多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→ウォッチメン


ウォッチメン

4/12鑑賞

 この映画を評価するのは非常に難しいと思います。
 描写はとても残酷でR-15指定を受けるだけはあります。
 けれども面白い面白くないという分け方ではなくて、なんていうのかな、深いテーマが
この映画にはあって、一概に「つまらない」とも言いきれない作品です。
 「勧善懲悪が好きな人には向かないかも知れない」、そういったところでしょうか。

 さて物語は、なんかこの手の映画に出るよりも「太陽がいっぱい」「ゴッドファーザー」
あたりが似合いそうな、葉巻をくわえた中年のおっさんが、コーヒー飲みつつテレビを
見ているところから始まります。
 いつも疑問に思うのですが、アメリカの中年は電気消してテレビを見るのは趣味なのか?

 テレビでは、ソ連がアメリカを挑発しているニュースが報道されており、終末時計がすすめ
られて0時5分前になったと言っています。これが0時になると世界は終わるそうです。
 劇中誰かが言ってたけどこんなもん、タチの悪いジョークでしかないですわな。本当に
0時になった時に誰かが針を進めてる余裕があるとは思いませんし。
 ニュースでは、アメリカにはDr.マンハッタンがいるんだぜとか言ってます。だからソ連も
怖くないじぇみたいな。
 それってあれですかね、「マンハッタンジョーク♪マンハッタンジョーク♪(中略)エアポート
まで一人 急いで〜」というやつ。(それ「Manhattan Joke」 河合美保子ですがな)

 で、悠悠とテレビ見てたおっさんですがドアの外の不審な気配に気づいたとたんドアが
蹴破られまして、おっさんは襲撃に気づいていたらしく、いつか来ると思ってたとか言って
ますよ。
 それでアクションになるんだけど、暴漢の方が強い強い。おっさんもそれなりにできるん
だろうけどボッコボコですよ。
 何がすごいって、叩きつけられて壁とか大理石?の台にものすごい穴があいてるのに
おっさん鼻血出ただけで済んでるとこだ!普通の人間なら頭がい骨骨折しとるぞ。
 つーかこんだけドタバタやってマンションだと思うんですが、周囲が通報したり不審に
思う気配がないとこがすげぇ。
 というわけでおっさん最後は窓から放り出されました。
 だから全面ガラスばりはやめときなさいって。地震の時真っ先にやばい構造なんだから。
(割れるのもあるけど、全面壁に比べて耐久性がものすごく低い)
 スマイルマークに血がついていたのが印象的でした。
 
 こっからOPが始まるんですが、なかなか面白かったです。
 まったく意味はわからんかったが。
(どれがどれだかよくわからなかったので…)
 途中でヒーローも数人殺されていたりして、なんていうのかな、正義の味方じゃなくて、
やっぱ人間なんだなという象徴なのかなぁとは思いました。

 で。
 えーと、当時のメンバーが集まってミニッツメン?とかいう、ああ、あれ朝バナナうまいよね、
それはミニッツメイドという、えーどこまで行きましたっけ?ミニッツメンか、そういうチームを
作ってたみたいですね。
 それはあまり関係ないんだけど、これらを受け継いで、条例により引退するまでヒーロー
だった人達が主役になるので書いておきます。

・ロールシャッハ(名前はウォルター)
 CMでやたらウロウロしてた、顔のない男とか言われてる人です。マスクの模様がうようよ
うごいて気持ち悪い。素顔はわりとフツーだった。時折でてくる看板持ったおっさんがこの
人だった。何してんだおっさん。

・ナイトオウル(名前はダニエル。ダン、で出てくるのでややこしい)
 作品一人畜無害なおっさん。

・Dr.マンハッタン(名前はジョン)
 青いおっさん。この人の存在ゆえに絶対に地上波ではウォッチメンは流せないと思われる。
銀魂にならモザイクなしで出られるかもしれない。だんだん人間の考え方をなくしつつある。

・シルクスペクター(ローリー)
 一言で言うとこの人が地球の未来を救ったようなもんですが、分かりもしないのに勝手に
機械のボタンを押して火事を起こしたりと結構迷惑な存在だと思う。

・オジマンディアス(エイドリアン・ヴェイト)
 往年の映画ファンなら名前を知った瞬間に絶対心の中で「エイドリァァァァァン!」っていったと
思う。イケメンで地位も富もある男ですが、オジマンという名前をつけるセンスはどうかと思う。

・コメディアン(ブレイク)
 冒頭で殺されたおっさん。コメディアンというけど得意だったのはオヤジギャグとかブラック
ジョークの類だったと思われる。
 というか服装のセンスが最悪だ。

 さてOPにはいくつか伏線があるので少しだけ覚えておくといいかも知れません。
 あと、女の子が銃に花をさしたあと撃たれるシーンは衝撃的ですね。これ私どっかで見たこと
あるなぁ。実際には撃たれてないけどこの映画では撃ってますね。
 
 コメディアンの部屋を警察が捜索して、強盗の仕業だなとか言ってますけど、普通の
強盗は強化ガラスをやすやす破って人を突き落とせないと思いますが。
 おい誰だこんな無能な警察呼んだのは!青島を呼べ!
 
 ロールシャッハ記、1982.10.12。
 ロールシャッハがやってきて落ちていたバッジを拾ってますが、俺を町が恐れているとか
どうでもいいモノローグです。(これは後で、なんでこんなことを延々言っていたかはわかります)
 腕に仕込んであるフックで、やすやすとコメディアンの部屋まであがり、何かを探しています。
ここですげぇと思ったのは、クローゼットの中にボタンがあって、それ押すとヒーロー時代の服
やら何やらでてきたことですね。

 1940年代に、仮装をして強盗をすることが流行り、警察もそれに対抗してマスクをかぶる
ようになったと。それがヒーローの誕生だそうです。
 つーか彼らを見ているとそういう「マスクかぶったから強くなりました」では越えられないものが
あるような気がするのですが、そこはアメコミだから気にしないのか!
 しかし彼らは、ニクソンが作ったキーン条例というものによって引退を余儀なくされることに
なります。
 あれだ、Mrインクレディブルみたいな感じですね。ヒーローも規制されるみたいな。
 
 んでダニエルが昔の仲間とたあいもない話をして帰宅すると、なんとアパートの鍵が
壊されている。
 中に入って見ると…。
 ロールシャッハが缶の豆食ってました。お前ぇぇぇぇぇぇぇ!
 それカギ壊して入ってまですることか!?つか人の家だろうが!
 っていうかどうやって食べるのかと思ってたら普通にマスク外して食べてた。
 
 彼はコメディアンが殺された、とダニエルに言いに来てるんですね。彼もナイトオウル
というヒーローやってたから。
 ヒーロー狩りが始まったのだとロールシャッハは見て、みんなに警告して回っている
ようです。
 報復があるのではないかと。
 正体を知られているヒーローは危ないだろうっていう考え方みたいですね、ロール
シャッハは。
 ダニエルはばれてはいないものの日々おびえてるらしい。
 つーかダニエルはロールシャッハの方を病気扱いだし。

 それよりも怖いのは、今勃発しそうになっている、ソ連の核攻撃だ、とダニエルは言います。
ジョンことDr.マンハッタンが99%止められたとしても、残りの1%で地球は滅亡するだろうと。
 まあそういうわけでムダだと感じたロールシャッハは、ダニエルとは後味悪い別れ方だった
みたいな感じで帰って行きます。
 つーかお前人ん家の食糧食い荒らしといて後味悪いもなにもないだろ。胸やけしてるぞそれ。

 そんでロールシャッハ、何かの施設の入口いきなりガラス壊したよ!?人を訪ねていく
らしいんですが普通に入れてもらえんのかお前は!
 えーっと中には、Dr.マンハッタンとローリーがおりまして、ローリーは彼に未来を見てほしい
とか言ってるんですね。
 しかし彼は何かに邪魔をされて未来が透視できないという。
 ロールシャッハは大した話もできずに、強制的に外へテレポーテーションさせられました。
 こっちの方が話になんねーな!
 で、Dr.マンハッタンがいきなりダニエルによろしくとか言い出すので何かと思ったらつまり、
彼はこういう外見なのでたやすく外に出られないから、ローリーが出かける先を見越して
「よろしく」と言ったらしいです。電話くらいかけられるだろお前。あとパンツはけよ。

 そういうわけで久しぶりにダニエルと会ったローリーは昔話に花が咲きます。
 ナイトオウルに路上で「ぶってくれ」と言ったマゾっけのある犯罪者の話は面白かった
けど、ロールシャッハが転落死させた、というくだりで2人笑ってますがな。そこ笑うとこォ!?
 つかまあウォッチメンの世界は、真選組のサド王子沖田が喜びそうな世界だというのは
よくわかりました。

 ローリーはDr.マンハッタンのことをあげて、何かしらの手を打たないと戦争が起きる、と
言っていたことを伝えます。同時に、自分のことも、恋人同士ではあるものの、距離を感じて
おり、「大事なフリをしているだけかもしれない」と。
 まーでも境遇が違うからなぁ。

 で、ブレイクことコメディアンの葬儀が行われてます。
 ローリーは帰宅して、初代シルク・スペクターをやっていた母とこのコメディアンの話を
するのですが…。
 母は過去、コメディアンにレイプされそうになったことがあり、それでなんか仲間から
コメディアンはボコボコに殴られていたんですが、実はその先に続きがあるのを
母は故意に隠してるんですね。
 これはのちに明らかになります。
 つーかコメディアンはヒーローじゃなくてどちらかというと、そういう肩書きを大義名分に
してる悪党のような気がする。

 昔ベトナム戦争においてDr.マンハッタンとコメディアンが前線に立ち、相手を降伏させた
のですが、コメディアンは現地の女性にも手を出していて、文句を言いにきた女性をなんと
撃ち殺してしまうんですな。とがめるDr.マンハッタンを「銃を溶かすこともできたのにしなかった」
見たいなことを言って、共犯扱いにしてる。本当に人間のクズだなこの人。なんでこんなのが
ヒーローやってられたんだか…。
 アメコミと日本の「ヒーロー」が違うのは、日本はどちらかというと清廉潔白でないといけない
ってイメージがありますよね。アメコミのヒーローはちょっとずるいこともしたり、殺すことも正義に
必要としてやったり(確かに日本にもダークヒーローでいますが)、ドラッグをして捕まったりと、
実に人間的な部分の方が多いように思います。
 
 昔の会合のシーンが出てきましたが、ここら辺は特にどうってことはないんですが、この
シーンを見てちょっとだけ、オジマンディアスことヴェイトは、コメディアンを殺す動機は持って
そうだなーという雰囲気はありました。
 ともかく、昔っからコメディアンは自分がどう思われようと関係なく、人を殺したり傷つける
ことにためらいがない、というのはわかりました。最悪だなこいつ。

 ロールシャッハは、昔悪党だった、モーロックとかいう人のところに来ていました。
 なんでもコメディアンの葬儀に出ていたそうですよ。
 出たってええですやん、そんなもん。

 どうしてかというと、亡くなる数日前くらいの夜、マスクを外していきなりこの部屋に入って
きて泣いていたそうです。
 そりゃちびる気もわかる。
 深夜目を覚ましたら大の男がベッドに腰かけてシクシク泣いてたらどこの「世にも奇妙な
物語」かと思うわ!ちょっとしたホラーだろ。
 それでなんかコメディアンは俺はわきまえてたとか、ひどい冗談だとか言って、宿敵だったが
お前は俺にとっては友に近い存在だった、と、忍び込んだ言い訳ですかコノヤローみたいな
ことを言って去って行ったと。しばくぞほんとに。

 ロールシャッハはモーロックの家を出た後、彼がおびえていたことは何だったのかを
考えています。
 ここでどうでもいいジョークを書いていたけどこれは有名なんですかね?
 ともかく書いておきますと。
 精神を病んだある男が精神科医を訪ねてきて、こう言った。
「人生が苦しい。すべてが残酷に思え、人々の中で孤立しているように思える」
 精神科医は言った。
「有名な道化師、パリアッチのショーを見れば元気になれますよ!」
 そこで男は号泣した。
「私がパリアッチです」と。

 すごいシュールな感じはしますな。

 で。
 Dr.マンハッタンと痴話げんかしたローリー。
 ベッドにいる間も分裂して仕事してたのが気に入らないらしいです。
 私はむしろうらやましいですよ。
 本体が寝てる間に分身が仕事してくれるんですよ!?まあ一歩間違えばのび太みたいに
誰が遊びにいって誰が宿題やるかモメそうな感じはありますが。
(あれは同一性のとらえ方の問題でしょうな)
 君だけが世界とのつながりなんだよとか言われて、「そんな責任負いたくない」と、おいおい
お前は誠実な愛を求めてたんちゃうんかみたいなローリーは別れを告げて出て行ってしまいます。
 大事にして欲しいと言ってみたり、責任負わされたくないと言ってみたり結構身勝手だなこの女。
 ただこの時点でDr.マンハッタンには見えていたんでしょうね。
 彼女はダニエルのもとにいき、二度と自分のところには戻ってこないと。

 で、ローリーはダニエルのところにやってきました。
 一方Dr.マンハッタンはテレビ出演の準備をしてました。あ、さすがにテレビに出る時には
服着るんだ…。
 ここで、一瞬のうちにテレビ局にテレポートしてて、気がついたプロデューサーが「おい、彼が
来ていたならなんで俺に知らせないんだ」とムチャなこと言ってて笑えます。
 あと顔色が明るすぎると言われて自分で調整してるDr.マンハッタンすげぇ。

 で、ローリーとダニエルはなんか路地裏歩いてて、絡まれたチンピラ達をのしてました。
のすのはいいけど結構荒いなお前ら。
 つか、Dr.マンハッタンの中継と交互にやるからなんか集中できなくてよくわからん。
 チンピラがちょんまげだったのは覚えてる。
 
 さて、ローリーらのアクションと交互だったのでいまいちよく覚えていませんが、会見を
していたDr.マンハッタンの前に、以前の恋人の…誰だっけジェイニーか、現れます。
 記者達によると、彼の仲間やとらえた悪人、つまり彼に接触した人達が次々とガンに
なっていて、ジェイニーもガンになっている、これをどう思うみたいなことらしいですね。
 どう思う以前に。
 この記者達の脳みそはどうなってんのかと。

 不謹慎な話ですが、毒薬を飯に混ぜて食わせたらこれ故意があるから犯罪者ですよ。
けど、買って来たご飯がたまたま汚染されていた。それを知らずに出した。これは過失だけど
悪意があるわけじゃないでしょう。
 それを本人が悪いかのような責め方をして、この記者達は一体何を考えているのかと
思いましたよ。
 そりゃDr.マンハッタンも火星にひとっとぴだわ。
 ええ、火星にきましたこの人。逃げ方豪快!
 プールに目をつけるのが怖くてモーゼみたいにプールの水割っちゃったどっかの聖☆おにいさん
より豪快だよ!

 このジェイニーって人もどうかと思いました。
「あなたが変わってしまった後も尽くしてあげたのにこの仕打ちはなに」みたいな感じで。
地獄に堕ちろとか。
 気の毒すぎる。

 ジョンがDr.マンハッタンになったのは、ある日の事故がきっかけでした。
 時計を忘れたといって戻った部屋がロックされて出られなくなってしまい、核実験に巻き込まれて
体がバラバラに。
 それで死んだと思われていたのですがしばらくして、自分で体を再構成して戻ってきたらしい
です。
 戻ってきたのはいいけど服まで再構成しなかったのか。
 そっからすごい力が手に入って、実験などに協力してるらしいですね。
 で、あれか。ニクソンからベトナム戦争に参加するよう頼まれて、あのシーンですかね。
怖いなぁ。

 そっから、ジェイニーと付き合っていたにも関わらず、ローリーに心ひかれて浮気をして
ジェイニーが出て行ったとか、なんかこいつも結構ひどいやつですな。
 火星で「地球はもううんざり」とか言ってるけどお前の浮気にもうんざりだよ。
 あと火星にいきなり変な建築物つくらないように。重力かわっちゃうだろ!

 えー、そうこうしている間にアメリカとソ連の仲はどんどん悪くなっていきまして、戦争が
回避できないような状態になってまいりました。
 大統領はDr.マンハッタンを2日待つ、というております。
 あとは運命は神の手にゆだねられる。神が我々の味方だといいが、と。
 それは神が誰の味方でもないことを知った上での発言かとかいろいろ突っ込みたい
ところはありますが、このまま行くと共倒れのような気がします。

 そんで、ヴェイトのところにも政府の偉い人たちがきて、彼は新しいエネルギーを開発
してるんですが、そゆことすると自分達がもうからなくなるからダメよんみたいな脅しを
かけているわけですよ。
 ヴェイトは気にしてないってか聞いてないんだと思うけど、アレキサンダー大王に親近感
覚えるとか、「今そんな話してた!?」的なこと言ってます。
 ともかく、私の財力がでかいから好きにはさせないよと言いたいらしいですが。
 そこにヒットマンが現れて、残念なことにこちらは別に赤ん坊でもダイナマイト使いでも
なかったんですが、拳銃でヴェイトを狙います。
 軽々余裕でかわした彼は、誰に頼まれたか聞こうとしますが、ヒットマンは毒を飲んで自殺。
結局何も手がかりは得られませんでした。

 ローリーとダニエルは、これらの犯行は組織的なものではないか、と話しております。
この町は危険だということでダニエルは、ローリーを一緒に暮らそうと誘っております。
 展開はえーな。
 ここを実は、マスクを外したロールシャッハが見ていて「浮気か」って言ってたのは面白かった
ですが。
 で、ヴェイトを襲った男は、ピラミッド宅配会社というところに所属していて、それは以前
訪ねたモーロックの部屋で手紙が来ていたのを見たことがある、何か関係あるかもという
ことで彼はふたたびモーロックをたずねます。
 しかし彼は殺されており、外には警察が。
 ロールシャッハは自分が何者かの罠にかかったことを知りました。

 ここで彼は捕まり、マスクを脱がされるのですが、とられたら普通でした。もっと何かあるの
かと思ってたけど。
 しっかしスタントやる人はマスクかぶってお疲れ様です。
 彼が収容された刑務所は、彼自身が捕まえてぶちこんだ犯罪者がかなりの数おり、襲われる
危険性もあるわけです。なんかハンコックみたいだな。

 ロールシャッハの心がゆがんでしまった、といったら変だけど、きっかけになったのは、とある
少女の誘拐事件にありました。
 犯人の家を突き止めたものの、犯人が少女を無残に殺害し、その遺体を犬に食べさせていた
ことを知った彼は犯人を殺害。それからちょっと一線を越えたというのかな、他のヒーローとは
一線を画した存在になったわけですね。
 「神はあの事件を気にもとめてない」とか。
 刑務所内でも強いのは強いです、ロールシャッハ。私はてっきりマスクとったら性格変わるの
かとか思ってたけど。

 一方でダニエルの家にきたローリーは、彼が地下に保有している、ヒーロー時代のグッズを
興味津津でさわってるのですが。
 飛行船のアーチーに乗り込むのはいいが勝手にボタン押すな!火炎放射が始まって火事に
なっただろうが!
 あわててダニエルが消火してますが、以前コメディアンも来た時にやったらしい。
 つーか入れないようにしとけよ!

 ここでダニエルとローリーがいい雰囲気になってるんですが、こういうのを見ているとローリーは
Dr.マンハッタンに、大事にされている気がしないとか、文句言う権利はないと思う。
 言葉汚いけどほいほい相手をとっかえることに抵抗がないという点においてはローリーも
似たようなもんだよ。

 で、なんかアーチーで2人飛び立ちましたよ。いいのかこれ。遊びに使うなよこういう道具を。
たまたま火事に出くわしてこれを助けたからいいようなものの、やっぱヒーロー引退して正解の
ような気もする。
 一方刑務所ではテロが起きてました。何やってんだぁぁぁぁ!
 ここでもロールシャッハ動じず、冷静に敵をぶちのめして、別の部屋にいってマスクを奪回。
そんでローリーとダニエルもなんか彼を助けようと思い立って出かけ、囚人をぶちのめして
合流しました。
 ロールシャッハに恨みを持つ男がいたんですがこれがトイレに逃げ込んでて、ロールシャッハが
こともなげに「用を足してくるからちょっと待ってろ」と入って行き、二人が平然と(何が起きるか
わかってるとは思うんですが)待ってるあたりは、やっぱ日本のヒーローとは違うなと思いましたね。

 そんでローリーはDr.マンハッタンの分身に呼ばれて火星にいきましたよ。
 彼曰く、世界を救えとローリーに自分を説得して欲しいそうです。
 気持ちはわかる気がするなぁ、何となく。
 つか火星にきたのはいいですが!
 ローリーさんあんたの足元で倒れて酸欠になってるがな!気づけDr.マンハッタン!
物語が終わっちゃう!
 というわけでギリギリ気づいて彼は酸素の壁を作ってあげていました。あと10秒遅かったら
放送できなくなってたぞこの映画!
 
 残されたダニエルとロールシャッハは居酒屋に向かい、ピラミッド宅配社のことを調べて
ます。
 どうでもいいけどその衣装のままで行くんだ…。
 そこで、ジェイニーに頼まれてやったとかよくわからんこと白状してますよ。
 Dr.マンハッタンの恋人だった人ですよね。それがなんでヴェイトを襲わせるんだか…。

 ローリーの方はDr.マンハッタンを説得してますが、こいつも自分でローリーに説得して
欲しいと言った割には、今は青い星よりこの赤い星が大事だみたいなこと言ってます。
 だったらローリーを呼ぶんじゃねぇよぉぉぉ!
 
 ダニエルとロールシャッハが、ヴェイトのとこに行くと無人になってまして、なんかよく
わからんのだけどパソコンを調べています。
 マンハッタン計画とかいうファイルを見つけて開こうとするのですが、パスがラムセス2世で
開いたというのも映画だけ見てるとわからん展開だな。
 アレキサンダー大王を尊敬してたって言ってたけど、今はラムセス2世に興味移った
らしいですよ、ヴェイト。
 まあパスをとくと変なリストが出て来て、そこから、ヴェイト社はピラミッド宅配社の親会社
だったということがわかります。
 つまり。
 本当の犯人は誰か、ということで。

 一方ヴェイトはマンハッタン計画を発動させておりましたよー。
 なんかそばにツノの生えた変なトラがいる。

 ローリーの方は全然説得できてなくて、まあまたあなたの観点でものを見せてと言って
んですけどその経過で、実は自分が、母とコメディアンの間にできた子だというのを知る
んですね。
 レイプされかけた相手なのに母はどういうわけかそういう関係になってたと。
 ただこれが逆にDr.マンハッタンの興味をひいたらしく、こんな確率で君が生まれたことが
奇跡だとか一人で感動して、地球に戻る決意を固めました。
 まあなんでも納得してくれたらいいですが、なんか複雑だわな…。
 あとスマイルマークを火星に作るな、Dr.マンハッタン。

 ダニエルとロールシャッハがヴェイトの基地に乗りこんでいってるのはいいけど、全然
歯が立たないというか。ともかくぼこぼこにやられてます。
 
 結局コメディアンを殺したのもヴェイトで、実は計画を気づかれたから殺したらしく。
 ロールシャッハも邪魔だったので罠にはめて収監させた。
 Dr.マンハッタンも、これひどいなと思ったんですが、周囲の人を放射能か何か浴びせて
ガンにさせて、彼の仕業だと追い込まれるようにすれば、嫌になって地球から出ていくに
違いないと計算してたっぽいです。
 そして自分が襲われたのも前もって頼んであって、自分が毒を飲ませて殺してたと。
 その目的は、マンハッタン計画にあった。

 Dr.マンハッタンのエネルギーを人工的に再生し爆発させることによって、数百万人を
殺す。数十億人を助けるための小さな犠牲というとらえ方みたいですね。
 この手の話にありがちな、ギリギリでそれ止める計画かと思ったらなんとヴェイトは
もうスイッチ押しちゃってた。おめー、そこは待てよ!誰も見てないところでスイッチ
押してんじゃねーよ!つくづくアメリカのキャラは空気読まねーな!

 というわけで実際に爆発が起きたわけですが。
 戻ってきたDr.マンハッタンはすぐに、自分のことが利用されたと理解します。この
あたりはさすがですな。
 まあいろいろありましてですね。
 ヴェイトの計画は破天荒に見えたものの、Dr.マンハッタンの仕業だと思っている
アメリカとソ連は戦争を回避し、手を結んで、地球を攻撃した彼を共通の敵とみなした
わけですよ。
 つまり彼一人が悪者になることで、平和は訪れたとヴェイトは言いたいわけで。

 事実を明るみに出せばまた戦争が始まる。そういうジレンマの中でロールシャッハ
だけが真相を話す、と言ってました。
 結局Dr.マンハッタンも、ヴェイトのしたことを許しはしないけれど受け入れたということで、
ロールシャッハを殺してしまう。こうでもしないと決着つかなかったんだろうなとは思う
んですけどね…。
 そういうわけでDr.マンハッタンは新しい命を創造してみたいとか、聞きようによっては
とんでもないことを言って地球から去って行きました。
 で、ダニエルとローリーも去って行き、ヴェイトがなんかぽつんと壊れた基地に残って
ました。つーかこれ誰が修理するんだ。

 そしてとある出版社に、ロールシャッハがつけていた日記みたいなのが郵送されて
きます。彼がずっとモノローグ語ってたのはこれに書いていたことを暗示してたわけ
ですな。
 それをネタにするかどうかは受け取った人次第…。


 えーっとですね、これ原作あるの?わかんないけど公式サイト見たらあるっぽいから
あるんだと思うのですが、エピソードが多すぎて映画に入り切ってない印象は受けました。
3時間あるしな!2時間だと思ってたからびっくりしたよ。
 ともかく、表現も結構過激だしいろいろあるし、映像的なものももちろんですが、内容も
かなり難解であるように思います。
 戦争を回避するためにかつての仲間を平気で犠牲に出来るっていうヴェイトの考え方は
受け入れがたいですが、かといって他に戦争をやめさせる方法といったらそれこそ、アメリカと
ソ連を力づくでねじ伏せるしかないわけで、そうすればもっと大きな犠牲もいるでしょう。
 そういう意味で、この物語はとても深い、深刻なテーマを持っていると思います。
 



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→ウォッチメン