多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページドラマ&もろもろの感想→おせん


おせん

第3話(08/05/06)

 正直今回の話は途中まで見て「どうかなー」って思ってました。勝手に原作の流れを
変える理由がわからないし、原作の情緒がまったくなくなっちゃったなーと思って。
 ただ、最後へ向けて締めていくのはそんなに悪くなかったので、ギリギリなバランス
ではありましたが、良かったと思います。

 一升庵がある季節になると出すのぼりがありました。
「とろろめし」ってなもんで。
 どうしてこれだけ特別にのぼりが出るのか、誰も、おせんさんでさえも知らない。
 からかわれておせんさんは、「わっちにも知らないことは沢山あります。自分のおとっつぁん
も知らないくらいですから」。
 うっわ、モロ伏線きた。
 っていうか確かに原作でもおとっつぁん出てこないなぁ。どうしたんでせう。

 一方でグリコさんは…あ、違う江崎ですね。彼は定食屋さんっぽいところで、たこひきの竜
なる人物と話をしています。
 今回のエピソードは8巻です。
 私はやっぱり原作の方がおせんさんもその他のキャラも素敵に描かれていると思うので、
ゼヒ一読して欲しいと思います。
 ともあれ、竜は江崎にさんざん自分の包丁の腕を自慢しているんですね。
 刺身用の包丁を特に「蛸引包丁」と言うのだそうですが、蛸引きの竜と言われたように彼は
この扱いにたけていたと。
 しかし江崎ここはピシャッと、技自慢の人は所詮二番手でしょうとやりこめます。
 えらいっ、おせんさんからの全部受け売りだがよく言った!

 しっかしこの竜、金を持ってないのか、トイレに行ってくるといって食い逃げ。当然支払いは
江崎持ち。
 怒って「3000円」と叫びながら追っかけるのですが、竜に逃げられてしまいました。
 えー竜さんへ。
 蛸引包丁振りまわしてる時点であーた、殺人鬼と同じです。
 普通に銃刀法違反でしょうに。
(料理人といえども理由なく包丁を持ち歩くことはできません)
 まあ一升庵の名前を聞いたら顔色が変わったので多分過去何かあったのでしょう。
どう見てもおせんさんの父親ではないと思う。

 翌日江崎は愚痴ってるんですが、竜の名前を聞いた清さんは反応。えーっシズさんじゃ
なくて清さんの方かよ。
 でもっておせんさんは大女将に電話で聞いてみてるのですが、クビを突っ込むなと言われ
ます。
 自分の父親ではないかと思うおせんですが…。

 で。
 従業員の冬子ちゃんらが話してるのですが。
 そこのバックに写ってるコミックスがどう見てもライバル社のものだったんですがいいん
ですか講談社!集英社と白泉社だったぞ多分。一瞬だったからちょっと自信無いけどさ…。
ここはぶら雲先生とかおせんとかを並べておくくらいの演出は欲しいところです。
 ともあれ、おせんさんは江崎を呼んで何やらお願い事を…。

 おせんさんは江崎に頼んで、昨日の食堂に行ってるんですね。ただ彼女は竜がここで
働いていると勘違いした様子。これは江崎の言い方が悪いわ。
 で、まあたまたま見つけたんですが、逃げ出したんでおせんさん、とっさに「おとっつぁん!」と。
そりゃねーべ…。

 昔のモノクロ写真には、竜と大女将その他のメンツが並んで写っておりまして、これを見て
おせんさんはおとっつぁんだと。おめ、そりゃ早合点しすぎだんべ。
 そこで竜は、昔は一升庵の看板だった、と新聞記事を見せてくれます。
 ところが飲み屋でケンカを吹っかけられてケガをし、包丁を握れなくなった、そうしたら大女将が
あっさり放り出したと。10年こき使って退職金も出さないんだぜ、と。
 そして清さんを次の板長に抜擢したと。
 確かにそう聞けばおせんさんならずともひどい話だと思います。
 ただ、目利きの大女将がそんなことをするだろうかと。絶対何かありそうだなと思うわけ
ですよ。

 珍品堂がやってきてご飯食べてるシーンがあるんですが。
 えーっとお茶出してるのは誰だこれ。
 出し方間違ってるよ。
 お茶を手前においてテーブルの上を引きずって(押しやって)相手に出してはいけません。
 テーブルに傷がつくから。
 基本は点から点への移動だろうがぁ!何をしとるか、天下の一升庵。作法の先生は演技
指導してないんですかい?
 あかんよ、あんなことしたら。
 ともあれ、おせんさんがとろろめしの、のぼりの話をしているところに竜から電話と。
 
 おせんは嬉しそうに何かの支度をしています。
 とめさんかな、聞くと「野点の酒だ」と。おおーっいいですなぁ。おせんさんの作ったお弁当で
野点の酒、すんごい粋な感じがする。
 そういうわけでおせんさんは楽しげに出かけてきたのですが一方で江崎。
 秘密を共有しているというのが楽しくてたまらない様子で、おせんさんを「おせんに『言わないで』
って言われたんで」とか呼び捨て。
 おいっ清さん、包丁だ!包丁持ってこい!
 ちなみに江崎、大女将に鰹節でしばかれました。大女将、それは痛い。小さくて身がしまって
そうなだけに痛そう。

 おせんさん、なんと七輪も持参。そりゃ大荷物になるわけですな。
 でも、魚を焼きつつもう一方の七輪では酒をお燗に。うっわこれいっぺんやってみたいな。
かっこよさそう。もう寒い時期は過ぎたから、秋から冬の入口くらいのところでやってみたいかも。
…人目もあるから庭とかで。
 しっかし七輪さんはえらい!お燗もできちゃうんだー。
 話がそれましたが、おせんさんを見て竜は、「女将(大女将)は手を動かさない奴だった」とか言って
おります。その分目が利くんだよ。わかっちゃいない。
 そこへ大女将がやってきて、「うちの娘騙して楽しいか」って言ってる。やっはり父親でもなんでも
なかったんですね。
 でもおせんさんはウソとわかってたみたいですね。
 新聞の切り抜きが昭和58年の日付になっていて、自分が生まれる2年も前だったから、時期的に
ありえないと。うっわここでおせんさんの年判明したんだけどいいのかな。私は年齢不詳の方が
よかったけどなぁ。
 ともあれ、おせんさんは、お詫びの代わりにしたことと言うのですが、大女将はわびをしなきゃ
ならないようなことは何一つしてないとキッパリ。
 包丁がないと働けないなんてとんでもない、と。
 これはぜひおせんさんに言って欲しいセリフだったなぁ…。

 しょぼくれてるおせんさんに、物影から見てた江崎が出てきてフォローしようとしてるのですが、
もううざいこいつ。なんでこんなに空気読めないの。鬱陶しい。

 お風呂からあがったおせんさんに、シズさんが昔のことを話してくれました。
 竜が一升庵にいたころは、味は二の次、見て美しい料理というのが主義だったそうです。
 しかし、噂が広がって一見さんはやってくるものの、味は大したことないと、なじみにはならず、
逆に常連客の足が遠のく有様。
 確実に一升庵は危機へと向かいつつあった。
 そんな中で大女将は決断したのです。
 清さんを板長とし、これからは技は第二義、客の魂に伝わる味を第一義とする、と。
 つまり順序が逆だったわけです。
 これでやさぐれて腕を怪我し、酔っ払いと大げんかして運ばれた病院から姿を消したと。
 つらい思いをしたのは清さんだったわけですね。20歳そこそこの男がいきなり板長という、
店の未来を担う役割を任されてしまったと。
 それから努力して今の味を維持してるわけですからいかに清さんが頑張ってきたか、ですね。

 一方で清さんは、昔に竜が出してくれたとろろめしを思い出していました。
 うまそー。

 従業員達は竜のことで喧々諤々。かわいそうだのなんだのと。
 まあ、仕事をきちんとしていたならば大女将だってリストラしなかったでしょうよ。竜が自分の
腕にうぬぼれて、味は二の次なんて抜かすからそういうことになったわけで。
 失礼ですがみてくれだけきれいな料理なんてちょっと器用なら出来るでしょう。けれども、
素材の味をうまく出す料理はやはり料理人でなければ作れない。
 そこのところがわからなかったから大女将は竜を板長にしなかった。
 あと江崎よ。毎回毎回災いのタネしか持ってこないな…。

 ま、清さんの提案を受けておせんさんは、今一度竜を一升庵に誘うわけです。
 雨が降ってきたので迎えに行くのはいいんだけどおせんさん、洋傘持ってっちゃダメ
でしょう。なんで自分のはちゃんと番傘なのに相手に持って行くのは洋傘にするかな。
小道具のスタッフさん全然考えてないなこれ。

 ともかく一升庵についた竜。
 ここで、シズさんが来るまでの間に、庭を懐かしそうに見てるシーンがあって、これは
良かったと思います。本心では懐かしいなと思ってんだなと。
 で、シズさんが持ってきたのはマグロの刺身。
 なんだよ、ちょこまかと形変えやがって、ちゃんとそろえろとか竜文句言ってますが。
 これは部位によっておいしさを最大限に出すための切り方らしいです。
 このエピソードは6巻。
 で、次々料理か出てきて悪態をつきながらも内心感嘆している竜。
 調理場では江崎がつまみ食いしてすんごい感動してるんですが。ほんっとお前うざいから。
 いい加減江崎の性格、もうちょっとよくしてやっちゃいただけませんかね…このままだと
うざい人のまんまで終わってしまいそうな…。まあ最後らへんでは料理人の心意気を見せて
くれるとは思うのですが…。

 ともあれ、食えたもんじゃねーと文句を言う竜におせんは、「では〆にしやしょう」と、
あのとろろめしを持ってくるわけです。
 さすがにシズさんは品を出す時ちゃんと点から点への移動してたなぁ。素晴らしい。
 とろろめしを見て顔色の変わる竜。

 おせんさんは言います。
「これは一升庵でもっとも愛されている料理です。まごうことなきうちの看板です。これは、
弟弟子のために兄弟子が一度だけ作ったまかない料理。それを弟弟子が一生懸命
再現し、女将に提案しました。女将は言いました。これを看板にするよ、これは魂に
届く味だから、と」
 そうしてあののぼりを立てたのも、こうしてたてときゃあのバカが、これは俺の料理だと
怒鳴り込んでくるから、そうすれば戻ってきやすいからという大女将の配慮だったわけです。
 うわ、粋なことするねぇホント。

 今の一升庵があるのは、素晴らしい味を残してくれた先達、その中の一人の、竜さんの
おかげ、とおせんさんは言って、御礼申し上げる次第でございますと一同で頭さげました。
 鳥肌立つくらいかっこよかったですねーここ。
 で、とろろめしをかっこんだあと清さんに竜は、「とろろめしはめしがとろろでおよぐくれー
じゃねーと本当のとろろ好きは食った気がしねーんだ」と言います。
 これ…おせんさんに言って欲しかったなぁ。いやドラマでは清さんにでいいんですけども。

 そんで。
 大女将が屋台をひいてまいりまして。これどっから持ってきたんだ!?
 ともかく、それを竜にやる、と。包丁なんて使えなくても、料理に必要なのは心意気だと。
 
 それからしばらくして、大女将とおせんさんが縁側で会話をしてました。
 もしあんたが女将だったら、そもそもこんなことにはなってなかったのかも知れない、もっと
皆幸せになっていたのかも知れない、と思ったりする、と。
 まあ大女将の采配は悪くなかったと思うんですけどね。見抜けなかった竜の目が、くもって
しまっていたんじゃないかなと。どうせ素直に「味が一番大切だ」といったところで聞きいれや
しなかっただろうし…。
 ともあれ竜さんの屋台は繁盛していて、こんどスッキリで取材されるらしいです(笑)。微妙な
リンクですなぁ。

 竜から蛸引包丁をもらった江崎ですが、これ3000円で売れないかなとかとんでもないことを
言って怒られてます。ほんっとにこいつ感動の心も料理に対するまっつぐな心もないんだな…。
呆れる以前の問題だわ。
 で、おせんさんはというと竜に会って来たようですが…。3000円の入った封筒が握られて
いましたとさ。

 次回は、二号店を出してほしいというセールスがくる話ですね。これも好きです。清さんが
珍しく出張って話してたのが好き。あと落ちのセリフも。楽しみです。


 
<本日のお品書き>
・とろろめし
<本日の一升庵>
「技は第二義、客の魂に伝わる味を第一義とする」



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