多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ


スキヤキ・ウエスタン
ジャンゴ

9/26鑑賞

 映画館でチケット買おうとして「ワン・ツージャンゴ下さいな」「…スキヤキ・ウエスタンジャンゴ
でございますね?」「………………はい」。
 はずかしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!おのれジャンゴめ!
 神様!私に「は?今そう言いましたよ?」と言い返せる図太い神経を!
(神様「そなたにはもう図太い胴体を与えておる」)

 んで映画自体はなんともこりゃいろいろ混ぜましたなみたいな感じでしたね。
 スープ作っててちょっと甘いと塩足して、ちょっと辛いと砂糖足して、ちょっと甘くなり
すぎたとしょうゆ入れて、今度は辛すぎたと蜂蜜いれたらドドメ色になりましたって
感じ。
 だから本当に「なんともいいがたい」。

 ちなみにこの映画、いきなり死体のドアップから始まりやがりますのでご注意です。

 えーっと…どうしよう、いきなり冒頭からついていけないんだけど。
 探したぜ、ピリンゴというセリフとともに登場するのはなんと慎吾ちゃん。失礼ながら
こんな映画のチョイ役によく事務所OKしたな。
 ともかく、そのピリンゴと呼ばれた男は、ヘビをコンドルだかがさらっていこうとするのを
打ち落として、そのヘビの腹かっさばいてニワトリの卵を取り出すという、お前持っていかれる
前になんとかしろよみたいなことしてた人なのですが。
 つーか。
 こんなに立派な演技をしているのに背景がカキワリって何。
(カキワリ…舞台でよく使われる一番後ろの、立体感のない背景。ドリフなどでもよく使われてた
アレです)
 よーわからんけど、慎吾ちゃん達を撃ち殺してこの男、何をするかと思えば。
 卵でスキヤキ食ってやがる。
 誰か後ろからこの男撃てよ。
 ま、ここで食事の用意が出来たといって登場する人がまた伏線だったり。
 それから、この外国人、流れを無理して、平家物語の冒頭を話し始めます。
 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
 沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。
 おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
 猛き者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵におなじ」
 ま、これを琵琶で語るなら途中ベベンベンとでも合いの手が入るのでしょうが。
 …劇中無理やりこれを英語で言ってるけど日本語そのままで覚えろや。

 壇ノ浦の戦いから数百年後。何故か景色はウエスタンに。一体どこで方向を
間違ったのか気になりますが、そうなると伊達も武田も信長もねぇな。いやまさに
戦国BASARAの時代といいましょうか。
 まあともかく。
 その寂れたウエスタンの村に、名もなき男はやってきたのです。名がないと
のちのち面倒だから適当にボーイということにしておきます。
 あ、ちなみにその村の名前は「NEBADA」。ローマ字は横書きなのに日本語に
なると「畑根」と右から左とはこれいかに。やってきたものを右から左へ受け流すが
ごとし。(誰が禅問答やれっていった)

 ともかくボーイは受け流されておりませんで、村にやってきました。村の鳥居には
死体が1つぶらさげられているのですが。罰当たりなことする奴がいるな。
 えらいややこしいけど、赤い色を身にまとっているのが歴史上では先に滅びた
平家で(建物は日本家屋というより外見中華風)、白い色が源氏、こちらは西洋風です。
 んでボーイを挟んで、こっちにこい、いやこっちにこいと報酬額を出してスカウト。
 ボーイは「群れるのは嫌いだ」とまるでどっかの風紀委員長みたいなことを言い
ますが、そこに現れたババアに強引に馬をひかれ、連れて行かれました。はい、
漁夫の利。
 
 私としてはイメージカラーが逆だったので、この劇中の中で平家と源氏を見極める
のにすごい苦労しました。何となく平家って白っていうイメージがあるので。
 あと、弁慶が石橋貴明さんでした。私あんまりこの人は好きではないので…演技は
すごく上手でしたが、なんていうか、こんな弁慶はちょっとなーって感じでした。まあ
パラレルものだから仕方がないですけど。そうか、今わかったけどこれはパラレルと
いうにふさわしいかもですね。
 ちなみに、源氏と平家、どうして平家は「平氏」といわないのかと思って調べて
みたら、平氏という名称もあるのですが、平氏という名称を用いた場合はなんつーの、
ものすごく広意義的な一門をあらわすので、源氏と平家というようにその時代の
平氏を指す場合は平家という、平清盛一門をあらわす言葉として平家が用いられる
のだそうです。大変勉強になりました。

 ババアはここの村の事情を教えてくれます。
 元々ここには平家の落人伝説があり、で、宝が隠されているという噂があって
前々からお宝ハンターとかがやってきていたのですけども、2ヶ月前に平家が大群で
押し寄せてきて好き放題やりだしたと。
 それで何も出なければ諦めたのでしょうが、昔から守られている塚を掘り起こしたら
「たたりをおそれよ」というものが出てきたから余計に「宝はある」という形になって
しまって居ついてしまったわけですね。
 そりゃたまらんわな。
 保安官だけじゃどうにもならないし。
 んでそうこうしとるうちにこんどは源氏がきたと。
 平家の中にあの「HERO」のあるよ、のマスターが出てくるのですが、ここであっさり
やられて出番終わりました。こんな終わり方ありですか?「あるよ」。
 あと、そのあるよの人をこっそり盾にした平家のボス、清盛は歴史上では息子にあたる
重盛を堂々と盾にする始末。この口の利き方からするとここでは弟みたいな立場で
しょうか?
 ともかく、このボス大したことねぇな、人間的に。
 重盛役の人は堺雅人さん。新撰組!以来のツーショットですねお二人。
 
 んでまぁこのようなことになりまして、源氏と平家が居座って村人は出て行き、数人
くらいしか残らなかったと。ババアの娘夫婦もいたのですが、パパりんのアキラが血気盛んな
お年頃で、清盛に話をつけにいって殺されてしまい、娘の静は自分の出身である源氏に
助けを求め、その子供平八は置き去りにされた形。ババアが引き取って育てて
おりました。
 あ、源氏の方のボスは、弁慶とくりゃ義経ってもんで。窪塚さんかと思ったらちがう
人だった。すごいうまい演技されてました。
 でもこんな義経いやだ。(パラレルですから…)
 まああれだ、これに出てくる「歴史上の人物」はみんな性格悪いと思っておけば
よろし。歴史を反転したような形ですかねぇ。

 さてさて、こうしてメインキャラが出揃ったところでいよいよ話は本格的に動き
始めます。
 
 義経は部下に真剣白羽取りを教えているのですが、えっと、そんなあるかどうか
わからない時のための対処法より、もっとほかの事をして鍛えた方がいいと思います。
 ちなみに清盛の方はシェイクスピアにはまって、「俺は今日からヘンリー!」とか
言ってます。アホです。アホ王子です。
 これでは平家が没落したというのもよくわかるというものです。

 んでもって、平八の身の上を聞いたボーイは、義経のところに姿を現します。
ここで丁度静がダンシングしておりまして。この踊り方は多分西洋というよりは
インドシナとかタイとかそれに近い感じ。
 終わって口の中から鈴を取り出す意味がわからんけど。あれ?音楽で鈴が
なっていたということなのかな?ともかく、ハッキリいって怖いです。

 そこで乱闘になりまして、やすやすと源氏の人間を退け、静を自分のものにする
宣言をしたボーイ。
 そんな彼に義経は嬉しそうに、「俺を本気にさせたのは二人目だ。一人は伝説。
ガキの頃に出会った、血まみれの弁天」とか言うてます。お前悪い夢でも見たん
ちゃいますか?
 っていうか、ちゃっかり静とイチャコラしてるあたりボーイもよくわからん人だな。
 静は尋ねます。バラは咲いていたか、と。その名前は「ラブ」。
 ボーイは口の利けない平八があのバラの横で何を言っていたかを悟るんですな。

 なんかこの辺は結構だれ気味。っていうかどうでもいい感じでしたな。DVDで
見るときは早送り早送り。
 さてところが階下におきましては、ボーイにひどい目に合わされた与一ってのが
これじゃおさまりつかねぇってんで、弁慶に指示して何か画策してんですな。
 歯が折れたとか言ってるけどさ、自分がしかけたことじゃないですか。
 それだから義経に「卑怯者」とか言われるのわっかんねーんだろうなぁ。
 源氏側はどちらかというと、腕が立つのは義経だけ、みたいな気もするのですが。
あとは何となく烏合の衆っぽい。
 平家はみんなはそこそこ強そうだけど、ボスがバカだからなぁ…。
 んだから双方どちらも決着つかないんですね、こりゃ。

 で、保安官。
 ボーイを手土産に源氏へ入ったはいいが、清盛の方をどうしたもんかと考えています。
でも「バカだから気がつかなさそう」とか言うてるわけですね。あ、ありそう。
 ところが安心もしていられなかった。
 ボーイから静を通してもたらされたメッセージに彼は真っ青。
 そこには「武器が運びこまれる。平家はこれを奪え、と平家に伝えろ」とありました。
 そうしなければ俺達は死ぬ、と。
 さぁて真っ青になりました保安官、急いで清盛の下へ。

 清盛、俺はヘンリーだ!という頭突きをかますのですが、「そうだ俺はヘンリー
だった」と思い出し、バカ丁寧に「どうなさいましたか」と聞くのです。ええっと…。
 源氏さんの中にお医者様はおられませんかー!

 まあ情報を得てとにかく武器を横取りにいくのですよ。
 弁慶驚きはしたものの、武器を持って帰っているわけですから、反撃にゃ困らん
わけですよ。ダイナマイトを投げる投げる。
 そんなに投げたら帰った時手元に残ってないんじゃないかってくらい投げる投げる。
 びびった清盛、重盛にいかせとるがな。ひでぇ。

 一方ボーイはというと。
 まだ源氏の家の二階におりました。悠長なことで。
 異変を察知した義経の銃撃を受けてからあわててガンベルトなどを身につける始末。
お前も結構アホだろ。
 それで、馬を口笛で呼び寄せて窓から飛び降りるのですが。
 ここの映像の見せ方は面白かったなぁ。
 一瞬画面が止まって馬に移り、少しずつコマが進んで、ボーイがドンピシャで馬の
上に降り立つ、みたいな。
 そういうわけでボーイは飛び出しました。

 一方静もババアのところにもどってきて平八ととも山へ逃れようとするのですが…。
大事なもの忘れたともどっていきます。まあなんてお約束どおり。っていうか事前に
連絡して掘り起こしておいてもらいなさいよ、バラ…。
 案の定与一の放った矢が静にジャストミートって感じで。
 3人は捕まりました。…フォローしようがねぇなぁ…。
 ちなみにそこへ颯爽と現れたボーイ!ピンチを…………あまりに堂々と現れすぎて、
銃を突きつけられている3人を目の前にどうすることも出来ず、与一にボッコボコに
されました。おーい、バカ一名追加ー。

 一方弁慶と清盛ら。
 弁慶らを追い詰めたかに見えた平家ですが、何と弁慶、ガトリングガンを持ち出して
きました。こいつぁいけねぇ。
 死んだように横たわっていた清盛はめっちゃ自然に転がって避けました。
 なんですかこれは。こんなので「当たらない」とかいいのかこれ。
 ところがタダではやられない平家。
 隠れていた弓矢の使い手が残っていたダイナマイトに火を放ち、これが景気良く爆発
したところで戦い終了というところでしょうか。
 清盛のところにガトリングガン転がってきたけど、あれなんつーんですか、弾が入ってる
カセットのやつ。拾い上げた拍子に落ちたけどいいのか?
(これ伏線かと思ったらまったく違いました。落ちてもどうでもよかったみたいです)

 そうして逃げようとしたところへ、変な効果音とともに銃を取り出した義経が、清盛と
重盛を狙い撃ち。変な方向に銃向けてるから何かと思ったら、風向きをちゃんと計算
して撃ってた。実際に撃ってもあんな風にはならないと思いますが、変なこだわりが
よかった。
 というわけで弾をくらった重盛はここでドロップアウト。中に甲冑といいましょうか、とにかく
弾が貫通しないようなものを着込んでいた清盛は走り去っていったのでした。
 アホ王子だけが生き残りやがったよおい。

 と、こんなアホな展開を繰り広げている間に、ボーイ大絶賛ピンチ中。(言葉おかしい)
 こんな彼らのピンチを救ったのは…………誰ですかこの人?
 よくわからんのだけど、ババアの知り合いらしい男の人で、与一らがひるんだ隙に
ババアが銃を受け取りあっという間に一蹴。
 そう、伝説の「血まみれ弁天」とはババアのことでした。弁天も今はシワシワか…。
(失礼なこと言わないように)

 そんなこんなで山に逃れた一行。
 このババアの知り合いらしい男の人は、ババアに頼まれて鉄砲を調達しにいってた
人なのかな?
 ともかく、その相手もババアの知り合いらしく、BBのサインに懐かしそうにしています。
 彼に言わせれば、「琵琶をひく時は2本の腕。しかし戦場では8本の腕」と。
 …タコ?(違)
 ともかくそんだけ弁天の早撃ちはすごいらしい。
 いきなりアメコミになるこの映画もすごいですが。
 で、彼ことジジイの回想の中で冒頭の謎が明らかに。

 彼の名はピリンゴ。弁天ことルリ子(パバア)に銃の腕を仕込み、スキヤキの作り方を
仕込み、ついでにアキラも仕込んじゃった、…ってみのもんたさんが言ってました。(お下品)
 まあそういうわけで、スキヤキがまずーいって言ってちゃぶ台返しをするピリンゴは、
もったいないお化けに呪われるといいと思います。
 しかしスキヤキに絹ごし豆腐が邪道というのはまったくもって賛成だ。

 ちなみにアキラと名づけたのはピリンゴがアニメオタクだったからだそうです。
 多分こいつあの世にいったら、アキラが笑顔で拳銃構えて待ってるわ。

 男の顔から、アキラが今生きてはいないことを悟ったピリンゴは、こう伝言を頼みます。
「サヨナラだけが人生だ」
 だから何だコノヤロウ。
 ちなみにごまかされていますが、銃の調達目的でいったこの男、まったく目的を
達成できていません。

 何とか意識を取り戻し、体も回復したボーイは、また村へ向かおうとします。
「巻き込まれただけじゃないか」という男に対し、「それが運命なら逃げないのが
流儀だ」と。
 男お前かっこいいーとか言うてる場合か。
 で、この言葉にババアはお宝をやる決意をするんですが。
 っていうかお宝本当にあったんだ。
 …山の中じゃ、いくら村中掘り返しても見つからんわな。

 そんなわけで最後の戦いが始まるわけですが。
 ボーイだけでなく蘇った血まみれ弁天かっこよかったです。
 あと、細かいことは省略させていただきますが(あまりにも下品なため)、任務失敗で
ケガをして精神的にオカマになった弁慶が、義経に愛をもって飛びかかろうとして撃ち殺され
たりとかあって、もしかして日頃冷静な義経に唯一動揺を与えたのは弁慶じゃなかろうか
というようなエピソードもあったりしたのですがどうでもいいです。
(彼はハッキリ「ウゲェ」と言っていました。)

 それと保安官!こいつ保安官のクセに悪人というか。とんでもねーことしてくれたなって
感じでしたよ。何してくれちゃってんの。
 とまあそういうわけでですね、清盛は弁天に始末され、義経はボーイによって討ち取られ
これにて村は静まり返りました。
 ちなみに最後まで立っていたのはボーイただ一人。
 あ、それからすごいなと思ったのがボーイが、義経の刀を銃で受け止め、その間に
左手に隠していた銃で義経を撃ったところ。ありますやん、腕を一杯に伸ばすとだーっと
バネ仕掛けから出てくる小型銃が。うっかり伸びも出来ません、みたいな。ああいう
銃でした。
 
 そうして、たった一つかみの金を報酬として立ち去ろうとするボーイの背に、父の死に
言葉を失い、母の死に視力を失っていた平八はしっかりと目を見開き、「ラブ」とつぶやき
ました。
 それを見届け、ボーイこと「名もなき男」は走り去っていきました。おいおい雪道で
そんなに馬飛ばしたらコケるぞ。馬、スタッドレスタイヤはけないんだから。

 こうして平八は山の先住民族に育てられ、イタリアに渡り、その後「ジャンゴ」と名乗った
ということです。
 皆さん、さん、はい、「お前かいっ!」

 この映画、タイトルの「ジャンゴ」が生まれるまで、を堂々とやりやがった。
 


多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ