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Dr.パルナサスの鏡

1/24鑑賞

 亡くなったヒース・レジャーさんの役を3人の親友が引き継いだ、というフレーズで
有名になったこの映画。
 失礼ながら私ヒース・レジャーさんを知らないのですが、私みたいに外国人の顔が全部
同じに見えるという人間ならともかく、一つの役を3人がやるなんてどうするんだろうって
思ってたんですね。
 したら作中で「こちらの世界では顔が変わるのか」というセリフがあり、なるほどって感じ
でした。それならば次々顔が変わってもおかしくないと。
 というわけでこの映画、なかなか珍妙に仕上がっていて面白いです。ダーク・メルヘンみたいな
感じだと思いました。必ずしもハッピーエンドとはいえない(見る人にもよるけど)というのも
皮肉がきいていると思います。
 ちなみに、ヒース・レジャーさんの代わりに出演した3人は、出演料を彼の娘さんに
全額寄付したとのことです。

 ロンドンにて、馬が大きなセットみたいなものをひきつれてくるところから物語は
始まります。
 組み立て式の見世物小屋みたいな感じらしいんですが、セットを小さく収納できるように
工夫がされていてすごいと思いました。
 で、見世物は、ドクターパルナサス博士とかいうじいさんの幻想の世界を見せる、という
ものですが、いかんせん開いた場所が悪かった。
 バーの前だったもんだから、酔っ払いに絡まれて見世物どころじゃない状況になって
しまうんですね。
 でも出ていた女の後を追って作りものの鏡の中に入った酔っ払い男A(Aとか…)は、
セットではない、不思議な世界に迷い込み、酔いも覚めるような恐い経験をします。
 いきがるからそういう目に遭うんだろうが。
 それで化け物に襲われて「もう二度と酒は飲まない!」と誓っておろしてもらえるの
ですが。
 目の前にそびえ立った大きな、改心への階段を目の前にして、大人しく上がるなら
ともかく、そこにあったバーに「酒いっぱいだけならいいだろ」と入ってしまいます。
 お前1秒たりとも改心してねぇじゃねーか!
 まさに「のどもと過ぎれば」という典型的なタイプです。こういう奴は長生きできません。
 と思ったらバーごと爆発したー!「なんか…爆発します」のレベルじゃないよこれ!
多分死んだよこれ!

 外では、酔っ払い男Aを返せと仲間の酔っ払いB、C、Dが大騒ぎです。
 あと、パルナサスじいさんは「またワシが負けた」とか言ってます。何にだ。人生にか。
 そのAを探しに鏡の世界に入った男がいたのですが、それは叱られなかったのに、
さっき絡まれていた女はパルナサスに鏡に絶対入るなって言われてる、とつまらない
感じです。
 それは、この女性がじいさんの娘だからで、大切に思われているかららしいの
ですが…。
 
 騒ぎに警察がかけつけてきて、鏡を調べているのですが、中に入って見ても
何もありません。すぐセットの裏に出ました。

 そういうわけで今度は場所を変えて、遊園地みたいなところでやってんですが…。
 おい、さっき入園料5ポンドって言ってたよな。なんでここで20ポンドになってんだ。
 しかもアトラクションの一つと勘違いされてるのか誰も見てねぇぇぇ!
 と、家族連れが来たのですが、子供の様子なんかまったくみちゃいない親が通って
いったあと、ガキの一人がゲームしながら、鏡の中に入り込んでしまうんですね。
 こういうガキこそ二度と出てこられなくていいのに。
 連れ戻しに入った男、アントンですが…。
 このバカガキ、中にある動くものをシューティングゲームみたいに「死ね!死ね!」
って撃ち殺してて、そりゃアントンでなくても眉ひそめるわって感じでした。
 まったく、親も親だが子も子だな。
 
 まあそれで、表で「子供を返して!」とかギャンギャン言っていた親に、パルナサスや
娘ヴァレが困っていたら、アントンが幕を操作して、そこから子供が出てくるわけですよ。
それで「演出でしたー!」とかごまかしたんですが別に受けませんでした…。
 彼らにしてみれば、子供を返せ以前にてめーンとこのおガキ様が金も払わずに入り
やがったんでさぁって感じなんですが。客商売だから言えませんわなぁ。

 アントンは、ヴァレのことが好きらしいのですが、口べたでなかなかうまく伝えられない
様子でした。
 ここまではなかなかほほえましかったんですけどねー。
 ヴァレはヴァレで、この見世物を抜け出して好きな生活がしたいらしい。けれども、
自分の運命に振りかかろうとしている、恐ろしい悪魔の存在をまだ知りませんでした。
 彼女は水曜日に16歳になるらしいです。見世物では12歳設定らしいですがどう見ても
無理があります。20代の人が高校の制服きてるくらい無理があります。なんちゃって
女子高生的な。
 
 パルナサスはヴァレを呼んで大事な話があると言います。

 その昔彼が修業中の僧だった頃、どう見てもこれファンタジーでドラゴンとか出て
きそうな要塞です、というところに訪ねてきた男がおりました。
 その男の名はニック。
 ここの僧がたくさんいるところでは絶えず誰かがしゃべっていて、それが物語を
つむいでいき、それがこの世を維持しているとパルナサスは言うのですが。
 ためしにニックが全員黙らせたけど別に何にも起きなかった。
 それをパルナサスは、この世の中にはもっと他にも誰かがいて、別の物語を
つむいでいるから世の中は崩壊しないんだ、と一人で勝手に納得。

 この世界は、自分が見えている範囲では正常に機能しているが、見えていない、
例えば扉の向こうや外の世界はぐにゃぐにゃでカオスになっているのではないか、
という考え方があるそうですが、なんかそれに似たものを感じます。

 さてそれに納得したか知らないか知りませんが、ニックはパルナサスに賭けを
持ちかけるのですね。
 先に弟子を5人集めた方が勝つって。
 それでパルナサスが勝利し、賞品として永遠の命をもらったらしい。
 けれどもそれは、永遠に続く苦痛でしかなかった。
 ニックはわざとパルナサスに勝たせ、苦しむのを楽しみたかったわけです。
 
 と、ここまで話したところでいきなり馬車が止まる。
 なんでも、上にいたアントンが、湖の上で踊る男を見たというのです。
 それはあれだ、ドルマゲスだよ!(今頃ドラクエ8のネタかよ!)
 雷光でヴァレ達にも見えるのですが、彼女らは結構冷静だった。
 橋の下で誰かが首をつってるのよ!と、指摘。
 それもどうかって感じですけど。
 この後彼女らは力を合わせてそのつりさげられた死体を引き揚げにかかるの
ですが、普通首吊りになって5分以上経過したら生きてないと思います。
 警察に通報すれば済むのになんでわざわざ自分達で引き上げようとしたのか。
 まさに運命のいたずらとしかいいようがないかも知れません。

 そんなわけでやっとこさ引き揚げた男ですが。
 口から変なパイプみたいなものを吐き出して、息を吹き返します。
 ほっておけといったパルナサスを無視してヴァレ、トランクに入れて連れて行きましょう!と。
トランクに入れるのはいいけど…何ですかその生ゴミみたいな扱い方は…。

 朝。
 男はトランクの中からはい出てきます。
 それを杖でペシペシ叩きながらお礼の一つもない、と言ってるパーシーが面白い。
面白いけどおめー自己紹介の名前が長いんだよ!それで結局、パーシーでいい、とか。
 男は、自分の名前を覚えてないといいます。
 それでパーシー、いきなりカードを出せっていうから追剥か!?と思ったら、カードを
見れば名前が書いてあるはず、と。確かに!
 あと、携帯は持ってないって言ってたんだけど、軽快なメロディがなって、アントンが
冷やかに「あんただよ」って言ってたのが笑える。

 んで結局男は、記憶喪失になってしまっていて、自分のことはまったく覚えてない
らしい。
 一方でパルナサスは、カード占いをしていて、ハングマン(吊るされた男)のカードを
引き当てていました。
 つまり、この男が今後吉と出るか凶と出るか…。彼はニックがつかわせた手先だと
勘違いしている様子です。

 さて今夜も見世物の時間。
 相変わらず客はいないんですけど、記憶喪失のジョージ(仮名)が、うまいこと
お店でナンパして女性客を何人もつれてきていました。すげぇ!
 今夜は金になりそうだ!と皆が思ったのもつかの間、ぐでんぐでんに酔っぱらって
いたパルナサス自身が見世物を台無しにするという有様。プロの自覚ないんか
ジジイ!
 
 ともかくジョージ(仮名)のおかげで久しぶりに収入を得た一行。
 それでもうかない顔のじいさんでしたが、誰かが窓の外から目覚まし時計を
鳴らしまくってます。お前…もうちょっと今どきの時計使おうよニック!
 で、ニックはそのままぶら下がったまま話をしてるんだけど、部屋の中にハエが
いて、それをハエタタキで退治してあげてて、え?結構いい奴?とか思いました。
 
 ニックは新たに、先に客5人を獲得したほうが勝ちにしよう、って言うんですね。
期限はヴァレの誕生日。
 それ明日ですやん。
 そういうわけであわてるパルナサスの心中も知らんと、ヴァレとジョージ(仮名)は
いい雰囲気になってるわけですが。
 ジョージはそこに転がっていた新聞に自分の記事を見つけてしまうんですね。
 それは、慈善事業を隠れ蓑に不正にお金を得ていたとこの理事長が失踪した、
というものでした。
 つか反応するあたり、ジョージ(仮名)記憶喪失ってウソじゃないの?
 つーわけでここからは表記が、本名のトニーとなります。

 トニーがそうやって新聞を見てるとパルナサスが近くにやってきて、あわててその
新聞をグシャグシャポイッて、後ろ手に焚火へ投げるトニー。これ成功するまでに何度か
やり直したんでしょうか…。大したもんです。
 
 んでじいさんは、トニーにいきなりヘンテコな機械を取りつけて、お前の名前は
トニーだとか、良い仕事をしていたとかいろいろ言ってます。
 …それ昨日ニックが教えてくれたことじゃないのか、ジジイ。
 トニーはすっかり信じてしまって、パルナサスの不思議な力を信じるんですね。
 まああの鏡が見せる世界自体は確かにマガイモノではないわけですし。
 ヴァレは、慈善事業をしていたなんてかっこいい、と褒めた後、で、なんであんな
ところでぶら下がっていたのかと聞きます。
 そういえば忘れてましたけどこいつ、明らかに誰かに殺されかけてましたもんね。
 トニー、それには答えませんでした。
 それはともかくとしてヴァレはなんでトニーの右手首に青いリボンを巻いて
いるんだい?

 んでトニーは、アントンがあの夜自分の口から飛び出したパイプを持っているのに
気づき、返してくれと言います。
 アントンも普通に返せばいいものを、ヴァレが構っていて面白くないもんだから
いたずらをしてなかなか返さない。しまいにゃヴァレにめっちゃ叱られる始末。
 アントン君よ…。相手が怒るまでやったらそりゃいたずらじゃなくて単なる嫌がらせ
だよ…。友達になりたかったとかわざとらしいよ。

 一方じいさんの方は、客を5人獲得したほうに娘をやる、と言ったもんだからそれを
聞いたアントンが張り切ってしまいます。
 …こいつの張り切りは大抵ろくな結果にならんな。
 案の定、その夜の興行で、トニーが獲得してきた女性を無理やりアントンは鏡の
世界に入れてしまい、ものすごい悲鳴が響き渡るわけですよ。興業どころではない
騒ぎになり、警察もやってきて花火を撃ちながら逃げださざるを得なくなるわけです。
 トニーも危ないところですが何とか逃げました。
 あと、無理やり連れ込まれた女性はなんか無事出て来てました。
 ここだったかなぁ、確か警察がやってきてトニーは「Don't shoot the messenger!」
って言ったんだけどなんか字幕が変だったような。
 意味的には「通報した奴は悪くないよ」(意訳)じゃないかと思うんだけど、パンフでは
「メッセンジャーを撃つな」って訳してあって意味わからん。なんでこの言葉を問題にして
いるかというと、ヒースさんの最後の言葉であり、ジョニーがアドリブで言おうか?って
言ったのがそっくりそのままこの言葉だったかららしいです。
 これから映画見に行く人は気をつけて聞いてて下さい。あと英語得意な人はこっそり
教えてください。

 ヴァレ、めちゃくちゃ怒ってアントンに消えろと言います。パルナサスからも怒られ
アントン立つ瀬なし。
 なんかさー、トニーにあんないじわるをするこすっからいところはあるクセに、必死に
なりすぎて人のこと考えないって最悪じゃないスか?

 パルナサスはヴァレに、彼女の母親のことを話します。
 永遠の命をもらっていたものの、老いぼれていたパルナサスはヴァレの母に恋を
してしまうのですが、それでまたニックと賭けをして若返り、めでたく結婚してヴァレが
生まれたらしいです。
 …で、続きはよ、パルナサス。寝てんじゃねぇよジジイ!

 そういうわけでとりあえず客をまず呼ばねばということでトニーは、今までとは少し
違うやり方を取り入れようと提案。ただしそれにはお金がいる、と。
 パルナサスはヴァレにどう思うって聞くんですね。
 初めて意見を聞かれたヴァレは上機嫌になってやりましょう、と賛成。
 あと、立ち去ろうとしてたアントンも連れ戻してきました。
 ヴァレは自覚してないと思いますが、トニーをライバル視しているアントンに「あなたが
必要なの。」って。残酷やなー。
 しかも振り返ったアントンに「で、お金いくら持ってる?」
 ひでぇぇぇぇ!!!!
 近藤がお妙さんの売上協力のためにどんどん注文しようと通帳持ってきていたら、
それをいつの間にかすり取って勝手に注文していたお妙さんくらいひでぇ!!!!

 そういうわけで生まれ変わった見世物は、これ高級なブランドショップが立ち並ぶ
とこかな、そこでやってて、裕福そうな婦人がカモ…もとい、客としてどんどん入る
わけですね。
 トニーの案は大成功だったわけで、満足したらお好きな額をお支払いください、と
言うのに対して女性は次々と財布からバッグから見につけている高級なものすべてを
残していくわけです。
 出てくるのに、セットの上のほうを突き破ってブランコで出てくるのも面白かった。
そのブランコどこにつながっとんのやー!

 あと、トニーも鏡の中に入るんだけどここで、トニー役の人が変わって、「こちらの
世界では俺はこんな顔になるのか」ってやってて、うまいなと思いました。
 この鏡の世界は、中に入った人の心の状態を映すものらしいのですが、なかなか
楽しかったですよ。
 今までインチキだと思っていたトニーもびっくりな感じです。

 そうして客は4人入り、ニックは悔しそうな顔。
 今回はパルナサスの勝ちかと思われたのですが…。
 ここでトニーの顔を知るロシアのマフィア達が彼に気づき、見世物に近づいてくるん
ですね。
 トニーもここで、ラスト一人を中に入れておけばよかったのに、それを押しのけて自分が
鏡の世界に逃げ込んでしまうわけです。最後のつめが甘い!

 ちなみにロシアン・マフィアはイタリアンマフィアよりタチが悪いかもしれないです。
 イタリアはそれなりに国として機能してるし、警察はマフィアとつながってるけど、まあ
そうでないところもあるし。
 ロシアは政治がもうグラグラなんでそれに便乗してマフィアが幅を利かせてしまっていて、
世界的な犯罪組織になる可能性もあると懸念されてますからね。恐いと思います。
 無難なマフィアつーたらボンゴレくらいしかねーだろ。(実在じゃないですが)

 トニーが入った世界では、雲に届く梯子があって、彼はそれを登って逃げて行くわけ
ですが。
 マフィアが上って来たので、足場を壊すと、なんと上の方も壊れて自分自身も大ピンチ。
お前はカンダタか、トニー。
 そこにアントンがきて助けてくれるのですが。
 うーん。マフィア相手に素手は無理だろう、アントン…。一発でのされました…。
 トニーの方はといえば、ピンチになるんだけど、顔が別人なので違うといって逃れ
ようとするんですね。
 けれども額に書いていたマークが同じだったのでばれる。
 このマークは裏切り者を示すもので、もともと吊るされた男つのがいろんな意味が
あるわけですがその中に、裏切り者を吊るす時にこういう吊るし方をしたというのも
あり、それでタロットはまさに、トニーが裏切り者であるということを示していたのでは
ないかと思います。裏切り者とする場合、金貨を男に持たせた絵にすることもある
らしいので、まさにトニーがしてきたことそのものなわけです。
(このマフィアから金を借りてそのまま逃げた)

 あとここで、トニーが大事なものといってたパイプの意味がわかります。
 首を吊られようとしている時にトニーがそれを飲み込むんですが、そうやって気道が
しまらないようにしていたわけですね。頭いいなこいつ。
(※ただしこれは絶対にまねをしないで下さい。実際の首吊りは、血管も同時にしまる
ため、気道は確保できたとしても脳に酸素がいかなくて死に至りますし、第一こんな
都合よく気道確保できるとは限りません。くれぐれもマネしないように、念のため)

 いよいよ危機一髪となった時に、そういえば忘れてましたがここは精神世界なので、
警察が現れてマフィアを、「警察官になれば発砲し放題だよ♪他人の家のドアもぶち
やぶれるよ♪」とすごい勧誘。
 …マフィア、警察にならなくても普通にそれやってますけど。
 しかも勧誘してるのがミニスカはいた男性警察官。最後スカートあげてパンツ見せて
くる始末。
 そりゃマフィアじゃなくても逃げるわ!
 と、ここでお母さんのイメージが現れてマフィアは「おかあちゃーん!」とそっちに
行ってしまいます。
 イタリア男もマンマには頭が上がらないと言いますが、お前らもか…。
 んでお母さんの中に入って行ったとたん大爆発。
 ダメだこりゃ!

 この世界では誘惑に負けず、正しい選択をしなければならないということですね。
でも警察になんか行きたくないだろうなぁ。

 そういうわけでトニー、助かりましたけど、安心するのはいいけど早く首のロープ
外せよ。
 トニーはアントンに、ハシゴはどこにあるって聞くんですね。
 雲の上に行きたいらしい。
 あんた…この世界で行ったところで結局外の世界に戻らないとならないですよ?
 ここで交わされる2人の会話が全然かみ合ってなくて笑えます。

 アントンは、お前は金を盗んだんだな、額のそのしるしだって悪魔のしるしだろ、と
罵ります。いやあんたそんな見世物の時のままの、ニューハーフみたいな姿で
すごまれましても…。

 トニーは、お金を借りたのは事実だけど、子供の慈善事業に使うためだった、
マフィアが慈善事業を利用して、ロンダリングしてるのは知らなかった、とうまいこと
いうわけですよ。感動するアントン。
 でも結局またはしごのこと聞いて、怒ったアントンは外に出て行ってしまいます。
 トニー君、もう5分我慢してほしかったな!

 アントンはヴァレに、トニーは僕たちを騙していた、というのですが、ヴァレにとっては
トニーはお金を沢山稼いでくれた人なわけですから、それを信じてない様子です。
 もうこいつらそろいもそろってどうしようもないという気がしなくもありません。
 
 と、そこにドアを激しくノックする音が。
 ニックです。
 パルナサスは外に出て話をします。
 賭けはまだ決着がついてなくて、ロシアンマフィア4人がちょうどニックのカウントに
なった分、4-4でまだパルナサスが勝てる望みはあると。
 ヴァレの誕生日が終わるまであと1時間あるというので、パルナサスはもう1回
今夜のうちにショーをやらなければ、と慌てます。
 
 んでパルナサスはヴァレに、以前ニックと賭けをして、自分に死を与えてもらうという
ことをやったことを話します。ニック側の条件は、ヴァレが16歳になったら悪魔のものに
なること。
 それで負けたから、新たな賭けに乗ったし、それに勝とうと焦ってるわけですね。
 そんなパルナサスの心情も知らんと、「私を賭けの対象にするなんてひどい!」と
「怒るとこそこォ!?」的なことで怒り爆発のヴァレ。
 
 もう事態収拾つかなくなって皆去っちゃうわけですが、トニーは残って、自分が
5人目の客になればいい、ヴァレを救えると、鏡の中に入ろうとするのですよ。
(ただし恐らくは、自分のため)
 で、パルナサスの心を落ち付けて説得しているところに、ヴァレがいろいろモノを
投げつけてきて邪魔する。うぜーなお前は!皆お前のために頑張ってんだろうが!
そんなに悪魔のものになりたければどっか行け!

 そういうわけでトニー、ヴァレを連れて、「トニーはウソつきだぞ!」と新聞記事を
持ってきてるアントンを押しのけて鏡の世界に入りました。

 ここでトニーが「新聞なんか信じるな!特にミラーは!」と皮肉ってて面白かったです。

 鏡の世界に入り、うってかわって落ち付いた様子の2人。
 世間的には単に逃げてるだけのような気もします。
 で、ヴァレは川のほとりで泣いている少女に近づいていくと…。

 トニーの精神世界ですから、ウソの慈善事業していたことが次々明かされて、世界が
崩壊していってしまうわけですよ。
 自分を責める人たちから逃げるトニー。
 ヴァレは自分を助けにきたアントンに「私が間違ってた!」とか謝るんですけど、
アントンも結構こすいことしてたと思うので似たようなもんだと思います。

 あとパルナサスも来たんだけど。
 トニーは逃げていき、パルナサスは倒れて動かなくなります。
 想像の世界ですから救急隊員が来るのも早い。
 彼らはパルナサスを見て「この人は死んだ…」
 悲鳴をあげてパルナサスに駆け寄るヴァレ。半分以上この人のせいのような
気もします。
 そういうわけでヴァレ、ショックのまま走り去ったのですが、その後ろ姿に救急隊員が
「死んだように酔っ払っています」
 人の話は最後まで聞けヴァレーーーー!!!!!

 んでヴァレは地獄への扉へ入ってしまうわけですが、なんかこれが5人目の
ニックの客扱いになってしまったらしく、賭けはニックの勝ちになったらしいです。
 崖の上から追われているトニーを眺めているパルナサス。
 そこにニックがやってきて、トニーの額に描かれていた印の意味を教えてくれたら
ヴァレを返してあげるよん、と言いだすわけですよ。え?ニックにもわかんねーの?
 
 階段を上って来たトニーはまたパイプを口に含もうとするのですが、それをパルナサスが
取り上げるわけですね。
 それでふたつ用意して、トニーにどちらが本物か選ばせ、それを自分が飲みこんで
首をつって見せるわけですが。
 あわててトニーは支えてパイプ吐き出せ―とやるわけですよ。
 で、じいさんの口からバラバラになったパイプの破片が出てくる。
 トニーは、もう一つが本物だとそれをうばいとって口に含み、追い付いてきた連中に
首を吊られるわけですが。
 そのトニーが最後に見たものは。
 まあ隠してても仕方ないんで書きますが、パイプの破片とともに、本物のパイプを口から
出してニヤリとするパルナサスの姿でした。パルナサスの方が一枚上手だったわけです。
こういうの好きだなぁー。

「この世界には原則が3つある。1つは、魔術なんかではないということ。2と3は忘れた」
 ジジイ、銀魂のヅラかてめーは!

 で。
 トニーはニックが頼んだ通りしんだわけですが、娘の居場所なんか知らんよーといって
ニックは立ち去りました。
 不思議な世界でヴァレを探してさまようことになったパルナサスでしたが…。


 それからどれくらいたったのか、いつの間にもどってきたのか、パルナサスは現実世界で
ホームがレスな人になっていました。
 そしてある時、とうとうヴァレの姿を見つけるのです。
 追いかけていった先にあったのは、アントンや、娘とともに幸せに暮らすヴァレの姿
でした。
 満足そうに見つめる彼の後ろから、パーシーが声をかけます。

 2人は小さな見世物屋を再開していました。
 それを見ているニック。
 もう二度とパルナサスが賭けに乗ることはないでしょう。

 この紙芝居の最後、「ヒース・レジャーとその仲間から皆さんへ」という文字が出ます。

 3人の役者さんが変わったというのは違和感なかったです。
 ただ、奇妙で、なかなか難解な話でした。
 好き嫌いかなり別れる作品ではないでしょうか。
 世界観は面白かったので、役者さん好きで見るのもありかと思います。



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→Dr.パルナサスの鏡