多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→ジェネラル・ルージュの凱旋


ジェネラル・ルージュの凱旋

3/29鑑賞

 前回と違って今回は面白かったです。話の筋がすっきりまとまっていたからかもしれない。

 物語はモノクロ映像から始まってます。過去映像だからか?と思ったんですがのちにこの
理由は明らかになります。

 サイレンとともに救急車で運ばれてくる患者に、颯爽と現れたのが今回の主人公とも
いえる、速水先生。デパート火災が発生したとかで、患者は次から次へと運ばれてきます。
 収容数オーパーということで受け入れを拒否しようとする他の医師を無視して速水さんは
淡々と患者を受け入れていく。
 この医者も文句言ってるヒマがあったら手を動かせよ。その、断れとか文句いってる間に
救える命が目の前にあるだろうがよ。
 速水センセの「全部受けてやる」っていうのがかっこよくて良い。

 場面変わりまして。
 書類に似顔絵描いて会議聞いてない奴がいるぞ!誰だ!
 …愚痴外来の田口じゃねぇかよ!いきなりたいそうな御身分だなお前。
 えーまあともかく、今の会議の内容は、死体の画像診断をやろうって提案なんですね。
MRIにかければ解剖しなくても死因とか解明につながるとかなんとかっていう提案を
これ誰だっけ?ちょっとわかんなかったけど、医師が提案してる。
 前作チーム・バチスタの栄光においても、死因を突き止めた画期的な方法ではあるの
ですが、死体を入れた後に入る患者さんのことを思うと…とか事務長の三船とか、倫理委員会
副委員長の沼田とかもいい顔をしていない。
 で、倫理委員会委員長の田口はというと、似顔絵を落書きしていらっしゃるほどだから
聞いていねぇ。当てにならない。
 この倫理委員会まともに機能してんのか…?

 まあそういう経過がありまして、メインキャラの顔見せがいい感じに終わったところで
田口はお仕事中。
 いろんな患者さんが来てますが最後にきたじいちゃんは、胸を張って歩くのが怖い、と
相談してきてます。傷口が開くと怖いとか。
 バッカてめぇワンピースのゾロ見てみろ!傷口縫う以前に酒飲んで寝てりゃ治るとか
ムチャクチャ言う奴だぞ!
 ともかく田口は、ここは病院だから何かあっても対応できるから、ひとまず胸を張って
みては、と提案してます。
 で、じいちゃんやってみたら何ともなかったということで自信を取り戻してお帰りに。
 まあこういう風に役に立ってるならいいんじゃないかなぁ。

 ちなみにグチ外来看護師の藤原さんによると、バチスタの事件以来田口さんは、この
病院のウラ番になってるらしいです。あれ?おしゃれ番長は?(それ違うし)
 そこに何やら投書っぽいものが届いていました。
 手書きで、
「速水救急救命センター長はメディカルアーツと癒着している。花房看護師長も共犯だ」という
内容なんですな。
 この速水なる人物は、ジェネラルと呼ばれ、独断専行も多くそのために敵やねたむ人間も
多いとか。
 そういう、悪質ないたずらの類なのでしょうか…?
 
 院長に相談しにいったらかるーい調子で田口、調査してちょとか言われてます。まあ
普通そうだわな。話をうまく持っていかないでバカ正直に話すからこうなる。
 委員長権限で誰か指名すればいいものを。
 というわけで田口、この調査がうまくいったら委員長をやめたいと約束しますが…。
 守ってもらえると思っているところがおめでたいな、おい!

 んで趣味のソフトボールに出て戦ってると彼女は、相手チームがメディカルアーツだと
いうことに気付きます。
 その中の磯辺という人物が田口の写真をとってくれるんですね。
 試合終わって帰りに、チームメンバーに田口は、速水のことを聞いている。
 ジェネラル・ルージュというあだ名があると。
 患者治療の最中、顔に血を浴びてそれをぬぐわずに治療していたからだそうです。つまり
ルージュじゃなくて、血まみれという意味。…それだともっと別のあだ名つきそうな気がするん
ですが。ブラッディマンディとか。(ウィルスにしてどうする)
 話を聞きながら駐車場を通りかかって皆は、赤いスポーツカーみたいなんをさして、あれが
速水の車だ、金にがめついからいいもの乗ってる、と言ってます。
 おいおいよく見ろよ。本当に金にがめつくていい車のりまわすような人が、車体も窓も
ほこりにまみれて汚れてるような状態にするかよ。観察力が足りないぞきみら。
 どう見てもこの車の状態は、長い間乗っていない車のそれですよ!ビシィ!

 救命救急センターにやってきた田口ですが、今まさに患者治療中のために血を見て
びびっております。
 一人、立っている多分この人が花房という看護師長さんだと思うのですが、看護師を
的確に指導してます。頼もしい。
 そんなあわただしい中にまた受け入れ要請の電話が来て、佐藤という医師は断れと
言うのですが、モニターからは受けろ、と指示が。
 あれ速水センター長ってこのコンピューターですか?(そんなわけはねぇ)

 なんか、比較的容態の落ちついている人を移動させれば大丈夫とか言ってます。
皆が文句を言ってる中、花房だけがスッと手配しにいくのはかっこ良かった。つか
速水のこういう性格皆分かってるんじゃないのかな。あれこれ反論してもムダだって。
 これまでに同じことが何度もあって、何度でも反論繰り返してるなら、結果を見る能力の
ないバカだと思いますけど。
 ともあれ、その速水はなんで現場にこないかと思ってたら、事務長の三船と話して
ました。
 ドクターヘリの導入要請は無理だと。
 ヘリポートはあるのに、隠れ喫煙所になってるだけだ、と速水はチクチク皮肉。
 速水の気持ちはわかります。何のためのヘリポートかって話だもんね。

 彼はモニターで田口のことに気づいてやってきます。
 なんか急性アル中の患者がなんで6万もかかるんだって怒ってるらしい。
 速水がパパッと説明して、花房がフォローして、強引にとはいえ納得させていたのは
見事だと思う。
 そして最後に、嫌ならこんなことで救急車呼びなさんなと。
 なおも何か言おうとするんだけど、速水らはするっと部屋の中に入ってしまって、残された
田口は逃げ場がないけどあわてて壁の方に向かってて笑えました。

 そんな中でやってきた患者は蘇生措置しても無理だったんですが、速水がかわって
蘇生措置を始めて、それをしながら田口と話してるんです。
 田口をヘタレ呼ばわりだし。
 ヘタレと呼んでいいのはイタリアだけだ!…ヘタリア。(ダメだこいつ…早くなんとかしないと…BY夜神月)

 ともかく、1時間心臓マッサージやって3000円弱、田口はだらだら話を聞いて数千円、という
医療現場の明暗を口にする速水。
 確かになんて言うのかな、大変さが違いますよね。あなた回すひと、私しゃべる人、これで
ギャラはおんなじってのと同じですよ。…このネタがわかる人がいるかどうかはともかく…。
 無事蘇生した患者さんをオペ室に直行させて、これでお客様、と来ていた三船にも皮肉を
忘れない。
 なんか速水ってわざと悪ぶってる気がしますね。
 
 そうして一応ひと段落したところに、メディカルアーツの磯辺さんがやってきて、速水と話して
いる。田口は偶然「キミにも3つくらいバックしないとな」「いえいえボクは一つで」という会話を
聞いてしまう。
 癒着のことが頭をよぎるんですね。
 …モニター室にあったチュッパチャプスのことを考えると、どう見てもあの袋の中身はチュッパ
チャプスのような気がするのですが…。金を3つとか1つとか言わんだろ。しかも誰が聞いて
いるかわからんようなところで。つーか私にも10個くらいバックして下さい!(買え)

 外のベンチで田口が疲れ果てていると、磯辺がやってきて紙袋を渡そうとするんですね。
ビビる田口。
 そういうものは受け取れませんからとか言ってるけど、冷静に考えてあーたに賄賂渡したと
しても何の得もないだろう!
 ということで磯辺が取り出したのはあの日の写真でした。CDに焼いたらしいです。結構
マメな人なんですねこの方。
 
 シーン変わってあの愚痴外来に来ていたじーちゃんが胸を張っていると、バリバリ!と音が
してじーさん、胸の傷が裂けたかとあわててみてるんですが、実はそうではなく、上から人が
落下してきた音だった。
 さっきまで元気にしていた磯辺が、よりによってヘリポートのある屋上から転落死していた
のでした。
 水たまりに顔つけた形で、撮影大変だったと思います。
 この役者さん、デスノートの時といい、ろくな死に方(あっちじゃ死んでないけど)しないな…。

 で。
 直前まで言い争いをしていたという田口が容疑者として疑われて連れていかれました。
 え?ここ笑うとこ?
 つーかいきなり連行だし!
 院長とか藤原さんはいい加減なもので、「痴情のもつれですかねー」みたいなこと言ってるし。
 垣谷がチラッと出て来てるのも笑えます。
 ちなみに翌朝解放されて戻ってきた時には院長「信じてました」と白々しいことを言ってました。
 こいついっぺんシメた方がいいんじゃないか。

 そんで磯辺さんの遺作?となってしまったCDを取り出して見ています。
 写真がムービー風になってて本格的だなぁ。すごいですねぇ。
 後で院長がちょこんと座って、一緒になって見てるのはかわいい。
 この國村さんという役者さん、こういうちょっとした動作の演技がうまい人だなぁ。
 ところがいきなり田口に寒気が。
 どうした、磯辺さんの幽霊でもいたのか!?

 速水のところに田口きて、磯辺の話をしていますが、速水センセは相変わらずアメなめなめ。
いいなぁ、チュッパチャプス、おくれよう。
 この速水先生、くれっていったら何のためらいもなく1つ2つくらいくれそうな気がします。
 Lだったら多分無言でジーッと見て相手が「…やっぱりいいです」って言うまで待つタイプだな。
いやLはどうでもいいんだけど。
 ヘリポートが映ってるのを見て、録画してないのかと聞くのですがそんな機能はないらしく。
がっかりする田口に速水は「俺は人のグチを聞いているヒマはないんだが」と強烈な皮肉パンチ
ですよ。
 そんで田口はいよいよ、癒着の告発文がきた、と言うんですが速水はけろりとして、「どこから
漏れたんだ?」と。
 冗談だとか言ってるけどキミがニコニコしながら言うと冗談に聞こえないんだよ!
 新撰組なら切腹もんだぞ山南!…と懐かしいネタを出してみましたが、大河ドラマの新撰組!での
堺さんの熱演も必見ですぜ。

 何の証拠があって尋問している、という速水に、寒気がする田口はそれどころではない様子。
真剣に速水に心配されてて、ちょっとほのぼのしてて良かった。
 …その後ろのモニターに、見たことのある人物が運び込まれてくるのが映っておりますが…。

 で、急患がまた到着というので行くのですが、やっぱ白鳥だった。
 しかも救急の設備に、ここはAランクのはずなのに見た限りどう見てもBかCだとか文句言ってるし。
 何とかしろ、と大げさに騒ぐ白鳥に、こちらは百戦錬磨の速水ですから、大したことない、と
あしらうところはさすがです。
 そんな一方で薬物を飲んだという患者が運び込まれてきて、速水はそちらの対応にあたります。
 この子は前にもきていて、自殺未遂を繰り返しているのだとか。
 こういうのは困るよねぇ。医者が必死に助けても同じことするんだから。
 失礼だけど、治しがいのない患者だよねぇ。

 と、治療にあたる速水に「何無視してるんだ」とか、周囲に「人を教材に使うな」とか口の
減らない白鳥。
 麻酔かけて眠らせた方が早いんじゃないかこいつ。
 というわけで空きベッドがなかったので白鳥は小児病棟に収容されてました。まあ急を要する
ものではないからねぇ。
 子供達にガリバーと言われて大人気。
 ちなみにバイクでひき逃げされたとか、殺されかけたとか言ってます。
 驚いた!
 自分にそんな価値があると思っているのか!(失礼です)

 速水を告発する文章が自分のところに届いており、これを公にしたくない存在が自分を殺そうと
したんだ、とかガリバーがほざいてますよ。
 田口は自分にも来ている、といってます。
 手書きだとか文章内容が多いとか、なんでそんな勝ち誇ってんのかよくわからんが、田口は
なんか得意げに白鳥に文章見せました。
 つーかワープロ書きとか言い方古くね?今頃は全部パソコンでしょ。確かにパソコン書きは
言いづらいけどさ。

 文章が読みづらいみたいですが白鳥、老眼だな、うん。
 
 そこに佐藤医師がやってきて、救急の一番の問題はあんたのような大したことのない
患者まで来ることだ、とズバリ言っています。
 速水先生は必ず受け入れるから困っているって。
 でもガーゼとか包帯が、医療費のとれない消耗品だっていうのは初めて知りました。
医療現場って本当に大変なんですね。
 これ考えると本当、つまらない用事でタクシー代わりに救急車を呼ぶようなおバカさんの
ために、救急車有料ってのもやむなしのような気がする。
 それも、有料でも気軽に呼べないように1万円くらいにしておいて、それで本当に深刻な
ものであると判断できたら無料にするとかすればいいし。
 確かアメリカでは救急車一台呼ぶと5万円(今は相場的に変動してるかもです)かかる
はずです。しかも電話する時に「クレジットカード持ってる?」とちゃんと聞かれる。つまり
金がないと本当に来てくれない。
 ただし低収入層が保護されているというフォローもあったかと。
 日本の医療はバラバラだ。

 部屋が空いたということで白鳥ガリバーは移動してますが、看護師の如月とかいう
人が連れて行ってくれるんですが、今度はなんか白鳥、いやに救急をホメてんですね。
何があったんだ白鳥。
 ともかく、ほめておいて、やっているクロスワードの代筆を頼んでいます。
 こういうところは抜け目ないな。それとなく筆跡を手に入れたわけですから。
 如月の筆跡はあの告発文書とは一致しなかった。
 つーかこの如月って看護師結構きつい性格みたいな気がするんですけど。怖いよなんか。

 藤原さんは、速水を恨んでいる人の名前を次から次にあげてってるんですけど、さすが
情報通ですねぇ。
 その一方で花房さんはとても真面目であると評価してます。
 ICUはベッドが8つしかなくて、いつも速水が受けるから自然、ベッドは足りなくなる。結局
他に回されるからトラブルが絶えないみたいな。
 で、第一外科のことを挙げて、沼田の話をしていますが、倫理委員会の副委員長という
話が出て、委員長はこちら、と田口をさされた時に白鳥が「ありえない」とか言ってて、
田口が「もうすぐやめます」「賛成です」というくっだらねぇ会話が面白かったです。

 沼田のところに話を聞きにきた白鳥ですが…やい沼田助手!ミル引く音がうるせーよ!
空気読めよ!ガリガリガリガリガリガリガリガリうっせーよ!お前はガリガリ君か!
ガリガリしてないと死ぬんか!廊下でてやれ!
 あと沼田も、うぜーから白鳥に「副」委員長ですって張り合うなよ。お前らは出会うといつも
意地の張り合いになる沖田と神楽ですかコノヤロー。
 
 白鳥はズバリ告発文書の話を出すのですが、沼田は動揺した様子は見せず。
 ただし癒着のことに関しては審議しなければならないと言っています。
 そういうわけで急きょ、臨時委員会が開催されることに。
 田口は告発があったことを勝手に話してしまった白鳥に怒っていますが、ま、ムカツク
男でも、こいつのやることに無駄はないから、何か考えあってのことだとは思うけどね。

 そうして白鳥はかつての知り合いであった三船を見つけて話をしてます。
 沼田のことを褒める三船を、白鳥はあの2人はつるんでるな、と判断。
 沼田は儲かる薬をバンバン患者に出し、患者は薬が出ることで効くような気持ちになる
から喜んで通院すると、なんていうのかな、医者としては間違ってないかも知れないけど
本当に患者のためになるかっつとそうでもないよね。
 速水はどっちかっていうとしっかり治してもう二度とくんなよってタイプだから病院としては
儲からないってことなんでしょうね。
 それも皮肉なことだとは思うけど…。結局は国の問題ってことになりますわな。そういう、
必要なんだけど赤字経営のところをどう助けていくかっていう。
 しっかし白鳥、こういうの嗅ぎつけるのはやっぱ早いですねぇ。
 
 田口はあの自殺をはかった女の子の病室に行って、椅子に座っています。
 何か言うんじゃなくてだらーっと座ってる。いやいやだらけすぎ!それもうすぐ溶けて
たれぱんだになっちゃうから田口さん!
 しばらくしてから立ち去ろうとする彼女を、女の子はまた来てほしいって言ってるんですね。
何も言わないでいてくれた人は初めてだからって。
 沼田とかどっかの医師が「自殺なんかしちゃダメだ、命というのは〜」とか毎回説教するのかも
知れないなぁ。
 速水は速水で「もうくんな」とは言うかも知れないけど、この人の優しさはぶっきらぼうすぎて
伝わらないかも知れないし。
 だから田口みたいに、何もできないから何も言わない、みたいな医者の方がこの子に
とっては良かったということなんでしょうね。
 田口は、退院して何かあったらグチ外来にきてねとか言ってます。
 皆からは愚痴外来評判悪いらしいけど、あったら私も行ってみたいなぁ。
 そんで「どーして!?どーして取材のヘリは飛ぶのにドクターヘリは飛ばないの!?」って
言ってやる。(それヴォイスの加地君ネタと今回のネタばらし混じってますがな)

 一方で白鳥はリハビリ棟で、痛さに泣き叫ぶ患者と、ニヤリとしてリハビリしている看護師
(だと思うのですが)を見てびびりつつ車椅子で走り去っていました。このあたりは笑える。

 田口がパンを食ってると花房がきて何となく話すことになるんですが、花房は速水のことを
「あの人は子供ですから」と評した。
 子供があんなチュッパチャプス大人買いするかぁぁぁ!←違うだろ。
 ここで、「ジェネラル・ルージュ」の本当の意味が明らかになります。

 10年前デパート火災。
 100人を超える患者がこの病院に来た。病院は準夜勤の時間帯であり、一番医師や看護師が
少ない時間帯で、たちまちパニックになってしまった。
 そこで全館放送をかけ陣頭指揮をとったのがあの速水だった。
 しかし限界がやってきてついに受け入れ拒否をせざるを得なくなった時がきた。
 その時から速水は何かにつかれたように仕事をするようになったらしい。

 ここ、モノクロなんですね、映像が。
 そしてあえて花房はあるエピソードを伏せている。こういう展開は、先がわかってると
なかなか面白くていいなぁ。わからなくても楽しめるとは思うんですが。

 ドクターヘリがあったらもっと患者を助けられたはずだ、と速水は考えるようになった。

 あと沼田がなんか見てんだけど沼田助手がせんべいをばりばりばりばり食いながら
画面見ててうざい!これは沼田でなくてもうざいわ!
 わざとか、わざとやってんのかこいつ!
 お前がストックしてるせんべいを全部しっけさせてやろうか!

 いや本当、音を出すのに無頓着な人って頭おかしいと思いますよ、マジに…。
 ブーツとかミュールをカツカツカツカツ音立てて歩いてるやつとか。深夜だろうが静まり返って
ようがドアを平気でバタンバタン閉めてるようなのとか。

 ともあれ話がそれましたが、私ここのエピソードは原作通り、受け入れ拒否をしなくて、
速水の采配によって見事なんとかなったって展開でもよかったかなーとかちょっと
思いました。
 でも、受け入れ拒否をせざるを得なかったからこそ、映画後半のエピソードが生きてくるとも
いえるわけで。この展開はゾクソクしますよ!…いや、風邪引いてませんから。

 白鳥は速水クンのお部屋にやってきて、リモコンヘリを飛ばしてます。嫌みか!ドクターヘリが
飛ばないことのイヤミですかコノヤロー。
 速水が今度の委員会に召喚されるだとか、花房さんのことがこちらのワープロ文書の方には
書かれてないとか言ってるけど速水は興味なさげ。
 そして白鳥は、この部屋の丁度向かいにある倉庫を見て「何が入ってるんスかー。宝の
山ですかー」とか言ってるけど、速水はニヤニヤしながら「開けてみますか?」とけろり。
 これでチュッパチャプスぎっしりだったらさすがに殴られそうだな!
 磯辺の死に責任感じませんか、とか白鳥言ってるけど、この人が殺したわけでなければ
特に感じないと思いますが…。
 あと白鳥さん、後ろに頭反りかえらせるのやめて下さい。怖いから。

 速水は田口だけを呼びとめて、白鳥は帰させて、彼女に、あの自殺マニアの女の子が
田口に会えてよかったと言っていた、と伝えます。
 救急外来に来る自殺未遂はかなりの割合で、自分達ができるのはただ命を救うだけ。
早い段階でのメディカルケアがいる、それを田口にやってほしいと依頼。
 速水が珍しく言うんですね。「俺はあんたに頼みたい」って。
 田口はちゃんと引き受けた。
 こういうとこはいいですね。
 そのお礼のつもりか知りませんが、速水、明日の委員会は盛り上がるよきっと、って
言ってます。
 多分田口的には知りたくなかった情報だと思います。

 老眼でないといいつつもメガネをかけている白鳥は、手書きの告発文を解析中。
ここで藤原さんが非常に鋭いことを言うんですね。
 ボールペンのインクたまりがあって、それはこれを書いた人がためらった印。場所的に
花房という名前の終わりだから、となれば、肩書きが複数あってどれにしようか迷った
場合もしくは、自分に肩書きをつけるか迷った場合だと。
 つまり藤原さんは早い段階から、この告発文を書いたのが花房さんだとわかっていた
わけなんですね。すごいわー。

 そんで花房さんと藤原さんは会って話をしています。
 乗りこんでいこうとした白鳥を田口が頑張って止めてます。
 藤原さんはもういきなり本題に入ってんですね。
「どうしてあんなことしたの」って。
 実はゴミ箱からミスプリで捨てられていた文書を見つけて、このスタッフの中の誰かが
速水さんを告発しようとしているのだと思い、田口さんに自分の名前も書き添えて送ったと。
 白鳥がその場に出ていこうとして、田口が止めようとして車椅子にパソコンのイヤホンマイク
が引っかかってしまう。
 それがひっこ抜けたパソコンから聞こえてきたものは…あの、ミルをひく音でした。
 思わず振りかえる2人。
 さあ、いよいよ真相に近づいてまいりました!

 さて会議です。
 帰って来たらしい黒崎がものすごいごきげんです。あんた…。
 でも白鳥が座ってるの見てびびってたからちょっと笑った。

 ICUの連中がきて、速水が前に座ったのはいいとして、佐藤医師だけが皆と違う席に
座ったのはどういう意味があったんだろう。これはちょっといらん演出では…?と思いました。
 ともかく会議が始まって、速水はあっさり癒着を認めました。

 5年前センター長の依頼を受けた時に彼は条件として、受け入れを断らないセンターを
作ること、ドクターヘリ導入も視野に入れること、を言って引き受けた。
 ところが現状はまったくそんなことになっていない、
 常にベッドは足りないし、人手も足りない。
 問題点を指摘したものの、なぜか議事録から削除されているありさまだと。
 ICUからの受け入れを断るために常にベッドを意図的に満床にさせている黒崎のことも
指摘した。
 そうして、ここにいる皆はもう1ヶ月も家に帰ってないと。
 多分そういう速水さんは年単位で家に帰れてないような気がする。
 それが今のICUの現状なんだと。
 癒着で得た金はすべて赤字に充てていた。機材や消耗品。赤字隠しに使ったと。

 ここの速水は鬼気迫るものがあります。つーかこれは堺さんじゃないとできない
絶妙の演技だよなぁ。今までひょうひょうとしていた表情から鬼のような顔へと。

 沼田はそれでもけろっとして、責任問題ですとかあーだこーだ言ってるけどな。
 10年前のことも、本来なら黒崎が指揮すべきところを、事態を混乱させただけだと。
それなら黒崎ならあの事態を何とか出来たのかと。絶対受け入れ拒否だけで終わってたと
思うよ。
 黒崎は、沼田に「君が言いたいことをすべて言ってくれた」とか言ってるし。
 
 田口は、私的な受け取りはなく、病院の経営を補助するための賄賂なら背任罪に
ならないのでは、と口を出してます。いいこと言ったわー。
 証拠がないとかふんぞり返ってる連中にここで花房が立った!
 証拠はここにあります、と。
 彼女は、速水がメディカルアーツから受け取ったものの領収書をすべて保管していた。
 多分速水が自分一人で責任を負うつもりなのを感じて、その身の潔白を証明するために
ずっと保管してきたんじゃないでしょうか。
 で、告発文書に関しても書いたのは私です、とキッパリ。
 三船呆然。ざまあみろ。
 ところが速水には意外だったみたいでビックリしてる。顔から笑みが消えました。

 ともあれ速水の処分をということで、速水はさくっと退職願を出します。ずっと持ってた
らしくてボロボロでしたが。
 なんか…こんな決意を胸にずっと一人で(花房さんもいたけど)戦ってたというのは
可哀想すぎるよ速水が。

 ここで佐藤医師が、退職願受理されたら無罪放免なんてかっこ良すぎるとか言ってます。
 私この人は、速水を引きとめようとして言ってるのかな?と思ったんだけどこの時点では
反感持ってるってことですか?
 まあ次のシーンで、懲戒解雇されるべきです、と言ってるから敵の立場設定なんでしょうな。
 これはこれで物語が引き立つからいいと思います。
 原作では速水センセ大好きなんだよね、サトちゃん。

 速水は冷静に、まだまだだなサトちゃん、と言います。
 いかなる場面でも激してはならないよとか。
 ここで沼田が一件落着とか言ってます。どこの誰だかわからんけど言ってくれてありがとう
とか。お前自分の病院の医師に向かってそんなこと言ったら失礼だろ。
 おおっとそこにまた拍手だー。
 どうあっても張り合わないと気が済まないらしい白鳥が拍手していたー!
 沼田に(懲戒解雇させる)資格はない、という白鳥。
 
 それは、告発の文書を白鳥に送ったのは沼田だからでした。
 実はワープロ文書の方は速水が沼田に送っており、それが白鳥に来ているからには、
沼田が問題を大きくしようと、送ってきたからに他ならないと。
 速水が送った目的は、自分のしていることが明るみに出て、救命救急がゼロから再建
出来ればその方がいいと思ったからで、でも沼田が白鳥に送るとは思わなかったと。

 ここであのCDがモニターにかけられてるんですが、写真関係なくて音声だけ聞くっつー
なら、別に部屋暗くする必要なかったんじゃね?
 ともかくこの音声が、採算の取れない部門は縮小させたいが、救命の速水を失脚させる
にはどうしたらいいかとか、沼田と三船が話し合ってるのが録音されていたんですね。
 つまり、速水を失脚させるために沼田はわざわざ白鳥に送っていた。
 録音していたのは磯辺。
 彼が何故こんなことをしていたのかは後でわかります。
 で、空気読まない沼田助手がミルをガリガリやってたからわかったと。
 ここでこの音声を聞いている速水の顔がどんどん険しくなっていくんですね。
 ここはもう、この映画二番目の見どころだと思った。一番の見どころはこの後にあります。
 なんつか、すごいんですよもう、速水の心が手に取るようにわかる。
 自分を犠牲にしてまで患者を助けようとする医師達がいる傍らで、銭計算しか頭に
ない、まさに銭ゲバの医者連中がいる。どれだけ腹立たしかったか。
 
 院長、日本の医療が崩壊すると激怒しております。当たり前だ。

 と、そこに皆の携帯が一斉になり始めるんですね。
 速水の笑みが消え、テレビがつけられると、大きな事故の報道がされている。
 インターチェンジでタンクローリー?だかがひっくり返ってそれが下にあったショッピングモールに
延焼し、爆発が起きていると。
 サッとICUのメンバーが言葉を交わすでもなく出ていくのがかっこよかったです。
 わかってるんでしょうね、次にすべきことが。

 全部患者はここにくる、と判断して、院長も速水のところにやってきました。
 すべての指揮権を速水に渡すって。
 こっからの展開すごかったですよ。もうここはひたすら目を皿のようにして見て下さいとしか。
 ICUメンバーの動きにためらいとか戸惑いが一切なくて、質問してる様子もなかったのは
ひとえに、速水の普段の指導が徹底してるからだと思う。
 緊急時に、重要なことはもちろん指示を仰ぐことが必要だけれども、ある程度までは
自分の考えで動ける人というのは本当に貴重だし、そこまで育てるのは大変なことです。
 医者とか看護師にかかわらず、どんな仕事でも。

 あと沼田と助手。ヘリポートでタバコを吸うな。突き落とすぞお前ら。
 ここでけろっとして助手が、磯辺を殺したことを告白したもんだから沼田びびってます。
 おいおいお前、「ワクチンだって言ったじゃないか」と言いながらウィルスにやられた時の
的場以来の驚きっぷりだな!(L change the WorLd)
 ピンチに白鳥が、あのリハビリ看護師とともにエレベータでうぃぃぃんって上がって
きたのはちょっと笑いました。
 白鳥、あなたの唯一のお手柄です、と皮肉タップリにお礼を言っていました。

 速水は佐藤を呼んでトリアージを頼み、お前の判断=俺の判断だ、とかっこいいこと
言ってます。
 んでずらずらと救急車が来て病院は戦場と化す。けれども混乱することなくちゃんと
患者をさばいていくのがかっこいい。
 速水は赤のトリアージの人を受け持つべく待ち受けてるのですが、花房がやってきて
顔色が真っ青ですよ、と口紅を渡した。
 そう、あのデパート火災の時も同じだった。

 指揮官がそんな青い顔していたらダメです、と花房がポケットから取り出した黒いもの。
 そうだね、シャチハタだね!(口紅だっつの)
 口紅ぬって速水は腹くくったんだな、あの時も。

 俺も成長してないなとかいいながらまた塗って彼は立ち向かう決意をしたわけです。
 これがジェネラル・ルージュと言われる本当の所以だった。
 居合わせた如月とか田口がそういう意味だったんだと納得してました。
 だから花房さんは黙ってたんですね。わざわざ言うことでもないと。
 あの鬼と恐れられる速水だって弱いところがあるっていうのを言いたくなかったんじゃ
ないかな。
 上がしっかりしてないと現場に影響でるもんね。

 このあと、病院1階を上から見下ろす図が映ったり、トリアージの簡単な説明があったり
します。
 確かカードの色は上から黒、赤、黄色、みどりとなってて、これを判断によってちぎって
いきます。
 黒は死亡もしくは救命不可能、赤は最優先、黄色は二次優先、緑は軽傷というものです。
 ただこれ…現場で自分でちぎって治療を先に受けようとする人もいるんですよねぇ。
 って言ってたらこの映画でもやってるやついたよ!
 見降ろす図のところで車椅子でウロウロしてる女性が映ってて、なんだろ?と思って
たんですが、次に1階が映ってた時、緑をちぎってたし。
 あんたのような奴がいるから必要な治療が受けられなくて現場混乱するんだよ。

 黒について佐藤医師が、「その(助けられない)人を診ている間に助かるべき人も
助からなくなる」って言ってました。残酷だけれどもそれが現実ではありますね。

 三船がウロウロしてて、お前じゃまだおいとか思ってたんだけど、佐藤が「事務長、
カーテン!」と叫んでカーテンを降ろさせてた。お前その隙間までちゃんとふさげや!
 佐藤、黒崎にも平然と、赤の患者〜!とか言ってて、黒崎怒るでもなく従ってて
よかったです。
 つーかなー。ここで例えば沼田がやってきてどうしてですか、って怒って、それで
黒崎が歩きながら(もしくは治療開始しながら)「君が言いたかったことをすべて(会議で)言って
くれた。だがな、彼の指示で動いたあの10年前、私は充実していたんだよ」と言いながら
淡々と治療する、みたいなのやってほしかったなぁ。(一瞬回想で過去の事件映像が入る)
 黒崎も実は速水のことを支持しているっていうのが明確になるシーンが欲しかったので。
 ただ佐藤の指示に従うだけじゃわかりにくいし。

 ともかくえらいこっちゃーとか言いながら垣谷とか酒井も来たのは懐かしくてよかったです。
つーか垣谷、えらいこっちゃしか言ってない!
 速水と垣谷が互いに一礼しあってるのはかっこよかった。

 この後、トリアージで黒と診断された人の遺族が、どーして治療してもらえないん
ですか、と言ってるけど田口が引きとめてて、やっぱり田口はこういうケアに向いてる
人なんだなって思いました。

 ところが緊急事態発生。
 ストレッチャーが足りなくなったのです。
 しかしここで走ったのは花房。
 速水のあのお部屋にいって素早く倉庫の鍵を開けた。
 そこには山と積まれた折りたたみストレッチャーが入っていたのです。その数、恐らく
50は下らないかと。
 三船びっくりしてます。まあそりゃそうだろうな。速水が自分のために癒着していたんだと
信じて疑ってなかっただろうから。
 ここはかっこよかったなー。倉庫からストレッチャーですよ。押入れからドラえもんですよ。
(違うだろ)

 どこからこんな、という三船に速水がメディカルアーツからだよって答えてて爽快だった。

 さらに問題発生。
 現場で渋滞が起きて救急車が到着できなくなってしまったのです。
 ええい警察は何をしとんだ。
 交通整理して道をあけんか。
 その映像を見て三船はビックリしています。
 そこに自分の妻子がいたから。
 あんたが赤字部門を削ろうとした結果がこれですが?何かコメントは?

 速水が三船を「父親が諦めてどうする!」と励ましてて、やっぱこの人いい人なんだなぁ
って思いました。
 そしてここで田口のセリフ、「取材のヘリは飛ぶのにどうしてドクターヘリは飛ばないの!」と。

 室井さん聞いてくれ。どうして現場に血が流れるんだ!(事故現場ですから…)

 ここに白鳥がきて、ヘリは飛びますよ、と平然と言う。
 おいおい田口の前振り台無しじゃないか。

 私を誰だと思ってるんですか。上に連絡して、他県のヘリを要請しました、と。

 田口が感激して白鳥に抱きつきましたが、白鳥、衝撃で車椅子から転げ落ちました。
 やいガリバー。
 唯一のお手柄だな!

 ヘリポートにいよいよドクターヘリが到着する。
 速水、なんていうかはやる気持ちを抑えきれず前に踏み出してて、皆が腕を引いて
止める、この小さな演技がすごい生きてて良いです。

 そうして次々とヘリが到着してきて患者が運ばれる。
 速水がずっと待ち焦がれてきた光景がやっと現実のものになりました。
 今度こそ絶対に誰一人として受け入れ拒否はしない、させないと、速水は誓ったと
思います。
 あと三船が、支払いは後日でいいですーとか言って回っていました。うんまあ、いいけどさ。
反省したようだしね。

 それからのち。
 どうして磯辺があんなことをしたのかわかります。
 磯辺自身、子供のころ医療設備のない地域で母をくも膜下出血でなくしていた。だから
何とかして現状を変えたいという気持ちがあったんでしょうね。ドクターヘリが飛んでいれば
助かっていたかも知れない命だったって。
 だから沼田が考えていた、速水失脚が許せなかったんでしょう。
 で。
 速水の出した退職願を彼は撤回する気はないと突っぱねますが、田口、受理できません
と言う。
 速水が「は?」とか言ってて面白い。
 個人的経費なんか一切つけてない、つけているとしたら倫理委員会の処分に従う、と言う
速水ですが…。

 なんと。
 花房さんがきちんと保管していた領収書を見てみると、「チュッパチャプス代」とある。
 これにはさすがの速水も笑わずにいられなかった。
 あのバックがどーたら言ってた会話もやっぱり袋の中はチュッパチャプスでした。
 こういう展開できましたかー。

 というわけで院長の意向で技術を必要としている、救命救急センターへ「出向」することに
なった速水なのでした。
 ししゃもがおいしいところらしいです。
 絶対イヤミのように大量に、田口に送りつけてくるだろうな…(笑)。

 白鳥が退院していったのはいいとして、速水は佐藤に「1つだけ言っとく。上に立つ者は
わがままでないとダメだ。指揮官は人でなしでいいんだ。恨まれても助かる命が一つでも
増えれば」と言ってます。んであめを一つあげてた。
 そうして外に出るとですね、花房さんが花束抱えて歩いていくとこだったんですね。
 で、速水の車が初めて全体像が映る。
 あの、田口がソフトボールのメンバーと歩いてて見た、「いい車のりまわしてる」ってのが。
 全身ボロボロでもう地面から生えた草が上のほうにまでいっちゃってるくらいの車が。
多分これ今エンジンかけたら一発で壊れるわって感じの車。
 その車にもたれて速水は花房に声をかける。
 
 「寒いところは苦手なのか」
 「私は、平気です」

 手をつないでてかわいかったなぁー、二人。
 その2人の頭上を、この病院が導入したヘリが飛んでいきます。
 速水が切望していた、ドクターヘリが。

 屋上では初めてのヘリを緊張した面持ちでサトちゃんらが待ち受けています。
 で。
 患者を見たとたん皆の顔色が変わった。

「いやー、リハビリ登山で反対の足を骨折するとはー」
「…こんなことでヘリ呼んでんじゃねーよ」

 速水と花房さんの思い台無し!


 原作と、こまごましたところで違うんですよ。
 けれども映画は映画でとても完成度高いと思う。
 いらないエピソードをばっさり捨てて、速水という人間の思惑を際立たせるために入れた
エピソードには無駄がないし、小説・マンガと、映像としてのこの話の展開をよく考えた
人がスタッフに入ってるなーと思いますね。
 多分原作そのままを映像化したら恐らく、エピソードが散らばりすぎてわからなかったと
思うので。映画は巻き戻って「さっきどうだったかな」って見られないですからね。
 あと、私が感じた「速水」のキャラクタ像も微妙に違うと思います。
 原作は原作の速水、映画はこの性格での速水でよかったと思う。
 映画では佐藤が速水に反感持ってたとことかもいいスパイスになってるしね。

 入れてほしかったエピソードはレビューの中に書きましたが、絵的に入れられなかったので
仕方ないにしても、マンガ版にあった、速水がサトちゃんに「プッ」とチュッパチャプスを、叱る
かわりに吹いてるのは欲しかったなぁ。
 それと田口と知り合いじゃない設定にしたのはいいとして、行灯といってからかうシーンとか。
 映画の速水にはそういう、余裕がまったくなくて常に張りつめてる感じだったからなぁ。

 あと欲しかったのは、花房さんがゴミ箱に捨ててあった告発文書のミスプリを見て、早とちり
して自分が告発文を出してしまうシーンで沼田が花房をバカにした時に、速水が「お前に俺の
部下を侮辱する権利はない」と言うとか。もしくは「俺を裁けるのは目の前に横たわる患者だけだ」
というのはちょっとだけ欲しかったなと思いました。
 それと、最後の速水さんと花房さんのシーンは、映画の花房さんがおとなしめの、それでも
言う時は言うみたいな人だったんで変えられたと思うんですが、原作みたく、お互い憎まれ口
叩いててがらっと変わるってのもいいなぁーと思いました。
 ルージュを借りるエピソードは映画の方が好きです。花房さんとともにある、って感じが
際立ってていいので。
 ドクターヘリも飛んでくれて、ここらは憎い演出だなこのやろーって感じですよもう。
 
 というわけで私は、この話に関しては映画の方が好きです。
 速水さんは堺さんでないと無理だ。あの落差というか、表面からは何考えてるかわからない
っつー演技はなかなかできないっスよ。
 あとCM見て(原作未読です)黒幕が沼田だといつぞやに書いたのは当たっていたとは思うので
関係者の方何か下さい。(図々しい)
 前作を知らなくても楽しめると思うので、胸がスカッとする映画見たいならいいんじゃない
ですかねぇー。

 速水さんへ。
 あまりアメばっか食ってるとそのうち、膝抱えて椅子に座って「あなたがキラです」って
言うようになったり、死んだ魚のような眼をしている(しかしいざと言う時はきらめく)天パーに
なったりしかねないので気を付けた方がいいです。




多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→ジェネラル・ルージュの凱旋