多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページドラマ&もろもろの感想→乱歩R


乱歩R

第2話(04/01/19)

 いやあ見ようと思って再生したら、ミルモでポン!ごぉるでんが録画されていてビックリ
でした。ええ、単に私がちょっと見ようと思って乱歩Rの後に録画してたんですけども。
 そんなこんなで第2話です。

 呪いというものはこの世の中に存在するのでしょうか。昔、くそ分厚い小説ブームの先駆け
を作ったかの京極夏彦氏は、その物語の中で主人公にこういわせています。「呪いという
ものは、相手に言葉が伝わって初めて効果を表すものである。よって理解されないうちは
呪いとは何の意味も成さない」
 確かにその通りかも知れません。たかだか呪いをかけただけで死んでちゃ、私なんかもう
108回は生まれ変わってます。(それは煩悩の数では…)

 今回の依頼は吸血鬼に狙われているという女優、やなぎしずこ。名前がワカランので
サイトで調べよ思たら女優の本名?の倭文子しかわからなかったので、倭文子さんでいきます。
(倭文子でしずこって読むんじゃねーのか?)
えーそのしずこさんである倭文子さんは(ややこしい)2年前に百合子さんという人と、演劇の
主役を争い、んで負けた百合子さんが舞台初日に焼身自殺を図ったとか。「吸血鬼は私の
もの、誰にも渡さない」だそうです。
 金田一のもっとも有名な話である(マンガ、小説といろいろ出たので)「オペラ座館」の話と
似ていますね。「私はオペラ座の怪人…」というあれです。いやはや、あの場合は実力の
あった女性がそれをねたまれて…ということでしたが今回は、自分が主役を取れなかった
あてつけで自殺ですからねぇ。怖いものです。テメェの実力がたんないのを人のせいに
しちゃいけやせんぜってんで。ただこういうのは大抵後になると実は殺されたんだとか
その狙われてる方に原因あったりとわかってくるもんなんでうかつなことはいえませんが。
(なんかこの段階でえらい物語の本心を突きまくったような気がします)

 んでなんか1年前にもこれをやろうとしたら亡霊が出るだの劇作家が死ぬだのあった
ようですね。まあここまでくりゃ呪い以前に生きてる人間の仕業だろってもんでやんすが、
やっぱり倭文子さんもそう思っていたようで、犯人探しの依頼をします。
 さてこっからはそろばんはじきの名人、所長の出番でやんす。依頼人の足元を見てジッ
ちゃんの名にかけて高い依頼料金をとって、依頼を引き受けることになります。こいつ
いつか殺されるぞ。

 すぁて現場にやってきた明智君。
 演出の馬場さんを紹介されたものの、その後やってきたエリカっちゅー女性と倭文子が
火花を散らすのを見てハラハラ。エリカが吸血鬼の衣装をまとっていたこと、何かあった
時に代役とさせることを馬場が勝手に指示していたのが気に入らない様子。まあこの
世界では珍しくもないことで。ちゅーかそれで犯人が間違えてエリカ殺してくれたら
バンバンザイやんとか思うんですがダメでしょうか。
 ともあれ「オペラ座の怪人」が誰なのか、突き止める必要がありそうです。

 ところがどっこいいきなり事件が。部屋に入ろうとした倭文子さんのマネージャー?だかの
玲子さんが火達磨になって死亡します。
 どうも部屋に仕掛けがしてあったらしく、堀越刑事を前に明智君はその仕掛けを説明
して見せます。要するに風船に入ってた灯油を引っかぶってそれに引火するように
なってたと。
 いやーどうでもいいんですが、このトリック考えた奴出て来い。灯油にこんなに簡単に
火がついたらガソリンいらんのじゃ!その灯油がグラグラに煮てあって熱湯のようになって
いたならともかく、普通に入れてあったのならこんなことにはならないんですが。それやったら
そこここで灯油による火災が起きるわ!
 
 まあかっこよく仕掛けを見抜いたものの相変わらずへっぴり腰な明智君。倭文子さんと
部屋で今後の話し合いです。ちゅーかこんな事件があったくらいで呪いはあるんだって
簡単に思い込む倭文子さんが理解できません。どう考えても生きてる人間がやったに
決まってるやん。呪いやったら灯油なぞという、発火しないもので仕掛けを作るとは
思えません。
 はっっ!発火しないはずの灯油に火がついたということはやはり呪いなんでしょうか?
(そこ、あまり深く突っ込まない)

 そんなこんなでのほほんとしているところに、明智と倭文子に襲い掛かる包帯の人物。
ちゅーか、部屋の中を確認しないで入る明智も明智ですが、2人の説明がきりのいい
ところに行くまで待ってる方も方だと思います。
 ちなみに、クロロホルムでああやって人を失神させるにしても、一歩間違うと永遠に
失神させてしまうので、素人の方は間違ってもクロロホルムで人を失神させようとは
思わないことです。

 さて気を失った倭文子が目を覚ますとそこはマスクマジシャンのステージ!であるわけは
なく、振り子の先に刃のついた怪しい部屋でした。つまり振り子が降りきると肉体まっ
二つという、今時三流マジシャンでもやらないような時間のかかる方法です。大抵
この刃が降りるまでに助け出されたりして事なきを得るのがセオリーですが、この犯人、
自分は大丈夫とか思ってるんでしょうか。
 というかこんなもん用意してるヒマがあったらその場で殺せばええやん。アリバイを
稼ぐためのトリックにしてもこんな大きなものやったらいずればれますよ。

 倭文子さんを探している間に百合子の亡霊を目撃したりとかしていますが明智君。
「百合子さんの亡霊だ」と言い切る前に、本物の亡霊はわざわざカーテンを頭下げて
よけたりはしません。
 あと明智さん。刃を止めるスイッチを探す前に、その刃を支えている棒を折れば
済む話なんじゃ…?こういうのはえてして横からの力には弱いものです。まああとは
何か固いものでつっかえ棒をしてやれば振り子運動は止まるだろうとか突っ込みどころ
満載なんですが、まあとまりゃそれでいいかと。
 そんなこんなで何とか倭文子さんは助かりました。
 
  さて事務所の方では、受付のねーちゃんが「私犯人わかっちゃったんですけど」と
某ドラマのモロパクリをやっています。小林高年は不老長寿の薬を作ってるだのと、
この事務所の結束力のなさこそ日本一だと思います。
 そこへ所長の鶴の一声!「5たす5はいくつですか?」
 この事務所とっととたため。

 追伸、堀越刑事へ。あなたは3人の客とホテルの従業員と支配人のトリックに騙される
人です。(1人1000円ずつ払ったところ、500円値引きしてあげなさいと言われ、従業員
が200円パクり、300円返した。で、1人900円支払った計算に。ということは2700円の
支払いになる。では従業員のパクったお金200円を足してあとの100円はどこに?って
やつです)

 さてどうでもいいことをやっているうちに劇の練習が始まりました。おおっと、またもどこかで
見たようなトリックで今度はエリカさんが殺されてしまいました。劇で使う剣が本物と
すりかえられていたというトリックです。うわぁ典型的なトリックですね。最早犯人は、
金田一少年の事件簿を全巻読破してからトリックを考えたとしか思えませんが、明智警視
や高遠さんが聞いたら青筋立てて怒りそうなショボさです。高遠さんなら恐らくこの舞台上で
ミナゴロシくらいやってのけるでしょうが、それでは全員いなくなってドラマが終わってしまい
ますので、やはりここはショボい犯人でよかったのかもしれません。

 えーなんか皆がいないところで馬場が勝手に話を進めています。
 タケナカという男が昔いて、それが百合子に片思いしていて、百合子は岡田という作家
にほれて、その岡田が百合子のために吸血鬼という物語を書き、それを倭文子が奪った
と。いやあものの見事な一方通行の嵐。
 その傍ら、堀越刑事が、昨日倭文子がさらわれた現場に書いてあった鏡の文字が、
百合子の筆跡と一致したという情報を伝えてきました。さあ面白くなってまいりやした。
これはもう百合子は生きていたかもしくは、もともとの百合子の筆跡が誰か、今生きている
人間のものであったと見るべきでしょう。所長の言葉が蘇ります。
「目に見えるものだけがすべてではないんだよ」

 で、倭文子相手にぐだぐだ言ってた馬場が犯人であったことが判明。ちゅーかですね、
自分でべらべらしゃべっちまうのもどうかと思うんですけど。高遠さんに事件の脚本を
依頼してたらまず間違いなく毒殺されてます。
 あと明智君は、毎回毎回のことですが、犯人を問い詰めに行く前に武器を持つか、
堀越刑事に連絡してから行くこと。
 つまり馬場は、シークレットブーツをはいて身長をごまかしていた、と。でもって百合子の
亡霊を演じていた、と。
 …まあ…普通は打ち上げとか部屋にいったりとかでブーツ脱いだら明らかにバレバレ
やんとか、そんなに身長かわるほどの高さのあるブーツって、どんなんやとか、で、結局
百合子の筆跡はどないなったんやとか突っ込みどころはありますが、ともあれこれで
チョン、と。
 あと日テレさん。犯人がいちいち自殺するところまで、金田一をマネしなくていいん
ですよー?

 明智君は最後に倭文子に対し、実は舞台の上の剣が本物とすりかえられていたのを
知っていて、わざと百合子の亡霊を目撃したといい、倒れてエリカと交替し、難を逃れた
のではないかと言います。
 ただそれは別に法に触れることではありませんし(わざとじゃないって言われてしまえば
どうにもならないですし)、まあこんな利己的な人間なら当然の行為。
 ちゅーか最後に後味悪い終わり方せんで宜しい。こういうところは流石は江戸川乱歩の
名を冠しているだけはあります。


多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページドラマ&もろもろの感想→乱歩R