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最後の弁護人

第8話(03/03/05)

 今回はとある殺人現場から物語りは始まります。いっちょ前に指紋を消したり、自分の
持ち物を持ち去ったり、誰かの頭髪を被害者につけてみたりと偽装工作を行っていま
すが、今頃の科学捜査は部屋の中に落ちている汗や短い毛なども簡単に見つけ出す
のでハッキリいって無駄な工作です。それよりも、そこまでの工作をしたことによる
計画殺人は執行猶予どころか、かなり重い実刑をくらう元なのでやめたほうがいいと
思います。
 あと良子さんは、給与を有働に請求する前に、ハローワークに行って失業保険を
問い合わせるべきでしょう。自己退職の場合は3ヶ月は出ませんが、大体もう出る
頃ではと思うのですが。まったく口ばっかりでどうしようもないロバというのは本当
ですね。ちなみに銀行員は給与もいいので失業保険もかなりいいハズです。

 今回の仕事は、被害者岸谷を殺害した容疑のかかっている中野という男の弁護です。
岸谷という女性は山縣という弁護士の秘書をしていたようです。ここで冒頭の男女が
判明します。殺されたのが岸谷。ばかな工作をしていたのが山縣のようです。ちなみに
刑事は、山縣の残した中野の毛髪にまんまと騙されたようですが、恐らく明智警視が
担当していたら5分で偽装工作を見破ったと思います。
 さしずめ、「あんな暴れた跡の無い死体に、ストーカーで逮捕歴のある男の髪の毛が
不自然な落ち方をしていたら、誰だっておかしいと思いますよ。そうでしょう、剣持さん!」
といったところでしょうか。コロンボなら「うちのかみさんが言うには、ストーカーをワイン
でもてなす女性には未だ出会ったことがないってところでしてね」でしょうか。はい、
どうでもよかったですね。

 ちなみに山縣弁護士事務所には丸山弁護士も所属しているようです。これは友情
出演なのか特別出演なのか気になるところです。おおかた前者だと思いますが。

 有働は山縣に会いに行きました。ところが山縣は不穏な発言をします。すなわち、
「中野以外に岸谷を殺す動機を持つ男はもう1人おり、その男は鉄壁のアリバイを
持っている。それは誰にも崩せない」
 有働は尋ねます。「その男は誰ですか?」
 「私だよ。しかしその罪は君の依頼人にかぶってもらう」、山縣はそう言いました。
 アリバイが崩せないとは大した自信ですが、先ほども言いましたように科学捜査は
バカではないので、部屋の中の落ちている毛髪を調べられたら一発ですし、その発言
だけで十分起訴に持っていけます。アホなんですか?

 さて、有働の検証が始まりました。
 岸谷の死亡推定時刻は3時30分ごろ。山縣は2時から一時間控え室で資料を読み、
2時55分から一時間講演。この会場からは被害者の家まで片道30分かかるので
どう考えても間に合わないと。
 でも死んだのは3時30分ごろなので、その前の一時間で殺害(というか致命傷)して
帰れば間に合うということもあるかなと思ったのですが、3時には友人と話をしていた
ことが判明しているそうです。うーむ…。
 岸谷と電話で話をしたという友人によると、かかってきてすぐ岸谷のところに訪問客
があったとのことで、電話はすぐ切られたとのことでした。それも録音ではなく本人の
声だったとのこと。

 となるともう一つ考えられます。
 冒頭の場面は彼が偽装工作だけしている場面であり、ひょっとしたら犯人は誰か
別にいるのかもしれません。こうまで鉄壁のアリバイがあるということは、犯人かもしくは
共犯者がいるということを疑うのが普通です。と、どっかの本に書いてありました。
頑なに自信を持って自分が犯人ということは、訴えられても証拠不十分で不起訴になる
ということを知っていなければ出来ません。本当にやっていて「自分が殺した」という
のならともかく、やっていないものをやったと言い張っている場合はどんなに優秀な
検事でも有罪にすることは出来ません。

 ところが山縣は気になることを言います。3時ちょっきりに岸谷から電話がかかってきて
「家の外に岸谷が来ている」といわれたというのです。携帯に通話記録がない、と有働
が異議を言うと家の電話から、と検事がいいます。くっはー、先週神崎さんに叩き
のめされたもんだからってこの女。後頭部にマヨネーズでオバケのQちゃんとか、
「謎はすべて解けた」とか書いてやりたいですな。
 山縣は家から出るなと言って切ったと証言しましたが、それはおかしいですね。中野
はどうやって家の中に入ったのでしょうか?彼女がドアを開けるなどということはありえ
ませんし例え「何もしないから」といわれたにしても、前科があるわけです。警察も呼んで
いませんでしたし、それはちょっとおかしいのではないでしょうか。
 山縣の証言について異議を唱えた有働ですが、「(証言がウソだというのなら)私に
悪意があるということを君は証明しなければならない」と言われて答えに窮してしまいます。
正論には正論を。まあこういうのを「ああいえば上祐」と言ったもんですけどね、昔は。

 ちなみに山縣は、弁護士は大変な職業だ、世の中の役には立たないと言いますが、
それは間違いです。裁判官の方がもっと大変です。常時100件〜200件の裁判を
抱えていて、酒に酔うと秘密を口走ってしまうので満足に外で酒も飲めない、退職金
だけが楽しみという人が多いです。裁判官席で居眠りこいてしまった人もいるくらい
です(実話)。
 
 博士が気を紛らわせるために見せてくれた手品。そこから有働はヒントを見つけ
出したようです。
 えーつまり、右手にあったはずの写真が左手に移動している。コツは、左手から
注意をそらすために右手を大きく、いいですか、大きく振り回すこと。んふー、これなん
ですねー。古畑任三郎でした。(番組も局も違うだろ) 

 まずは床に割れていたワイン。被害者の生まれた年のワインでありかなり高価な
ワインでしたから、中野が買ったのでないことは確かでしょう。次にワインはあっても
グラスやオープナーはなかった。ということは「誰かに見せる」ために出してきたと
分かります。
 そして次に電話。友人に携帯でかけたのに、次に山縣にかける時は家の電話から
かけている。それはどういうことか。つまり、家の電話からかけたのは岸谷ではなかった
ということになります。
 カッとなり岸谷を殺害してしまった犯人は我に帰ってオロオロし、山縣に電話をかけた。
そして山縣は犯人に家に帰るように命じ、講演が終わってからアリバイ工作にかけつけ、
有働には犯人から目をそらすために自分が犯人だと主張し続けた。
 これが真相でした。
 そう、真犯人は山縣の奥様でした。では何故奥さんは平然としているのでしょうか…?

 つーか殺された岸谷もたかがワイン1本で勝った気になるということは、相当のアホ
だったということですね。ハッ、顔がちょっといいからって何様やねん。性格悪かったら
何にもならんわ。人を愛してるという基準が金に換算できるかばーか。
 
 山縣は奥さんが余命半年であることを有働に教えました。脳が悪性腫瘍におかされて
いて助からないのだそうです。そのせいで記憶に欠陥が生じ、30分前のことを忘れて
しまうのだそうです。つまり殺人を犯したことさえも覚えていないのです。
 山縣は最後に、有働に弁護の依頼をしていきました。「君は弁護士だから」というセリフ
とともに。

 愛人にうつつを抜かしたために妻の病気に気づかなかった男。人は取り返しのつかない
状態になってから何が自分にとって大切だったかを知ります。それはとても愚かで、悲しい
ことです。
 最後の弁護人、次回は誰を助けてくれるのでしょうか。


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