多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページドラマ&もろもろの感想→おせん


おせん

第1話(08/04/22)

 全体的に悪くはなかったかと。
 蒼井さんのイメージも、「まあまあ表せてるんじゃないですかね?」と思いました。
結構厳しく評価するつもりで見てたので意外。この先もちょっとばかし期待できますね。
 あと、江崎グリコさんはさすがにネタとして使えなかったかー(笑)。ドラマの中の
あだ名はよっちゃんさんになったようです。
 この江崎の性格付けも、原作とがらっとかえたところはいいと思う。この方が何かと
おせんさんのすごさを前面に出しやすいし。料理人を目指してるという設定の方が。
 というわけで第1話はなかなかでした。
(気のせいかも知れませんが、中国産食品についてチクチク皮肉が入っていたのも
気に入った)

 ドラマは、英語のナレーションで始まります。
 いわゆる、日本の食の文化について。
 まあ確かに、今の日本では料理道具がなくても飯が食えるってのは否定できませんわな。
キッチン使ったことがない、包丁・まな板がない家庭もあるそうだし。

 で。
 そんな東京の下町に我々は一軒の料理屋を見つけたと。
 …っておーい、一升庵のかまど新しすぎるぞコラァ。っていうか何このかまど。こんな
タイル?でできたかまどわたしゃ初めて見ましたよ。私が見せてもらったことあるかまどって、
例えれば黒いかまくらの上にかまどがのってる、みたいな形なんだけど。
 あと、看板の一升庵の文字に勢いがたりねぇよ。
 まあともかく、一升庵登場です。

 一方で、「ジャパニーズレストラン」みたいな感じの料理屋で、忍者の格好したやつが
外国人の前で刀抜いてそれで料理に火をつけてる。…ああ、斬新だか前衛料理とか言う
やつですっけ?
 このチャラチャラしたのが江崎グリコさん。
 なんか、俺は時代に流されない本物の料理を目指したいんだとか言ってます。
 時代に流されたくないというわりにはお前茶髪にしてるよな。
 つか、オーナーにも指摘されてたけど、自分が目指す「本物とは何か」が語れないなら
簡単に「本物」と言うな、というのは合ってると思う。
 ここの料理が本物じゃないのはともかくとして。

 で、一升庵を目指してるわけですが、江崎の前に珍品堂さんが出てきた。
 うーん…なんつーか無駄にエネルギッシュ。いいけどさぁ。私は原作の、どっしりかまえてる
珍品堂さんの方が好きではありますが、渡辺さんが作り出す新しい珍品堂さんも悪くないと
思いました。どちらかというと渡辺さんの珍品堂さんは、「きりきり亭のぶら雲先生」の壺中堂
さんのイメージがあるな。いやあそこまで下品ではないけどさ。
 そのころおせんさんは朝っ風呂。たび脱ぐの忘れてるのは1巻のエピソードだっけ。
「おや、くつしたさんまで朝風呂たぁ…」みたいなのが出てくる。
 ここでオープニング始まるんだけど、なんかごっつかっこよかった。下手に和を前面に押し出して
ないし、アンバランスな感じで。
 ところでこのオープニングのおせんさんの後ろで江崎がぶっ飛んでたんだけど、あれは何
ですかね。空も飛べるはず〜ですかね。(違うと思う)
 おせんのおっかさんは由紀 さおりさんか。こりゃまた別の意味で迫力ありそうだ。
 あとタイトルの文字はやっぱ作者さんですかね。あの独特の字、好きなんですけど。

 それとこのドラマのスポンサー様。
 せっかくだからCMも和物で統一してくだせぇ。それが粋ってもんでさぁ。

 で、たどり着いた江崎は、ここで初めておせんさんに会うのですが、昔おっかさんに会ってる
ので「この人が今の女将?」となんつか、がっかり半分見下し半分みたいな気持ちを持った
みたいですね。
 あと、「時代に流されない料理を作りたいんです」「それぁどんな料理で?」「ス、スローフード
とか…」「すろぉどうふ?それはどんな豆腐ですか?」これは笑いました。13巻ネタ!私これ
すごい好きなんですよ。あ、この会話じゃなくて、13巻のスローフードエピソードが。

 おせんさんにOKもらった江崎は料理場…調理場?に行くのですが、ここの態度がもう
なれなれしくてむかつく。
 あ、それとここで、おせんが酒をのんで「ぷはー」とやってるシーンがありますが、お酒を
口に入れてから「ぷはー」のアクションがちょっと早いので、もう0.5秒タメた方がいいんじゃ
ないかなと演出でもないのに勝手に思ったりしました。(作文)
 そのあとおっかさんに「すろぉどうふ」について聞いてますが、おっかさんは「それはスローフード」
だ、とさすが。んで「原稿〆切で人待たせてるから」と言うんですが、「おっかさん、さっきあわび
って聞こえたでやんすが…」「ガチャッツーツーツー…」これは笑える。
 ここも13巻ネタですね。そう、おっかさんはあわびで酒盛りの最中。さすがおっかさんの方は
酒の飲み方でも演技うまいなぁ。

 そんでもって、せっかく板長の清さんが書きあげた献立なのですが、朝寒かったことから
おせんさんが、「大根はふろふきにしやしょう」と提案、皆は異議を唱えるでもなく「へい」と
従うんですね。
 江崎が「大根切ればいいんですね」とさっそく腕を見せようとするのですが…。1回切っただけで
「もういい、おいまわし(雑用)をやってくれ」と清さんに止められます。
 まあ指輪はめた手でやってちゃあかんわな。指輪は雑菌がたまるもとだからプロなら一番
気をつけるとこですよ…。
 んでもって、ふろふき大根のエピソードが出てきます。1巻のエピソードだっけか。
 面取りもしない大根に、頭とワタをとらない煮干の出汁。
 江崎は「何手抜きしてんだ」と文句言ってます。
 しかも、5時間、わさかないように煮こめと言われた大根を、勝手に強火にしてわかしちゃった。
それを見た清さんは「この大根はまかないに回せ。ふろふき大根作りなおしだ」と。
 江崎は「ちゃんと火は見てたのに!なんでこの大根がダメなんだ!」と文句言ってます。
 おい、だれかこいつ放り出せや。
 言ったことさえできてないからやり直しになってんだろうが。

 どこの職場にもいますけど、「自分は出来るから」とその職場で指示されたやり方を勝手に
変える人大嫌いですね。そりゃ保守的なやり方の方が効率悪いということも時にはある。
けども最初からやっちゃダメでしょ。
 そのやり方は間違ってるのか正しいのか、まずは教えられた通りにやってみて、それから
納得いかなければ自分のやり方を提示してみればいい。結果を見ずに「ムダだから」とやり方
変えることこそ最大のムダ。

 営業終わってまかないで、大根がたくさんでておせんさんはおお喜び。
 ところが、煮崩れた大根を前に江崎は、「面取りしなかったから煮崩れたんだ、俺は悪くない」
みたいな生意気なこと言ってます。
 誰かこいつグーで殴れ。
 この前のシーンで、営業中にふろふき大根が出て、それはぴーんと面が張ってて箸でさくりと
崩れる、それはそれは立派なものでした。手順を守ったからこそこういうのができるんだけど
江崎見てないからなぁ…。
 で、そんな江崎におせんさんは言います。
「面取りも立派な手間。しかし出たゴミはどうします?同じ手間なら最後まで使い切る手間を
選ぶでやんす」
 
 さて。
 お多ふくで珍品堂さんと合流したおせんさんは、水桶を買わないかと持ちかけられます。
おおおっこのエピソードもやっちゃうんですか?第1話、贅沢やのぅ!
 
 一方江崎はというと、住みこみの部屋が留さんや健太と同じだったことで文句たらたら。
しかも給料が月5万と聞いてもう後悔してます。
 なんていうか、まさに現代の若者そのまんまって感じですね。
 本物とか人とは違うものを求めるクセに、環境が整っていないと文句を言うってやつ。要するに、
三食勝手に出てきて自分はソファーに寝そべりながら本物を目指す、というのが当たり前だと
思ってる。んで認められないとすぐくじける。
 本当に実力を磨く・発揮しようと思っている人はいちいち「本物、本物」と口に出して言わず
とも、しっかり努力していますがな。
 まあともあれ、文句言ってるところにおせんさんが恐ろしい顔で現れた!…と思ったらバッタリ
倒れ込んだ。また酔っ払ってるのかおせんさん!

 翌朝。
 野菜の収穫。
 井戸水で手がつめたいとか言ってるけど、冬暖かいのが井戸水ですぜ。前に、井戸水使ってる
ところで、冬に触らせてもらったことあるので間違いない。
 まあそれはいいんだけど、一方でおせんさんは珍品堂で水桶買ってました。
 200万。
 この「一目ぼれ!」のエピソードも好きなんだなぁ。
 ただちょっと気になったのは、この水桶作りが甘いっていったらいかんけど、もうちょっと
こう、作れなかったのかねというか。
 ともあれ、江崎の目がボンクラなのは原作通りでおもしろい(笑)。
 水桶とおせんさんをリヤカーに乗せて帰ったら、配達してもらったはずの自分の荷物が
なぜか服だけ。
 で、おせんさんに「うちに合わねぇでやんすもん」とあっさり言われ、かわりにお箸とお茶碗を
もらいました。
 ここはあっさり流されてたんだけど、もっとお箸とお茶碗のエピソードもやってほしかった…と
いうか、これは次回に持ち越しかな。あまりあれこれ詰め込んでも話の流れが悪くなります
しね。
 それともうひとつ気になったのが、「水桶運んで下さいね」といって立ち去っていくおせんさん。
ここは自分で運ばなきゃ。
 惚れて惚れぬいたものを他人に「持って行っておいて」というおせんさんではないですよ。
これはちょっと気になりました。ここまでこだわってほしい。
 
 あと庭のセットも「セットです!」ってのが丸わかりで気になる。
 植物が青々としすぎ。茶色系が足りん。こんなところにあの水桶おいたら浮いた景色になるでしょ。
(ラストあたりではいじられてましたが)

 一升庵に以前、ふろふき大根を褒めてた木下さんという人がお客さんつれて来ていました。
 桜井って人だっけ。桜井というとどうしても「最初に言っておく!俺はかーなーり強い!」を
思いだすんだけど。
 ともあれ、この桜井という女性は電子レンジクッキングのカリスマで、ここの一升庵の料理を
「レンジでもこの味は出せる」とバカにしまくってます。
 はぁ。じゃあやってみておくんなせぇ。かける手間をおしまずコトコト作った料理がたかが5分や
そこらチンして出来るものかどうか。
 別に電子レンジ料理が悪いとは言わないけど、人の料理をバカにするのは違うでしょう。
 
 あ、それともう一人。江崎が前に勤めていたレストランのオーナーもきてました。
 で、江崎を呼んで恥かかせてるし。うわーウザッ。
 しかもこの豆腐の大豆の産地を聞いて、おせんさんが「さあ」と言ったことに対して「豆腐の
素性もしらないとはねー」と。
 ああああああ分かってはいるんだけどイライラするぅー!
 その豆腐の大豆の産地がわからなくてもな、ビシッとした職人さんが作っていて、その職人
さんの腕が信用できるなら困らないんだよぉって言いたい!
 作る人が信念持ってりゃ聞く必要知る必要はないんだと。

 さてと。
 そんなことをよそにおせんさんは、木下さんに、桜井との料理対決をしてくれと頼まれます。
もうチラシも作っちゃってるということで、断るという選択肢はありませんわな…。
 一方で江崎は、おせんさんに「この仕事をやめたい」と。はやっ。
 結局一升庵の料理を表面でしか見てないわけですね。
 時代おくれと切り捨ててるし。
 はぁ、ま、そんな目しか持ってないならやめていいんじゃないですか?

 というわけで料理対決の日がやってきました。
 会場に案内されたおせんさんは、レンジが珍しくて、よりによって金属のバットに卵入れて
レンジでチンしちゃったー!それ爆発する条件そろいすぎー!
 桜井は「レンジもまともに使えないの」とあきれ顔。
 使えないんじゃない、使う必要がないんですよ、桜井さん。

 気になって会場に江崎もやってきましたよ。
 シズさんに見つかって「また大根5時間煮るんですか」と聞いて殴られてる。お前はアホか。

 おせんさんは割烹着で登場!かっこいいー!
 でも会場の主婦からは「いまどき割烹着?」とバカにされてる。
 あんたら割烹着のありがたさ知らないでしょう。
 着物が当たり前だった昔は、割烹着で袖口が邪魔になったりしないようにしてたの。
日本の母といえば割烹着ですよ。サザエさんの母、おフネさんだって割烹着着てるでしょう。
 まあともかく、ここの観客は桜井の味方っぽいですねぇ。

 対決のテーマは、残りもののひれかつとかあげものの調理。
 ホームパーティして残ったもので調理という設定らしいです。
 よくもまあこんな揚げ物ばっかり食ったな。

 ま、桜井は手早く作って感心されてるわけですが、おせんさんはマイペースでゆっくり。
 包丁でトントンとネギを刻む音に思わず会場も静まり返ります。
 それで評定はというとものの見事に2対2に割れました。木下さんが両方に入れたため。
 うーん…まあテレビ的に電子レンジを否定できないからでしょうね。スポンサーの関係とかも
あるし。
 ただここは桜井さんも一応ほめた上でもっとおせんさんを褒めてほしかったな。
 どっちつかずみたいな状態で終わってしまって、いまいちスッキリしない。
 でも、「時間を節約したいのは、料理を作る側の理屈なんだな。私は(時間がかかっても)待てる」と。
 これはいい言葉です。
 時間を節約するのが悪いことではなく、時間をかけて作ることもまた料理の醍醐味であると。
 よく、作るの2時間食べるの3分、なんてことを皮肉で言ったりしますが、それでもいいんじゃ
ないかなと思いますよ、私は。料理はこさえたて、時間をかけて冷めたものを食べてもうまくない。
あっつあつをかっこんでもいいんじゃないのかと。
 
 キッチンでおせんさんの作った料理を食べた江崎は、おそらく、「時代おくれ」と切り捨てた
自分の間違いに気づいたと思います。
 そしてそこに木下とシズさんが入ってきて、「本当に食べる人のことを考えていてくれていた
のはおせんさんなんだな」という会話を聞きました。
 んで、ロビーにいたおせんさんにそれを自分の言葉として話すのはちょっとどうかなって思い
ましたけど。まあこれくらいの問題児設定の方がいいか…。
 そういうわけでおせんさんに頭を下げて、江崎はまた戻ってまいりました。

 一方、豆腐の産地の話は、ちゃんとお店に行ってたしかめてました。
 季節や天候によって原材料の豆の配分を変えていること、自分達にはこの豆の味はわから
ないけど、職人さんたちにはわかっているということ。
 こさえた人の腕と人柄を信じられれば産地は知っていなくてもいいということ。
 それが一升庵の心意気。

 戻って来た江崎は、ふと庭に目をやります。
 そこには、まるで何十年もそこにあったかのように鎮座まします水桶の姿が。
 一升庵とおせんの深さを彼が知るのはまだまだこれから。

 次回はお味噌の話ですね。
「くいもん屋がくいもんで不精しはじめたらおわり」
 さて一体どれほどの企業さんが反省してくれることやら。


<本日のお品書き>
・特製 割り下ソースカツ丼
・海老天茶漬け
<本日の一升庵>
「同じ手間なら最後まで使い切る手間を選ぶでやんす」



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