多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→カイジ 人生逆転ゲーム


カイジ
人生逆転ゲーム

11/10鑑賞

 これはどういったらいいんでしょうねぇ。面白いんだけど、すごい珍妙なっていうか、
ともかく、今までの映画のストーリーには見られないような展開で、すごいクセがある
作品だなと思いました。
 っていうかパンフ裏に「ざわ…」って文字がいっぱい書いてあったけど何なんだ。
 あ、ネットで調べてみたらこのマンガに使われてた表現なんですか。なるほど。
こぇぇよ淡古印体!

 そういうわけで映画始まりの時に、いきなり銀河が出て、なんだなんだスケール
でかいな!って思ったら日テレのロゴだった。くそっ、Lの時も騙されたのに!

 えー今回デスノのネタがちょくちょく出るかも知れませんがご勘弁くださいませ。

 豪雨の中、とあるビルで、いかついおっさんたちばかりを集めて、真の王者の条件
とは何だ、と言ってるおっさんがいました。
 遠藤という女性が「金」って言うんですが、その金をどう使うかという話だ、当然
すぎることを言うな!と怒られてます。なんだよ言えって言ったから言ったんだろうが。
 利根川は、核シェルターと提案。おっさんになかなかやるなって感じで褒められて
います。
 は?
 核シェルターで地下帝国?
 アホですか?
 核シェルター作ったところでこの地球がぼろっぼろになったら何の意味もないんじゃボケが!
 まだ宇宙ステーション創造とか言うやつの方が将来性あるわ。
 ま、こんなこと言い合ってる時点でこの会社長くねぇなという気もしますが。

 さてそんなことも知らんと、主人公のカイジ君、スクラッチくじに挑戦して負けました。
 スーパーのバイトも全然やる気なし。まあでも働いてるだけ偉いとは思うけど…もうちょっと
気合入れようか!
 しかも帰り道通りすがりのカップルに「おい、あいつ今お前の胸見てたぞ」「やだぁ、きもぉーい」と、
夜神月なら間違いなくその場でデスノートに名前を書いたであろうセリフをはかれています。
 それで腹を立てるのは勝手だが、通りすがりの駐車してる車を蹴って歩くなよ!器物損壊
だぞオイ。
 しかも最後に蹴ったベンツには人が乗ってて、とっ捕まってます。
 今世紀最大のアホがおる!
 
 そっから降りてきたのはさっき「金なんて当たり前のこと言うんじゃねーよ」って言われてた
遠藤さんでした。
 彼女は、カイジの友達が借りて、返せなくなって逃げた借金の保証人になっていたカイジの
ところに取り立てに来たらしいです。
 つーことは連帯保証人だったんでしょうね。
 普通の保証人の場合まず、「本人に返してもらってください。こちらが払う必要はありません」と
言えますから。連帯保証人の場合はそんな権利まったくありません。いきなり取り立てにあっても
どうしようもないです。
 
 で、利子がついて202万になったと言われ、返せるわけがない、というカイジ。
 そんなカイジに「だってだってとどこのガキなんだよ」とブチ切れる遠藤。
 流石はボスと呼ばれていただけあります。(フジドラマ「BOSS」)こわいです。野立がここにいたら
悪くもないのに謝ってしまいそうな雰囲気です。
 車の修理代も含めて払えつって遠藤は、4時間後に船が出る、うまくいけばそれで借金返せる
から、最後のチャンスだと思って乗れ的なことを言うんですね。
 ギャンブルクルーズらしい。
 名前はエスポワール。希望。
 正しくは「l'espoir」じゃないですかね。まあどうでもいいんだけど。
 乗り気じゃなかったカイジ、遠藤になだめすかされて結局乗ることに。ここら辺はさすが手練手管の
金融会社社長といったところでしょうか。 

 のりこんできたのはいいんだけどさ、カイジ君よ。
 皆負け組だなとかバカにするのやめようよ。あんたも他の人からそう思われてんだよ。
 要するにどんぐりのせいくらべなわけよ、この船に乗ってる人達は。
 
 遠藤の方もノルマ達成ーとか言ってる。どうやら、船に10人乗せないといけなかった
らしいです。
 うーむ何やらきな臭いにおいがしてまいりました。
 部下が「あいつ、社長のこといい人だと思ってましたね」と言ってます。
 まあ人をだましてそういうところに送り出して、良心の呵責を感じない程度には悪い人
らしいです。

 さて。船の方では、利根川がやってきて、ゲームの説明をしています。
 星を3つ買ってジャンケンゲームして、勝てば星をもらえる、負ければ星を取られる、全部
星がなくなったら脱落、配布したジャンケンカードを使いきりかつ、星が3つ以上あれば
勝者となるそうです。質問は受け付けないとのこと。
 これ、あとで船井という奴がやってますけど確かに、打ち合わせてはいけないとは言って
ませんから、頭を使ってあいこに持ち込んで引き分ければやった2人とも生き残れますよね。
 結局よく考えたものが勝つ、ということなんでしょう。
 ガヤガヤ騒ぐ連中を「F××k you! ブチ殺すぞこんにゃろー!」と怒鳴った後で利根川、
「ここはクズを集めた最終戦だ。ここで負けるような奴の運命など知らん。どうでもいい。
勝たなきゃゴミだ」って言うんですね。
 ああ、映画予告で「勝たなきゃゴミだ」って言ってた人がいたのはこれかぁ。
 
 ともかくそういうわけであちこちでゲームが始まります。
 一人取り残されているカイジ。
 するとそこに声をかけてきたのは…おおっ原田さんじゃないですか!新撰組時代は活躍
されましたね…ってもう何年も前のネタ!
(藤原さんは沖田役、山本さんは原田役でNHK大河ドラマ「新撰組!」にて共演)
 船井は、勝つのに星は3つ、つまり星の移動は必要ない、そしてカードがなくなればいい
わけだから、あいこにすればいいん違う、と持ちかけます。
 ここで船井は「俺、船井な」って名乗るんですがカイジは「俺、カイジ」と。苗字を名のって
いるのにいきなり名前を名乗る時点でお前も結構なバカだ!

 それで、ジャンケンを始めるのですが。
 あと少しというところで船井が間違ったカードを出してカイジは負けてしまう。
 表面上、ということでカイジから星を取る船井。
 ところがその後も船井はカイジに勝って、結局星を2つとってしまうわけですね。つまり彼に
とっては騙されやすいカモを探していたも同然なわけです。
 騙されたと気づいてももう遅い。
 その様子を大量のピーナッツ食いながら別室で見てる利根川。…食いすぎだろ!ボール
あふれんばかりになってんぞ!お前はそんなにピーナツ食って何したいんだ!

 そういうわけで騙されたカイジは、船井によって「そいつチョキもっとんでー」とばらされる。
船井の方のカードもカイジ、ばらしましたけど、それでどうにもなるわけでもない。
 このままだと自動的に負けてしまいます。
 殴り飛ばしはしたけれども解決するわけじゃないしなぁ。
 あと、全然関係ないんだけど、ナレーションが電王のナレーションやってた人の声に
聞こえるんですが…多分声が似てるだけだな。電王のナレはあまりきちんと聞いたこと
なかったし…。

 んで、言いあいしているカイジと船井に向けて他の連中は、お前ら2人で演技して、
星を取る計画だろ、と言ってます。
 つまり皆が皆疑心暗鬼になっちゃった状態で。
 そんな中、トイレでカードを捨てようとしていたおっちゃんが連れてこられます。
 このおっちゃんがのちのちカイジに大きな影響を与えていきます。

 ここで船井は、シャッフルを提案。
 つまり皆もうそれぞれの手の内を覗き見しちゃって事態に収拾がつかないから、いったん
皆のカードを集めてシャッフルし、それで新たに配って勝負しようぜ!というわけです。
 ただこいつのことだから絶対何かしてそうとは思いますけどね。
 その様子を眺めながらカイジは、おっちゃんに声をかけてあることを提案、二人でシャッフルに
参加します。
 ここで注意して見ていると、船井の手の動きがおかしいことに気付きます。こいつ自分の
カードに絶対細工してやがる。
 シャッフル終わってみればカイジのもとには出す前と同じカードが。
 船井、こちらも気づいてて、カイジには、シャッフルする前、つまりカイジがもともと持って
いた、チョキのカードが行くようにしやがったんですね。
 カードの隅に、さっき殴られた時とんだ血がついてるのに気付いたからのようです。

 船井はシャッフルしたんやからーとカイジに声をかけて勝負をいどみます。
 カイジはだったら星3つをかけろ、という。
 おっちゃんと自分とあわせて星は3つ、ということです。死なばもろともですやん。
 船井はためらうけれども、カイジが持っているカードは確かにチョキで、自分のカードは
グー。絶対に負けるはずはないと確信して勝負に乗ります。

 そして先に船井が出したカードはやっぱりグー。
 カードを握ったまま出さないカイジ。
 船井はそれを負けたんだと確信していますが…。
 出したのはパーだった。
 
 トリックはこうです。
 カイジは、船井がカードに血が付いていたことを気づいたのに気づいた。それで、おっちゃんと
相談して、カードの血を拭き取り、おっちゃんのカードの中からパーのカードに血をつけた。
 それで何食わぬ顔をしてシャッフルに参加。
 船井はちゃっかり自分のカードは目印をつけてわかるようにしておき、そのカードが手元に
残るようにし、カイジにもカイジのカードが戻るようにした。
 そうしてあの勝負となった、ということです。
 これはカイジおみごと!

 そういうわけで星を失った船井は別室に連れていかれました。
 さらば原田さん!あなたの雄姿は忘れない!…あと数秒くらい。

 さてあとはおっちゃんのカードを使い切るのみ。
 どうするかと思ってたらあいこにさせるんですね。
 これは頭いいなと思いました。
 そうしてギリギリカードを使いきってやったー!と喜ぶ2人。
 彼らは勝者となったのです!
 そしてゲーム終了!
 「カイジ 人生逆転ゲーム」ご声援ありがとうございました。(まだ残り時間沢山あるぅー!)

 喜んでいたらなんと、おっちゃんのコートのポケットからカードが一枚出て来てしまうんですね。
 喜びの絶頂から恐怖のズンドコ…どん底に突き落とされる2人。
 あれだ、ネプリーグで言えば、あと1問正解したら賞金100万円て時に最後の選択で
ゴール!と思ったら地の底へまっさかさまになった感じ。
 そういうわけで彼らは、地下の作業場送りとなりました。
 連行されるおっちゃんにカイジ、自分もついていくって選んだらしいんですね。まあ
それは偉いと思いますよ。遠藤に言わせたら「アホだろ」って切り捨てられると思いますけど。

 つーか労働環境が、これ今どき刑務所でもねぇよってくらい劣悪ですよ。
 しかもマイクロチップが埋め込まれて焼印とか。すげぇアナクロだな。
 んで月末に給与が出るんだけど、それがここの地下の貨幣で配給されて、91000ペリカとか。
日本円に直すと9100円らしいです。
 というのも、給与から借金とか、ここの家賃的なものを差っぴいた額になるらしい。350円て。
どんだけひどい日当だ!
 結局ここから一生出さないためのしばりつけですよね。
 金を貯めて地上に出てやる、と誓うカイジ。

 そんな中、あたかも新幹線の車内販売のごとく、月末のお楽しみーとかいっていろんな
もんを売りに来るんですね。
 群がる労働者達。
 ビールが5000ペリカとか…。いやその値段の前に、搾取される図が完成しとるやないか!
そんなこともわからんのか労働者達!お前らはせっかく稼いだ金をまた貢いでるのと同じ
ことだぞ!
 …って冷静に考えられる人がいたら脱出できてるか…。
 離れているカイジに、班長だという人が、ビールをおごってくれるんですね。それを
飲んであまりのうまさについフラフラと、ビールに焼き鳥、ポテトも買っていい気分になって
しまうカイジ。
 おおっポテチを買うということは…ついにやるのか、あれを!
 「右手で方程式を解き続け、左手で名前を書く!そしてポテチをとり、食べる!」
 というあの伝説のアホみたいなシーンですね!(アホとか…)

 しまった、あのシーンをやるにはデスノートとリュークと隠しカメラが足りない!
 ということでカイジ君は普通に飲み食いしていました。

 翌日、飲みすぎて二日酔いで「もう二度と酒は飲まない!」と後悔する人のごとく、
金を使ってしまったことを後悔するカイジ。うむ、どうしようもないおろかものだ。
 そんな中工事現場で事故が起き、おっちゃんが巻き込まれてケガをしてしまいます。
 運び込んだ医務室…じゃねぇなこれは。棺桶一歩手前の待機所みたいなもんじゃ
ねぇか。ひでぇなここは。薬もらうにはペリカがいるそうです。あくまでも搾取だな…。
 まあそういう野戦病院よりひどいとこに寝かせられましたおっちゃん。ケガは大した
ことなさそうでよかったです。

 そしてカイジはここでもう一人、運命の出会いをします。
 ベッドに横たわって咳をしている青年、彼の名はL!…違う、誠。
 ここで、声で松ケンだとわかったのはちょっと嬉しかったなー。
 ともかく、彼は薬代がたまってるわ変なセキが出るようになってもうおしまいだわって
ことで、えー…ブレイブメンロードというものにチャレンジするしか道がなくなったそうです。
 あと誠は、班長の言うことなんかウソッパチだと暴露。
 裏ではいいものを食べていて、班長はできる限り労働者から搾取するように言われて
いたらしいんですね。だからカイジみたいなのを焚きつけてお金を浪費させる。
 仕組まれたことだっていうことですか。まあ気づかない方も悪いのかも知れんけど。

 次の給料日にまた班長が声かけてくるんだけど、カイジも黙ってればいいものを
「こいつは悪党だ!」っていうんですね。言ったところで何が変わるわけでもなく、逆に
目をつけられて面倒なことになると思うんだけどなぁ。作戦なしにそういうことを言うのは
無謀というんだよカイジ君。
 そこに誠が、ブレイブメンロードにチャレンジすることになったので皆さんには3万ペリカ
配給されまーすというお知らせが。
 喜ぶ労働者達。うまいこと心理操作されてんなぁ。
 カイジは自分も挑戦すると言います。

 さてさて。
 彼らが連れてこられたのはどっかのビルの屋上でした。
 簡単に言うとですな、高いところで平均台渡れみたいなもんですよ。

 あれ不思議なんだけど、ドラえもんでもやってましたけど、地上なら細くても歩いていけるのに
高所だとそれより幅が広くてもなかなか渡れないですよね。
 例えばあれで、無風で絶対揺れないという状況にして、なおかつ被験者にはスコープをかぶせて
あたかも地上であるかのように錯覚させた場合はやっぱスタスタわたれるんでしょうか?
 高所で渡れないってのは風もあるとは思うんですが、もし揺れない条件下であるとしたら、
体がゆらゆら揺れるのは、脳が作り出す恐怖及び錯覚によるものではないかと推測して
いるのですがどうなんでしょうか。

 とまあやってるうちに、利根川がやってきて内容説明。
 向こうに渡るだけらしいです。
 しかも悪趣味な見学者がいるらしい。
 彼らはどちらかと言えば、挑戦者があがいてあがいて落ちて行くざまを見たいだけ
なんでしょうけども。
 これをもし渡り切ったら、あらかじめ渡されたチケットを引き換えれば一千万が手に
入るらしいです。そして自由の身になると。
 成功者がいないからこその、こんな好条件のような気がしますが。
 
 で、結局皆やることになって渡り始めます。
 渡り始めるのはいいけど、私最初一人ずつ行くかと思ってたんですよ。一人が渡るか
落ちるかしたら次いくのかなって。
 そんなことしてたら映画が10時間あっても足りないっぽいので皆間隔をあけて行く
らしいです。
 これ前後の人にすがりつかれたらおしまいだな…。
 あと、手ではって渡れないように電流が流れているらしいです。手でつかむと感電
するのに靴は平気ってのもよくわかりませんが。

 カイジは皆の靴に、「ここが中心だ!」っていってマジックで線引いてました。これを
鉄骨の中心にあわせればいいんだ、と。
 …半分くらいの人が、靴を鉄骨に対して垂直にして渡っていたのであまり意味が
なかったような気もします。
 ともかくそういうわけで渡り始めたメンバー。
 誰だったか、足を交互に出すんじゃなくて、先に出した足を少しずつずらして渡って
ましたが、あの方が体がグラつかなくて安全だと思う。とにかくその作業をずーっと
繰り返していけば向こうにつけるんだし。
 あとは腰を落として重心を低くする、くらいしか思いつかないなぁ。

 えーと、この見世物を見物しているクズ達の方は、これを見ることによって自分の
セーフティを実感するためとかなんとか、全然わかんね、的な理念があるらしいです。
 
 しっかしここのシーンは本当に迫力があってすごかったですね。
 案の定どんどん脱落していって、誠・カイジ、おっちゃんが残るのみになるんですが。
 雷が鳴ってきてパニックになって落ちたりしたんですよ。
 中には人によりかかろうとして共倒れになったケースも。
 怖いですね。

 もうダメだ、というおっちゃんを励ますカイジ。
 でもおっちゃんは、これを自分の娘に渡してくれ、私はもうここでふんばっているだけで
限界なんだとチケットをカイジに託すのです。
 ここはなんかすごいやるせない気持ちになりました。
 カイジが歩きだして、フッと後ろを向くと、おっちゃんの姿はないんですよ。
 カイジを怖がらせてはいけない、悲しませてはいけない、迷惑をかけてはいけないからって
黙って落ちていったんです。
 ここがすごい衝撃的だった。
 おっちゃん最後に意地を見せたなって思いました。怖かっただろうに。

 ただ少しシビアなこと言うとですね。
 映像的に、カイジが振り返ったことがすごくわかりにくい。
 何してんだ?って最初思ってしまったんですよ。
 カイジが振り返って誰もいないことによって受けた衝撃ってのが最初ピンとこなかった。
 のでもう少しカットにこだわってほしかったです。

 おっちゃんが落ちたことにショックを隠せないカイジ。
 土砂降りの雨の中嘆き悲しんでいます。それはいいがあまりオーバーアクションすると
落ちるぞカイジ…。

 えーすっかり忘れ去られていましたが、その間も誠君は一人頑張って進んでいました。
 お互いに声をかけながら進む2人。
 俺は生きてる!とか言いながら進むカイジ。
 …生きてるのを実感するのは渡り切ってからにしてくれ。

 そういうわけで2人はなんと無事辿り着きました!
 あとはここの扉をあけるだけだ、と張り切る誠。
 しかしカイジは何かがおかしいと。
 まー2人が学校の授業をもう少しマジメに聞いていたらあけるより先に思い出したかも
知れません。

 これだけ高層のビルになると気圧差が生じますので、窓をあけると中から外へ
突風が起きる。
 それに吹っ飛ばされてせっかくたどり着いたのに誠は転落していきました。
 「計画通り…!」ではないですがここでも負けるのか、L…!(松ケンさんは友情出演
ですってば)
 一人残ったカイジは呆然としながらも中に入ります。
 拍手で出迎える利根川。
 
 渡り切ったの初めてらしいですよ。
 そこに会長がやってきた。あの最初に出て来て王者がどうのこうのとか言ってたおっさんですよ。
人間死んだらおしまいなんじゃボケが。
 利根川には地下王国の居住権やるとか言ってます。いらんわそんなもん…。

 おっちゃんの分も含めて二千万を請求するカイジに、金利がかさんでお前がもらえるのは
75万だ、死者の分なんか払わんと言う利根川。おいおいチケット引き換えるならもらえる権利は
あるはずだぞ。アホか。
 暴れるカイジに遠藤も、「やめなさい、これでシャバに戻れるのよ」って言ってるけど、このまま
引き下がれるわけはないですわな。
 それを見ていた会長が、おもすれー!的な発言をして、利根川とカイジをゲームさせるん
ですね。
 王にとって怖いのは、金の魔力が届かない人間の自暴自棄だ、って言って。
 いやまあカイジも金のためにやってんですけど、ある意味。

 ゲームはEゲームというもの。
 片方には、市民4枚王様1枚、もう片方には、市民4枚奴隷1枚が与えられる。
 カードの強さは、王様、市民、奴隷の順。
 一枚をそれぞれ場に出し、強い方が勝つ。ただし奴隷が出た時だけは下剋上で王様に
勝つことができると。
 要するにですね、王様カードを持っている側とすれば、一番最初に王様のカードを出して、
その時に奴隷を相手が出しさえしなければ後は何を出しても勝つという戦法もできるわけで、
圧倒的にこちら側が有利なわけですね。

 その勝負で。
 わりとあっさりカイジ負けます。
 あまりの負けっぷりに遠藤ですら「あっさり負けてくれるじゃない」と言ったくらいです。
 つーわけで地下に逆戻り決定。

 でも利根川もあっさり負けすぎて会長に、「バカもの、最初勝たせて次に負けさせ、追いこんで
大きく賭けさせて勝つというやり方くらい出来んのか」とダメ出しされてます。
 いやあの…お言葉ですが会長。最初勝たせるということは最初カイジに奴隷のカードを
出させるということですよね。こっちは王様で。
 したらあと引き分けしかないのはわかりきってますけど。
 お前様はアホですか?

 会長が遠藤に年を聞いて、39歳ですがって遠藤が答えると、39万貸してやるからもう一度
勝負せいとか言ってて。
 でもやっぱりまたカイジ負けるんですね。
 どうしようもねーな。
 ただしここでカイジは、手の内を読みに来るはずなのに、利根川が自分を見ていないこと、
下をずっとみていたことに気付きます。
 つまりイカサマじゃねーかよ。
 ただしイカサマというのはその場で暴けなければ負け。あとでどう言ったところでいちゃもん
づけにしかなりません。

 連れて行かれる最中カイジは、マイクロチップが焼印の下に埋め込まれていたことを
思い出します。
 つまり利根川は、時計に仕掛けたシステムで、その動きを見てカイジがどんなカードを
出したかを推測してたのだと。(奴隷のカードを出せば脈があがるのでそれをチェックとか)

 カイジは遠藤にある話を持ちかけます。

 そうして今一度戻ってきたカイジは、遠藤から借りた金五千万を手に、もう一度勝負を
挑みます。
 鏡を見て頭ガンガンやってたけどこれ不自然すぎるから絶対作戦だな。
 で、カイジは椅子に座る。
 その時テーブルに出ていたカードは奴隷と市民の2枚。
 その両方をすばやく伏せてカイジは何やら不審な手の動きをしています。
 ところがそれをチラリと利根川も見ていたんですね。
 知ってか知らずかカイジはわざとらしく血が飛ぶようにしてカードを汚し、それをタオルで
拭き取った。
 ここのシーンは緊迫感があっていいですね。
 映画を最初から見てれば見てるほど騙されただろうなって思います。
 面白かった。
 
 カイジが出血して脈拍とかあがってたりして、システムがあてにならないと踏んだ利根川。
 今度こそ正真正銘の真剣勝負です。
 2枚目までは両方ともドローになりまして。

 3枚目のカードをカイジが出す。
 そこに利根川は血がついているのを見ます。
 さっき出したカードにも血が付いていて市民のカードだった。
 場に出ていたのは奴隷のカードだったから、これは奴隷のカードになる。
 しかしさっきやつはカードをすり替えていた。そんな奴が血が付いているのを見落とす
はずがない。わざとすり替えたカードに血をつけさせたのだ。これは絶対に市民のカードだ、
と考えるわけです。
 ジャンケンゲームでもそれをやって船井に勝ったのを見せていましたしね。
 まあそこで市民カードを出しておけば、悪くてあいこ、良くて勝利になっていたのに
利根川アホですから、王様のカードを切った。

 カイジの手は…。

 予想通り奴隷のカードでした。
 あの時カイジはカードをすり替えたと見せかけてすり替えてなかったんですね。
 利根川なら絶対カードをすり替えたと思いこむこと、血が付いていれば考えるだろうこと、
ジャンケンゲームのことを考えて、このカードは市民だという結論に行きつくだろうこと。
 これぞまさしくバクチですね。
 いやぁ素晴らしい結末でした。
 これはアッパレというしかない。

 そうして5億をぶんどって解放されたカイジは、遠藤と祝杯をあげるのですが…。
 まだまだカイジは甘かったですね。
 この後の結末には大笑いでした。

 でもカイジがいいやつだなと思ったのは、なけなしのお金を持って、おっちゃんの渡して
くれたチケットとともに、娘さんへ渡したことです。それも、言伝て自分が直に会ったわけ
ではないんですね。
 娘さんに、どこかで今でもお父さんが生きていると思わせるために。
 このラストは感動しました。

 
 あと、スタッフロールで名前に見覚えのある人がいるなぁと思ってたんですが。
 原作者さんが、黒服の役で出てたんですね。
 なるほど、脇役のわりにはセリフがあるなと思っていましたがそういうわけでしたか。

 うーん、本当に評価に困るんですが(いい意味で)、絶妙な心理戦を楽しみたい人には
いいかもしれません。ただ、途中で人がかなり死ぬので、それはちょっと嫌だなあって
思いましたけどね。
 あと個人的に、ラスト歩いて行く藤原さんのつむじが気になりました…。
(映画を見た人だけがわかる話)




多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→カイジ 人生逆転ゲーム