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チーム・バチスタの栄光

3/12鑑賞

 んー…ちょっとテンポが悪いように感じました。
 なんていうか山なし谷なしでだらだら話が進んで最後ちょびっと盛り上がって解決しちゃい
ました、みたいな。
 なんだろう、金田一とかコナンなどの推理ものを見てるとやっぱ物足りないと感じますね。
この作品がミステリーのジャンルになっているにしては、単に人に聞き込みしてまわって、
手術に立ち会って、最後あたりでたまたまビデオを見ていて発見して解決しました、って
なってて、積極的に解決しようという姿勢がないからなのかな、すんごいダラダラした感じを
受けました。
 「犯人」の怪しい行動の片鱗(つまり伏線)もまったくなかったですしね。

 さて…。
 物語はオペの最中のトラブルから始まります。
 映画館のミスで冒頭音がまったく出なくって1分くらい無音でしたよ。ふざけんな映画館。
(しかも謝罪なし)
 ともあれ、心臓が再鼓動せずその手術は失敗。患者は術中死ということになりました。

 一方主役となる田口さん。映画では女性になってんですね。性別が変更されたのを見たのは
リング以来かな。
 この人は心療内科担当で、患者さんの話を聞くのが主な仕事みたいです。
 なんかほくろをおできと一緒にとられたとか怒ってる患者さんがおるけど…。田口に言っても
仕方ないんじゃないかな。
 ともかくこの、のほほんとしてる田口はある時院長命令で、バチスタチームのオペ失敗の
原因を探っていくことになります。
 このバチスタチームというのはまああれだ。チームドラゴンそのまんまですよ。
 ところが最近いきなり数例ほど、心臓が再鼓動せずに患者が術中死するケースが3件
出てきていて、専門外の田口なら何か別の視点から原因を見つけられるかもしれないという
ことで、白羽の矢が立ったのでした。
 依頼してきたのはチームバチスタを率いる執刀医・桐生。もう朝田でいいんじゃね?(よくない)
 
 すごい資料に辟易しつつ、田口の調査が始まるのですが…。
 なんか紹介ビデオがあるんだけど、まんま医龍って感じで笑えるわー。
 あとナレーションの声誰だろう。聞いたイメージでは医龍の松平先生に似てたんだけど。
 
 まず田口は第一助手の垣谷に話を聞きにいきます。
 すげえ、米粒に般若心経かいとるよ。指先の訓練だそうです。ボトルシップとかもあるし。
確かにお医者さんって指先器用そうだなぁ。
 彼は、機械出しのナースが大友さんに変わったこと、これが原因ではないかと指摘します。
機械出しが下手で微妙に呼吸のズレがあるからと。
 んーそんなもんでオペ失敗してたら、世の中のお医者さんすべて、チームメンバーが変わる
たびにオペ失敗しないといけませんがな。
 第二助手の酒井は、逆に垣谷が原因であるといいます。桐生がボストンから帰国してきた
から、教授になれるはずだった垣谷が桐生をねたんで邪魔してるとかなんとか。
 次にえーとこれは何の人だっけ、臨床工学士とかいう立場の羽場さんは、人工心肺の
管理でそこしか見てないというのであまり証言としては役に立たず。
 あ、それと機械出しの看護師、大友も呼ばれてたけどなんかえっらい大げさに泣いてて
ちょっとうざかった。まあこれはどうでもいいや。

 と、ここまでの話には大した収穫はなし。
 そんな中、ヘリで黒人の男の子が運ばれてきました。
 反米ゲリラの兵士でケガして運ばれた病院で心臓に重い疾患が見つかったんだけど、
アメリカは治療を拒否。それでここに運ばれてきた…って松戸教授あなた何してはるんですか。
(それ、L change the WorLdだから!)
 ここでも医師の役ですか…なんかそのうちこの病院にLが来て「ワクチンを作って下さい」
とか言うんじゃないだろうな。
 ともかくこの松戸教授…じゃなくて誰だっけ…あ、黒崎教授が兵士の治療について記者会見
しておりました。…ってここでも教授かこら。しかも黒崎って。この病院でシロサギ相手に詐欺
やった奴が「まいどありぃー」とか言いながら出てくるんじゃないだろうな。

 ま、そんなこともありまして、田口は麻酔医の氷室に話を聞きに行きます。
 えーとこの人はココリコの田中っていう人だっけ?
 大変失礼ですが、思っていたよりこの人演技メチャクチャうまいと思いました。
 役柄が合っていたのかな。
 ひょうひょうとしていて多忙な麻酔医の役を見事に演じてましたよ。
 でまぁ、あんまり話もきけないうちに次のオペだからと氷室は立ち去りました。
 
 次に話を聞きに行ったのは、桐生の義理の弟でもある鳴海病理医。オペの時に心臓を
見て大体の切除範囲を決めてるみたいです。
 で、この人は特に問題はなくオペもパーフェクトだったと話してます。つーか会話に英語
まじるんだけど。お前はルー大柴か!
 田口は彼の右手に大きな切り傷があるのに気付きます。オペ中のミスで手を切って、
それで彼は外科医をやめて病理医になったんだそうです。ということは神経を切っちゃったか
腱でも切りましたかね?
 あと鳴海、田口の問いかけに「ライト!」って言ってるけどそこは「ザッツライト」って言えよ!
したら「それは明るい」「…違う」というコントにつながるだろうがぁ!
(キミはこの映画に何を期待しているのか)

 さてこの子供兵士のオペに…余計な人間が混じってると皆がビックリしたのですが、
単に黒崎教授が見に来てただけだった。うーんいまいち盛り上がらんな。
 んでまあこのオペは問題なく済んだんですね。良かったよかった。

 夜。田口は趣味で社会人ソフトボールチームに入ってるみたいなんですけど、その
試合中に背広姿の男が現れました。
 で、バッター交代とか割り込んできて、田口の球を打とうとします。止めに入った連中は
彼の名刺を見るなり「わかりました」と。
 何だ何だ?何が書いてあるんだ?
 結局この男、田口の球を見事ジャストミート。ライト割ってました。弁償しとけよお前。

 翌日仕事をしている田口のところにこの男がやってきました。彼は厚生労働省の白鳥
という人物。
 彼は田口の出した調査結果にまったく満足しておらず、乗りこんできたというわけです。
ちなみに院長とは知り合いのようですが、院長側はまったく関わり合いたくない様子。
 白鳥はこのオペ失敗を「故意に行われた、殺人である」と断定していました。

 そゆわけで白鳥主導の調査が始まるのですが…。
 いやーすごいすごい。人を怒らせることについては天才的だなこの人。
 ただやり方は間違ってないと思います。
 怒ると大体本音が出るので、本当に何も心当たりがなければズバズバ言うし、逆に犯人で
あれば冷静に答えたりするっつのはあるみたいですね。
 この調査の結果外れる「容疑者」は下記の通り。
 黒崎教授、垣谷、酒井に大友。ちなみに大友の嘘泣きも白鳥は看破しました(笑)。

 そんで白鳥は唐突にボストンへ行ってくるっつーんですが。
 その前に、うどんおかずにそば食べてた。どういう食べ方やねん。うどんおかずに言う
たらご飯でしょうが!…って友達に言うとヘンって言われるんですが。ラーメンとかうどん
にはご飯つけるよね?あれ?
 白鳥は「次はまた死人が出る」と言って去っていきました。

 そんな中、田口のもとを、オペをする予定だったのだが心配になったという患者が
訪れます。あー山口さんだ。欽ドンの良い子悪い子普通の子の、良い子やってた人。
イモ欽トリオの人(ますますわかんないから)。
 うわー年とったなぁ山口さん…。
 ともかく、オペして治ったらロックやりたいんだって。あーデトロイト・メタル・シティみたいな?
(それはヘビメタ…)
 歌を聞かせてくれるんですが、曲はロックなのに歌が、声小さいからなんかフォークソング
みたいで、逆にこういうノリの歌もありなんじゃないの?とか思いました。
 レモンティーという曲だそうです。ちゃんとエンドロールに出てた。
 ギターとかは欽ドンの時にやってたから吹き替えなしなのかな?わかんないけど多分山口さん
引いてるとは思うけど。
 桐生が田口に会いにきて、またこの人のオペに立ち会ってくれとお願いするのですが…。
妙なことに田口の差し出した手を無視して彼は立ち去っていきました。
 まあわかるでしょうが、伏線です。

 ところがその山口さん…じゃなくてこの患者さんの容体が急変、緊急オペとなります。
 そしてまあ大体予想してた通りこの手術は失敗。患者さんの心臓は再鼓動することなく、
術中死となりました。
 ここでは大友さんがあわてるあまり器具をひっくり返したり、パニックになったりと、すごかった
ですね。っていうか毎回オペのたびに酒井がすぐ「再鼓動きません!」「…黙って見てなさい」と
いう会話を繰り返してるんですがキミは待つということができないのかね?

 田口もものすごいショック受けてて今更ながらに、桐生の言った「再鼓動がこなかった
時の恐怖はそこにいる者でなければわからない」ということを理解するわけです。
 お医者さん達は手術のたびにこういう恐怖と闘わなくてはいけないんですから、その恐怖
たるやいかばかりかと思いますね。いや別に全部が心臓止めるわけじゃないだろうけどさ。

 しかしそこへ白鳥が乗り込んできました。
 ショックを受けている一同をしり目に、患者さんの遺体をMRIにかけると言いだします。
 院長権限でMRIへ運び込んだんですが…ここの担当の人がメチャクチャキレてて、私は
むしろこのキレっぷりが理解できませんでした。
 MRIは生きている人のためのものだってのが主な主張なんですが、えーと確か最近、
法医学においてこういう移動式MRIで簡単な解剖っていうか検死が始まってるんじゃないの?
そゆ風に医者の人から聞いたんだけど。職人肌の人ならなおさらこういう情報知らないとは
思えないんだけど…。

 んでボーッとしてる田口は、患者さんの愚痴に対しても「で、こういう風に言ったんでしょ」
みたいなこと言ってしまうわけですね。
 これは田口がいかんわなぁ。いくらショックを受けてても、仕事中はそういうこと切り離さないと。

 その夜田口は変な音がしてくるのに気がついてその部屋に行きます。
 ドア開けたら…白鳥住んどるがな…いつからよ…。
 そこでバチスタオペの録画されたものを見てるんですけども。
 ここでようやく田口はあることに気付いたわけです。

 桐生と鳴海と院長を呼び出して、まあここでようやく「名探偵みなを集めてさてと言い」と
いうやつですな。
 とあるひっかけをやって見事桐生の秘密を暴きだすわけです。これはおみごと。

 ただし。
 桐生のオペ自体は失敗していたわけではなかった。
 白鳥もそこは知っていますから、まず桐生の秘密を暴いた上で犯人をあぶり出そうと
するわけです。

 次のバチスタ手術では垣谷が執刀医となってオペ。
 彼をバカにしていた酒井はその見事な手腕に驚かされます。ここの演出はすごい好き。
 またまた酒井が「再鼓動きません!」とかあわててますが垣谷はジッと見ています。
 そして…。
 心臓が動き出した時の垣谷の安心っぷりというか。この演出もすごい好き。で、すぐ
冷静に戻って手洗いに出て行った。
 ここのオペ〜再鼓動までのシーンは一番良かった。大好きなシーンです。
 まあ余裕があったら、皆が集まってるシーンから目を皿のようにして見ておくと、ある
伏線が張られてることに気づけるので面白いです。

 ここに白鳥らが入ってきまして、あの患者さんの死因がわかったというのですね。
その死因とは、脳を圧迫されたことによる…えー何?脳幹ヘルニア?とか何とか
言ってました。
 こんなことができるのは吸入用の麻酔薬を液体で注入できる麻酔医、つまり氷室
だけであると。
 動かぬ証拠を突き付けられた氷室、あっさり認めました。
 今回のことについても田口がこっそりと氷室が用意していた注射器をすり替えて
いたので死ななかっただけで、本当は殺すつもりだったようですね。
 動機は、「チームのみんながあわてふためくのが面白かったから」と。
 淡々と、面白そうに語る氷室の演技はすごかったなー。いやーこれ難しいと思いますよ。
 ちなみに子供を殺さなかったのは、子どもがかわいそうだったからではなく、単に子供の
オペではエピドラ(麻酔薬)を使わなかったからだそうです。本物の外道だなこいつ。

 ま、そういうわけで一応事態は収束。
 桐生もメスを置いて新しい道を模索し始めました。
 そうしてまた田口がソフトの試合やってるところに白鳥が乱入してきて、今度は三振に
打ち取ったところで物語は終了。

 うーん…もうちょっとこう、うまい進め方ができなかったのかなと思います。
 どんな作品でもそうなんだけど、小説とマンガと映画とドラマでそれぞれ進め方とか
盛り上げ方って違うと思うんですよ。
 小説がこうだったから映画もと、同じ進め方で行くとこういうミステリー系は必ずだれます。
なんか考えてほしかったなぁと。
 まあそういうわけで、レンタルDVDが出たら見てみてください。垣谷オペシーンは他の人は
受けないかも知れないけど私は大好きです。



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→チーム・バチスタの栄光