多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→ウォンテッド CHOOSE YOUR DESTINY!


ウォンテッド

10/10鑑賞

 うーん…話の構成はこの手の映画にありがちだけど展開として面白かったです。
ただやっぱR-15指定を受けるだけあって、暴力描写がリアルすぎるというか。ここまで
やる必要あるの?みたいな感じはしました。ちょうど「アキハバラ@DEEP」を見た時の
ような感じがありましたね。
 アクションシーンは迫力たっぷりでよかったなと思うけど。
 あと、ポスターとかでアンジェリーナ・ジョリー演じるフォックスのがあるけど、あの人
あんまりキーワードじゃなかったというか…(笑)。

 1000年前、機織り職人が暗殺組織を結成しました。もうこの設定からしてどないやねん
って感じなんですけど、この謎は後で明らかに。
 その組織の名はフラタニティ。同業者仲間、みたいな意味合いの言葉です。

 そして主人公の6週間前の出来事から物語は始まります。
 職場のボスのバースデーパーティをしてるんですけど、アメリカってこういうのはごく
当たり前なんだそうですね。
 上司は上司でもごくフレンドリーな関係だからこうやって職場でパーティをしたりする。
ただし中にはご機嫌伺い目的のものもあるけども。
 浮かない・さえない顔をしているウェスリーが主役。
 愛想笑いのひとつもできないから、「拒食症」の女ボスに目をつけられているし、
彼女には同僚のバリーと浮気されてると。
 拒食症?過食症の間違いだろあのボス。

 ウェスリーの父親は彼が生まれて七日で家を出て行ったらしいです。それがどこまで
本当か知らないけどなーと、あとで思いました。
 しかもここが面白いのは、このあととある男が、このウェスリーのナレーションに乗って
出てくるから、意図的に彼がウェスリーの父親であると皆思いこまされるところです。
 これはやられたなぁ。

 つーわけで登場した、大会社のボスらしき人が、ビルの最上階にやってくるのですが、
向かい側のビルのてっぺんで工事してた連中が暗殺者だったらしくそれに襲われます。
 で、この男何をしたかというと。
 エレベーターまで一旦下がってドアを開いたあと、そっから100メートル走よろしく廊下で
綺麗な走りを見せまして、向かい側のビルへジャンプ!
 偉い人は言いました。
「人間は飛ぶことができる。ただし一方向にのみだ」
 おっさんんんんんん!暗殺者撃ち殺したのはいいけど落下してったがな!

 つーわけで暗殺者1人を残してたんですが、背後に立ってこれも始末。
 これで解決かと思いきや、電話がかかってきて「ここに立つように仕組んだんだ」みたいな
ことを言われんですね。そうして男は一発の銃弾に倒れた。
 ところがどっこいその弾はどこから発射されたかというと、ゴルゴ13も真っ青てな感じの
遠くから。弾丸の軌道がまき戻って行く映像は面白かったです。
 しかも皮肉なことに、男を暗殺した暗殺者がいた場所は、ウェスリーのボロアパートと、
線路を挟んだ向かい側でした。この謎も後で明らかに。これは…ちょっと知った時は感動
しましたね。

 ところでウェスリーにはパニック障害という持病がありまして、ドラッグストアでよく薬を
買ってるらしいです。さすがアメリカ、この手の病気の薬まで買えてしまうのはなんか
怖いような気も。
 ともかく、毎日毎日ボスの顔色をうかがい、同僚バリーには小銭をせびられ、すみませんを
繰り返しながら生きていく日々でした。お前はのび太か。
 あとびっくりしたのが、アメリカのATMってほんっと道端にあるんですね。どういうのかな、
日本の銀行の夜間銀行みたいな感じで、これで強盗にあったらどうすんだろうってちょっと
思った。ほんとオープン。でもメッセージがアスホールって出たのはウソでしょうなぁ多分。

 いつものように薬を買おうとしていたビリーは、自分を見て近づいてくる不審な男に
気づきます。
 でもって視線を元に戻すと目の前にピッタリ立ってる女性が。こらウェスリーでなくても
驚くわ。
 銀さんが玄関出たらお登勢さんがたばこプカーで立ってた時のような。速攻でドア
しめるパターンですね。
 彼女は、あなたのお父さんはメトロポリタンビルの屋上で亡くなったといい、そっから壮絶な
撃ち合いが始まります。あの不審な男とね。
 つか、アンジェリーナ・ジョリーの顔の変化がこぇぇよ。美人がオニババになった感じだよ。
(失礼)どんだけ鬼気迫る演技してんだよ。

 こっから今度はカーチェイスに移行するんですけども、あの私が好きな、車が回転しながら
突っ込んできてウェスリーを助手席に乗せるシーンとか、前方をパトカーにふさがれていたので
ギアを引いて車をぶつけてスッパーンと横転させ、ちょうどやってきたバスにガンッと当たって、
バスはなぎ倒されたんですけど、そのままブォーンッと逃げていったのはかっこよかった。うむ、
こうして書くと擬音だらけで何が何だかわからん。
 でもウェスリーが、パニックになったのは仕方がないんだけど、車に乗せられた時に
おろせだのもっと早く走れだの騒いでおいて、優勢と見るや「やっちゃぇ!」とか「もっと
撃て」とか言ってたのはうざかったです。私がフォックスなら突き落としてんぞこいつ。
まあそんなことできないわけがフォックス側にはあったんですが。
 あと、パトカーの上を車が乗り越えていくとこでは、スローモーションになるんですが、
ウェスリーが「アイムソーリー」って言ってたのまでスローになってて笑えた。

 そしてウェスリーが目を覚ますと、数人の屈強な男とフォックスと変なおっさんことスローンが
おりまして。
 いきなり銃を突き付けられて、飛んでいるハエの羽根を撃てって。
 パニックを起こしながらもやってのけたウェスリー。
 スローンは、君のそれはパニック障害などではなく、銃を的確に撃つために心臓の鼓動が
1分400回になっているだけだとかなんとか説明します。
 稀有な能力らしい。
 おいおいおっさん、それはいいけど、人間の心臓が一生に拍動する回数って大体決まってる
から、この能力発動するたびに寿命縮まるじゃねーかよ。
 で、スローンは、君は暗殺者の血を引いてる、心の中のライオンを解き放てって言います。
 拳銃も渡しまして、これは亡くなった父のものだから、父を殺した奴に復讐をとか仲間になれ
とか。
 ともかく、いっぺんにいろんなことがあってウェスリーの細い神経が耐えられるはずもなく、
彼は飛び出していってしまいます。
 つーかウェスリー、君は命を狙われていたんじゃないの?飛び出したら撃たれるかもとか
考えないところがすばらしいな。

 そうしてぼろアパートで目が覚めた彼は、夢だと思ってんですが、拳銃が転がり落ちたことで、
夢ではなかったことを悟ります。とりあえずそれをトイレに隠しておき、ATMに行くと。
 ええーと3600万ドルくらい?が入金されてました。$3647,047.69くらいだったから多分69は
セントだよなぁ?数字ちゃんと見ておけばよかった。
 ともかくよくわからんがなんかこれで変に自信をつけたウェスリーは、ボスに言いたい放題
言いまして、ついでにバリーに彼女を寝とられた恨みを晴らして会社を出ました。
 つーかキーボードでバリー殴った時に飛んだ文字でFUCK OFとかいらんから、そういうの。

 んでちょうどやってきたフォックスの車に乗り、彼らは紡績工場へ。ここは隠れ蓑でもなんでも
なくて、正真正銘マタニティだかフラタニティだかの組織が運営しているところです。まあ元が
機織り職人だもんね。
 そういうわけでかるーいノリで暗殺者を目指そうとしたウェスリーですが、鍛える為にという
ことでボッコボコのメッタメタにされます。まあ当然だわなぁ。こんなんで暗殺しろとか言われても
「僕には暗殺者の才能があるんだぜ」って正面から乗り込んで行ってハチの巣になるのが
オチだもんなぁ。
 ちなみに、修理屋と称する、ウェスリーをボコボコ殴る男がいるんですが、これが若き日の
オリバー・カーンに似てる。彼が出てる間はずーっとそっち見てました(笑)。
 あと、弾丸をカーブさせて撃てって言われましたが無理でした。これは当たり前か。
 いくら回復薬で体が元に戻るとはいえ、ひたすらボコボコのメタメタにされる日が続きました。
 
 まあそんなこんなでイヤになりましてね。
 ウェスリー文句言ってたらフォックスにボッコボコに殴られてました。これはしょうがない。
 ハンパな決意で暗殺者目指すんだったら最初からくんなって言いたいわな。
 つーわけで心を入れ替えて真面目に特訓したウェスリーは、時間の都合であっという間に
強くなったのでした。しかも曲がる弾も撃てるようになりました。
 どうでもいいんだけど、曲がる弾を撃つ時の素振りが「ジャーンケーン、最初はグー!」
に見えるんよ。

 そうしてスローンは、ウェスリーをとある特別な部屋に案内します。
 そこには運命の織り機というものがあって、死すべき人間の名前が、おられた布の
中に暗号で記されるのでそれを殺すのが我々の役目と。
 解読してるのはスローンなんですけど。
 ここで私思ったのは、解読するのが彼一人である以上、好きなようにねじ曲げられるなぁ
って思いました。
 だって暗殺者には誰それの名前が出たって言えばいいんだけど、誰もそれが本当で
あるかなんて確かめようがないんだからね。
 昔、ペルシャ軍が仕掛けてきた戦争において、ギリシアでは宣託をする者が金をもらって
偽りの宣託をしたということがあったのですが(映画「300」でもちょこっとでてくる)、それを
思い出しました。

 父を殺した人間はクロス。組織を裏切って組織の人間を殺しているから、我々は掟を
守るためにクロスを殺さなければならない。しかしウェスリーにはまだ早い、ということで
彼は別の人間の暗殺を命じられます。
 初仕事ってわけですね。
 しかし彼は殺すことが出来ませんでした。なぜ死ななければならないのかその理由を
知りたいと思ったから。
 確かに、いきなりこの人を殺せと言われて何のためらいもなく殺せる人って少ないと
思いますよ。生まれた時からそういう訓練を受けてるとかでない限り。

 フォックスは語るんですね。
 とある少女の父親は判事で、ある事件において雇われた殺し屋が少女の目の前で
父親を焼き殺した。その殺し屋は、数週間前名前が出ていたのにフラタニティが失敗して
殺しそこなっていたと。
 その少女は彼女であるんですけども、そうやって、組織が殺す人間というのは、先に
事件で罪もない人の命を奪うのだと。
 フォックスの肩には、その殺人犯が彫ったというMPという入れ墨がありました。彼女の
全身の入れ墨ってこれを隠すためなのかも知れませんね。ワンピースのナミ思い出し
ますねぇ。魚人編のやつ。

 ただ…。
 全部見たから思うんだけど、これだって本当のことかわかんない。スローンからフォックスは
そう言われただけかも知れない。洗脳するために。
 名前のあがった人を殺す理由としてね。

 で、この後ウェスリーは2件目の仕事は華麗にこなしてます。スローでアイムソーリーネタは
ここで生きてくるのでまあ面白いといや面白いです。
 まあでももっとウェスリーの仕事っぷりを出してもよかったと思う。それを見て意味深にほくそえむ
スローンの姿みたいな感じで。
 そんで、自分のぼろアパートに戻って父の銃を取り戻しに行くのですが、ちゃっかり居座って
いた彼女が「今頃何しに戻ってきたんだ」とかギャーギャーうるさい。ここでフォックスがわざと
らしく登場してきたのはちょっと爽快だったなぁ。

 アパート外のソファに座っていたウェスリーは、クロスの姿を見かけて追いかけます。これ
絶対わなですやん。
 案の定誘い出された先で彼は撃たれ、仲間もやられます。
 ただ、彼の体内に残っていた弾から、これの製造者が分かったためそこからクロスを
追えるのでは、とウェスリーはスローンに話し、スローンもついにクロスを追うことを許します。
 出て行ったウェスリーの後にやってきたフォックス。
 スローンはなんと、「ウェスリーの暗殺指令が出た」と紙を渡すのでした。
 
 このあと、弾丸の製作者に会いにいって、まあものの見事にクロスの罠だったんですが、
電車に乗り込んでのバトルはいいにしても。
 何のつもりかウェスリーが急ブレーキのレバーを作動させたのはどうしようもねぇって
思いましたね。崖の上の鉄橋でそんなことしたら。
 当然電車は脱線します。
 たった一人の暗殺者を殺すためにお前は何千人犠牲にするつもりかと、ウェスリー。
これはこの復讐劇抜きにしても許されることじゃないぞとちょっと思いましたね。
 しかもこの話の後でまったくフォローないんですよ。これはひどい。1000人救うためには
一人の命はやむを得ないという組織の考え方ありきなら、そういうことはするなと。
 どうもこのウェスリー、殺人者として向いてないと思うんですよねぇ。こんなことしてたら
大量殺人犯としてあっという間に指名手配ですよ。

 ともかく車両とともに落ちそうになったウェスリーを助けたのはなんとクロスでした。彼が
話をしようとするのをウェスリー、問答無用とばかりに撃つんですな。ほんっとお前アホだな。
なんていうか暗殺者に向いてないタイプの人間を暗殺者にしちゃったね、みたい。
 そうしてクロスは自分こそが本当のウェスリーの父であることを告げ、息絶えたのでした。
ほらな、話を聞かなかったばかりに取り返しのつかないことしてるし。

 フォックスに撃たれそうになってとりあえず車両の窓ぶち抜いて落下してったウェスリー。
わかったから父親の死体を足蹴にするのはよせ。
 
 父のアパートを突き止め風呂に満たされていた回復薬でなんとか元気になったウェスリー。
でもってあの弾を作ったおっさんが来ていて話をしてくれるんですね。
 クロスは彼を殺そうとなどしていない。組織の人間を殺そうとしていただけだって。クロスが
組織を去った後、フォックスがウェスリーに近づいたためこれを阻止しようとしたのだと。
 ウェスリーには組織に入らず、自由に生きてほしかったからと。

 クロスは運命の織り機が織った布の一部を持っていました。それを解読するとスローンの
名が。
 すなわち彼は自分の名前が出たことでそれを隠し、秘密を知る者やその他の名前を
あげて自分に都合のいいように組織をのっとっていたわけなんですな。
 掟にそむいていたのはスローン自身だったと。

 自分の写真が父の部屋に沢山飾られていたのを見てウェスリーは、あの時父の
話を聞かなかったことをどれだけ後悔したんでしょうね。
 中にはちょうど窓をあけた自分の写真もあった。
 父はずっとそばにいた。
 何もかもスローンのせいですが、半分くらいは自分の軽率な行動のせいでもあるん
ですけど。わかっとんのかいな。

 そういうわけでウェスリーは復讐を決意。組織に乗り込んでいきます。
 こっからの展開はなかなか良かったです。

 ただ少し疑問が。
 スローンが最後出て来て、殺すリストにフォックス以下組織全員の名前がある、と
言うんですね。
 フォックスは拳銃を撃って、グルッと輪になって立っていた仲間を撃ち殺した後戻って
きた弾丸で自らも頭を撃ち抜かれて死んだんですが、それは裏切られていたとわかった
からなのか、掟に従って死んだのかここがちょっとわかりませんでした。
 だって名前が本当に出ていたかどうかなんてわかんないんだし。
 仲間は自分の命惜しさにウェスリーを撃とうとしていたからアレですが…。
 君は決断が早すぎるよ。
 ここで、あとでウェスリーが例えば、実はフォックスは生き別れの妹だったとか、
フォックスが彼にあてて書いていた手紙を見つけるみたいなエピソードがあれば、ぐっと
生きると思ったんですが、フォックスの行動が。

 ともかくスローンに逃げられてしまったウェスリー。
 そして彼は会社に戻ってまたあの退屈な日々を。
 そこへ背後からスローンが銃を持って現れます。
 夜たった一人で残業していたウェスリー。
 ところが振り向いた顔はまったくの別人で。
 驚くスローンの額を、父と同じやり方で一発の弾丸が撃ち抜き、その弾の発射場所は…
と映像は戻っていって終わりました。
 でも発射する前に「君、最近どんなことした?」ってウェスリーが言ってたのは面白かった。
 

 そんなこんなで、最後ら辺はちょっと展開を急いだ感がありましたね。
 最初にド派手なアクションもってきすぎちゃった。
 もっとバランスよくやってくれればさらに面白くなったかなという感じはあります。
 これはー…DVDレンタルで100円になったら見ればいいんじゃないですかね。



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