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スウィーニー・トッド
フリート街の悪魔の理髪師

2/11鑑賞

 えー…ミュージカルものなのかなーとはある程度覚悟して行ったからそれほど苦痛
ではなかったのですが。
 とりあえず、復讐の動機となった悲劇を「これまでのあらすじ」みたいに歌で済ますな。
 今回一番の突っ込みどころだよ。

 CMで、携帯を切ろうと呼びかけるやつが三谷さんの映画のバージョンでした。
 佐藤浩市さんが三枚目やってて面白かったです。
 映画面白そうだったなぁ。

 OPはメチャクチャおどろおどろしい感じです。
 こういう映画だから仕方がないんだけどさ。
 でも肉がミンチでうにゅーと機械から出てくるのが一番ギャー!って感じだった。
これまでのどのホラーよりも気持ち悪くて怖かった。あれはもう見たくない…。

 で、それが終わりますと、いきなり船の上で歌っとる青年が。
 何かあったのかと思ったんですが、元がミュージカルだからこういう始まりのようだ。
ああビックリした。
 ロンドンという街みたいなとこは他にはない、というような歌のようです。
 普通に言えばいいですやん。(いきなりミュージカル全否定)
 そこにスウィーニー・トッドが歌に加わるのですが、顔色悪っ。そのままLの役できるな。
ハリウッドでリメイクするとしたら彼できるんじゃないですか。
 ってかトッド、その頭は関口宏のリスペクトか何かですか?(前髪一部白髪)

 ここでトッド、ロンドンに降り立って自分の身に起きたことを語り始めます。
 昔幸せに奥さんと赤ちゃんとで暮らしていたら、悪い判事が目を付けて彼に濡れ衣を
着せて投獄してしまい、まんまと奥さんを自分のものにしたらしい。
 …ってちょっと待て。その判事はまあアラン・リックマンさんなんですが、その隣にいる
部下が!ティモシーさんじゃああーりませんか!
 おいおいハリポタの悪役スネイプとピーター(ペティグリュー)がそろっちまったじゃないか!
こいつぁ最悪だ!悪いことやらかすぞ。
 っていうかなんかドンピシャすぎて思わず笑ってしまった。
 ティモシーさんって本当にこういう役似合うなぁ。

 えー、そんでもってトッドがいきなり素に戻った。
 アンソニー(冒頭で歌ってた青年)に心配されているほどですがな。
 
 なんか心ここにあらずといった感じでそのまま別れて来たトッドは町中のとある場所を
目指すんですな。
 そこにはミラス・ラベットの店とありました。中に入ると女主人が。
 この人ずーっとどこかで見たことあると思ってたら。ハリポタでシリウスを殺したベラトリックス
役の人じゃないですか。
 …えーっと…。ヴォルデモート側の人間(一人宙ぶらりんですが)が3人そろっているわけ
ですが…。…トッドさん、今すぐ船に乗って立ち去られた方が…。(作品違うから!)
 というか狙ってやってるとしか思えん、この配役。
 
 ともあれこのラベットさん、歌いながらパイを作るのはいいのですが、どう見てもその
パイがポイズン・クッキングにしか見えないのですが。
 さすがのトッドも「うぇ…」と吐き出す始末。
 よくつぶれないなこの店。
 食材が高くて買えないから仕方ないのよとかいうレベルじゃないだろこれ。
 そゆわけで取り残されたのかダメージでかすぎて立ち上がれなかったのか知りませんが、
とどまったトッドにラベットは奥でジンでも、と勧めるわけですね。
 その時にチラチラ上を見ていると思ったら、この後の展開でわかるのですが、どうやらここは
トッドことベンジャミン・バーカーが理髪店を営んでいた建物だったようです。それを今2階への
出入口は中からふさいで、1階の部分のみをラベットが使ってるようですね。
 チラっとトッドが見上げた時、二階へあがる階段がふさがれていたようだったから。多分。

 ともあれここでまたトッドの歌が。
 どうやらあれには続きがあったみたいで、えー、トッドことパーカーが投獄された後、奥さんは
判事の求愛にはまったく応じなかったと。ここ、窓の下で花束持って立ってる判事はちょっとだけ
かわいらしかったです。
 ともあれ、それである時「謝罪したいから」と騙して呼び出され、その後奥さんは砒素を飲んだと。
 赤ちゃんはどうなったのかといえば、判事が養女として育ててるらしい。
 15年投獄されていたようですね。これは長いなぁ…。

 このラベットはどうやらそのあたりの事情も知っているようで、トッドが2階を貸してほしいという
のにも、嫌な顔見せずに外の階段を通って案内してくれました。カギを持っているということは
誰かから預かりでもしたんですかね。
 15年ぶりだというのにほこりはないわこぎれいだわすごいな。
 そしてトッドは床下から何かを出します。箱に入っていたのは銀製のカミソリ。おおー、床屋
さんの大事なお道具ですね。
 わが友とか言ってる。
 その感慨に浸って歌を歌っている中、無理に割り込んできたラベットは追い出されました。
当たり前だ。

 一方。
 とある屋敷の窓辺で刺繍をする女の子が一人。これがどうやらその養女にされているという、
バーカーの娘ですかね。
 この子の歌はめっちゃうまかったです。ご本業の方ですかね?わかんないけど、本当に上手
だった。
 で、それを聞く若者が一人。皆さんとうに忘れ去っているでしょうが、ちょい役ではなかった、
アンソニーだ!
 そこへ物乞いをしながら歩いてきたまずしい女性にお金を恵んで彼は、窓辺の女の子の素性を
尋ねます。
 すると、判事が後見人をしている、ジョアナという女の子だということがわかりますが、あの子に
手を出した若者はタダでは済まないとも警告されます。
 まあこいつは若いから聞いちゃいねーよ。歌が終わって判事が手まねきしてるのへ、ほいほい
ついていって、部下のバムフォード(ティモシーさん)にさんざん痛い目にあわされて放り出された。
 アホだろこいつ。なんていうか、この映画を見て思った役どころは、映画デスノートの松田に
近い。あ、原作デスノでもいいんですけど。Lがいたら間違いなく「松田、邪魔」というであろう
ポジション。
 こいつの空気の読めなさに、トッドも手を焼くことになります。(のちほど)

 ま、そういうわけで追い出されたけど、町中を「キミをさらいにいくよジョアナ」とか歌いながら
歩いていきました。こりねーなおい。

 一方トッド。
 市場へ出かけるのですが、そこへなんか有名な理髪師がくるとかいうので、なんと勝負を
挑むわけですよ。
 どちらが早く丁寧にヒゲをそれるかという勝負。判定を頼むのは居合わせたバムフォード。
 というわけでまあ予想通り、相手のピレリが歌うたっとる間にチョイチョイとトッドがヒゲを剃って
終了。圧倒的大差でした。
 つーかピレリの格好は何とかならんのか。ミスターサタンくらいセンスひどいぞ。

 トッドはこの勝敗には興味を示さず、バムフォードに声をかけます。で、店の宣伝をした
わけですな。これが目的でもあったわけだから。
 
 で。
 今度は窓辺で切り絵をしてるジョアナ。
 おいおい切り絵ってあんたはあれか、寄席にでも出るのか。
「なんでもおっしゃった動物を切ってみせまーす。キリン?あーそれねー今切らしちゃって
るの」とか。(切り絵をする人が全部そうではない)
 そんで、部屋の中には覗き穴が仕掛けられていて、判事が廊下から覗いてるんですよ。
 そうとも知らずジョアナは、窓の下にやってきたアンソニーに鍵を投げて渡します。
 まだこりてなかったんか、アンソニー。

 トッドはトッドで剃刀を研ぎながら「なぜ来ない!今週中には来るっていったやろ!」
(実際は関西弁ではありません)とかなんとかイライラ。お前カルシウムとれよ。
 というか普通に営業してろよ床屋。
 これじゃバレバレだろ。もともとここが自分の家だったんならわかる人にはわかるし。
 このへんは甘いなぁ、なんていうか。
 そこへ転がるようにして駆け込んできたのはアンソニー。お前か…。

 鬱陶しそうな顔をしたトッドですが彼は、思わぬ形で自分の娘のことを知ることになるの
です。
 そういう意味ではアンソニーの空気読めなさっぷりも役に立ったといいますか。
 あの判事の手から助け出すから手伝ってくれとかいうのですな。連れ出すから、馬車を
呼んで来るまでここにかくまって欲しいと。
 トッドにしてみれば複雑でしょうなぁ。
 娘が助かったと思ったらまたさらわれていくようなものだから。(嫌嫌ではないですが)
 ともあれ、ラベットが承知したのでアンソニーはウキウキしながら出ていきました。
 というかラベットが承知した理由は、アンソニーは殺してジョアナは私達が育てましょう
というもの。
 このころからね、なんていうか、ラベットの態度が私としては鼻につき始めます。なんていうの、
サザエさんに出てくる花沢さん的ポジション。勝手に女房気取りで鬱陶しい。
 
 そんな中トッドとの戦いに負けた…誰だっけこれ。あ、ピレリだ。名前はまあまあかっこ
いいのになぁ。
 ともかく彼はトッドの素性を知ってゆすりにきたわけですよ。
 それを手にかけるトッド。
 一方ラベットは、ピレリにこき使われていた少年トビーにあのパイを食わしてやったりとか
して引きとめていたんですね。それが幸いしたといいますか。
 一旦トビーは上にあがってきてしまうんだけど、トッドがすんでのところで箱の中にピレリの
死体を入れたので目撃されずにすみました。
 が、手がはみ出ていてヒヤリとするトッド。
 トビーを下へ戻すために、「伝言を伝えてくれ。この子にジンを」と言います。彼は喜んで
降りていきました。
 さてこのシーン。いろいろ突っ込みどころが。
 作品の上での突っ込みどころとしては、ピレリを殴るのになんでやかん使ことんねん!と
いうところでしょうか。やかん持ってガンガン殴ってんの。絵的にこれ笑うとこですか?とか
思いながら見てしまったよ…。
 あと、トビーが最初にラベットにパイを出されてかぶりつくとこなのですが、アップのシーンでは
1/3食べ終わってたのに、次のシーンでは突然まるまるパイが戻ってるんですな。どういう
撮り方したか知らんが気をつけなさいよ。

 さて仕事にいそしんでいる判事。
 浮かない顔をしています。
 ジョアナに求婚をしたけれどあまり喜んでくれなかったと。
 いやー私なら喜びますけどねー。(アラン・リックマン氏の求婚じゃないから。悪い判事だから)

 そこでバムフォードひらめきまして、腕のいい床屋がいるからこぎれいにされて、身なりを
整えてから求婚すれば喜ぶだろうというのですね。
 そうしてやっとこさトッドの元へ向かうわけですよ。
 一方トッドはといえばそれどころではない状況に。
 殺したピレリをどうするかという話になります。
 ラベットは「罪もない人を殺したの!?」というんですけど、トッドから「俺の過去を調べて
ゆすりにきた」と言われて「じゃ、殺されても仕方がない」とあっさり納得してしまうあたり、
なんかちょっと怖いなという気もします。
 あと死体を改めた時にちゃっかり財布とってるし。
 トビーをどうするかという話になったんですが、これはラベットが店で使うからということで
殺さないことになりました。

 そうこうしているところへついに、トッド念願の判事が訪ねてきたわけです。
 小躍りせんばかりに喜ぶトッド。いや、内心でですが。
 多分心の中はよさこい祭り中だよ。ヨイヨイヨイヨイ。
 愛想もよく「いらっしゃい」と出迎え。すんげー愛想いいな。
 判事は機嫌が悪いのか求婚のことが気にかかっているのか顔色が悪い。
 というか片眉上げる演技とかやっぱ得意ですな、アラン氏。

 んで二人揃って歌いつつですね、トッドは殺す機会をうかがうわけですよ。
 そうしてついに…!と思った瞬間、松田ことアンソニーが「駆け落ちするぜイェィ!」とか
言いながら入ってきましたよ。台なしですよ。空気読めよアンソニー。
 っていうかお前はまずノックしてから入るということをしろ。あけると同時に用事を叫ぶな。
 というわけでトッドも判事も激怒。
 判事はまず「タチの悪い友人と付き合っているようだな」とクリームをぬぐい出ていきました。
トッドは復讐のチャンスをつぶされたと怒ってアンソニーを叩きだしました。
 えーっと判事さんへ。
 クリームぬぐわれたのはいいですが、左頬にガッツリのこってましたよ…。

 そんなわけでもう開き直ったというか何かがはじけちゃったトッドは町中にかみそりもって
出ていって歌いながら宣伝始めた。
 ひげそりをどうぞとか。
 …あ、我に帰ったらまだ室内だった。よかったな、トッド。二度目逮捕されてたら生きてる
間に出てこられなかったぞ。
 ラベットにひょいと抱えあげられて、死体はどうするのと現実に引き戻されました。
 そうだその問題が残っていた。

 で、ひとしきり歌いました後、パイの肉にしちまえと。オェェェェ。まあこの手の話は昔の
作品には珍しくもありませんが。
 アジアよりはヨーロッパの方がこういうのは多いかな?
 ともあれ、人肉入りパイで新装開店ってか。毒入り餃子と同じくらいひどいな。
 というかあんたら歌ってるヒマあったら早く死体始末しろよ。どんだけのんびりしてんだよ。
トッドも復讐の機会逃したのにずいぶん余裕だな。

 ジョアナはそういうバカ騒ぎがあったとも知らずに、駆け落ちの準備をしますが、まあ
もちろん判事が許すはずもなく、馬車につめられてどこかへ連れ去られていきます。
アンソニーはそれを追いかけますが見失って…ってまたこいつ歌ってるよ。
 このシーンのジョアナの服が、左右からボタンで布を止めているような服で、なんていうか
着ていくうちに指がつりそうだなと思いました。これボタンはじけたら一気に服じゃなく
なりますやん。

 そんでトッドはずーっと考えていましたが、何を思ったかいきなり椅子の改造を始めます。
これがOPに出てきた歯車とかの図かーと納得。
 さてどういう仕掛けができたのでしょうか…?
 その仕掛けは、イスに腰掛けて殺した人間を地下へ落とすためのもの。
 つーか…こんなに次々と人を殺していいんだろうか。
 復讐のために狂気が入り始めて誰彼となく殺しだすというのはまあわかるけど。
 それでもそんなことをしたら、あの判事とやってることは同じじゃないんでしょうかね。
トッドはそれ分かってるんだろうか。
 なんかこの展開はあまり好きになれなかった。復讐のために何の罪もない人を殺す
というのは。(相手が悪人とかいうのならともかく)
 そうして地下へはどんどんと死体が落ちていき、ラベットがそれを肉にしてパイへ。
店の煙突からどす黒い煙が上がるのを物陰から物乞い女が見ており、「Mischief! Mischief!」
って叫んでいます。
 これはハリポタにも出てきた単語ですね。あれは「Mischief Managed!(地図を開く時の言葉)」
で使われていましたけど。
 悪魔の所業だ、と言ってます。彼女は何が行われているか気づいたんでしょうかね。

 新装開店したラベットの店は大繁盛。
 そらーもう仕入れはタダみたいなもんですから儲かって儲かってといったところ。
 ただトッドも、家族のいる男はヒゲをきちんとそって返してやっているみたいですね。自分の
姿を投影するんですかね。
 殺すのは身寄りのない男とかだそうですよ。にしてもなぁ…。
 ラベットは隙をついて入ってこようとする物乞いの女をトビーに言って追い出しています。
 この時はああ、秘密をばらしそうでうっとうしいからとか、物乞いだからかなぁと思って
いたのですが…。後から思い返してみれば、ああいう意味もあったのかなぁとちょっと
いろいろ思うシーンでもあります。

 儲かったもんでラベットはトッド相手に将来設計とか語り始めてますよ。
 もう勝手に夫婦気どりだし。
 ほんっとラベットのこういうとこ、好きになれないなぁ…。トッドも自分を好きになってくれる
だろうみたいに思ってるとこが。
 
 忘れられかけていたアンソニーですが、なんとさまよったあげくについに、ジョアナが閉じ込め
られているところを発見したいみたいすですね。精神病院だそうです。
 そんでトッドのところへやってきます。
 トッドは、カツラの髪の毛を仕入れるのは精神病院からなんだから、お前かつら職人の
弟子を装って入りこんでさらって来いと知恵をつけるわけです。
 ヅラ職人か…。(ヅラじゃない、桂だ。いやカツラだ)

 一方でトッドはトビーに、判事への手紙をことづけていました。
 ジョアナをさらった男が今夜ここで落ち合うことになってるから、来れば娘を取り返せる、
とかなんとか。うまい呼びだし方法だこと。
 ただトッドの落ち度ってほどでもないけど、ミスは、この手紙をそのまんま、便箋のまんま
トビーにことづけたことでしょうか。お前封筒に入れるなりしろや。
 多分内容を読んだんでしょうね、ラベットのとこへ戻って来たトビーは、トッドは悪人だ、
あなたを守るとか言ってました。お前な、ラベットも共犯やぞ。
 ラベットが胸元から取り出した財布見てそれピレリさんのだとか言ってるし。
 ラベットもラベットで財布始末しとけよもう…。
 そんなわけで彼女はトビーにパイをやいてもらう手伝いをするとかいって地下へつれて
いきました。
 私はここでトビーを始末するのかなぁとかちょっと物騒なこと思っていたんですが、そこまでは
しなかったですね。なんかもうちょっと悪人かと思っていたのでこれは意外でした。
 トッドもラベットも詰めが甘い。
 で、地下へトビーを残してラベットは外へ出ていきました。

 アンソニーは割とあっさりジョアナを見つけまして助け出しました。
 うっわこいつの存在軽いな結構。
 まあ話の筋には直接関係ないといや関係ないしなぁ…。
 
 で、トッドとラベットが話しているところにバムフォードがやってきた。
 煙のことで近所から苦情が出ているらしいと。
 やばいのでトッドが引き止めてうまいこと上へ連れていきました。

 そんでトビーはパイを食いながら地下の調理場を見て回っているのですが、ついに、
肉の正体を知るわけですな。そこへバムフォードの死体が降ってきてもう驚くとかそういう
レベルを超越。
 トビーを探しにトッドとラベットがやってきたんですが、さすがに殺されるだろうと理解した
のか隠れてました。
 っていうかどちらか一人入口に残ってないと逃げられちゃうだろ。この二人は何をしたいのか
よくわからない。

 一方で物乞いの女。役人がトッドの店に入って行ったのを見ていましたから、そこへ
入っていきます。
 その前にたどり着いてたアンソニーとジョアナ。ジョアナを残してアンソニーは馬車を
呼んで来ると出ていってしまいます。
 ここが自分の生まれ育った場所とも知らずにジョアナは、誰かが来るのを知ってあわてて
あの箱の中に隠れました。
 そこへ物乞い女が入って来たわけですな。
 で、トッドが戻ってくるのですが、物乞い女はこの男が人殺しだと知らないわけですから、
ラベットが云々と言ってしまうわけです。
 そして「あら?どこかで会った?」と。
 外の音を聞きつけたトッド、有無を言わさず物乞い女の首をかききり、イスの仕掛けで地下へ。
 トッドがもう少し心に余裕を持っていたら。
 彼自身もまた見覚えがあることに気付いたでしょうに。

 そして外の物音は判事でした。
 手紙を見てやっと駆けつけてきたわけです。
 あわてる彼をなだめ椅子に座らせ、ジョアナはあなたの求愛を受けると言っている、こりた
ようだとトッドは言うわけですな。
 で、ひげをそりましょうと。
 まあこっから先は予想通りですよ。
「老けたせいもあるが、理髪師の顔は記憶に残らないらしい」と。
 判事が、陥れた男の名を思い出したところでタイムアウト。はい、判事さんボッシュートでーす。
チャラッチャラッラーン。←転落見てるとまさにこんな感じ。

 ところがそれを見ていた者がありました。ジョアナです。
 トッドは彼女を箱から引きずり出しますが、帽子を深くかぶっているせいで正体に気付かない。
ラベットの声にあわてて「今夜のことは忘れろ」と言って飛び出していきました。
 うーん悲劇ですねぇ。

 ラベットは判事がまだ生きていて足をつかまれたから悲鳴をあげたらしいんですが、なぜか
トッドが来ることにあわてて、物乞い女の死体を引きずって隠そうとするのです。
 それはなぜか。
 彼女が、トッドことバーカーの妻、ルーシー・バーカーだったからです。
 正体に気づき呆然とするトッドにラベットは言います。
「私は、砒素を飲んだとは言ったけど死んだとは言っていない」と。

「あら?どこかで会った?」
 砒素を飲んでおかしくなってしまっていた妻がトッドに気がつかなかったのも悲劇ですが、
トッドもまた気がつかなかったわけで。
 怒りのままトッドは、燃え盛るオープンへと、ラベットを突き飛ばして殺しました。
 そして妻の死体を抱きしめているトッドの後ろへ忍び寄る影が。
 トビーです。
 彼は落ちていたカミソリでトッドの首をかききり、出ていきました。
 こうして復讐と悲劇のドラマは幕を下ろしたのです。

 いつかジョアナは知るでしょう。
 あの日古びた店で出会った血まみれの男が父親であると。
 妻と子のための復讐が行われたのだと。
 どうかその時彼女がアンソニーとともに幸せでありますように。


 さて。
 ジョニーデップの演技は他のサイトさんでさんざん称賛されつくしているでしょうから、
やはしアラン氏好きなわたくしと致しましては、アラン氏の演技をば。
 やっぱすごいですね。歌は苦手とのことですが、「Help I'm a Fish」で美声を披露されて
いるだけのことはあります。舞台もやってる人だからミュージカルもいけますなぁ。
 一番すごいなと思ったのはこの人、立ってるだけで悪役だとわかる演技が出来ることですね。
片眉跳ね上げただけで何かを企んでいるような表情とか。
 スネイプとか今回の判事とか、ダイハードのテロリストとか。どう見てもお人よしな人では
なさそうという雰囲気をただ立って醸し出すのは難しいですよ。なのに普段はふにゃーっと
した人の良さそうな顔の人ですからね。
 いやーすごいなと思いました。
 映画自体はものすごく血なまぐさいものでしたが、それぞれの俳優さん女優さんの演技は
素晴らしかったですねー。
 話の内容がアレなのであまりお勧めはできませんが、俳優さんファンで見てみたいという
人ならいいかもです。



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