多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→マイマイ新子と千年の魔法


1/20鑑賞

 ちょっと想像していた内容と違ったのでびっくりしましたが、話としては懐かしくて面白かった。
ただ、悪いけど主役の新子の性格が、ちびまるこちゃんのまるこソックリで私は好きでは
なかったです。ま、こましゃくれた子供ってこんなもんよって言ってしまえばそうなんだけど。
 つーわけで、ちびまるこちゃんが好きな人ならいいかと思います。
 時代的には出ていたものからして、昭和30年代やや前半といったとこかなぁ。高度経済
成長期に入りかけのころって感じがしました。
 
 さて物語の主役であるところの新子ちゃんは、想像力豊かな、「それ口に出して言ってたら
ちょっと痛い子だよ」という微妙な女の子です。←微妙て。
 自然豊かな田舎で育ち、じいさんをこきつかい(待て)川の上に作ったハンモックを直してもらって
います。
 ちなみに「緑のコジロウ」という、川の中に落ちた時に思いついた、目に見えない、小さな
つむじ風が友達らしいです。アンパンマンでももうちょっとマシな友達がいるというのに…。

 この地域は川が直角に曲がっている場所があり、じいさん曰く、千年の昔に都だった
かららしいです。
 確かに自然の造形では直角はありえないからなぁ。地形がそうなってるならともかく
川の流れがそうなっているということは、人の手が加えられたことを示します。
 新子はいろいろと想像をめぐらしているんだけど、最初すごい下手な絵だったのが
整って、都の風景みたくなるのは面白いなと思いました。

 姫がこの地にやってくるとかいう想像までしています。
 いいから新子、こっちの世界に戻ってこーい!

 一方で現実の方でも、東京から引っ越してきた父子がいました。
 それはいいんだけど、スカートが風吹いてめくれあがりかけているのに、ローアングルの
映像を作るのはどうだろう!パンツ見えるかとヒヤヒヤしたよ。

 新子の方は朝急いで登校中。緑のコジロウとかけっこして遊んでます。まあ…本人が
いいならいいと思いますけど…。
 あと校舎、はだしなんですね。これはビックリした。上履きとかないんかの。いろいろ汚い
んじゃないかと思ったりするんですが。まあいいや。
 中に入ると皆がくさいくさいと言っている。
 原因は、転校生がつけてきた香水でした。
 これは…本当につけすぎて臭いのか、それともかぎなれていなくてただ単に皆が
からかってくさいと言っているのか…。前者かも知れませんねぇ。どんなにいい香水でも
つけすぎるとくさいですから。通った跡がわかるくらいつけすぎてる人多いですが。

 皆で色塗りをしてるんだけど、この転校生は26色鉛筆を持っていて、皆にうらやましがられて
いました。26色て。普通24とか32とかそういう数じゃないの?あと色塗ってるの都道府県なん
だけど、なぜに山陰だけ色が塗られていないのだ転校生よ!そこにもちゃんと県あるぅー!
 で、この色鉛筆をシゲルという子が借りるんだけど、ものすごい乱暴に扱ってボロボロに
してしまうわけですよ。
 それで転校生と取り合いになったんだけど、先生がやってきてシゲルだけ立たされると。
 うん、それ当たり前だから!
 そういえば今頃はこの、悪いことをしたら廊下に立たせるというの、体罰になるからって
やらせないんですね。そんなボンクラ言うのは誰かって感じですが。こうやって叱られ慣れて
ない子供ばっかり育っていくんだなぁ。お手手つないで皆でゴールとかね。たわけですわ。

 んで下校時間になって帰るんだけど、なぜか転校生を新子、絶賛尾行中。
 何してんですかこの子は…。
 新子は転校生に、シゲルだけ立たされた、と言いたかったらしい。いやだって、借りておきながら
ボロボロにしたら誰だって嫌だし、返そうとしなかったら立たされるでしょうよ。キミの正義感は
一体どこに向いているのだね新子クン。

 ここで転校生の名前がわかるんですが、きいこちゃんというらしい。変わった名前だなぁ。
 ともかく、きいこちゃんは社宅と呼ばれる区画の方に住んでいて、けっこうでかい家なんですけど。
 新子、ついてってしかも当たり前のように上がりこんでます。
 上がりこんで話題がないなら無理についてくんなよ!
 きいこの家の冷蔵庫がガス式なことに驚く新子。この頃の冷蔵庫は氷屋が氷を持ってきて上に
入れて、その冷気で下の部分にものを入れて冷やすものだったからです。こちらの冷蔵庫は
知ってたけど、ガス式のがあるのは知らなかったのでびっくりしました。どうもあまり流行ったわけ
ではなくて電気式冷蔵庫がこの後広まって行ったようですので、珍しいのは珍しいのかも。

 で。
 新子はきいこを自分の家に連れて行きます。
 その途中で、想像の話とかきいこに話して無理やり想像の世界に引き込むあたり、「ダメだ
こいつ早くなんとかしないと…!」と新世界の神あたりは思うかも知れませんが、きいこも
まんざらではない様子なのでまあいいです。
 きいこは気づかいのできる子らしく、ちゃんとお土産を持って新子の家に行ったのですが。
 うん…そのチョコどう見てもチョコレートボンボンだからね?酔うからね?
 そういうわけで新子のお母さんらが帰った頃には、新子、きいこ、新子の妹3人出来あがって
おりました。
 君ら自由やねホントに。

 新子と仲良くなってきいこは、新子がおでこにマイマイ(つむじ)があって、それでいろいろ
想像がピーンとくるだの、そう言う話を聞かされます。20年後同窓会とかで集まって話題に
出ると間違いなく痛い分野の話です。
 まあいろいろ茶化してはいますが、テレビがない時代、子供達の想像力は豊かで、こうやって
いろんなことを考えて遊んだもんですから、今と比べるとどうとかいうようなものではないと
思います。
 ただ、今の子供達が想像力が足りなくなってしまっているのはあるように思います。人の
痛みを考えられない子が増えたかなっていうのは特に感じる。リアルではないんでしょうね、
いろいろと。

 新子の想像によると、ここにやってきたお姫様は遊び相手がいなくていつも退屈している
らしいです。
 人形の服を作る紙を切り刻んで…ってこぇぇよ!なんでそんなに切り刻んでるんだよ!
退屈してるにしてもそんな切り刻み方しねぇよ!それなんか証拠隠滅する時の切り方だよ!

 その想像の姫様は家来に、ここにきたら同い年くらいの女の子がいると聞いていたのに
って文句を言っています。
 家来は、本当にいたのだけれども、病であっけなく死んでしまったと答えます。
 想像の中の友達死んだー!
 どんだけリアルな想像だ!

 その、姫様の顔をきいこは想像してみようとするのですが、うまくいかないみたいです。
 新子は想像できているみたいですが…。

 ある時新子ときいこは、シゲルとヒトシが小川をせき止めてダムを作って遊んでいる
ところに出くわすんですね。そこに、6年のミツルもくわわって、でっかいダムを本格的に
作ろうっちゅーことになりますが。
 タツヨシというちょっと近寄りがたい、「俺クールなんだぜ」オーラを発揮している子にも
新子が気軽に声をかけているのはよかったな。そういうわけで皆でダムを作ります。
 ダムすげぇよこれ。ちょっとした湖なみだよ。
 その時、どこかからか金魚が流れてくるんですね。ホントどっからきたんだ…。
 それを見つけて皆は大喜びです。
 名前をひづるとつけました。
 実はそれは、皆が大好きな保健の先生の名前でした。好きだからといってそういう
名をつけてしまうのもどうかと思いますが。
 このひづる先生は本をよく読む人で、新子達に、この地域に住んでいたお姫様の
名前はなぎこ、清原諾子だよ、と教えてくれました。…………それ清少納言じゃねーかよ!
 え?つーことは想像じゃなくて史実とリンクしてるってことでしょうか、新子の
想像は。
 としたらそれサイコメトリーみたいなもんじゃないのかと。(無機物に残る記憶を
読みとる力)
 もうあれだ、サイコメトラーSinkoで映画化しろよ!(どこのサイコメトラーEijiだよ)
 
 この後で、映画館の息子に10円ずつ払ってこっそり中に入れてもらったりしてる
シーンとかがあって面白かったです。この頃は映画料金60円ちょいくらいとのこと。
それが今じゃあ1800円ですかー…。

 それと、ひづる先生が、出せずにためていた手紙を燃やすという意味深なシーンも
ありました。

 紀節はどんどん移り変わって、きんぎょのひずるは沢山の子が知るところとなり、
そこのダムで絵を描いたり船を浮かべたりやりたい放題です。
 新子は突然、もう一人友達になりたい子がいると言います。
 あのお姫様らしいです。
 想像の中なんだからタイムスリップ設定とかなんでも好きにしたらいいんじゃないかと
思うんですが。
 想像の姫さんはバックギャモンを一人で遊んでいました。さびしい…。
(バックギャモンは奈良時代に日本でもありました)

 牛車を花で飾り付けしたりして、遊ぶことは遊んでいるらしいんだけど、身の周りの世話を
している、同年代くらいの子と遊びたかったみたいですね。
 あそぼうよ、ってぽつんと呟いてるのはよかった。

 えー現代に戻ってきまして。
 防空壕探検してんだけど、猫に驚いて皆逃げていってしまいます。タツヨシは落ちついて
出て来てますけど。あと、新子の妹めっちゃほっておかれてますが。
 で、新子達は妹がいないことに気付きます。いや…あんたたち全員ほっぽいて全力で
逃げてたんですけど…。
 それで手分けをして探すけれども見つからず。
 新子は走ってトトロのとこにいってメイが迷子に…ってそれとなりのトトロー!
 残念なことにネコバスはいませんでしたので、人力で探します。
 ヘロヘロになって帰宅するとなんと、妹は帰りついていた。
 どうも、山の上のゴルフ場にボールとりにいっていたらしい。何してんだこいつはぁぁぁぁ!
 連れて来てくれたのは、警察官をやっているタツヨシのお父さんでした。
 お父さんしぶいのう。

 こっそり探してくれていたひづる先生にお礼を言うのはいいとして、なんで妹また出て来てん
だよ。迷子になったら困るから家にいろよ…。
 新子は話している時に、ひづるの、左手の薬指に気づくんですね。
 ひづる先生は、結婚するので学校をやめる、相手東京にいるから東京に行く、と言います。
 うーん、やめると就職大変ですよって思ったけどこの時代ならそうでもないか。

 で、お祝ということで金魚のひづるに花とか山ブドウとかで飾ったりして喜ぶ新子達。
 うん…あの…多分金魚すごい迷惑してると思うから!
 やめてあげて!葉のおふとんとか言いながら葉を沈めるのもやめたげて!
 
 その翌日、皆がダムにやってくると、金魚が死んでいました。
 きいこが、香水の瓶を沈めたらしいんだけど、ふたが開いてたらしい。は?それで
死んだ?多分寿命じゃないかと思うけども…。
 ともかくがっかりするきいこを励まそうと、新子は、史跡の裏にお墓作って
埋めよう!とか言いまして。
 皆でお経唱えてるのはシュールでした。

 さらにそれからあと、シゲルが、小川で泳いでいる金魚がいた、って言いだすんですね。
 でもその日は見つからず、がっかりする皆。
 あと、ひづる先生は付き合ってた恋人が既婚者だって、やけで別の人と結婚したとか
ガキどもが話してますけど、そういうことを子供の耳に入れよるんはどこの大人じゃ。
 いらんことしますのー。
 で、タツヨシが、明日は必ず金魚見つかる、と「え?お前そんなキャラだったっけ?」という
熱血ぶりを見せてくれます。
 皆明日の約束をして帰路につきました。

 ところがその夜、タツヨシが思いつめたような顔をして新子のとこにやってきて、明日の
約束は無理って言って帰って行くんですね。
 そこに祖母が、タツヨシの父が、水商売の女にいれあげて借金作って首をつって死んだ
というとんでもないニュースを持ってきます。マジでか。
 今まで明るかったノリがいきなり重くなってまいりました。
 ギャグだと思っていた映画が実はホラーだった、くらいの衝撃です。
 祖父がやめろ、新子に聞こえるって言うんだけど、叱ると思いきや、あいつは真面目だった
とか、おそらく賭博にはめられたんだろうとか話に加わってしまって、お前やめろと言った
だろうがぁー!てな展開っぷりです。

 新子はたまらず、きいこに上げるものがあったからといって出て行くんだけど。
 米を瓶に詰めて行くから何かと思ったら、タツヨシのとこにいって、「家出してきた」ですよ。
なにいってんだコノヤロー。家出以前にお前、米一升で何ができるんだよ。せいぜいスズメが
すごい数寄ってくるくらいのものだよ!

 つまり新子はタツヨシとともに、父が死ぬ原因となった、バーに乗り込んで行こうという
わけです。
 まあ…子供だからねぇ…。
 
 きいこの方は新子の「家出したからどこぞの誰かに拾われるかも知れん」というわけわからん
手紙を読んだものの、お姫様の想像をしまくっていました。この子もよくわからん子じゃのー!

 その想像で、きいこ自身がお姫様になっていて、屋敷をこっそり抜け出し、身の周りの世話を
している子の家に行っちゃおうってなわけですな。うーむ。
 でも、山を越えて行ったそこはボロボロのあばらやでお姫様ビックリするわけなんですな。
まあ、貧富の差は激しかったから仕方がないと思う。つーかあんなバカでかい屋敷なんだから
住まわせてやれという気もしますけどね。

 新子とタツヨシはバーに乗り込んでいってますが…。
 なんつーか失うものがない子供って怖いね的な感じでした。
 そこのお姉ちゃん(オバサンというと怒られる)は、タツヨシの父が死んだと知って本気で
悲しんでいるみたいで、それだけでもタツヨシは気勢をそがれてしまうわけですが。
 ヤクザみたいな人達も悪い人ではなくて、タツヨシの父は、ベーゴマのうまい削り方を
教えてくれた、と思い出話をするんですね。
 多分タツヨシの父は居心地が良すぎてついつい通ってしまったのかも知れないなぁと
思いました。真面目な人ほどそういうのはまりそうだもんねぇ。
 まあそういうわけで乗り込んだ意味なんのこっちゃとも思いましたが、少なくともタツヨシの
心は少しだけでも晴れたんじゃないかと思いました。
 でも大声で叫びながら帰るな。うるさいから。

 きいこのお姫様の方は、あの女の子と、その兄弟とで鬼やらいの遊びをしていました。
 遊びが渋すぎるよ!
 鬼やらいつのは今の節分のもとになったような文化だと思っておかれればいいかと。

 明日大阪に行くことになっているというタツヨシ。彼は、新子に木刀を託してくれます。
 それで走り去って行くんだけど、新子はこの後、小川にいる金魚を見つけ、急いで
きいこの家へ。
 時間帯を考えろよ…。
 んできいこと一緒に金魚を眺めていると、出番のなかった新子のお父さんがやっとここで
登場しました。

 これで三人で帰るシーンで終わっといてくれればよかったのに、なんで新子のじいちゃんが
死ぬとこまでやるかなー。あんまりそういうのは見たくなかったです。
 それで新子は転校していくことになり、トラックに乗ってゆられていくシーンで物語は終わります。
 ほのぼのテイストな映画と見せかけて愛憎劇があったりと意外に恐ろしい映画でした。(え?)



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→マイマイ新子と千年の魔法