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少林少女

5/18鑑賞

 すいません、ファンの方には大変申し訳ないんですが。
 こんな駄作久しぶりに見たわ。
 なまじ出演者の演技がものすごく生き生きしてて良くて、伏線とかもすんごい良かった
だけに、なんでこんなどっちつかずの話になっちゃったかなーと残念でならない。
 ほんっとひと昔前のアイドル映画みたいな感じでした。もっと話作り込めよ…。

 あ、CMでデトロイドメタルシティーやってました。相変わらずケンちゃん、何がなんだか
わからない役やらせるとうまいなぁー。

 始まり方が「踊る大捜査線」っぽいと思ったらフジ製作なんですね。
 で、場所は少林寺。
 女の子たちが3000日の修業を終えて故郷に帰るらしいです。すげー。
 日本から来ていた少女、リンは故郷に帰ったらどうすると聞かれて、少林拳を広めたい
と言ってました。
 彼女が立ち去ったあとの僧侶の話によると。
 彼女はもとは問題児でその力は未知数。もし闇の力に落ちてしまったとしたら?それも
流れだろうとか言ってます。
 ここマンガだったらもう最後のあたりにもってくるべき大伏線ですよねぇ…。はい、ものの
見事に何にも使われませんでした。言っただけ!

 田舎の駅に降り立ち、リンはなんか立ってた看板蹴ってるんですけど、それがカエル
急便…これ踊る見てないとわかんないだろ。
 んで、出会った子供たちを片っ端から少林拳に勧誘。おいおいいきなりしょっぱなから
不審者として逮捕されるのか?そこから実は伝説の少女とかいって悪を退治し始める
のかとかちょっと期待したんですがそんなこともなく。
 地元に「リンちゃん久し振りー!」と歓迎されてた。
 あ、流すんだ…。

 そして9年ぶりに帰宅した我が家は廃屋になっており、何があったのかと唖然とするリン。
っていうか家なのかこれってくらいひどい。
 織田信長ならこう言ったでしょう。
「焼き払え!」
(ダメだから!大変なことになるから!)
 本当に何があったんでしょうね。
 いろいろと聞いて回ったところ、リンのおじいさんが亡くなった後道場をしめて、その
あとからあんなに廃れたらしいということがわかりました。
 かつての修業仲間のところにも訪ねていくのですが、別の仕事についていて、少林拳を
始めるとかもうそんなこと関係ないみたいなんですね。
 で、リンが先生と呼んで尊敬している人のいる中華料理店へ。
 ここで岡村と、少林サッカーの2人が出てきます。この三人はとってもよかった。
面白かった。
 ちなみに少林サッカーの2人、「今日も忙しそうだねぇ」「サッカーでこき使われるより
いいか」って話をしていて面白いです。
 先生がチャーハンとかスープ投げてくるのはいいんだけど、スープ受けた時にリン、
思い切り2人に浴びせてるし…いいのかなこれ(笑)。
 先生役の人が江口さんです。なんか先生っていうより「あんちゃん!」だよこれ。

 岡村は自分ほっぽかれてるので、「チャーハン…これでいいのかな…」ってつぶやいた
あと、リンが受け止めたようにチャーハンをぐるっと回して「出来た」って言ってます。この辺は
完全なアドリブですねー。
 この映画では岡村さん、すんごいいい味出してます。彼がいなくては面白見がなかった
でしょうな、といっても過言ではないと思う。

 リンが、「少林拳やってても何の役にも立たない」と言った先生の言葉にがっかり
しながら道場を片づけていると、中華料理店で働いていた…ミンミンだっけ?かわいい女の子
と知り合いになり、彼女が少林拳をやる代わりにリンはラクロスをやるということに。
 ちなみに、ミンミンが朝ごはんを持ち出したせいで少林サッカーの2人がケンカに。
タマゴのエピソードがまた使われていて面白かったんだけど、あんまり画面大写しにしないで
欲しかったな…。

 一方で、仲村トオル演じる大場もちょくちょく合間に出てきます。
 彼が学長をやっている国際星館大学は各方面で優秀な学生を排出しており、彼自身も
強い相手を求めてやまない人物でありました。
 ここらもあんまりなー、すごいと感じるエピソードがないんだよなー。

 で。
 ミンミンにつれられてラクロスメンバーに会ったリンは、「皆も少林拳やろう!」とか言って
白けさせてます。
 けれども彼女には何でこんな反応をされるのかが分からない。
 多分、どういったらいいのかなぁ…悪気はないんだけど、空気読めてないというか、そういう
ことが出来ない子なんだろうなって。
 試しにボールを打ってみせて、その威力はすごいんだけどまったくまっすぐ飛んでいかない。
全部変なところにっていうか、岡村がいるとこに飛んで行ってる。
 ちなみに岡村はこの大学の職員。
 飛んできたボールが、ライオンの口から出る噴水の一部を壊しちゃってどえりゃーことに。
 ここはめっちゃおかしい。
 そういうわけで、岡村はリンを見て、食堂で出会った女の子であることを思い出し、部員として
メンバー登録してあげるわけですね。
 大学って結構融通利くからなぁ。

 ところがそんなリンの様子に先生は浮かない顔。何かあるっぽいですね。
 で、先生もコーチとして登録し、さっそくラクロスの指導に。
 不機嫌なリンですが…。

 まあこのあたりのエピソードはいいとして、早くも試合の日になりました。
 出たいというリンに対して、「お前はダメだ、足を引っ張るから」とピシャリと言う先生。
 そして、「さすが社長」と少林の二人に言われ「社長ちゃうから」を繰り返す岡村。ここの
やりとりも面白いですよ。
 
 結局試合の後半、リン出るのですが…。
 張り切り過ぎて周りが見えていないのかと思いきや、素でやってるらしい。
 人にパスをしないでとにかく自分でシュートしまくる、人にはぶつかる、これじゃ確かに
負けますわな…。
 しかも試合終わった後に「負けちゃったものは仕方ない」とか言ってる。
 いや、まける原因作った本人がそれを言うか。
 ここでメンバーが初めて言うんですね。
「リン、あんた誰も信じてないでしょ。パスはしないし一人でシュートしちゃうし」
 先生も言います。
「少林拳にチームプレーはないからな」
 だから先生は試合に出させなかった。
 でも、逆に試合に出たことでリンは痛感したんじゃないかなと思うんですけどね。
 一人だけでやるものじゃないっていうのを。

 その日から、リンの猛特訓が始まりました。
 仲間へのパス、状況を見る、ゴールへ正確にシュートすることなど…。
 自分の間違いを素直に認めて一人ででも練習するっていうのは偉いと思う。
 そして原っぱで子供たちがサッカーをしていて、指導者が「サッカーはチームプレーが
大事だ。みんなでやることによって、勝つという責任を持つんだ」と言っているのを聞き、
サッカーに加わって練習を始めます。
 それを見て、「ラクロス辞めたんじゃない?」と言っていたメンバーでしたが…。

 翌日から少しずつ、少林拳をやるリンの隣にメンバーが増えていきました。
 みんな、リンの頑張りを認めた上で少林拳も始めてくれたんですね。
 この辺失礼だけどご都合主義だなぁとは思うんですけど。
 道場もきれいに復興され、中から見つけた祖父の服を飾ってリンは満足げ。

 そんな中リンは先生から、自分が中国に行かされた理由を聞かされます。
 リンはすさまじいパワーを持っていて、それをコントロールするための少林拳だったの
だと。
 でもって「お前は戦うな。お前のことは俺が守ってやるよ」って。
 これ映画だと恋愛に発展してもいいエピソードだと思うんですけど、こっちも特になし。

 えーっと…リンの存在を感じ取っていた大場は、格闘のプロにリンを襲わせてちょっと
様子を見るのですが、リンは戦わずに道場から逃げていきました。
 それはそれでいいと思うんだけど。
 一方で先生は誰かと話していて、道場へ。入れ違いになっちゃったのね。
 
 大場がリンを知ったのは、彼女が中国へ渡ってから道場破りとしてここに来た時
だったようです。
 写真を見て知ったみたいですが、あんた…その年齢だとちょっと犯罪では…。
 ともあれ、リンと戦ってみたいために挑発しまくってる大場。
 先生を難なく倒して去っていきます。
 道場にも火をつけて。

 食堂の方にも襲撃が来ていて、ミンミンがさらわれてしまいます。
 しかもガスが充満していて食堂大爆発。
 これはもう先生、「お前は俺が守るから」とか言ってる場合じゃないような。

 そういうわけでリンは大場のところへミンミンを取り戻しに行きます。
 こっからはなんていうかもう、想像通りの展開です。
 時間がないからサクサク倒していって上へ昇っていき、最初あたりで少林サッカーの
2人も助っ人にやってきて、そんでかなり上の方で岡村と対峙。実は彼はリンのことを
探っていたスパイだったみたいな展開で。
 まあ岡村ですから、ギャグチックな戦い方でリンが勝ちまして。

 いよいよ大場との対決ですよ!
 いろんな見せ場が考えられるじゃないですか!
 いやぁ度肝を抜かれましたね。
 何このばかばかしい落ち。これは一番やっちゃいけないパターンだろ…。

 大場を抱きしめて昔の思い出を思い出させて改心させてはい、終了。
 え?秘められた力とかは?闇の力に落ちる心配とかは?

 そういうわけでラクロスの試合に勝利しまくって終了。
 Newsweekに掲載されているあたりは、少林サッカーで主役2人がTIMEに載ってた
ことのパロディでしょうかね。
 
 というわけで、何がしたかったのかわからないまま終わってしまいました。
 ラクロスも戦いも全部中途半端。これはないだろ…。
 正直に言いますが、映画料金払ってまで映画館で観なくていいと思います。
 皆の体当たり演技はすごかったのになぁ。

 別に大作ものに仕上げろとは言わないけど、憎しみの心で大場に立ち向かってしまい
完膚なきまでにたたきのめされてしまうリン。そしてリンからはどす黒い気が。
 でもってそこへ満身創痍の先生がやってきて、「思い出せ。お前は何のために少林拳
やってきたんだ」とか言われて修業をし直し、ラクロスの試合の中で大切な仲間とかの
ことを実感して、改めて大場と対決。
 ピンチになったところで先生が飛び込んできて助けて、でもって大場と戦って、彼を
改心させてめでたしめでたしの方が面白かったように思うんだけど。
 で、ラスト、ラクロスの試合で活躍するりんを前に「あいつ、いつの間にか大きくなり
やがって」とつぶやく先生に対して「まだ俺の入る余地はあるな」と宣戦布告する大場とか
あったら余計に面白かった。(ごくせん第一期シリーズラストのネタですけども)

 なまじ、少林サッカーのパロディをやりつつ戦いも、とやっただけにかなり中途半端に
なってしまったような気がする。
 キャラの魅力を生かしきれなかったのはもったいないと思います。



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