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K-20 怪人二十面相・伝

1/15鑑賞

 これはねー、評価がかなり割れるんじゃないかと思います。
 私も正直、面白いよ!とも断定しがたいし、かといって面白くないってわけでもない。
 なんていうか…怪人二十面相のパラレルもの、というのを忘れないで見た方がいいなと
思いました。
 まあ最初に「もし第二次世界大戦が起きなかったら」というのが出るんですけどね。

 そういうわけでWWR2が起きなかった日本では、身分制度が厳しい社会になって
おりました。どこですっけ、カースト制度があるのは。あんな感じですね。生まれついたら
一生その身分ってやつ。日本はまだ金で買えたりもするけども、厳しいところは本当に
厳しいらしいですから…。
 舞台はそんな1949年。
 
 えーっとなんか人集めて公開されているのは、無線送電システム、テスラーとか。
つまり離れたところに電気送れるシステムらしいよ。
 座標を打ち込むとそこに送れるらしいですが、なんか間違えたら大変なことになりそうな
上にいちいち座標確かめるの大変じゃん。
 ともかくこれを実験していたところに、助手に変装していた怪人二十面相が姿を現し、
テスラーだかデスラーだかを盗んでしまうのです。
 まあそれはいいんだよ。いやよくないけど。
 
 なんでOPがアメコミ風なんだ。

 というかこっちの二十面相は義賊ではない、というのを覚えておいた方がいいみたいですね。
私はこれで「えーっいいのかな」と思いましたが、これは最後まで見ると「なるほど」と納得
出来ました。

 二十面相が現れたということで警察に駆けつけてきたのは明智探偵と小林少年。おおっと
小林少年どっかで見たことあると思ったらリョーマ役の本郷さんじゃありませんか!やっぱり
二十面相を追い詰めた時なんか「まだまだだね」と言うんだろうか!?(言いません)
 彼は二十面相がテスラーを盗んだということで、兵器として使うつもりではないかと指摘します。
どっか海外で隕石爆発みたいなのがあったんだが実はそれに羽柴財閥が関わっていて、
大きなテスラーの実験をしたのではないか、と言われてるらしいです。んで完成したテスラーは
どこにあるのか不明だと。
 ここは私もすっかり忘れてたんですが結構大きな伏線らしいです。

 一方でサーカス。すごい身のこなしをする青年がいまして名前を遠藤という。奇術をおり
まぜたステージで大人気だった彼は、カストリ誌の記者から、その身のこなしを使って、
明智さんと羽柴財閥のお嬢様葉子さんの結納の儀をスクープして欲しいと頼まれ、引き受ける
んですね。
 つかこのステージ多分今現在やっても通用すると思う。
 ともあれ彼は、結納の儀が行われる羽柴財閥のビルの上に苦労してあがり、預かった
カメラで2人の様子を写そうとします。
 実は二十面相が羽柴の絵を奪うと予告してきており、会場は厳戒態勢だったのですが
そんなことは知らない彼は、カメラのシャッターを押しました。
 するとビル大爆発。
 彼はなんと二十面相として捕まってしまうのです。

 明智君達に言いたい。
 これまで捕まらなかった二十面相があっさり捕まったこと自体ニセモノと疑う推理力は
ないのかと。
 あとビルあんだけ爆破されてなんともないって技術がすげーよ!
 
 二十面相を逮捕したとして明智は記者会見に応じ、街頭では明智コールが起きるの
ですが、画面左半分のエキストラがなんかテレビを見ずに下の方見て明智コール
してますけど。君らは何を見てるんだ。

 遠藤は必死に冤罪を訴えますが当然聞いてもらえませんし、記者からもらったはずの
名刺が、先日二十面相によって盗まれたダイヤにかわっていたこともあり、ますます絶対
絶命に。
 つかこの警察官は官憲と言いますか、モロにひどいな。戦前を思い出します。
 それとあえて言いますが、こちらの二十面相は無実の人に罪を着せてのうのうと
してる、最低な奴だ。

 二十面相が狙ったえー…なんでしたっけあれ。あーそうそう、バベルの塔の絵でしたね。
あれは一応明智が預かって調べているらしいです。私はこの時点でちょっとひっかかって
たんですけども。
 ともかく、そんで葉子さんは何やらからくり箱らしいものを持っています。
 さてこの二人にもそれぞれ何かありそうですが。

 ようやく自分のこの状況が陥れられたものだと気づいた遠藤。それもそれで「お前
おっせーよ」とか思うんですが、そこに自分がマジックで使っていた白ハトが飛んで
きます。ハトが足につけていたものは…。

 つーわけで遠藤は、サーカスにいた時のからくり師である源治さんとその仲間に
よって何とか救いだされたのですが…。
 遠藤は彼らが泥棒だと知り、ののしって飛び出していってしまうんですね。
 そりゃなんていうの、遠藤には遠藤なりの思いがあるのはわかるけど、助けてもらって
ろくに礼も言わないどころかののしるなんて、遠藤の方がよっぽど最低な人間だと
思います。それに、サーカスに戻る戻るって言うけど、戻れるわけないのに。
 んで、サーカスがあったとこにいってみれば案の定、あとかたもなく焼き払われて
しまってるんですね。そりゃそうだろ…いくらなんでも元のままサーカスがやってると
でも思ったんでしょうか。

 失意のまま彼は露天?みたいなとこ歩いてるうちに、サーカスのメンバーだったシンスケと
思いがけず再会し、孤児たちがたくさんいる「ノガミ」という地域の現状を知ります。
 何とかしてやりたいと思った遠藤は源治に頭を下げ、代々伝わるという泥棒修行の
ノートを借りました。こうして彼の、二十面相と戦うための訓練が始まりました。

 シンスケって名前にゃ、反骨精神持った人が多いんですかねー。いや銀魂の高杉を
思いだしたんで。彼も「先生」と慕う人を奪われて復讐を決意してますからね。こっちの
シンスケは復讐まではいかんけど、それでも同じ境遇の子を守ろうと奮戦してるし。

 修行の一つとして、直線を地図に引いて、何があろうともまっすぐ突っ切るというのが
あるんですが。男塾かその修業はよ。
 んで養鶏場みたいなとこに落下して戻ってきた遠藤。血まみれ羽まみれで「細身の
ロープない?」って言っててめちゃくちゃ笑えました。びっくりするわ!
 
 変装術も身につけたりしてさまになってきた遠藤。彼に源治は、あるからくりを渡します。
それは、スイッチによって出たり入ったりするかぎづめロープでした。よくルパンも使ってる
やつですね。
 それを試して感動する遠藤。
「すげえ!…俺!」
 お前かよ。

 久々出てきた葉子さん。彼女は衣装合わせをデザイナーさんとしてますが…実は
そのデザイナーが二十面相だった!
 というわけで町をまた遠藤が走っていますと、逃げているらしき葉子を発見。これを
追っかけていると、二十面相と遭遇。なんていうんですっけ、千載一遇じゃなくて
えー、ともかくここであったが百年目とばかりに葉子を守りつつ戦う遠藤。
 つか、二十面相があっさりと仮面を外してみせるんですが、その下の顔は確かに
あの日遠藤に会いにきた記者の顔ではあったんですけども。
 私はここで、二十面相ともあろうものがあっさりこうやって顔を見せるからには、この
顔もまた実在しないのでは?って思ったんですね。つまり、この顔は素顔じゃなくて
変装されたもんじゃないかって。

 ともかく二十面相は、やっぱり遠藤を身代りにしてしばらく身をひそめるつもりだった
らしいんですね。でも遠藤が逃げたからまた暴れようと思ったらしい。それはともかく、
葉子さんがすごいんですよ。
 逃げるのはいいんだけど、一緒に行くならとドレスちぎったりしてるし。
 で、
葉子「まいりましょう!」
遠藤「…はい」
とか面白かったです。

 源治のところに帰って来た遠藤。葉子さんが二十面相に追われていた理由を
聞きたくてひとまず連れ帰った模様。
 つか目を覚ました葉子が遠藤を軽くひねり飛ばしてて笑えました。良家のたしなみ
ですか…。
 …まあさ、いきなりきた家でさ、風呂入るのはいいよ。お嬢様だから。
 シャンプーありませんかとか髪の毛を洗うな。
 石鹸で洗えって言われて「洗えるんですか!?」と聞いてくる葉子に、源治とその
奥さんと遠藤があきれたように「洗えるよ!」って言い返してました(笑)。
 でも葉子さん…風呂を泡風呂にしちゃってるし…あんたどんだけ風呂の入り方
知らないんだよ!
 
 世間知らずな葉子を、遠藤はノガミにつれて来て、どうにもならない格差社会の闇を
見せるんですね。
 葉子は「政府に抗議すべき」とか「皆を施設に連れて行けばいい」とか言うもん
ですから遠藤は腹を立てて、彼女をおいて帰ってしまうわけです。それはないだろ…。
 つーか。二十面相のこと聞くんじゃなかったんか遠藤。お前はアホだ。

 翌朝葉子を迎えに行くと、なんかノガミになじんじゃってました。
 遠藤に彼女は、自分のすべきことがわかったような気がする、というんですね。
 彼女自身、このまま明智と結婚しておとなしく生活するのに疑問を抱いていたようで、
やっと生きがいに出会えたと思ったのかも知れません。

 一方で少年探偵団が葉子さん見つけだしとるし…。
 ただ明智に報告してるシーンを見て思ったんですが。ここでメモにとあることを
私書きとめてたんですが、この予想は当たっておりました。
 正解はのちほど。

 さて葉子から事情をいろいろ聞いた遠藤はあることを画策致しました。
 こっからはなかなか面白かったです。コミカルで。
 まず明智探偵事務所が停電し、困った小林少年が電力会社に電話をかける。
それは、細工をしていた源治らのところにかかり、源治と遠藤は会社の人間として
事務所を訪ねる。
 一方で葉子は家に戻り明智を呼びつけて時間稼ぎをする。時間稼ぎをするだけ
じゃなくて、遠藤が二十面相ではないことを言って欲しい、と彼にお願いしています。

 探偵事務所に上がり込んだ遠藤らは、漏電であると少年に伝えて、あるものが
しまわれている部屋を探すのです。でもって少年は、源治の奥さんとノガミの子供たちが
変装した少年合唱団に寄付を迫られてあーだこーだ足止めくらい中。
 
 遠藤らは、あのバベルの塔の絵を探していたらしいんですね。この絵に、二十面相が
狙う何かがあるのではないかと。
 部屋をすんごい探して荒らしてて、小林少年が戻ってきたらきれいになってるというのは
流石だと思いました。
 ところがどっこい。
 なんと明智が戻ってきて、二人は捕まってしまうんですね。

 時間稼ぎするために葉子が、ケーキを明智の服にこぼそうとするのですが、何なく
受け止めてしまう明智が面白かった。全然葉子の思惑通りに時間稼ぎ出来ないところとか。

 これが葉子も一枚噛んでいた計画としりビックリする明智。
 しかし、この絵の下に羽柴家がどこかに隠したテスラー装置のありかを示すヒントが
あるんじゃないか、ということを知り明智納得。おおっぴらにすれば、兵器として悪用
されてしまうからです。
 つーかテスラーに反応しすぎだ、小林少年。

 葉子はこの装置を早く見つけて悪用される前に壊してしまいたかったらしいんですね。
なるほど。

 この絵の下を見るには、つまりレントゲンがあるのは、軍の諜報部であり、簡単には
忍びこめません。
 ではどうするか。
 明智も含めて一芝居打つことになりました。
 ここからは爽快でしたよー。

 レントゲン装置を盗むという二十面相からの予告状を受けて、明智と警察のえらい人が
軍にやってきました。
 あーだこーだやって、軍の警備が想像以上なのを知りなぜか動揺する明智。「に、二十面相が
死んだりしたら大変だから、殺さないように捕まえるべきなんじゃないかな…みたいな」とか。
これは仲村さん演技大変だったと思いますねー。
 明智に変装した遠藤の役どころですから。
 さてそこにもう一人の明智が小林少年、源治とともに入ってきて場は騒然となります。
 先に入っていた明智は遠藤が二十面相になって(ややこしい)騒々しく逃げ出します。
 これが狙いで、彼が軍の注意を引き付けている間に、明智は背広に隠してきた絵をレントゲンに
かざしたのでした。
 まあ明智は楽でいいけど遠藤は命がけですわな…。
 逃げるのにマントが邪魔そうでした。
 それに逃げる時に「だからー、俺は二十面相じゃないって!…あ、今はそうか」とあわてて
マスクをつけるのが面白かったです。彼逃げる時にいきなり「マスク邪魔!」ってはずしちゃって
ましたからね…何やってんだ…。
 結構遠藤ギャグキャラでした。
 私は明智ももっとギャグキャラなところがあっても良かったかな、と思ったんですけども。

 そして遠藤を助けに来たのはなんと葉子。ヘリに乗って颯爽とやってきました。すげぇ!

 で、明智の事務所に帰って来たのですが…。
 酔っ払って寝込んだ葉子はともかくとして、何となく明智の雰囲気が変でしたね。
 もしかして彼は、遠藤があの騒動でケガするとか死ぬことを期待していたような…。
 ともかく、そこに源治がやってきて、絵の解析したものを見せます。
 そこに葉子が、自分がおじい様からもらって持っている箱と同じだと言い、遠藤は
その箱がからくり箱であると気づくわけです。あれこれいじると、あの羽柴財閥所有の
例のビルに、テスラー装置が隠されていることが分かった。
 二十面相に盗まれる前にと行こうとした遠藤に、源治が一応と銃を渡しています。
 ところが窓の外からの発砲に、明智が皆をかばって撃たれてしまうんですね。はい
明智君ここでドロップアウトです。

 まあこのシーンはなんていうか。ものすんごい違和感を感じましたね。
 ネタバレになってしまいますが、なぜ明智が早く窓の外に気付いたのかとか、逃げる
音とか何も聞こえなかったとか。それとわざわざ二十面相がそこに手下でもとどまらせて
彼らを撃つ必要があったのか、とか。
 ほっといても彼らはテスラー装置を取り出すカギを持ってやってくるわけですから、
開けさせておいて奪った方が早いですからね。
 ともかく、ここのシーンは最後のヒントが提示されるシーンだと思いました。

 葉子の箱を預かってビルにやってきた遠藤と源治。
 えーっと。
 葉子のお爺さんへ。
 テスラー装置でかすぎ!つーかこんなでかいものをビルにしまうな!ハリウッド
映画の見過ぎだ!

 ともあれテスラー装置を破壊しようとする2人ですが、そこに現れたるは二十面相。
つか遠藤、キーをポキンと折ってしまえばいいのに…。
 こっからのアクションはビルの上で行われるわけですから怖かったです。
 そしてついに正体を明かした二十面相。
 驚く遠藤!
 彼は自分自身が持っていた銃を二十面相に奪われて撃たれてしまいます。
 その隙に二十面相はテスラー装置を起動させて、予め調べておいたポイントを
爆破させようとするのですが…。
 遠藤が時間稼ぎしてる間に源治が配線をいじくって、テスラー装置自らが爆発
するように仕向けてたんですね。ナイスプレイ!
 銃はサーカス用のニセモノだったらしい。すごいわー。
 どおりで、銃を渡した時に遠藤が、やや間があってそれを受け取ったわけだ。
つまり、「え?これ持ってて意味あんの?ああ、脅すようにか」という風に気がついて
受け取ったわけなんだなーと納得。あの演技はやられた。

 さて。
 二十面相の正体に誰よりも先に気づいていたのは、実は葉子さんだったんですね。
デザイナーに化けて忍び込んでいた時に、彼女の体にふれた手が、知っている人の
ものだったからと。女性の観察力すげーわ!
 あと二十面相へ。
 なんでお前はいちいち遠藤をフルネームで呼ぶんだ。
 出会うたびに「沢田綱吉」と呼ぶ風紀委員長かよ。
 俺が死ねばお前の冤罪は一生晴れないと捨て台詞を言う二十面相に、遠藤は
さらっと、「構わないさ。これからは俺が二十面相として生きて行くよ」と言います。
 かっちょええー!
 ともあれ、駆けつけてきた葉子のヘリに乗ってギリギリ脱出する遠藤。

 そんでもって遠藤についていきたいという葉子に対して、俺達はそれぞれ自分の場所が
ある、と言う遠藤。
 葉子に鳩を取り出してみせて、彼女がふと気がついて振りかえった時そこに、遠藤の
姿はありませんでした。
 いつでもあんたを見ているから、という言葉を残して。つか次の現場行かないと
間に合わないもんな、諸葛孔明。(台なしだ)

 こうして「義賊」二十面相は誕生したのです。
 人を殺さず悪を憎み、悪いやつから金を盗んで貧しい人に分け与える怪盗。
 
 
 さてさて私のメモですが、映画を見ながら「この人が二十面相だろ」って書いてたのが
ズバリ当たっておりました。まあ何となくはわかりますが。
 二十面相の変装した姿、というだけで出演された鹿賀さんお疲れ様でした。Lとタッグを
組んでキラを追い詰める役にお戻りください。(それもう終わったから)


 つーわけで見てるといろんなところにヒントが出てくるので、二十面相が誰かというのは
分かりやすいかと思います。
 話としてはご覧の通り前半がものすごく暗いのと、二十面相がサイテーな野郎なので、
「よく乱歩の関係者が映画ok出したな」と思ってたんですけど、ラストを見れば「これは
納得するわ」って思いました。
 うーん、オススメとは言い難いんですけど、もう一つの二十面相の話みたいな感じで
見れば面白いかもです。
 金城武さんというのはギャグもシリアスもできてすごい役者さんですね。




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