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ブレイブ ワン

11/11鑑賞

 この話はとても重い話です。冒険もアクションも楽しい部分もないんで、見るなら覚悟
したほうがいいかも。
 ちょっと気になってフラリと見たのですが、なかなか良かったです。

 主人公はエリカ・ベイン。ラジオパーソナリティ。ニューヨークの街の音を録音して、
「街を歩く」というコーナーをやってました。
 で、婚約者もいて結婚直前の幸せな日々を過ごしていたのですが、ある夜散歩に出かけた
先でストリートギャングとでもいえばいいのか、3人の暴漢に襲われたんですな。
 ビデオにとってはしゃぎまくるわ、程度ってもんを知らんわ、このシーンは確かに胸糞
悪くなりました。ってかこういうことが現実にもあるわけですしね。
 暴力をふるって平気な人間というのはこういうシーンを見ても「かっこいい」としか思わない
のだろうと、ちょっと思いました。結局頭がいかれてるってことだもんなぁ。

 ともあれ病院に運ばれたエリカ。
 意識不明の間に、病院では別の事件が起きておりまして。
 ヘイリーという女の子が保護されていました。
 この母親は拳銃自殺…に偽装されて殺された可能性が高い。
 駆け付けた刑事はそう見抜きます。その名をマーサー。全体的にかなり優秀な刑事だと
思いますよ。
 些細なことから事件のヒントを得る、決してその状況、見た目にはだまされないとことか。
 で、引き取りにきたマローという男。これがクセものなんですな。
 いい人ぶっているけどどうもかなり問題ある人間のようで、マーサーをはじめ他の刑事も
彼のヘイリー引き取り要請を却下。
 なぜならば彼女が、母親が殺された現場を見ている可能性があり、マローが口封じする
可能性があるから。
 アメリカは子供の権利を守ることに関してはかなり進んでいますから、こういうような場合でも
危害が加えられると判断したら引き取りを拒否することができるはず。
 日本ももうちょっと見習ってくれたらねぇ…。今の日本の法律では、ハッキリと暴力をふるって
いたという証拠でもなければ、「この先ふるう可能性がある」だけでは拒否しきれませんので。
いわゆる警察の「何かあってから通報してください」と同じことです。

 話がそれましたが、この事件のためにマーサーは病院へ来ていて、意識不明のエリカの
姿を目にします。
 っていうかこの刑事何しに病室へ入って来たんだ。

 エリカが目を覚ましたのは3週間後。
 そこで彼女は彼の死を聞かされ、ショックに打ちひしがれます。
 彼に一目会わせてくれてもみたいなこと言ってるけど、ショックなのはわかるけど3週間も
おいてたら腐るっていうか…。
 警察が来て事件のことを聞きますが、エリカは警察に対して不満ぶちまけてるんですな。
「警察は正義の味方には思えない」って。
 いや警察に文句言っても仕方ないと思うけど…気持ちはわかるが。
 あと犬がいなくなってるんだから、その線であたるのもどうですかね。

 つーわけで退院して戻って来たエリカ。
 今度は部屋を出ようとしても様々な幻覚に襲われて出ることもままなりません。
 医者にかかった方がいいんじゃないのかなとか思うんですけど。
 こういう犯罪被害でPTSDとかパニック障害になったら一人で治すの無理ですし。

 しばらくしてからようやく外出できるようになって、警察署へ足を運びます。事件のことを
聞きに行ったのですが、この受付がやる気がないっていうか。この辺はまだ日本警察の
方がマシかなぁ…。
 ずいぶん待たされたあげく彼女は警察署を出て行きました。
 で、その勢いで銃を販売しているショップに入ってどれでもいいから売ってくれっつー
わけですね。
 けれども許可証がいる、申請してから許可証が出るまでに1ヶ月かかると聞かされて
イライラ。
 店を飛び出します。

 アメリカは銃社会と言われていますが、確かに銃を持つことはできますが、だからといって
アメリカに行けばすぐ買えるかというとそうでもありません。
 法律で銃所持が許されている、というだけで実際には様々な手続きを要します。(州による)
 ライフルなどは簡単に購入できるところもありますが、たとえば護身用として拳銃を所持
しようとすれば、エリカのように、店へいってすぐ買える、というものではないみたいです。
(銃の所持を奨励している州だとあっさり買えますが)
 それよりも非合法で流れている銃の数の方が問題みたいですね。

 ここでひとつ、ダーウィン賞に掲載されたお話。
 店へ強盗に入ろうとしていた犯人がおりまして。ある店目指して道路を横断していきました。
彼は店の前にとめてある「パトカー」を邪魔だなぁと思いながらよけ、店へはいりました。
 そうして、中に誰がいるか確かめもせず「金を出せ!」といきなり銃を乱射。
 店の中はというと、品定め中の数人の客と、店主とコーヒーを飲みながら話をしていた警察官が
いました。
 彼らは落ち着いて物陰に身を隠し応戦。
 こうして、犯人が射殺された以外は一人のケガ人も出すことがなく、事件はあっさり落着。
 …その店は、ガンショップでした。

 ま、笑えるか笑えないかはさておき、こういう話も当たり前のようにあると言うことで。

 さて店から飛び出したエリカに声をかけたのは、店内にいたアジア系の男性。
 彼は銃の密売にかかわってる人間だったんですね。
 私は最後まで「こいつ偽物を売りつけるんじゃ」とか思ってましたが、本物だったみたいです。
 んでエリカは1000ドル払っていわゆる「足のつかない」拳銃を手に入れたんですな。1000ドルは
ボりすぎやろ!日本国内でトカレフ3万以下やぞ。(値段の問題じゃねーよ)

 拳銃なんてまったく縁のなかったエリカが拳銃を手に入れた。
 まあこの時点でどうなるか予想はつくのですが、なんとここから話は思わぬ方向に。これは
読めませんでした。いや、悪くはなかったですよ。

 そのころマーサーは自分の元奥さんと会っておりました。離婚したんかこの人。
 で、皆さん忘れておられるでしょうがあのヘイリーの後見人になってほしいと言いますが
あっさり断られました。
 マローに渡さないようになんとかしたかったみたいですが、無理だったっぽいですね。

 さてエリカ。
 とあるコンビニへ入ったところいきなり入って来た男が店員を撃ち殺しました。なんか
痴情のもつれとかいうやつみたいですね。
 声をひそめていることに気付かれないようにし、出ようとしたエリカでしたが、あいにく
携帯電話がなってしまいやばいことに。
 この男何発撃ったかな…。あと3、4発くらいは残ってそうな感じですな。
 てか双方息づかい荒いよ!これでバレバレだよ!
 ここでエリカは成り行きでこの男を撃ち殺すことになります。
 やってしまったことに呆然とするのですが、防犯カメラのビデオ映像を持ち去ったりと
やることは結構冷静だなおい。
 こうしてエリカは初めて自分の手で人を殺したわけですね。
 銃が非合法所持だから、やったこと自体は正当防衛(アメリカで)でも銃所持の罪が
問われますなぁ。
 エリカは家へ逃げ帰りました。
 このあたりのパニックぶりは大袈裟すぎず簡単すぎず、表現の仕方は良かったと
思います。あまりにも現実離れしすぎていてうまく自分の中で受け入れられない、みたいな
演出が。

 そんでまあ、コンビニへマーサーがやってきます。
 エリカが撃ち殺した男には逮捕歴があるわけですが。
 そのことについての同僚との話で。
同僚「逮捕歴(についての書類)を積み重ねると、俺のナニより分厚い」
マーサー「…じゃ、大したことないな」
 ひどいなおい。
 ってかまあどうでもいいんですけど。

 現場を見て、店員を男が撃ち殺したのはわかるけれども、では男を撃ち殺したのは
誰だ?とクビをひねるマーサー。3発撃って1発しか命中していないことから、殺人者は
初めて撃ったか手が震えていたか、と推理します。なかなかやるな。
 金もなくなっていないので物とりの犯行ではないと。
 うーんすごいですなぁ。

 そうこうあってエリカはラジオに復帰。
 周囲は早すぎるのではと心配していますが、いつもと変わった「街を歩く」を放送して
結構好評な結果になるんですな。
 途中、このラジオを聴いているマーサーの姿もチラリと出てきます。
 で。
 婚約者のお墓参りにいったと思うんですけど。
 何この、「ここには何何を植えました」的な畑の表示みたいな墓標。ってか小せ!
なにこれ!もうちょっとまともな墓にせんの!?何か宗教的なもんでもあるの?
 よくわからんなぁ…。

 エリカが地下鉄に乗っていると、若者がヤンキーみたいなのに絡まれてました。
 電車男みたいな展開になるかと思ったら、別の、おじいさんが助けた。
 ところが今度はそっちに絡みだしたので彼らは面倒になっておりてしまう。若者は
iPodかな、それ取り上げられたんですけど。
 冷やかな目で見ているエリカに今度はこいつら絡み始めるのですね。
 ところがうって変ってものすごく冷静にエリカは銃の引き金を引きました。
 なんかすごい変わったなって感じです。
 そのまま冷静に立ち去り、あるクラブに飛び込んで化粧を直したりしてから出て行く
んですな。
 うーん…別人であるところのエリカが人を殺したみたいな感じ、ですかね。

 ここでまたも事件を調べにきていたマーサーにうっかり見つかってしまって、声を
かけられるもんだから、インタビューと称してやり過ごしました。なんか行動が一貫して
ないというか。ただ、この行動を説明するのはエリカ自身にも難しいのではないかと
思うのですけども。
 
 この二つの事件の犯人が同一人物ということで、新聞は「正義の味方が犯罪者を
殺していってる」みたいな書き方をします。
 …似ていませんか。
 法が裁けない犯罪者を粛清していく、新世界の神と称された人物と。
 その名はキラ。

 ラジオ局にまでやってきたマーサーを見つけて、エリカ、ものすんごいバレバレな
逃げ方してますけど。怪しまれるやん。
 ここでマーサーは、彼女が入院中に一度姿を見たことを話して、なんかインタビューを
受けるとかなんとか言うんですね。
 意図がつかめんけどまあ、エリカは話を聞きます。
 ここでマーサーはマローの話をするんですね。オフレコといって。
 警察が逮捕出来ない犯罪者。
 法律を守る警察だからこそどうにもできないと。
 …大体こういう話をするとマローは殺されるセオリーですけどね。いや、いいんですが。

 最後にマーローはエリカへ質問します。
「どうやってあの事件から立ち直った?」
「立ち直れはしないわ」
 立ち直ったように見えるのは、そういう部分を隠しているからでしょう。誰も凄惨な
事件に巻き込まれた後立ち直れる人などいない。いないっていうと語弊があるけども、
悲しい記憶を忘れることなんてできないと思うのですよ。その上に幸せなことを積み重ねて
いくから立っていられるだけのことで。
 容易に立ち直ったなんて言っちゃいけない。心が壊れていることもあるんだから。

 マーサーは質問したことを詫び、名刺を渡して去っていきました。いい刑事じゃのー。

 後日ラジオでエリカはインタビュー内容を流し、今起きている事件に触れて、「刑事さんは
こう思ってるはず。誰かが僕の仕事を代行してる、って」と言うのですが。
 そう思ってるかなぁ…。
 うーん…。

 で。
 夜歩いていてエリカナンパされたんですが、後部に女の子がいるのを見て車に乗り込みます。
でもって銃を突き付けて女の子を開放させ、自分も降りて歩きだすのですが。
 いやあのさ。
 車の前を歩いて立ち去ろうとしたらさ、当然こいつなんか「轢き殺してやる」とか思うじゃんよ。
 まあ顔を見られているわけですから、最初から生かす気はなかったんだとは思うんですが。
 それにエリカ自身助かろうと思ってやってるわけじゃないだろうしな。
 というわけで車を走らせて向かってきた男を射殺するのはいいんですが、あんたもうちょっと
考えなよ…。
 暴走した車はおろした女の子を轢いて止まりました。
 助けたのに轢かれたら意味ないやろ。
 つーわけで救急車を呼び、女の子が収容されたのを見届けてエリカ立ち去り。
 
 今回の犯行もまた前の犯人と同じということがわかり、マスコミはヒートアップ。
 マーサーは質問攻めにあってます。
 エリカが声をかけて話をするんですが。
 マーサーは「番組を聞いたよ。僕の仕事は誰にも代行させない」と言います。
 遠まわしに、この犯人はマスコミがかきたてているような、正義の味方でもなんでもない
ということを言っているのだと思います。
 もちろんエリカだってそう思ってはいないでしょう。

 ラジオでエリカのコーナーが好評なので、今回はリスナーからこの一連の事件についての
意見を聞くということになりました。
 リスナーは、「彼」の行動に賛同する人が多かったんですね。
 まあ犯罪者がどんどん死ぬわけですから、大歓迎といったところでしょうか。
 ただし、いさめる人もいました。そうでないとね。
 
 自分の行為が、見も知らない他人にもてはやされたりいろいろ言われていることを
エリカはどう思ったんでしょうか。
 マーサーに電話しつつ、エリカはあるところにいました。
 んー…これは隠す気がないのかわざとなのか。
 知りませんけど、彼女は電話を切った後、マローを殺すわけですね。つーかマローも一人で
フラフラしてるのはなんか無防備だな。
 ところが自分もケガを負いました。
 アパートへ帰り着いたエリカを助けてくれたのは、アパートの住人。ラテン系の女性っぽい
のですが、看護師経験もあるとかで、腕の傷を治療してくれます。
 床の血も掃除してくれました。ってか帰り着くまでにあちこち落としてそうな気もするのですが。
 ともかく、理解ある人でよかったなぁ。

 一方でマーサーは、電話を切る時に聞こえた「チーン」という音が、マローのマンションの
エレベーターの音にそっくりだということに気が付きます。ここ何度もチーンチーン鳴らしてて
なんかギャグみたいだったよ。
 頭のいい彼のこと、一瞬で犯人が誰か悟ったでしょう。
 けれども今回は殺し方が違っているため、これまでの連続殺人と同じ、とは断定できない
わけです。マーサーにしてみれば同じと言いたいでしょうが、証拠がないからそんなこと
出来ないわけだし。

 マーサーは意を決してエリカを呼び出し、3番目の事件の目撃者が回復したから話を
聞きたいが、自分だと警戒されてしまうのでつきあってと言うんですな。
 そうは言ったけれども、つまりは首実検なわけで。
 エリカもそれに気づいて、ばれるなら仕方ないみたいな気持ちで行ったのだと思います
けども。
 目撃者は私は誰も見なかった、とエリカをかばいました。
 アホー!それだと誰かを見ていたのが丸わかりだろ!こういう時は日本の政治家
見習って「何も覚えておりません」と言うんじゃ!
 エリカはこの少女がほめたペンダントを彼女にあげて病室を出ました。あのペンダント、
婚約者との思い出の品だったと思うのですが。もしかしたら彼女なりのお礼というか、
ふっ切るためなんでしょうかね。

 で。
 iPodの持ち主がわかってこの男が呼ばれるわけですが。
 彼は事件を説明する中で「奥に座っていた女はめちゃくちゃ覚めてたけど」と発言します。
 おおっと衝撃の一言ですよ。
 この女性のモンタージュが作られることになります。エリカピンチ。

 帰宅するとエリカの部屋の前に宅配便が届いてました。
 それを開けてびっくりするエリカ。
 結婚式の招待状が完成してたんですね。
 あーこういうの見ると切ないですねぇー。
「クリーム色じゃない、バニラ色よ」って。
 そういう会話してましたもんね。
 これがきっかけでエリカは、もうこんなことはやめようと決意するのです。

 ちなみにiPod男のモンタージュは、芸能人そっくりの似顔絵になったので役に立ちません
でした。
 誰かこいつ外に放り出せ。

 エリカのアパートにマーサーが訪ねてきました。
 暴漢に襲われた時奪われた、彼女の指輪が見つかったと。
 犯人の一人の彼女が、質屋に持ち込もうとして発見されたらしいです。
 そういうわけで、彼女から手繰って犯人の面通しをすることになったのですが…。
 ちなみにエリカが身支度している間にマーサー、こっそりとバッグを探ってました。
 エリカはもうこんなことやめようと決意したわけですから、そこに拳銃はなくて。
 いいのか悪いのかって感じですね。

 さてエリカ、明らかにそこに犯人がいたにも関わらず「この中にはいない」と言います。
 いったいどういう意図で?
 ってか自分の手で片つけるつもりですかね…。

 マーサーはエリカを食事に誘い、いろいろ言うんですが、多分この時点でエリカの心は
固まってしまってたと思うんですよ。
 どんなゆさぶりをかけられても動揺見せませんでしたから。
 そうしてマーサーは、もし自分の親しい人物が犯罪を犯したらどうするか、という話で
「逮捕する勇気を持とうとする」と言いました。
 遠まわしにエリカに自首しろみたいなこと言ってるんでしょうね。
 
 ここからクライマックスに向かって話は流れていきます。
 質屋に聞き込みしまくってエリカは、指輪が持ち込まれた店を見つけました。
 そこから犯人の彼女の連絡先を聞き出し、会おうとするのですが。
 拒否されてしまいます。
 けれども少ししてメールで動画が添付されてきて、犯人の一人の住所が書かれている
んですね。
 つーか電話番号だけでメールできるって。同じ会社なんかよ。
 それはともかくその動画が、あの二人が暴行うける動画なんですよ。
 犯人、友人らに見せ回ってたんですかね。悪趣味にもほどがある。
 それでこの彼女、少し同情してエリカに教えたんでしょう。
 もうこんなことしてる時点で犯人は殺されても文句言えないと思うし、エリカが殺そうと
することについても私なら目をつぶりたくなりますわ。

 こうして犯人の住まいに乗り込んでいって、あの日の暴漢らを全員射殺するんですが。
エリカ、マーサーにメール内容をメールで送ってたんですね、さよならという言葉とともに。
 そんなもんだから最後の一人を殺そうとする時にマーサーが駆けつけてきて。
 悩んだ末に彼は言いました。
「それはダメだ!合法的な銃でないと」と。
 そうしてエリカに自分の銃を渡し、「頼む!連行してくれ」と助けを懇願する犯人に対して
「今夜は断る」と言いました。うおー、悪いことではあるけどかっこいいよあんた!

 こうして最後の復讐を遂げたエリカは、逮捕していいというのですが、マーサーはなんと、
エリカが持っている銃で自分を撃たせ、エリカを逃した後現場を偽装し、正義漢ぶって
犯罪者を撃ち殺していた暴漢どもが、仲間割れを起こして撃ち合いになり死亡、駆け付けた
自分が射殺したが一発撃たれて負傷、というシナリオを作り上げたのでした。

 取り戻した犬とともに歩いて行くエリカ。これからどうなるか、は描かれていません。
 けれどももう二度と安息な日々が戻ってこないというのは彼女自身が一番よく知っているでしょう。


 この映画はデスノートと正反対です。
 主人公は自分のしていることが正しいとも思っていないし、正義だとも思っていない。そして
正当化するそぶりもない。
 むしろ自分の行為が「正義だ」と言われることに戸惑っている。
 それがキラとエリカの違いでしょう。
 だからこそ逆に、生き残ることができたのではないか、と私は思います。
 タイトルの「braveone」ってどうなんだろう。立ち向かうとか勇断という意味がある
けれども、私は逆にそこまで正当化してはいけないと思うし。
 死んで当然な人間たちではあるし、復讐もアリでしょうが…だからといってそれを
真っ向から「正しい」と言える勇気は、私にはありません。復讐されるだけのことを
奴らはした、それだけです。

「真の勇気は、第三者の目撃者のいない場合に示される。」
 昔こんな言葉を聞いたことがあるのですが、その勇気を示すのだとすれば、立ち向かうのも
またよし、でしょうか。




多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→ブレイブ ワン