ハジメちゃんにソックリです!(いいのか…?)
ちなみに銀行での資金回収はあんな風にはしないので、リストラ用のいじめではないか
と推測されます。

しかし有働の方も手詰まり。弁護士会の神埼さんに会いにいってます。どうやら兄弟
だったようですね。神崎さんはあくまでも公平な立場で、何もヒントはくれません。
「証拠は自分の足でつかむもの。誰の言葉か忘れたわけじゃないでしょ」
何か今後のドラマ展開に大きく関係してきそうな言葉です。
まあお父さんの遺言で、実はお父さんも弁護士をやっていて、その遺志を引き継いで
弁護士になったなどというベタなことはまさかやらかさないと思いますが。

こういう時は現場に戻るのが一番です。
現場で車がどれくらい通るか計測していた有働。13分に1度、という平均を出しました。
そして、事件現場の工場の前を通るのは1、2秒。つまり、犯人がたまたま通りかかった
カップルの車に300分の1秒の確率で姿を見られてしまう。
有働は、そこから「意図的にその格好を見せたのではないか」という推理を導き出した
ようですね。となると、当然、見せて得をするのは誰かということになります。
ストリーキングでもない限り、あまり姿を見られて得ということはないので、この場合は
赤倉に罪を擦り付けたかった誰かということになるかと思います。

おっさんに会いにいった有働。げんかつぎのためと、髪の毛を一本もらいます。お守り
かわりにするためだそうです。
話をしながら有働はおっさんに、疑問点をぶつけます。犯人は何故ナイフを川の中では
なく川原に投げたのか。何故ベッタリと血のりがついていたのか。確かに本当に凶器を
隠したければ正反対のことをするはずです。
そこに、良子に頼んでいた件の連絡がつきました。
おっさんの工場には多額の借金があり、四葉工場から返済を迫られていました。
そして、死んだ被害者には5000万の生命保険がかけられており、受取人はおっさん
でした。
ますます怪しくなってきましたね。
ところがここからひっくり返すには、まだ証拠が足りません。
無罪の少年はどうなってしまうのでしょうか。

おやっさんはいけしゃあしゃあと公判で、赤倉少年を目撃したと証言しました。
ちなみに、公判など裁判で嘘の証言をすると偽証罪に問われます。
ところがここから有働の反論が始まりました。
何故ナイフは見つかったのに帽子は見つからなかったのか。
帽子を捨てると都合の悪い事情があるのではないか。
有働は帽子を見つけてきていました。それの遺留分と、あの日おっさんからもらった
髪の毛についている整髪剤を照合してくれと言います。
おやおや、おっさんの顔が曇ってしまいました。何故でしょう?

ある山の中。おっさんが必死こいて走ってます。
落ち葉が沢山落ちている中をあるポイントを一心不乱に掘りました。
その中から出てきたのは…血のついた帽子でした。
そう、有働はおっさんを罠にかけたのです。さすがですな、どんとこい教授。ちぃ
だったら罠にかけたと見せかけて自分が騙されていたと思います。
ぐちぐちと言い訳をするおっさんに有働は言いました。
「今、ようやくこの言葉の正しい使い方がわかった。あんたは最低だ!」

有働は、最初から気づいていました。
赤倉のバイクの音を聞いたとおっさんが言った、あの時から。
書類をよく読みこんでいた有働は気づいていたのです。バイクはもうないことに。
赤倉少年は大検を受けるためにバイクを売ってお金を作ったのでした。
賭けはおっさんの勝ちだったようですね。少年はちゃんとおっさんを信じていた。
「醜い事実をありがとう」
有働はおっさんに2000円を渡しました。

金が絡むと人間の本性が見えるといいます。そしてそれは、人間としての本質が
試されている時でもあります。
おっさんが、正直に借金のことを働いている少年達に話していれば、それでも何か
突破口は開けたかもしれません。
人の命という、秤にかけてはいけないものをかけてしまった時から、おっさんは
破綻に向かっていたというべきでしょう。最後の弁護人、次回は誰を助けてくれる
のでしょうか。


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