多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン


相棒 -劇場版-
絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン

5/20鑑賞

 この映画、パンフレットを上映前に見るクセがあるという人は絶対見たらダメです。
本当に、封筒にある警告通りいきなり犯人ばれてます。
 私は終わってから見る方だからいいけど、劇場内で開けてた人がいて「えーっ」とか
言ってましたので(笑)。

 全体的には、突っ込みたい場所とかいろいろ細かいのがあったのですが、構成としては
あんないろいろなエピソードをよくもまあうまくまとめ上げたなと思いますよ。これはビックリ
しました。失礼だけど邦画でもこの手の話がやれるんだなぁと。
 踊る大捜査線とはまた別の「××封鎖出来ません!」状態でおもしろかったです。

 さてさて。
 いきなりなんか外国の風景から始まったから思わず映画を間違えたのかと思いました。
ちょっとだけLの映画思い出した。
 戦車が村を闊歩しこれは…戦争とか紛争なんですかね?
 その一方で、村の子供たちだと思われる写真とかが暖炉で燃やされてる。これは一体
なんでしょうか?
 その村が何かの実験場になったのかとか考えてしまいますよねってだからそれは
Lの映画。

 相棒にしては珍しく、不気味な音楽とともにオープニング開始です。
 夜景の都内ビル群が映ってるんですが、さっすが東京さんですなぁ。航空障害灯があち
こちのビルについていらっしゃる。
 こりゃあそのビルの高さが60m以上だってことでして、航空機が夜間そこらを飛ぶときの
目印ですなぁ。上の2ヶ所に赤がついて点滅してりゃ、150メートル以上のビル。確か前に
どっかの映画で、四方に白いライトがついた屋上を警視庁の屋上ということにして撮影してた
ものがありましたが、ありゃあ高さが60メートル以上150メートル未満。でも警視庁の屋上は
ヘリポートのマークがあるからあれは警視庁ではないと。(そんなところで大体撮影させて
もらえないでしょうが)
 ともあれ、そんな光が点滅する中をずーっと画面が動いていきますと、鉄塔が映りまして、
そこで首つりをしてる死体があると。こんな高いところにどうやって。
 うむ、この人は恐らく高所平気症に違いない!
 …と思ったら殺しだった。(当たり前)

 この人は仲島というテレビキャスターの人で、電動ウィンチがあったので犯人が一人でも
あそこへ釣りあげられるとのこと。わざわざそんなことをしてつるしあげているあたり、何かしらの
メッセージ性はありそうですよね。
 一方で国会議員の片山という女性のシーンに移りまして。
 送られてきた手紙を秘書が開封したら爆発した。
 いやさ、普通そういうのってX線通すんじゃないの?知ってる人のからでも。誰が名前
騙ってるかわからんし、何がきたかわからないんだし。

 さてやっと出ました特命係。
 右京さんは優雅に紅茶飲んでるけど、最後の一滴まで注ぎなさいよ。
 えー、今朝の首つり自殺の報道を見てると、また勝手に電話を取った角田課長が、
「刑事部長からだ」と渋い顔。
 呼ばれて行けば、片山議員の爆弾騒ぎの一件で、彼らが捜査を担当することになった
そうです。
 って聞こえはいいけど要するに、車に乗って囮になるらしい。
 ちなみに彼女が狙われている理由は赤いカナリアだか白いフクロウだか知りませんが、
そういう過激派が法案成立の阻止を目的としてるらしい。赤いカナリアってRed Mosqueから
きてるのかい?
 えーっと、彼らが選ばれたのは、片山さんと面識があるからだそうで、ここらあたりは、
本編をほとんど見てない私には不利なエピソードだなぁ。
 こないだシーズン3はやってたの見たけど、次がいきなりシーズン6ですもん…。それも
飛び飛びにしか見られてないので。一度きっちり見ておかないといけません。

 ともあれそういうことで、不平をいう亀山さんをよそに涼しい顔の右京さん。
 ところが車の先に止まっていたトラックから、鉄パイプがだーっと落ちてまいりまして。
白バイが止まるやいなや、周囲から発砲音…っていうかどう見てもこれは陽動作戦
だなって感じなんですが、両方がマンションみたいなところだから、音が響く響く。
 こういうところを移動ルートに使うこと自体どうかって思うのですが、刑事らが翻弄
されている間に、冷静な右京さんは周囲をよく見てた。そして、爆弾を取り付けたラジコン
カーがやってくるのを発見。
 亀山さんがそれをつかみ上げて投げ、爆発に巻き込まれるのを回避。
 いやーしょっぱなから飛ばしてくれます。
 そこで右京さんは「d4」と書かれた落書きを見つけたのでした。

 でもってあの鑑識の米沢さんか、あの人が爆発物を調べてくれて、過激派のものとは
まったく異なることがわかりました。ついでに、仲島の時にも「f6」の記号があったことが
判明。
 これは一体何を示すのでしょうかねー。
 つーかネタばらししてしまえば、チェスの棋譜なんだけど、たったこれだけでわかる右京さんが
すごいというか、これはちょっとあからさま過ぎやしないかというか。

 一方で、亀山さんの働きっぷりを警備部が褒めてて、警備部にこないかと誘われる
らしいんですね。
 で、右京さんも有能だから行ったらいいみたいなことを言っている。
 …うーんうーん…この手の展開になると大抵その相手死んだりとかいう展開になります
けど、洋画だと…。
 ま、この伏線は特になんでもなく、本当にここだけのエピソードだったみたいです。
 その夜たまきさんの店で、右京さんは「そんなこと言っちゃったの」と言われてるんですね。
 確かに、右京さんとしては悪意なく本心の言葉を言ってるのでしょうが、その言葉が
相手にとって傷つくこともあったりするのでしょうね。
 亀山さんとしては多分、「彼は私の相棒ですから(警備部には渡しませんよ)」って言って
欲しかったと思うんですよ、その場で。絶対言わないだろうけど。
 右京さんなくしては亀山さんの活躍が存在しえないように、右京さんも亀山さんなくしては
活躍が半分というか…そんなもんでしょう。

 で、たまきさんが東京マラソンに出るらしいです。亀山さんの奥さんの美和子さんも。
美和子って名前の人にゃ、男勝りな人が多いですなぁ…佐藤刑事とか。
 それで聞き込みをしているうちに亀山さんは、仲島に若い女性から電話があったという
ことを知ります。
 片山の方とも同じ事件ではと特命は睨んでいるけども、片山の方は公安が事件持って
っちゃったので捜査に着手できないっぽい。
 そこに、陣川さんという面白い人が、仲島は予告殺人だったんですよー!と言いながら
入ってきて、とあるSNSを見せてくれます。
 まー要するに、世の中の気に入らない相手を実名で書き込んで、処刑リストに入れるか
入れないか決めるっつーくっだらねーものですな。
 そこで仲島は、TVアンテナで絞首刑みたいなことが書いてあったと。
 片山は爆弾発言で爆死。
 これを見た右京さんは結構マジに怒ってました。この手のこと大嫌いっぽいもんなぁ。
 この映画で右京さん、ドラマではほとんど見せない、激怒シーンがよく出てきます。それ
だけこの犯人が怒らせたってことなんでしょうが。普段怒らない人が怒ると怖い。

 そんでSNSの管理人っていうんですか、そういうのを突き止めて2人は直行。管理人に
話を聞いたところ、そのSNSは他人に乗っ取られてもう自分ではどうしようもないってこと
でした。
 管理権を譲渡したという相手のメールアドレスを聞いてんですが。
 管理人が「ステールメート、アット…」
 亀山「つづりで言えってのコラ」
ってやってて面白かった。亀山さんかわいいなぁ。いや私もつづりでいってもらわんとわからんけど。
 
 少しずつ流れがつかめてきた2人は、その処刑リストにあった人の中で死んだっぽい人を
探してます。つかなんでいきなり一人に絞れたのかよくわかんないんだけど、ともかく、
裁判官だったかな、殺されたのは。その人は、被告人よりの判決を出したというので、
ひき逃げされて死んでいました。
 いやさー…思うんだけどさー…。
 この映画の根幹(犯人の動機)にもなってることではあるんだけど、「こういうことをしたから
死刑」って言うのは勝手に決めていいことなんですか?
 その被告人がもしかしたら同情たり得る相手だったのかも知れない。もしくは、示談が成立
しているから刑を軽くしたのかも知れない。
 そういう背景があるかも知れないのに、極端なことを言えば新聞のたった数行の判決記事
だけを見て、「この裁判官は悪いやつだ」と決めつけるのはおかしいと思うんですよ。
 それこそ「こんな勝手な決めつけをする奴も処刑だ」って言われても仕方ないでしょうに。
 ま、これは一応現時点での、見えている犯人の殺害動機に対しての感想ですけども。

 ともあれ、その殺害現場には「e4」と書かれていました。
 それを見もせずに当てて見せる右京さん。さすがです。
 これはチェスの手で、普通手を説明する時に将棋とかは3七桂という風に説明しますが、
チェスは先に駒の名前が来てd4とかf6とかになる。けどもポーンは省略することができる
ので、それを説明してるのだと。
 いやいいんだけどさ。なんでいきなりチェスが殺人に絡んでくるのかって話だよ。
 誰に向けてどうしてこんなメッセージを残したのかがわからない。
 
 金田一の高遠さんとか、コナンのKIDとかを見慣れているからでしょうか。
 メッセージを残すからには対戦相手を求めていて、勝負しながらその上を行って犯行を
成し遂げることを目的としている、というのはわかります。
 けれども今回この犯人、ヒントにフェイク多すぎだし、勝負を挑んできたわりにはハッキリと
勝ち負けのペナルティもしくはトリートを示してない。
 結局目的だった爆破もしてない。
 だからこそ勝負を挑んできた意味がよくわからない。
 何のためのチェス勝負だったのか…。ただ単にこの物語に緊迫性を出すためだけだった
としたらまさしく「詰めが甘い」としか。私ならこの時点で「resign」を勧めますけどね。

 ちょっと厳しいこと言いましたが、そういう、せっかくいい映画なのに入れたエピソードの
動機がはっきりしないのはちょっともったいないと思うんですよ。
 ただし、あとで書きますけど、この勝負自体が最大のフェイクだった、というのならそれは
それで本当に素晴らしいと思うのですが。

 ともあれ、えーっと…瀬戸内という元法相の人がいまして、この人もなんか特命の良き
理解者らしいんですが、何でも協力するって言ってくれました。
 この手の人が政治家にいると警察としても動きやすいんじゃないのかなーとかちょっと
思ったりするんですが、そこんとこ実際どうなんですか警察の人。
 
 安永クリニックというところにやってきた2人。だからなんでこの人を選んだのか知りたい
んですけども。
 奥へ行ってみたら安永という人が死体になってました。
 壁にはg5のマークが。
 つか女医さんでテレビに出てるあのタレントさんを彷彿とさせるなぁ…って。まあいいんだけど。
 
 そこにも若い女性が会いに来ており、住所氏名が控えてあったことから捜査一課の
方が、殺人に関わりありと判断して彼女を連れてくるのですが…。
 武藤と名乗る弁護士がやってきて、こんな任意同行は違法だと彼女をつれてかえって
いってしまいます。
 彼女の正体とは!?
 指紋採取のエピソードはちょっとしたことなんですけど、面白かったです。でもこの手口
確かに使えないから、今の警察はやはし普通に指紋採取してるんだろうなぁ。

 えーっと…。
 右京さんは何やらカタカタとメールを打っております。
 Qh5#
 これは、クィーンをh5において、チェックメイトという意味だそうです。
 クィーンは将棋の飛車角みたいなやつで有能らしい。
 ああっここに明智さんがいれば右京さんといいコンビになったのに!
 …とか思うけどよく考えたらこの二人だと頭脳労働派で動かないから事件解決しねーわ。

 そのメールを送ったら即座に犯人から返信が来ました。
 対局とか言ってるし。
 ええい、コンピューターとやらせとけよ。
 っていうか犯人からのメール、タイトルに「Re:」多すぎ!
 回し過ぎて「Re:」と「Fw:」だらけになったチェーンメールかよ。

 一方で大河内さんだっけ、官房長に話して、弁護士が連れ去った女性に対しての
情報開示請求を出してます。この二人も一応特命の味方といえば味方らしいですね。
積極的に協力するってわけじゃないらしいんだけど。
 まだドラマ全部見てないので、官房長がなして右京さんを「飼い殺し」状態にしている
のかはいまいちわかんない。やばければなんだかんだといって警察を辞めさせれば
いいんじゃないかなーとか思ったり。でもその一方で彼の頭脳をあてにしてるところも
あるんでしょうね。
 兄弟とかなんかな、表には出ない。
 ともあれこのあたりはドラマ見ないとわかんないですね。

 で。
 右京さんがNg5#と送って終わりました、と画面を見もせずに席を立った。
 かっちょいいー!
 当然右京さんの勝ちらしいです。
 ところが。
 終わったその棋譜を見て右京さんあることに気付きました。
 置かれている駒の形が何かに似ていると。
 
 それは、東京マラソンのコースでした。
 まー今頃になって中止とか言われてもダメだし、発起人である片山が辞退してことを
納めるということで話は決着。
 これで犯人納得するのかな…。
 
 というわけで、回転寿司で会話している官房長と右京さん。
 官房長相変わらず食べた皿を戻してんだ…。
 注意されたことに対して「忘れるのというのは神が人間に与えた能力ですよ」とか言い訳
してるんだけど、右京さんのあのフレーズ「はい?」が出てきて面白かった。
 そんでもって「あっちの方もクリアしといたから」と官房長。今度は皿をちゃんと、戻さずに
済みました。
「戻してませんよ。持ってますからね」って笑える。

 そんなわけで官房長の計らいによって、弁護士が情報を開示し、あの問題の女の子に
会いに行ったのですよ、二人が。
 ここから大きく事件が展開していきます。
 謎の女性は守村やよい。その父は木佐原と言いました。その名前に心当たりのあった右京さん。

 5年前に、難民救済のためエルトビアというところに行っていた木佐原渡さんが、反米ゲリラに
拉致されて政府に身代金を要求してきた。
 しかし政府は自業自得として、マスコミとか世論もそんな感じで結局見捨てた形になった。
 それでまあ殺されたらしいんですね。

 深いなぁ…。
 いや実際に起きた大学生の件をどうこうとは言えませんが、それとは違って、難民救済のために
行っていた人を国が見捨てるというのはどうかなって思う。
 それで世間とかも一つの意見にまとまっちゃうのが怖いね。反論すると非国民みたいな
扱いは。
 そこから嫌がらせが相次いだために娘さんは名前を変えたと。
 ほんと今頃っておかしいですからね。事件の被害者とかであっても、平気で名前とか住所
が報道されたりとかするし。調子こいていたずらするバカも多いし。他にすることない貧しい
人間なんだろうなとは思うけど。
 そしてやよいさんが、塩谷先輩なる人物の名前を2人に告げたわけです。

 彼は渡さんをNPOに誘っていて、あの事件以来大学もやめてしまって音信不通になって
いたけれども、先日突然手紙が届いた。
 そこには、救済活動を事前になって辞退したために渡さんが行くことになっていたこと、
紛争の起きているところに行くのが自分は怖かったこと、責任を感じているというような
ことが書いてありました。
 そして、あの殺された4人はテレビで特に渡さんを非難するような発言をしていた連中
だったわけです。
 つまりあの処刑リスト全体はカモフラージュみたいなもんだったわけですかね?
 このあたりがちょっとハッキリしないんだけども。

 そんな中あの陣川さんがまたやってきて、新たな更新があったと。
 パスワードを請求されて右京さん、何なく「1/2-1/2」と入れて入りました。
 これは、強引な手で引き分けに持ち込むこと…みたいな説明がされていたんですが
よくわかんないから調べてみたら、これは単なる引き分けで、むしろ犯人がメール
アドレスに使っていた「stalemate」の方が、追い詰められていないが打てる手がない
時にドローに持ち込むことをさすような意味を持ってるみたいです。

 更新された内容は、伏魔殿にSファイルがあるとかいうのと、別のチェスの棋譜が
ありました。
 まあ要するにだ。
 犯人のターゲットは東京マラソンだった、ということです。

 Sファイルのことを瀬戸内に聞きにいったけど、外務省のことはわからんと一蹴
されちまいまして。
 しかし片山のところに即座に話にいってるあたり瀬戸内は存在自体は知ってる
みたいですねぇ。
 片山の、父親のものだったようです。

 でもって。
 マラソン当日。
 右京さんは棋譜を見ていて、間違った手があることに気付きます。
 そこに亀山さんが直行して…ってか爆弾かもって言われてるのにためらいなく
持ち上げてためらいなくあける亀山さんすげーよ!
 そして米沢の方も驚愕の事実を持ってきます。
 なんと犯人の塩谷がこのマラソンに参加しているらしいのです。
 ゼッケンナンバーを元に探す刑事たち。が、見つかりっこありません。
 いやさ、探し方悪いから…。
 ウォーリーを探せ得意だった奴連れて来い!
 というかいっそ君たちも走りなさい。

 ここの米沢さんがCDをパソコンに入れようとして操作をミスったらしく、入れたCDが
一度でてきちゃってるのですが、即座にパッとまた入れ直してますから、これこのまま
OKテイクとして使われたんだろうなぁ。

 参加していたたまきさんと美和子さんの応援に、オカマバー?の店長さんが来て
るんですが、これはドラマのエピソードらしい。知ってる人は笑えたんでしょうなぁ。

 マラソンに有森さんが出てたとか、実況は本物のアナウンサー使っていたりとか
この辺はさすが。

 あと通過点で、犯人のゼッケン探してる途中に美和子さんに手を振られて、
捜査一課の刑事が「なんで(亀山の)嫁が走ってんだ」っていうのはよかったなぁ。
そんなこと言ってる場合じゃないだろ!

 選手がつけている、位置特定チップを元に確保したのはまったくの別人。まあどう
考えても犯人がまともに走ってる図は想像しにくいでしょ…。
 ここらあたりから物語は緊迫してきます。
 ギャグチックだったのがシリアスに一転するのはすんごい良かったです。

 あ、それで亀山さんはまだビショップのモチーフ探してたんだけど、カメラがぐるっと
回りこんで、そばに立っているなんていうの、柱っていうの、あれの穴があいている
部分が十字架になるシーン。これはもう絶対画面から目をそらさないで見てほしい。
思わずぞくっとするほどかっこいい見せ方だなって思いました。
 普通こうは考えつかない。すごいよこれ。
 もうこのシーンだけで「見てよかったー!」って思いましたもん。すごい。

 結局、棋譜の間違っていた部分はこれだけで、両方ともがフェイクであったことに
ガッカリする捜査陣。
 右京さんも「他に何かないのか」と見ています。
 米沢さんも「こんな時何か的確なアドバイスできたらいいんだろうけど、こういうコマ
使うゲームは自分も組織のコマだということを実感するから苦手」とか言ってるし。
 で、「一度も使われないコマとかはどうするんでしょうねー」とか言ってるその言葉に
右京さん反応。
 思わずえり掴んでますがな!右京さん怖い。
 しかし彼が気付いたのはコマではなく、マスでした。
 一度もコマがおかれていないマスがあると。
 それは臨海大橋にあたる位置。
 「臨海大橋、封鎖出来ません!」
 踊るを見てた人ならこのフレーズが浮かんだと思います。

 亀山さんと一課の伊丹が駆けつけて、爆発物が積んであるボートを懸命にそらし、
臨界大橋爆発を阻止。
 捜査本部からは喝さいが起こります。
 しかしただ一人、右京さんだけが浮かない顔をしていました。
 ポートは明らかに彼らがやってきてから動きだした。この時間だと、ランナーは誰一人
橋に到達しておらず、被害はほとんど出ない。
 しかも犯人が予告していたのは、3万人のランナーと15万人の観客。
 これはおかしい。

 そこに、やよいちゃんから電話がかかってきます。なんでかやよいと書くと、さんより
ちゃんづけしてしまいますが、そんなことはどうでもいい。
 塩谷先輩と渡さんが出会った、アルバイトをしていたヨツバデンキというところの倉庫
に行ってみようと思う、と。
 ゴール地点の近くだということを知り、あわてる右京さん。

 しかし、ドアが半開きになっているからといって確認もせずに入ってくとは、右京さん
らしくないですなあ。
 私はてっきり犯人がおびき出したものだと思ってたんですがね。
 で、映画CMの爆発シーンはここです。
 つか倉庫の下に、すぐ入れる水路があるって何事。
 いやこれも考えれば、犯人が作ってたとも考えられ…るのかなぁ。ボートを人目につかず
設置するためにとか。

 ともかく、命からがら助かった右京さんは助けたやよいさんに、そこにいるようにと言い、
塩谷の死体はそのままにして亀山さんと走っていきます。本当の、犯人を捕まえるために。
 どういったらいいのかな、相棒というドラマは、犯人のトリックで見ている人を欺くドラマ
ではないので、見ていれば塩谷のほかに犯人がいるというのはわかりますけど、私は
もう一人共犯疑ってたんですけどねぇ。さすがにそこまではなかったか。

 向かうはマラソンの表彰式会場。
 スタッフジャンパーをきてこっそりやってきた彼を2人は捕まえます。
 木佐原芳信、その人を。
 やっぱりマラソンへの爆破の脅しそのものがフェイクだったんですかねえ…。でなければ
わざわざ挑んできた理由がわからない。爆破を失敗したと見せかけて警察を油断させ、
警備の目を緩めて会場へ乗り込むという計画だったとしか。(当然塩谷も捨てゴマで)


 そんで彼は、真実を知って復讐を仕掛けていたわけです。
 簡単にまとめますと、政府が渡さんを助けなかった言い訳にしていた、「退避勧告を
出したのに彼は逃げなかったから」というのがそもそもウソだった。
 実は退避勧告が届くその前に渡さんは拉致されており、政府はその事実を隠して
「自業自得」とし、彼を見殺しにした。
 それを現地で一緒に働いていた彼の友人からのエアメールで木佐原は知ったわけです。
その事実が「Sファイル」として保存されているということも。
 だから表彰式会場に出席していた当時の総理に拳銃を突きつけて、存在を生放送
しているその場で吐かせようとしたわけですね。
 そしてそれがダメでも今度は法廷と言う場がある。
 しかしそこに、上からの圧力がかかりまして、ガンで余命いくばくもない木佐原を
わざと法廷に出させないようにしたと。
 憤る亀谷さんと右京さんでしたが、もはや打てる手はない。
 そんなさなかに片山が、その政府が隠していたSファイルの事実を記者発表で
明らかにするのですよ。

 木佐原は倒れる前に言いました。
「5年前の報道が異常だった。今でも不思議なんです。あの映像が、処刑映像が
流れたら報道がピタッとやんだ。なかったことにしようと。息子の存在をなかったことに
しようとしているとしか。そんなことは断じて、断じて許さない」と。

 ある意味これもデスノートに近い話じゃないのかなと思います。
 こんなこと言ったら怒られるかも知れないけど。
 報道されることはその出来事の一面でしかなく、それでしか判断できない以上
誰かを批判する権利はあっても、死ぬまで追い込む権利だとか、ましてや処刑だなどと
言う権利は誰にもないのではないかと。
 このように、死んで当然とされていた人が実は悲劇の被害者だったと知ったなら、
その命を奪ったに等しい人たちはどう責任をとればいいのかと。
 それには簡単に答えが出せるものではないと思います。

 ただ、右京さんは言いました。
「あなたのおっしゃっていることは正しいと、僕は思います。ですが、あなたの選んだ
方法は間違っています」

 
 そうして実に後味の悪い展開で事件は幕を閉じました。私はこれでよかったと思います。
 ただ思うのは、犯人が逮捕されてからの展開が少し、それまでに比べてインパクトが
薄くなってしまったと思います。
 言っていることは確かに重い。多分これこそがこの映画で言いたかったことなんだろうな
って思う。
 けれども、どう言ったらいいのかな…。重すぎて、もうちょっと何とかならなかったのかな
って思う。

 例えば、木佐原さんが表彰式会場にやってきて2人が確保したとする。
 その逆方向からやよいさんが拳銃を持って出てきて(もしくは花束を抱えてやってくる
人の中に紛れ込んでてもいいんですが)、元総理につきつけつつ、政府がやったことを
しゃべるとか。
 そうですね、長くなってもだれるので、渡さんは政府に殺されたと暴露したあたりで
取り押さえられてもいいかと。
 その後、その場で血を吐いて倒れる木佐原さん、場面かわって病院でベッドに横たわる
木佐原さんに、手錠をかけられたやよいさんが会いに来る。
 そこでテレビから片山さんの爆弾発言が流れてきてその中で終わる、みたいなのでも
良かったんじゃないかな…。
 で、右京さんと亀山さんが友人からの手紙をやよいさんに渡して去っていくとか。
 これだとやよいさんまで共犯になってしまいますけども。

 ただこれくらいのテンポで、まき散らすだけ撒き散らして終わった方がより後味が
悪くなるし、インパクトあって良い〆になったんじゃないかなと思うんですけどね。
 なまじ、本当に展開がテンポよくて飽きさせなかっただけに、犯人が逮捕されてからの
話がちょっとダラダラしてしまってもったいなかったかな、とは思います。

 かなりの反響に、映画続編を作ってはという声もあるようですが…。
「続編に名作なし」
 あえてこの言葉を捧げます。




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