多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→魔法にかけられて


魔法にかけられて

4/6鑑賞

 この作品面白いんですけど、私は最後までジゼル(主人公)は王子様と幸せになる
ものだと思っていたので途中からの展開は結構意外でした。
 ディズニーらしいといえばらしいんだけど、なんていうか…物語とは「幸せに暮らしました
とさ」で終わるからその後を心配しても仕方がないんだけど、やっていけるのかなぁと。
 ともあれ、みんなが幸せになったのですからハッピーエンドでいいのかも知れません。

 えー物語はいきなりアニメ絵から始まります。あ、正確には飛び出す絵本からですが。
 ナレーションによると、アンダレーシアという国の女王は自分の息子が結婚し王位を
追われることを恐れていました。特に嫁さんが入ってきて自分の王冠が奪われるのは我慢
ならないとか、相当な被害妄想だと思います。
 っていうか自分の息子なのにと思っていたら、義理の息子らしい。(パンフレット情報)
 わからんてそんなの。
 ちゃんと言ってよ。
 ともあれ女王は何とかして息子が結婚するのを防ぎたいみたいでした。つーか王位が
奪われるとか以前にあんたが死んだら自動的に王位は王子のもんだよ。

 一方主役のジゼルはなんかルンルンで人形作ってます。王子の。
 すでに会ったのかと思ったら夢で逢ったんだそうです。いやなんか夢で会ったからって
人形作っちゃダメだから!運命の出会いとか言っちゃダメだから!
 もういきなり運命の人と出会ったらキスするとか言ってるあたり、ほほえましいとか
通り越して危ないよ!

 その一方バカ王子…もといエドワード王子がトロール狩りをしておりますと、どこからか
素敵な歌い声が。
 王子は乙女は僕のものだとかいいながら走り去っていきました。なんかこう、気性が
イタリア人に似てるな。思いついたら即行動みたいなとこが。
 で。
 この付き添っていた部下ナサニエルは女王の心を知っておりますから、捕まえた
トロールを解き放ってジゼルを襲わせ2人が出会うのを阻止しようとします。ところが
どっこい、トロールに襲われ逃げて丁度王子のところへ落下する形になったジゼルは
そのまま運命の人と直感。
 2人は松田聖子もビックリのビビビ電撃結婚をすることになりました。ビビビのネズミ男
じゃないよ。

 まああれですよ、女王が怒り狂わないわけがない。
 城にやってきたジゼルをばーさんに化けて魔法の滝の前につれていって突き落としました。
 こうしてジゼルはどことも知れない世界に飛ばされたのです。

 つーわけで出てきたのがニューヨークど真ん中のマンホール。
 はいこっから実写です。
 お城はどこですかって聞いてるけど、こっちの世界にはディズニーランドはないので
しょうか?ニューヨーカーならまずそちらを案内しそうなもんだけど。

 場面変わりましてもう一人の主人公とも言える男が登場。
 彼の名はロバート。バツイチ。離婚専門の弁護士で今日も離婚協議中の夫婦のお相手。
ちなみに結婚を前提として付き合っているナンシーという女性がいるらしく、娘であるモーガンに
「明日はナンシーに学校連れてってもらうんだぞ」とか言い聞かせています。
 で、今日はナンシーの誕生日らしいのですが、絵本の代わりに世界の女性偉人伝という
本を渡すくらいリアリスト。夢も希望もありません。
 
 で、雨に打たれているジゼルはお城の絵が描いてある看板を見つけ、そこにえっこらせと
上がって「入れてください」とか言ってるのですよ。ええ、間違いなくやばい人です。
 そこにたまたま信号で止まったタクシーがあり、中からジゼルの姿を見たモーガンは、
絵本から抜け出てきたお姫様だ!とジゼルへ駆け寄って声をかけます。
 落下したジゼルをロバートが受け止めまして、とにもかくにも家へ連れてきてやり、濡れた
服を乾かしたりしてあげているうちにジゼルが寝てしまったので、一晩泊めてあげることに
するわけです。
 これが魔法の始まり。

 ここですごいなと思ったのは、ジゼルが目をキラキラさせながら、「魔法の滝で願い事を
言ってる時に落ちちゃったの」と突き落とされたとは夢にも思わず語るところのシーンで、
手の動きがちゃんとアニメ調になってること。ディズニーのプリンセス特有の、手をひらひら
させながらしゃべるっていうんですか、あんな感じ。細かいとこまで気を配ってるなぁ。
 あとなぜ寝る前にモーガンの着ていた服が柔道着だったのか知りたい。

 さあジゼルの親友、リスのピップが、ばーさんによって突き落とされるジゼルを目撃して
おり、それを告げられたエドワード王子はいさましく滝へ飛び込みニューヨークへやって
きます。
 マンホールを点検作業していた職員達は目を白黒。
 ピップは話せなくなってしまっており、これでは意志の疎通もイマイチ。
 さあどうする王子!?

 目が覚めたジゼルは、部屋の汚さにビックリ。掃除することにします。
 しますが…若干問題が。
 ニューヨークで窓を開けて動物を呼ぶと、変人だと思われます。
 ニューヨークにバンビや小鳥たち、クマにムササビはあまりいません。
 ニューヨークでは片付けたゴミは自然にはなくなりません。

 えー…まあ大体予想はしていましたが、駆けつけてきたのがドブネズミ、ハト、ハエ、
ゴキブリというのはビジュアル的にどうかと思います。
 特にゴキブリ。生々しすぎてちょっとめまいがします。
 これは…ディズニーらしからぬ映像だなぁ。
 想像してみてくだ…あ、しなくていいです。ゴキブリがうわーっと排水溝から出てくる
なんてどこのホラー映画じゃ。

 で、モーガンが起きてこの様子を目撃、もちろん「うわぁ動物たちがお掃除してくれてる
のね、感激ー」とは思わずに「パパ!虫とかネズミがいる!」と大騒ぎして、ロバートと
ともに彼らを追い出しました。
 ちなみにジゼルは悠々とシャワーを浴びてました。文句言おうとロバートが入って
いくと、ハトがタオルを渡しているところで、しかもジゼルは呑気に「このお水はどこから
くるの?」と感激していました。

 んでもってタイミングよくナンシーがやってまいりました。
 100%誤解される展開です。
 案の定お約束なことになりまして、ナンシーは怒って帰ってしまいました。
 あとジゼルはカーテンで勝手にドレスを作らないように。

 一方。
 女王にうまいことたらしこまれてこちらの世界にやってきたナサニエル………。
 えー…。
 ハリーポッター、ピーター・ペティグリュー役でおなじみ、ティモシーさんです。
まあ何となく想像はしてたけどな!
 というわけでバカ王子を見つけて合流。目的はジゼルと会わせないようにすること。
 あと女王から毒りんご3つを託されました。
 一口でも食べれば眠りにつき、12時を過ぎたら女王の力は永遠のものになるってさ。
 ま、いいんだけどさ。
 王子は呑気なもので、ピップがナサニエルの企みを伝えようとしているのにも気づいて
ないです、はい。

 さてロバートはジゼルにいくばくかのお金を渡して別れようとするのですが、見ていると
道端のおばあさんに声をかけてお金を全部渡してしまったことに危惧を覚え、思いなおして
声をかけます。
 ここにナサニエルが表れて毒りんごで作ったリンゴアメを渡すのですが…うまくいく
でしょうか。
 と思ったらなんか熱心に自分の世界のことを語るあまりにリンゴ投げちゃった。
 んでここから歌のパレードが始まります。
 このシーンは結構見ていて楽しかったです。さすがはディズニーという感じで。
 …ボートに乗ってるシーンでジゼルがさしてた傘、番傘なんですけど…。

 しっかし歌で皆を引き入れてしまうっていうのはなんか電王のリュウタロスみたいだ
なぁと思いました。
 みんなおどろーよ!いいよね!?答えは聞いてない!

 あと動物たちに作ってもらった花輪をジゼルはハトに頼んで、ナンシーに届けてって
言うんですね。
 ロバートは「住所は?わかるの!?」とか疑問なのですが…なんと届いたんですよ。
 これによってロバートはジゼルが単に頭の気の毒な人ではなくて、本当に何かの
力があるのかもと思い始めるわけです。多分。
 ってかだからこのままディズニーランドいっとけよ。
 
 一方王子は橋の上から勇ましく飛び降りて、後ろからサイクリングしてる人達に
突っ込まれてました。
 アホだ。アホがおる。
 で、休むために入ったホテルでテレビ見つけて大はしゃぎ。
 ナサニエルはドラマに夢中。
 お前ら本当に何とかする気あんのか。
 ピップだけが一生懸命に事態を伝えようとしましたが、あわれナサニエルに捕まって
しまいました。
 
 ジゼルはロバートとモーガンとともに食事に来てました。
 なんでだかモーガンはおばあさん?と一緒に別のテーブルにいます。
 で、ジゼルは昼間説明してもらった、「これかデートね?」と聞くのですが。
 「そう。いや違う!」とあわてて否定するロバートが笑えます。

 ここでナサニエルがまたリンゴを切って入れたカクテルを持ってくるのですが、
飲まそうとする直前に駆けつけたピップによって阻止。
 ところがレストラン内は「ネズミがいる!」と大騒ぎに。
 ジゼルが「私の友達なの」と叫ぶのもむなしく、またピップとは離れ離れになって
しまいました。残念。

 その、レストランにネズミが出現したというニュースをテレビで見ていた王子、テレビに
たまたまジゼルの姿が映っていたのを発見、「そこはどこだ!教えてくれ、魔法の鏡よ!」
と叫んだらたまたまキャスターが「116丁目とブロードウェイからお送りしました」って言って、
王子は出ていきました。
 …衣装も髪型も違っていたのによくジゼルだとわかったな…。

 んで幸か不幸か、ロバートのマンションまでやってきた王子。一旦は回転ドア初心者が
やる、また元の場所に戻ってきてしまうというのをやりましたが、勇ましくまた中へ入って
いきました。
 一つ一つドアを叩いて探すのですがなかなかジゼルには会えず。

 そのジゼルはというと、ロバートに真実の愛というものを否定されて怒るのですが、
その怒るという感情自体が初めてだったのでなんか喜んでました。こぇぇ。
 まあなんとか王子が駆けつけてきましてですね。
 ジゼルは王子とともに去っていくのですが…。

 一向にらちがあかないどころかとうとう出会ってしまった2人を見て怒り心頭の女王、
なんと自らニューヨークにやってきます。っていうか最初からお前がこい。
 
 ロバートが出勤すると、離婚を手掛けていた夫婦が離婚を取りやめると言いだして
いました。ジゼルがやってきた翌日、朝から仕事が入っていたためにジゼルを一旦
職場に連れてきていたのですが、その時にジゼルが奥さんの方に声をかけて話して
いたんですね。それがきっかけとなって愛が復活したと。
 良かったねー。

 で、ジゼルはまたモーガンのとこにやってきて、舞踏会に出たいとか言うんですが。
 モーガン。
 いざという時に使っていいゴールドカードを取り出しました。
 チャララッチャラ〜
 何でも買えるゴールドカードー(ドラえもんの声で)!
 ってか王子は何してんだ。

 そういうわけでマンホールのふたをぶっ飛ばし、コカコーラの看板をぶっ壊して女王
登場。これコカコーラから文句言われんのか…?
 いやーもうすごい。
 なにがすごいって電話相談室に電話かけて相談してるナサニエル。相手はみのさんか!?
 それを役立たずと罵り、女王は歩いていきました。

 舞踏会ではロバートとナンシーが踊っておりました。
 そこにジゼルとエドワード王子も現れました。
 うーん、ここでちょっと残念だなと思ったのは、これからの展開もあるのでしょうが、ジゼルの
恰好がこちらになじみすぎてしまってたことかなー。なんていうか、シックすぎてつまらないと
いうか。俗世慣れしてしまったらつまんないなと思うんですけど、ジゼルは。
 いつまでもピュアな心を持っているのがジゼルの売りじゃなかったのかー。

 というわけでですね、ロバートに心ひかれていたジゼルは泣く泣く会場を後にしようとする
のですが、そこに現れたるが女王扮する老婆。白雪姫よろしく、差し出される毒りんごをそのまま
食べてしまい深い眠りに。
 それに気付いた王子らが怒っても後の祭り。
 で、彼女の目を覚ますにはキスしかないということで王子がもったいぶってキスをささげるの
ですが、ジゼルの目を覚ますことはできませんでした。
 そう、彼女の王子はエドワードではなかったのだから。

 こっからいい展開になってハッピーエンドかと思ったら女王まだまだ。
 ドラゴンになってキングコングよろしく、ロバートとっつかまえてビルに上って行っちゃった。
 ここの格闘はトロールの時を彷彿とさせるピップの活躍があったりしてなかなか面白かった
です。

 こうして勇敢にドラゴンと戦ったジゼルは、ロバートと結ばれ、ナンシーは王子の求愛を受けて
向こうの世界へ。
 ナサニエルとピップは本を出版して有名に。
 そういうわけでハッピーエンド。

 いろいろな意味での「魔法にかけられて」ですが、うーん、まあこういうくっつき方もありなの
かなぁと。
 ここで物語は終わるわけですから、その後の彼らなんて考えなくていいわけですからね。
 「悪魔の花嫁」というマンガには、親指姫のオマージュ話が登場します。いつもいつも「お城で
幸せに暮らしました」に飽きた姫が別の展開を悪魔に頼むというものですが、結果としては
「幸せに暮らしました」で終わっときゃよかったじゃんという当然のオチなのですが。
 ま、それぞれが幸せであればいいかなぁと…。
 おそらくお互いの世界は行き来できるのでしょうしね。
 私としてはジゼルは怒ることとかウソや裏切りを知らないお姫様ということでよかったん
じゃないかなーとか思うんですけどね。現実世界の恋愛を持ち込むとドロドロになるし。
 このあたりは意見の分かれるところではあると思いますが、ちょっとオチが意外だったと
いうことで。



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