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7つの贈り物

3/8鑑賞

 シックスセンスを黙って映画館で最後まで見れた人なら面白いかも知れない。
少なくとも、話の着眼点は面白いと思うし、素晴らしいんだけども、脚本が見事台無しに
したと私は思います。
 意味深なネタ振りがあったあと、少しずつ謎が明らかになっていくという展開はとても
オーソドックスですし、ありだと思います。
 けれども、シックスセンスのように本編自体もそこそこ楽しめるわけではなく、観客は
(特に私みたいに何も読まず何も見ず、先入観なしで見た人間には)主人公の行動はまったく
意図がつかめず混乱するばかりで、何も面白くないんですね。
 何かを探しているというのはわかるけども、主人公は始終顔をゆがめているか怒鳴っているか
車を走らせているかのどれかだけ。
 これ映画だから皆おとなしく見るけどテレビで放映されたら最初の5分で間違いなくチャンネル
変えられるわ。私もテレビだったら多分見てない。
 失礼は承知で言うけど、脚本家は選べ。
 2度見ることを前提とした映画ほどつまらないものはないよ。
(オチがわかってから見れば2度目は楽しめる、という意味です)
 
 さて。
 冒頭のっけから主人公であるところの「ベン」が911通報しています。
 この番号は日本で言う119番。
 今から自殺するという通報でした。
 彼はなぜそんなことになっているのか。

 「神は7日間で世界を創造したが、僕は7秒で人生壊した」
 これが最大の伏線でしょうね。

 ベンはどっかに電話をかけて怒鳴っています。
 通販会社らしいんですが、出た担当のエズラ・ターナーという男性に、そっちで買った
肉がまずかったふざけんなどちくしょうというようなことを怒鳴ってます。なんかもう言う
ことがクレーマーレベルでどうしようって感じなんですが、このエズラは盲目の男性らしく、
検索したこととかでもコンピューターが音声応答してんですね。それに目をつけてベンは
さらに怒鳴ってる。結局電話は切れたんですが、ここではまだ、この電話に何の意味が
あるかわからない。

 この後ベンは何人かの名前を口走っています。
 ここでなんていうか、この名前が、ペンが手に持っているリストに載っているものだ、
というのがわかればよかったんだけどなぁ。
 そうすれば彼は目的を持ってそのリストの相手に接触しているということが、もうちょっと
観客に伝わっただろうから。
 このリストは彼の友人ダンが、秘密裏に調べて渡したもの。立場と肩書きを使ったらしく、
「俺は知らないってことで」みたいなメモがついています。
 後からここ出てくるんだけど、知らないまま見てるとほんっとわかりにくい。

 でベンは国税庁の職員なんか知らんけどパソコンで女性の記録を見ています。それを
プリントアウト。さすがアメリカ。日本で勝手にこんなことしたらクビが飛ぶがな。
(データは個人の資産情報。明らかに違法行為)
 彼が持って行ったのはエミリー・ポーサという人のものでした。
 彼女はいったいどういう人なんでしょうか。

 自宅に訪ねて行ったら彼女は留守、と隣人が教えてくれました。ベンは、バナナの皮を
混ぜるといい肥料になるよとガーデニングについてアドバイス。
 それはともかくとして、エミリーは入院してるぽくてその病院にベンは足を運んだけれども
面会時間すぎていて会えず。
 雨の中、車の中でなんかベン待機してるんだけど、アイドリングはともかくとしてワイパーは
もったいないからとめろや。

 ここから回想になります。現代と過去の境目が非常にわかりにくい。
 彼は同僚かな、相手にレクチャーをしている。「契約を取るためのコツは3つ。1つ、言うべきことを
言おうとする。 2つ、実際に言う。 3つ、もう1度言う」
 笑いが起きています。
 いやでも結構大切なことよん。
 んで、早く帰らなきゃ、すごい美女がボクを待ってるといって彼は帰っていき、なんだろう海岸の
崖の上に建てられたポニョの家…じゃなくて素敵な家にサラという女性が待ってた。

 で、ここで唐突に現代へ戻ります。
 ベンが目を覚ましたところはサラといた家。ビーチハウスなのか。リッチだな。
 ともかく電話の音でベンは目を覚ますのですか゛それは弟からで、「ものを持ち帰らなかったか」
と質問。
 けれどもベンは「俺のものをもうあげただろう」とか言ってます。意味不明な会話に見えますが
実は重要なポイントです。

 そしてベンはまたどっかの施設に出向いて、グッドマンという人に出会っています。
 院長らしいぞ施設の。
 まあこの人との話はさておいて(骨髄移植がうまくいかなかった…というのはポイント)、
また連絡するといっておきベンは、さっきグッドマンがあれこれ言っていた、おばあさんの
部屋を訪ねていきます。
 ここは見ていて様子わかったな。
 おばあさんはグッドマンに何らかの虐待を受けていた。パワハラみたいなものでしょうかね。
 ともかくベンは怒って、おばあさんを助けるわけです。
 納税が遅れている件に関して延期するのは取り消し、と言ってベンは立ち去りました。

 この後はまた過去の回想が入りまして。
 子供の入院患者を見に行くベン。
 そうしていると女性が立ちあがって「あの子みてるの、それとも私?」とか言いながら
ベンのテーブルに合い席。
 おいおいずいぶん自信過剰な人だな!
 彼女こそがエミリーなんですな。
 ともかく、ベンは、税金の支払いが滞ってるよん、みたいなことを言って、病気してるから
支払いは待ってあげることができるよと言う風なことを伝えます。
 
 ここまでベンの行動を見ていると、税金の支払いをあちこち調査して歩いているように
思えますね。
 そういう風にミスリードされてはいるのですが、ポイントは、「彼が実際に職場で働いている
図は一度として出てこない」ということでしょうか。

 んで彼は家があるのにも関わらず、モーテルを借りて住み始めます。
 これも重要なポイント。
 その次に出てきた、ハイウェイの事故で7人死亡の記事も。

 エミリーが自宅に戻るとベンがきてました。犬に肉やってるのをエミリー怒ってんですけど。
 犬がベジタリアンとか。
 ………犬、死にますよ。
 犬も猫も雑食動物です。猫は魚を食べるというイメージがあるかも知れませんがそれは
日本が島国であり、古来から漁業が盛んで魚をやっていたためであり、欧米では普通に肉も
食べます。
 雑食であるからにはもちろんベジタリアンになることもできます。肉アレルギーを持つペット
なんてのもいますから。
 けれども、猫よりも毎日散歩したりして運動量の多い犬とかにベジタリアンを強制すると、
体力が持たずに死にいたることもあるので、十分な栄養をペットフードで補ってやる必要が
あります。
 ベジタリアンでいることは人間の勝手な主張ともいえるわけですから、それをペットにまで
強制しないことです。
 
 話がずれましたが、犬の散歩に付き合って会話しているうちにエミリーは心臓に先天性
疾患があること、けれどもレベルが2のために移植待機リストにおいては緊急性がない
として掲載されていることなどを話します。(レベル1だと緊急性ありで、待機リストに載せられる)
 それでもってエミリーは、パッとしない人生だわーとか言うんですけど、ベンは、ボクの
人生よりはいいよとかよくわかんない励まし方だー!

 ともかく、ベンは国税庁に滞納税の支払いのことで何か言われたら僕の名前を出して、
といって名刺渡します。
 どうしてこんな特別扱いしてくれるの、と聞くエミリーに、「その資格があると感じられたから」。
 これは重要な伏線ポイントです。

 ベンは何を思ったかビーチハウスを掃除し始めます。徹底的に。
 荷物も整理してます。
 すごいんだけどさ、ハウスクリーニング入れたらどうかと…一人だと大変そう。広くて。

 で、彼は宿泊しているモーテルに今度は魚を持ち込んだ。
 クラゲとかもか。
 ハブクラゲというらしい。
 もう名前からして生息地域とかだいたいどんなものかわかるですね。これ和名つけた
人はセンスあるわ。ハイレグアデガエルの名前つけた奴でてこい。
 ともかくここでは、もっとも強い毒があると紹介されていますが、それほどでもないです。
死亡することがある、というだけできちんと治療すれば死にません。海のスズメバチと
呼ばれる「Chironex fleckeri(オーストラリアウンバチクラゲ)」の方が怖いです。オースト
ラリアなどに生息してるらしいので日本だと出会うことないんじゃないかな…ちょっと手元に
あまり情報ないのでわかりませんが。
 私はクラゲ怖いから海では泳げません。ダメなんですよ本当に怖くて。

 また話ずれたけど、ダンとベンはいろいろと激しく言い合いをしています。ダンは
ベンの計画をばかげているとかとてつもないことだ、本気かと言いながらしぶしぶ協力
している様子。
 ベンはなんとかしてこの計画を成功させようとしている。
 その計画こそがこの映画の要ともいえるのですが…。

 ベンは、児童安全課のホリーという人物を訪ねます。彼女はベンの言うことなら何でも
聞くわ、と言ってます。過去に大きな恩があるらしいです。
 で、ベンは助けが必要なのに救いを求めていない人を助けたいと奇妙なことを言っています。
ホリーは、コニーという女性の名をあげます。DV受けてるらしい。
 告訴をしないから行政も助けられないと。
 さっそくベンはコニーに会いに行ってあなたを助けたいんですというけれども、相手にされて
いないし。
 めっちゃ怒られてるし。
 
 DVを受けている人の典型的なタイプはまさにコニーのようなタイプなんですね。
 暴力を受けていて傍目からはとても異常に見えます。
 けれども本人には、暴力をふるう相手がたまに見せる優しさが、その人の本性だと思って
いたりとか、この人を理解できるのは私だけという思いがあり、なかなか離れません。
 皮肉な話ですが、子どもが殺されたり、この人が大けがをしたりしてようやく発覚する、という
結末は珍しくないのです。
 だから周囲は、「DVなんだから早く逃げればいいのに」という態度ではなくてまず、その
複雑な精神状況を理解することが必要になってきます。一番いいのは警察と医者連れてくる
ことなんですが。日本だとまだまだ難しいでしょうね、解決は。

 そんで追い返されたわけですが、別の日にベンは、別の男性に会いに行き、その老人と
「透析とはおさらばだワハハ」みたいな会話をしています。
 …腎臓移植ですかね。
 どうして私なんだ、と聞かれてベンは「あなたがいい人間だから。誰も見てない時でも
いい人間だったから」と。
 だからーもうちょっとこうさぁ、演出のやり方があると思うんだけども。

 一方エミリーは散歩から帰宅したものの自宅で転倒してました。
 私これ、頭をモロに打ってたので、失礼だけど見た瞬間死んだと思ったよ!
 病院に運び込まれたのはいいけど、顔はまったく無事って納得いかない。(失礼だろ)

 このあと、エズラが久しぶりに登場してきます。
 コーヒーを飲んでいる彼にベンは声をかけて、ウェイトレスをデートに誘うの、とちょっと
冷やかした後、御休みエズラと立ち去りました。
 おそらくこの会話こそが、ベンが彼を決める決定だったと思う。
 エズラ、君に決めた!みたいな。(そんなポケモン選ぶみたいな)
 エズラも多分、声の記憶から誰だったか思い出そうとしてると思うのですが…。

 ベンにエミリーから電話がかかってきて、また入院したことを知らされます。何となく
人さびしくなって電話をかけたんでしょうね、エミリーは。
 病気の時って心細いもんね。
 優しいベンは楽しいお話をしてあげます。
 ティムという少年がいて、弟によく紙飛行機を作ってくれと言われていた。
 ティムには大きな夢があって、ある時木に登り、上から飛び降りた。彼は鳥になりたかったのだ。
 ちなみに飛べはせず、彼は腕を骨折した。
 夢がない!
 この先が楽しいんだとかベン言ってるけど病人にそんな話をするんじゃない!

 ともかくティムはあきらめずに宇宙船づくりに挑戦したらしいです。
 …このあとドラゴンが出てくるとか火を噴くスペースドラゴンとかベンさん、それ映画が
別の話になってしまうのでそろそろ終わりにして下さい。

 ベンはそのまま病院に行き、眠っているエミリーに付添ってあげています。
 どう見ても職員の権限越えてますよね。
 彼にはいろいろな思いがあるからこうしてるみたいですけど。

 翌朝ヨレヨレになって起きてきたベンですが、エミリーの心臓はもう肥大していて、
移植が緊急に必要であること、余命はせいぜい一月であることを知らされます。
 そして、移植待機リストがレベル1になったことも。

 ベンは犬を預かってモーテルに戻っているのですが、犬がでかくてさすがに管理人に
とがめられているんだけど、「こいつは馬だ」
 いいのか!いいのかそれは!
 まあ確かにアメリカは契約書がかなり重要視される分、逆に書いてないことは相手側の
落ち度になるので、管理人はあわてて馬に関する規定を追加していると思います。

 ベンのところにあのコニーが電話かけてきました。
 本当に助けてくれるのか、と。
 ベンはあわてず車で向かい、コニーと落ちあってなんと、車をそのまま渡してやり、
手紙に書いてある家へ行けというんですね。
 そこはあのビーチハウス。ベンが掃除していた理由がこれでわかります。
 ここで幸せに子供と暮らすこと、自分のことは忘れること。
 契約書に君が名前をサインしたらもうこの家は君のもの。二度と僕に連絡するな。
 これがペンの出した条件でした。
 何の見返りもなく助けてもらうには大きすぎる贈り物です。彼は一体なぜこんなことを
見も知らない他人にするのか。

 別の日にベンはエミリーとドライブしてました。
 ベンは今は税務の仕事してるけどもとの志望はエンジニアだったらしいです。
(これ後半生きてくる伏線です)
 んでエミリーはあれこれベンのことを聞いてるんですね。
 恋人はとか、どうつきあってきたのかとか。
 ベンはこれ以上僕のこと聞かないでくれ、と言っています。
 
 ここのシーン、私はベンの言うことがもっともだと思います。
 そんなに親しいわけでもないのに、嫌がる人の過去を根掘り葉掘り聞いて、答えて
もらえなかったからといって怒るエミリーの気持ちがわかりません。
 アメリカにあるかどうか知りませんが日本ではそういうのを「無神経」と言うんですが。
 ともあれ私はこのシーン、ひとりで勝手に腹を立てているエミリーの方が不愉快でしたよ。
 ベンも謝る必要ないのに…と思って見てました。

 ともかく、ご機嫌取りにエミリーの家の庭の草むしりをしていると、エミリーが、仕事場の
機械を見せてくれました。
 手間がかからない、最新の機械があるけれども故障していてどうにもならない。手間が
かかる昔ながらの機械はあるけども、動かすのが大変そう。
 凸版印刷の招待状を作る仕事をしているらしいです。
 けれどももう病気が進行したから作れないでしょうね。
 
 少ししてベンは夜中こっそりやってきて、その機械を直してあげていました。エンジニア
志望だったのがこういうところで生きてくるんですね。
 私すごいなと思うのが、こういう技師やってる人って、多少分野違っても直せるんですよね。
電気とか車とか工具とか電化製品とか。すぐ直してしまってすごいなぁと思います。
 ここで犬も直すの見てるんですが、途中で飽きて寝てたのはかわいかった。

 この後しばらくしてからベン、骨髄提供をしています。あれ痛いんですよね、かなり。
なかなかできることじゃないと思います。
 そうして戻ってくるとエミリーから誘いがあってベン出かけていきます。
 庭で食事とかいいんだけど寒くないんですかね。時期的に夏の設定なのかもしれない
けど、冬に見てるこちらとしては寒い!
 料理は豪華だと思いました。ベジタリアンの食事にしてはとてもステキだと思うし。
 楽しい雰囲気のまますぎるのはいいけど…機械がなおってて喜ばせてあげるのも
いいけど…。エミリーさん心臓マジ大丈夫っスか。 

 で。
 プレゼントをとってこようと抜け出したベンなのですが車に乗り込もうとすると、弟が
ものすごい剣幕でやってきた!
 しかもベンをティムと呼ぶ。
 そうです、ベンはティムだったのです(わからん)。
 つまり、ベンことティムは、弟ベンの、身分を勝手に借りていた。
 身分証明書も勝手に持ち出していた。ある計画のために。
 だから弟は執拗に連絡をとろうとしてたんですね。
 明日の朝話そう、とティムは言って一旦その場を立ち去ります。

 エミリーのところに戻ってティムはいい雰囲気になってんですが、シャツを脱ぐと
大きな傷跡がありました。これは伏線なんだけど…いやこの先の展開はいいん
だけどさ、弟待たせて何やってるのか、という気もするんですけど。
 特にエミリー、心臓やばいのに。
 それと庭のテーブルの上についてるローソク消しなさい!火事になるだろうがぁぁぁ!
 
 ベッドから抜け出したティムは病院に行き、エミリーの担当医師に大事な話だと
伝えます。
 何でしょうかね。
 ここでエミリーの血液型が珍しい型だというのもわかります。
 ドナーが現れる可能性は通常よりも低い、と。

 ティムはダンに電話し、時が来た、大好きだよとお礼を言いました。
 それだけで彼には意味がわかったんでしょうね。泣き崩れるダンにちょっとジーンと
しました。
 そしてエズラにもティムは電話した。
 以前苦情を言った男だと紹介し、謝った上で、親切でいい人だったと確認したかったと
説明。
 いいけどどっちにも夜中に電話すんな。迷惑だぞ。
 そして彼は、ダンという人間が君を訪ねる。おくりものがあるからって言ってます。
 もう大体オチは読めてきましたね。

 そうして冒頭です。
 救急車を呼んでおいて彼はハブクラゲで自殺する。
 最後の、大きな贈り物をするために。
 彼が氷水に入って死ぬのは正しいですね。臓器が傷まないようにするのに大切だから。
きちんとハブクラゲに関する警告もメモで残してるし。
 
 彼には理由があった。
 以前ハイウェイをサラとドライブ中、携帯電話のメールに気を取られ大きな事故を起こして
しまった。
 それでサラを含め7人の命を奪ってしまった。
 だから7人の、何かを必要としている他人に自分のものを提供することで罪の償いをしたわけです。
 弟には片方の肺を、ホリーには肝臓を、アイスホッケーコーチの老人(だと思うんですが)には
腎臓を、コニーには家を、多分あの男の子のためだと思うんだけど骨髄を、そしてエミリーに
心臓を、エズラには角膜を。
 これであってると思うのですが、パンフレットちょっと買い忘れたので、あとでチェックして
必要なら訂正しておきます。
 
 …クラゲの毒が血中に回ってて心臓移植できるのか…?まあ大丈夫とは思うけど確か…。
 まあともかく、こうしてティムは償いをしたわけです。
 
 このあと、事実を知ってショックを受けたけれども、何とか立ち直ったエミリーが、エズラの
ピアノコンサートを訪ねて行って彼と会うシーンがありました。
 
 さて。
 これ脚本直せば本当にいい話になったと思うんだけどなあ。
 それから一つ厳しいことを言うならば、ベンことティムはエミリーと恋仲になるべきでは
なかったと思います。
 どちらかというと、エミリーが好きになってもそれを拒絶するくらいの展開でよかったと
思うのです。
 なぜならば、恋人に命を救ってもらったということを感じて生きるには、それは重すぎる
ことだから。
 いい話だと思います。
 けれどもつらいですよ。
 この先どんな大変なことがあっても、確かに助けた命だからと思えば立ち向かっていける
かもしれない。けれどそれは、もらった相手が誰だかわからないからであって、恋人が自分の
ために死んだと思えばそれは、くじける原因にもなります。
 エズラは逆にそこまでの思い入れがないから、恩は感じるだろうけども、生きがいを見つけて
いけると思う。

 だからこそそういう意味でも、贈り物をする相手とのエピソードはきちんとして欲しかったなと
思います。
 何より展開がダメだわ。
 テーマはいいものなのになぁ、と残念でした。
 二度めなら楽しめると思います。それは保障します。

 うーん…おこがましいですが、もしこの話を新たな角度で見せるとしたら、私はまず冒頭から
交通事故の映像を持ってきますよ。
 名前は出さず2人の男女がドライブしてて、女性が男性を「ティム」と呼ぶ。そのあと事故。
 そうして包帯ぐるぐる巻きで運び込まれて重傷のティムが映る。
 医師が「ダメだ」というゼスチャーをする。(これは女性の方であったという伏線)

 その後ベンという男性が意味不明な行動をとりながら、ダンともいい合いをしながら、もう少し
分かりやすく7人を救っていって、それで弟に怒られて初めて彼がベンではなくティムであった
ことがわかる、というのはどうでしょうか。
 これならば最後、ベンという男性の行動も納得がいくと思うし、ティムは重傷だったけど生きて
いたという伏線回収にもなるわけで。
 まあぱぱっと考えついたのでこれでも十分とは言えませんが、すべてを隠して少しずつ見せる
手法は成功したら面白いけど、隠しすぎると退屈になってしまうということでひとつ。



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