多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページドラマ&もろもろの感想→おせん


おせん

第9話(08/06/17)

とりあえずカツブシ王子というのはどうかと思う。


 さぁて今回はエピソードも丸ごと全部15巻から。
 家にある鰹節パックを用意して見ると面白いでしょう。

 冒頭でいきなしおせんさんが立ちつくしてプルプルしてるから何かと思いきや。
 手には鰹節。床には倒れてるおっさん。
 あれか、このおっさんは実はネコに取りつかれてて鰹節のうまさに陶酔しちゃったのか。
(一番正解から遠い回答)

 一方で江崎。林とかいう奴に呼ばれて、新しいレストランの企画考えてくれって。
断ったら借金返せって。
 この借金が何かと思えば単に、おごったりしただけのもの。
 はっ、そんなもん返す義務もねーわアホウめ。
 なんつか器の狭い男ですのぅ。

 そんな江崎が帰宅しましたらば、パトカーがきまして。
 …普通は電話連絡じゃないのとか思ったりするんですが、おせんさんが今警察に保護されて
いると。
 鰹節で人を殴ったらしい。
 あっちゃー、人にとりついたネコじゃなかったのか。(当たり前)
 にしてもこの警察官「〜であります」とかステレオタイプな警察官だなぁ。

 ともあれどうしてそのようなことになったかと言いますと、おせんさんはなじみの乾物屋に
挨拶にいったところ、大将が入院しておりまして。
 ほんじゃあってんで息子に挨拶したら、鰹節を仕入れるのをやめて、荒節だけにすると。
 本枯節はもうやらないと。だから一升庵に売れるのも今在庫があるだけだそうで。
 しかもそこの店、荒節を削ったのをかつおぶし(の削ったもの)と言って売ってたと。
 さらに見てると商品の扱いが荒い。
 ここでおせんさんの怒りが爆発しちゃったわけですな。
 そりゃ殴るわ。
 というかさ、法律で表示決まってるものを騙して売ってたら普通に商品偽装ですけど。

 ここで鰹節についての解説が出るのですが聞いててわかりづらかったと思うので整理。
 まず、鰹節には本枯節と荒節ってのがあるみたいです。
 で、削って売ってるパックが今回の騒動のもと。
 この削り節パックで、花かつおもしくはかつお削りぶしと表示されているのが、最もポピュラーで
よく出回っている、荒節を使ったもの。
 でもって上の店が偽装していた、「かつおぶし削りぶし」ってのが本枯節を使った、高価で
なかなか手の出せない削りぶし。でも今は通販でも簡単に手に入ります。
 ともあれ、「かつお削りぶし」と「かつおぶし削りぶし」は混同しちゃあいけねぇもので、荒節で
作った削りぶしを「かつおぶし削りぶし」として売ると問題になると覚えておけばよいかと思います。

 というわけで大将が退院してきまして、おせんさんに謝った上で、本枯節を仕入れていた
静岡は焼津の「ヤマジョウ」さんにも電話を入れたのですが、丁度いい機会で、本枯節を
やめるところだった、と言われるんですな。
 びっくりするおせんさん。
 今どき本枯節は売れないからってのが理由らしいですね。
 でもこれは仕方がないですね。
 時代の流れですわ。

 ともあれこのまま黙って引き下がるのはちょっとということでおせんさんは焼津へ向かうことを
決心します。
 で、清さんが心配だから江崎についていけと。こいついなくても板場回りやすんで、だって。
 うむ、未だ江崎は戦力外か。
 っていうか何のために江崎入って来たのかだんだんわからなくなりつつあるな、このドラマ。
 原作のようにポジションが確定してないよね。

 んで焼津にきたんだけど、やっぱり本枯は儲からないからと。
 かまどで鰹節いぶしてんだけどすごい熱だしね。
 おせんさんも手伝おうとするんですが、その熱気にノックアウト。
 なんだよCMでここのシーン流してたからもっと大変な事態になってたのかと思ってたよ。
 そんでまぁ、江崎が手間の大変さを聞いてるんですが。
 ものっそい簡単にいや、出来上がるまでに半年!(本当に簡単に言ったな)
 途方もない作業ですな。

 それをおやじさんは「本枯節は日本が作り上げた最高の食材の一つだ」と言います。
 そうだなぁ。

 で、本枯節を辞めるってのは、エンプールだかテンピュールだかしんねーが、会社が
土地買い取ってかつおぶしパックの大工場を建てたいって話なんですな。
 これだけ聞くと悪いように聞こえるけど、借金を背負ってる今の状況としてはそんなに
悪い話じゃない。どうせ従業員として雇われるだろうから、今の工場の社員さんも路頭に
迷うわけじゃないし。
 これは確かに「もっと頑張れ」とか言ってどうなる問題でもないと思うんですよ。
 
 おやじさんはおせんさんに最後だからと、一世一代の出来だという本枯節をあげます。
そして「もう許してや」と。これ以上工場の皆にも無理はさせられんて。

 おせんさんが帰ったあとおやじさんのところにそのエイプリルフールだかの会社の、矢田守
というのが来たんだけど、工場が手作業であることをバカにしてみたり、さっさと売れとか
言ってみたり最低だなこいつ。
 おやっさん、別の会社に売ったれよ工場。
 なんかもうこの矢田守ってのがいろいろ事情はあるにしても、本枯節をバカにしきってて
むかつく。
 日本の職人をなめるなと。

 そういうわけで成果なく帰って来たおせんさん。
 新しい本枯節の仕入れ先を探すことになります。
 神棚に本枯節は供えられてますが、当然これで育ってきたおせんさんは元気がない。
 いうなればおせんさんの「おふくろの味」だから。
 んーでもなぁ…どうにもならないこともあるとは思うんですよ。
 諦めが早いとかそういうのではなくて。

 で、そのエンプールか、社員さんが一升庵にきまして、ひょんなことからおせんさんは
矢田守が「かつぶし王子」って呼ばれていて、鰹節にとても詳しいことを知ると。
 どうも昔鰹節職人の息子だったらしい、藤坂二郎という人の。
 おせんさん衝撃を受けます。
 それはおやっさんが「あいつは本物の本枯節職人だ」と認めていた男だったからです。
 その男の息子がなぜこんなことに?

 そんでもってあれこれ悩んでいるおせんさんに江崎がまた余計なこと言うんですよ。
 矢田守に会いにいったらどうかとか、いっそ恋愛関係になっておやっさんに本枯節作らせて
やってと頼んだらどうかって。
 それを留さんが止めると、一升庵守るためならなんでもするのがおせんさんでしょうとか言う
のですが。
 アホですかこの人。一升庵を守るのと、どうしようもない理由で味を変えざるを得ないのは
別のものだと思うのですが。
 そうやって鰹節を守ったとしてこの先別の問題が起きたらまた同じようにおせんさんが
色仕掛けなり何なりでどうにかしろってか。どうしようもないですな、アホの考えることは。
 何が何でも一升庵を守らないととか言いますけどねぇ…。
 江崎が言ってるのは、一升庵を守るってことじゃなくて、プライドを守るってことでしょうに。
 それは名前にこだわり過ぎて廃業に追い込まれた船場吉兆と何もかわらんですよ。
 とにかく名前を守ることだけに必死になって、客のことなんかどうでもいい、儲かればいい
みたいになっちゃうような。
 職人さんが作れないと言っているものを作れ作れといったところでどうにもならんでしょう。
 ほんっとに分かってないというか、本当の意味で一升庵を守るためにすることがあるんじゃ
ないのかなと。

 で、留さんに「おめぇ借金の怖さしらねーだろ」と言われて「知ってますよ」って即座に返してる
けどさぁ。
 6000万とたかだか30万じゃ規模が違いますよ。
 なんかこう、江崎って口だけなの治りそうもないなぁ。

 まあそういうやりとりがありまして、ふっきれたおせんさんはいざエンプールへ。
 ちょうど通りかかった矢田を追いかけていきました。
 矢田は親の墓参りにきてたんですけど、ヤマジョウの件を言われて、父を鰹節職人としては
尊敬しているが、人間としては最低だった。博打の借金で夜逃げするはめになり、女にはまって
母親を捨て、肝臓を悪くして死んだ、とつげます。
 母はずっとそんな父のことを職人だ、誇りだと言ってたらしいのですが。

 おせんさんは「あなたのお母さんがほこりだと言ったその本枯節がこの世からなくなっても
いいんですか」と言うのですが、「それは私の責任ではない。日本という国がおのずからそれを
求めたんです」と言います。
 悪いけど私は、矢田守の言うことはよくわかります。
 本枯節がなくなってもいいというわけじゃない。けれども必要とされなくなって確実に消えて
いってしまうものもまた存在し、それは淘汰という波に飲み込まれて消えていく、どうしようも
ない部分もあると思うんですね。
 残そうとする働きかけもいいと思うけれども、残すために莫大な投資をしたりとか、それが
負担にならなければいいけれど、借金を作ったりするというのは間違ってると思う。
 かといって国が税金投じて何とかするというのもどうかなという気持ちがあるんですね。
 消えゆくのもまた一つの文化ではないのかなとか思います。さびしいですが。
 でも矢田守にひとつだけ言いたい。
 私の中で本枯節は藤坂二郎で終わったのだと言う前に、ヤマジョウさんの鰹節を食え。
 
 おせんが帰宅しますと、ヤマジョウさんから予約が入っていることを知らされます。
 契約に東京へ出てきたので、その前に自分の鰹節での料理が食べたいと。
 というわけで茶ぶしが登場です。
 留さんが給仕をやりたいと言ってきまして、二人は座敷へ。

 おせんさん、まず頭を下げて謝ってるから何かと思ったら、矢田に会ったことで明日の
契約に影響が出たら申し訳ないと。
 おやっさんはそこではじめて、彼が藤坂の息子であったことを知ります。
 けれどももしそれを知っていたら自分も同じことを言っただろうとおせんさんを慰め。
おくさんも「おなかすいたけん」と。いい人たちですなぁ。

 おせんさんが鰹節を削るのを見守る2人。
 うーん昔はこの光景どこでもあったんですけどねー。
 私もずいぶんむかし、それこそ子供のころですが、かいた削り節を食べてました。つーても
それが本枯か荒節かは知りませんし覚えてませんが。
 ありゃあね、削りぶしだけを食べてもうまいもんですよ。

 削ったかつおぶし削りぶしを見て、おせんさんに「鰹節はかきたてを食べるのがいっちゃん
うまいですから」と言われてごっそり食べるおやっさん。
 おやっさん、わしづかみしすぎ!かなりこぼれた!もったいねぇー!
 おせんさんもまた、子ども時代、鰹節をかくのに手ほどきを受けたことを思い出してます。
 おやっさんは言いました。
「なんでこんなうめーもんを、なんでみんな食ってくれんのだ…」

 留さん、自分の親父さんも本枯を作っていたことを話し出しました。
 自慢の父だったと。
 しかしお金の問題からけずりパックの工場に転換、生活もうんとらくになって、ぼっちゃん
暮らしができるようになったと。
 家族を守るために本枯を捨てた父を恨んではいませんと。

 けれども、俺はもう二度とあの一言が言えないって思うとさみしいです。
 親父に、「日本一の鰹節を作ってんだ」と言わせてやれないのが少し悔しいです、と。
 おくさんに何かいい知恵はないかと言われたおせんさん。
 言いました。

「この味を舌に刻み、受け継ぎ、つなぐ、それが女将の仕事だと先代より教えられました。
それこそが私の生きる意味だと友に教えられました。そしてそれは一升庵をつなぐ事。
これだけの香り・味・仕事・心意気、一升庵200年ののれんに誓い、わっちが継がせて
いただきます」
 いよっ!名女将!
 さぁてどうなりますことやら。

 一方江崎。
 冒頭出てきたはっきりいってどうでもいいんですが、林に茶ぶしのこと説明してます。
 おいおいテープルの上においてけずってんじゃねーよ。腰入ってねーよ。
 でも茶ぶしうまそうでした…。

 で、矢田守がどっかの店で飯食ってんですが、そこの店でも荒節のかつお削り節を
「うちは本物のかつおぶし削りぶし使ってるからね」とか言ってて、それを厳しく指摘。
 なるほど舌は確かなわけだな。
 しかし彼は「本枯などこの世から消えてしまっても構わない」と言います。
 よーし職人全否定か。
 しかもなんかそのとおりだとかいって社長出てきた。内藤剛志さんですか。
 ともあれお前らはジャンピング土下座して職人さんに謝れ。

 つーわけで最終回で続くのはいいとして、予告がねーんですが!
 公式サイト見たら予測はしてた展開だけどえらいことになってんですが。
 さすがに借金8000万はやばかろう、その設定はよ。
 どんだけ一升庵経営危機なんよ。
 このあたり、原作のゆったり感というか、そういう雰囲気が一掃されちゃってて、一気に
現実に引き戻されるようで残念といや残念です。


<本日のお品書き>
・茶ぶし
<本日の一升庵>
「本枯節は日本が作り上げた最高の食材の一つだ」



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページドラマ&もろもろの感想→おせん