多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→ザ・ウォーカー


ザ・ウォーカー

6/23鑑賞

 「シャッター・アイランド」の時にはひどすぎてとても言えなかったことが、やっとこの
映画で言えます。

「この映画の結末は、これから見る人には決して話さないでください」

 ザ・ウォーカーことイーライが運んでいる本の正体は結構早くから見当はついて
いたんだけど、まさかそういう結末だとはって正直度肝抜かれました。「抜かれるなら
度肝がいいよね」ってトニーも言ってたアレです。
 シックスセンス以来です。全部見た後でもう一度最初から見たくなったのは。

 と、褒めはしましたが、あんまり期待をされてもアレなんでここまで。
 話としてはどちらかというとちょっと単調な感じで、派手なアクションがたくさんあるという
わけでもないので飽きてしまうところもあるかと思います。
 ただラストの衝撃のためだけに、全体的にアクションが抑えられていたという印象は受け
ましたけど。

 そういうわけで本編です。
 20XX年…地球は、核の炎に包まれた。あらゆる生命体は、絶滅したかに見えた。
しかし、人類は死に絶えてはいなかった。…って北斗の拳!
 とはいえこの映画、そういう舞台設定なんですよ、リアルに。

 その、死の灰が降るような森で狩りをしている男が一人。
 森に同化してて最初、いるの全然わからなかったよ!どうかしてるぜ!(オイ)
 つーかこの獲物、食べられるんでしょうか…。

 旅を続けるこの男の名はイーライ。
 映画の中ではほとんどでてきませんし、彼自身誰にも名は呼ばれません。
 原題は「The Book of Eli」なんだけど、私はこっちでもいいなぁと思いました。
 ともあれ彼はずっと孤独に旅をしているというのが映像からわかってきます。
 旅のさなか、車があれば中を見たりして、使えるものは持って行く、という風な感じ。
 さらに、ボロボロの小屋にたどり着いてあれこれ物色中。
 まあこんだけ人が死に絶えていたらモラルもなにもないっていうか、この小屋自体
ドア意味ないんじゃね?ってくらいボロボロですが。
 奥の部屋では人が首つり自殺してたんで一瞬驚いたようだけど、靴がなかなか新しい
ものだったので喜んで取り換えている様子。
 いや死人のものだから以前に、体が腐敗してればそれが靴の中にたまってそうな
気も…(気分悪くなった方すみません)。

 一晩の宿はここに決めたらしくイーライは音楽聞き始めます。
 ある意味余裕だなお前。
 ネズミに、猫の肉だぞぉーってさっきの狩りしたやつ分け与えてるのはいいけど、
「朝食分は残しておけよ」って言われてもわかんないと思います。

 体を拭いたりしている時に、背中にやけどが広がってるのがわかります。
 彼自身も被災者っていうか、そういう感じの人なんでしょうね。
 そしてカギのかかった本を、解錠して読み始める。
 ここらのシーンは見ていて何が何やらわからないと思います。でも、あとになって
そういうことかー!と。
 ここのシーンを出来るだけ、彼が何に触り、どういう行動をとったか、記憶しておくと
とても面白いと思います。
 私は小屋に入ってからの行動しか思い出せなくてちょっと残念だった。

 そして朝になってふたたび歩き始めたイーライは、変な女が座り込んで「誰かー!」と
言ってるのを見つけるんだけど。
 匂いで盗賊がいることを嗅ぎつけた。
 で、あっという間に彼らを倒してしまうんですね。
 ここでイーライがじわりじわりと下がって、トンネルみたいになってるとこに入るんだけど。
映像的に残酷な表現を暗くなることで見えないようにしたのかな?と思ったんですけど、
もっと別の伏線がここにはあった。
 音の反響じゃないかなと私は思ってんですけども。

 囮をやってた女びびって、イーライが欲しがった水を出すんだけど、彼は受け取らず
歩いていきました。多分この水、汚染されてるんじゃないかと思う。

 壊れかかった高速道路を歩くイーライ。…あの、道路途中で崩れてんですけど…。
え、これどうやって渡るの?
 とか思ってたら、下の道で普通の人達が、北斗の拳で言えば人を襲っててケンシロウに
ひでぶってやられそうな暴徒に襲われてるんですね。
 でもイーライは、道を外れてはならない、とか言いながら立ち去りました。
 ここで助けるのかなと思ったけど、そこまでのお人よしではなかったっぽい。
 ひたすら歩き続けるイーライ。
 …バイクとか乗ったらあかんのか…?

 町にたどり着いたイーライは、電気店みたいなとこに入って、音楽プレーヤーの充電を
頼む。
 物々交換なんて大変だなぁ。
 よそ者だったんで銃を突き付けられたんだけど、あっという間に奪って、それを返して
自分は旅のもので不審者じゃない、というイーライがすごかった。
 で、「リュックからものを出すぞ、撃つなよ」って。
 さすがアメリカ。銃突きつけられた対応も手慣れてますなー。

 話変わるんだけど、万が一海外で銃を突き付けられた時は、相手が強盗であれ警察で
あれ、自分は手を挙げたまま「財布(身分証)はどこそこのポケットに入っている」と言う
方が正しいです。あわてて自分で取り出そうとすると撃たれます。相手が警察官であってもです。
銃を突き付けている方にとってその行動は、銃を出して反撃しようとしている、と思うからです。
 もし距離があって自分で出すことを求められたら、イーライのように「今からバッグを開ける」
「今から背広の内ポケットに手を入れる」ということを伝えつつ手をいれた方がいいです。
 背広内ポケットなら、左手で背広のえりを持って相手に内側が見えるようにしながら
出した方がより安全。
 強盗も殺すと警察が本気で捜査に乗り出してくるのを知ってるので、取るもの取ったら撃つ
ようなことはあまりしないです。あまり、と一応書いておきますが…。
 とどのつまりそんな危険なとこに行くな。(根本からひっくり返したよこの人)

 んで充電をする間店主は、向かい側で酒が飲めるとか信用しろとか言うのですが、
イーライは「ここで待つ」と言うのでした。それは正しい判断だと思いますよ。

 一方、イーライが途中見かけた、ならず者たちが向かい側の店に帰ってくる。
 そして出ましたシリウス!どうした!ハリーポッター新作の番宣か!(もう出てないん
ですけどこの人)
 と定番のツッコミはさておき、このカーネギーという、なんだかチキンを沢山売ってそうな
おじさんが(それカーネルサンダース)この町のボスでした。
 このカモネギさんはですね(カーネギーです)、知力でもってならず者を手なずけ、うまい
こと使ってある本を探していた。
 その本があれば自分の支配力がより高まると思っていたからです。
 この時点で大体何の本を探しているかはピーンときますな。
 ならず者たちは集めてきた本を出してみせるんだけど、いずれも違うものだった。
 でも、シャンプーはちょっと褒めました。地球で最後のシャンプーかもしれないらしい。
 なんかそういうの、これだけ文化が復興して来ていたら作れそうな気もするんだけど。
なぜ石鹸があってシャンプーがないのだ。
 

 イーライは、水を水筒に補給するため、向かいのお店にやってきました。
 ゴロツキがいっぱいいるじゃねーか。
 その中をまったく気にせず進むイーライ。
 で、水を頼むんだけど。
 ならず者の一人が、イーライが、近寄って来たネコを押しのけたことに因縁つけてくるん
ですね。
 戦いは避けたいとか言っておきながらこのならず者をぶちのめすイーライ。
 …そりゃあ…普通には出ていけなくなるでしょうよ…。まあいいけども…。

 ここでイーライが言った言葉は「聖書」の「創世記」で合ってると思います。

 あっという間にならず者をぶちのめすイーライ。
 水を入れて戻ってきたソラーラが止めましたが、それはトドメ刺そうとするのを止められた
だけで、はっきりいって止めるのが遅すぎてます。

 カーネギーは彼を迎え入れ、歓迎するんだけど、イーライは特に興味ない、西へ旅を
しているからすぐこの街を出て行く、と言う。

 一応今夜は泊れと無理やり部屋に入れられたようなものですが。
 思い切り外からカギかけられてるような…。
 んで、カーネギーの愛人?っていうか女性が食事とか運んでくるんだけど、この女性は
目が見えないっぽい。
 その女性は生まれつき目が見えないけど、おかげで世界が滅びるのを見ないで済んだ
ってなかなかシャレたことを言ってました。
 イーライはいい香りだ、と褒める。女性は「シャンプーよ」って出て行きました。

 カーネギーは、ソラーラに色仕掛けでイーライを足止めするように言う。
 …ムリだろ。お龍さん並みに気が強いじゃねーかこいつは!
 一応おめかししてやってきたソラーラですが、案の定イーライ、ノーリアクション。
 いたたまれません。(もっとも、これには理由があるのですが)
 あーあと、ソラーラがきた時、イーライは部屋の隅で抱え込むようにして本を見てました。
そんな読み方してると目が悪くなるぞって思ったんだけど…。
 ここのシーン、してやられました。

 話をしているうちソラーラは、隠していたイーライの本を見つける。
 けど彼はものすごい剣幕で怒り、それを隠してしまいます。
 誰にも触らせないと。
 
 ともあれイーライはソラーラを誘って食事にしようというんだけど、この時に、食事の祈りを
ソラーラに教えます。
 まあそれがとんでもない事態を引き起こすわけなのですが。
 …これからのトラブルはソラーラのせいかもしれない…。

 ソラーラは朝カーネギーのところに戻り、あまり話をしなかったと報告。
 けれども彼女が母親に食事の祈りを教えていることを見たカーネギーは、その頭脳でもって、
イーライが本を読んでいたという彼女の話から、彼が持っている本こそが、自分が求めていた
本であると気づくのですね。
 すなわち、聖書です。

 けれどももう彼はいなかった。
 あの部屋からどうやって出たのかが謎のままだったんですがいいんでしょうか。
 まあ…神のお導きというオチなのかも知れないけど。
 ここで役に立たない見張りを部下が撃ち殺していて、さすがこええなって思いました。

 …っていうかさっさと旅だったかと思ったらまだいるぅー!そういえば電気屋で充電
頼んでたんだったー!かっこよく立ち去ったんじゃねーのかてめーは!身の危険全然
気づいてないよこの人!

 カーネギーがやってきて、本がいる、その本は読んだ者が力を得るものだと言う。
 だから戦争が終わって燃やされたらしいですよ。
 人を導く力になると。こういうのあるんですよね。戦争のあとそこの住民たちの反抗力を
なくすことが必要だから。
 カーネギーとしてはこの本で人を従わせ、自分の支配力を広げたいらしい。

 ううーん…。
 ここらは日本人にはとても理解しにくいと思いますよ。
 このカーネギーの考え方はキリスト教そのものです。
 聖書の教えで人を導き、平和をもたらす、その考え方は否定しません。
 けど、それで従わない人がいたらどうするのか。それは排除する、死んでも知らないって
感じだからなぁ…。
 キリスト教の神はそういう、自分の庇護に入らないものは知らないって考え方でも
あるので、それはあまり私はなじまないです。やっぱり日本の神々みたいな、「いいじゃん
いいじゃんすげーじゃん」の方が好き。(氷河さんそれ電王です)
 つーか聖書の言葉を用いたとしても、用いる人間に難ありじゃ意味がないような。
 神父さんが言葉をのべてこそ、でしょう。

 で。
 立ち去ろうとするイーライに発砲する連中。
 …当たって…ないですよね?
 一瞬イーライの動き止まったから死ぬかと思ったぞこらぁ。ドリフみたいに切られても死なない
オチかと思ったけどホントに当たってないようです。
 そして逆に返り討ちにあって、カーネギー自身も被弾。せっかくよけてたのにねー。アホですねー。

 ソラーラがすったかたーとやってきて、私も一緒に行く、とかるーく言ってます。
 この女1時間くらいしたら「足痛い」「日焼けしちゃう」「水飲みたい」「歩くの飽きた」って言いだす
タイプだと思います。

 ソラーラは、きれいな水のある場所にイーライを連れていきますが。
 出たところでイーライは、サングラスを忘れた、見てきてくれ、とソラーラに頼む。彼女がなかに
入ったところでドアをしめてカギかけちゃうんですね。
 最初から置き去りにするつもりだったらしい。
 そうして平然とポッケからサングラスを出すと、かけて歩きはじめました。

 カモネギ…じゃなくてカーネギーか。いかん本気で間違えた。
 そのおっさんは(名前言った意味ねぇぇぇぇ!)治療をしつつ、絶対にあの本がいるとか
言ってます。
 部下は、手伝う代わりにソラーラが欲しいという。
 なんだこいつ、ソラーラ好きなのか。
 だったら最後におっさん裏切るくらいして欲しかったなぁ。

 そういうわけで彼らは車で突進です。なんだよ車あるのかよ。

 どうにか外に出られたらしいソラーラ、ひとりでイーライを追いかけているのですが…。
 またあの女がいました。強盗の囮役やってた人です。
 でも良心は残ってるみたいで、声をかけてきたソラーラに立ち去るようにいってて、
いい人だなと思いました。
 ソラーラはアレですから、警戒心ないっつーか、強盗に襲われて大ピンチになるん
ですけどね。…余計な仕事増やすなぁ…。
 イーライが助けにきてくれてピンチを逃れました。
 ソラーラのせいで、カーネギーに本のことがばれたり、こうして道をそれることになったり、
どう見てもイーライは厄病神しょいこんだようにしか思えないのですが。
 それとも試練か!?神の試練ですかぁコノヤロー!

 追いかけてきたカーネギーは、空にハゲタカだかわすれたけどとにかく鳥が飛んでいる
のを見てあそこにいる、と言う。
 車を止めて見に来てみれば、それは強盗の死体でした。
 ここで部下が、何かの力がやつらを守っている、っていうのがなかなか面白かった。
 カーネギーは、ただの男だ、弾を撃ち込めば死ぬ、と言ってますが…。
 このまま追っても暗くなってライトで気づかれるし、知らず追い越す可能性もある、という
ことで一旦CMでーす!じゃなくて一旦捜索打ち切り、翌朝再開ということに。

 なんか変な建物みたいな中で一晩過ごすことにしたイーライはまた本を読んでます。
毎晩必ず読むらしいです。
 この世に一冊しかない、とイーライは言う。
 
 戦争で空に穴があき、紫外線が地上を焼き尽くした。
 地下に隠れた人達は助かったが、ほとんどの人間は死んだ。
 一年後、皆は地上に出て来て生きる場所を探していた。
 そんな時自分は声を聞いた。
 本の場所と、本を西へ運べという声を。

 すごいですね、イーライ。
 この導きによって、イーライは守られ、旅を続けているらしいです。
 おそらくこの聖書が彼とともにある限り、神のご加護はあるのでしょう。

 夜もふけた頃、イーライがしずかーにしているのでソラーラが勝手に本を読もうとして
止められてました。
 つーかあんたもいい加減にせいよ。
 触るなと言われてるものをなんで勝手に触ろうとするんだか。

 ここでイーライは「寝てない。本は誰にも触らせない。字が読めなければ無駄だ」と言う。
 ああ、ソラーラは字が読めないと言ってたですね。
 けどここのシーンは実はとても重要なシーンでした。
 これはラストの方で説明したいと思います。

 旅を続ける2人は変な家を見つけて立ち寄る。
 …見渡す限り何もないところにぽつんと家があると、どう考えても追手に見つかると
思うんですけどねー…。

 ここの住人は老夫婦だったんだけど、イーライは二人の様子から、やってきた強盗を殺して
食べていることに気づく。でなけれぱ肉が豊富にあるっつーのがおかしいですからね。
 出ようとした時、ついにカーネギーの追手に追い付かれてしまうんですな。
 ここでのバトルはなかなか壮絶でおもしろかった。
 強盗からうばってため込んだ武器がソファの下にあるのも面白かったし、投降して本を
投げたと見せかけて、それが爆弾だったり、なかなかすごかったですね。

 ここでソラーラが「例の声は聞こえるの!?」って聞いててイーライは「2人とも生きて
外へ」って言うんだけど。
 じーさんが「わしらは!?」「…いわなかった」
 ここの会話めっちゃ笑いました。
 ただ直後に、コテンパンにされちゃうんですけどね。
 それほど、カーネギーの持ってた武器はすごかった。
 
 結局とっ捕まった2人。
 まあ確かに「生きて外へ」は当たってたわけですが。
 それでイーライはソラーラを人質にとられて、ついに聖書を渡してしまうんですね。
 多分ここはソラーラが死んでも渡さなければ、神はイーライを加護したと思いますよ。
キリスト教の神はそういうものですから。使命を果たすことが大切、その限りは守るが、
それからそれれば守らないって言う。
 イーライとしては使命はわかってても、人間として、ソラーラを見過ごしてはおけなかったん
だと思う。
 本を受け取ったカーネギーはイーライを撃ち、立ち去ります。
 ここのシーン、撃った瞬間に稲妻が走るのがすごい印象的だった。
 それは誰に対しての神の怒りだったんでしょうか。
 
 崩れ落ちるイーライ。
 加護を失ったイーライはふつうの人間に戻ってしまった、ということなんでしょうね。

 一方ソラーラ。
 こいつが大人しく捕まってるわけがない。
 気丈に反撃しましたよ。
 ここでちょっと面白いなと思ったのは、イーライの武器を取り上げた部下達が、大きな
刀を車の前の部分においてたのですが。
 ソラーラによって車が横転した時、部下の胸に深く突き刺さったんですよ。
 神の天罰みたいな感じだなぁと思いました。
 また誰かを守り始めたっていうか、イーライの使命はまだ続いてるんだなって。

 カーネギーは、本が手に入ったからどうでもいいって感じでいっちゃいました。
 ソラーラが手りゅう弾でもう一台の車を木っ端みじんにしたっつーのもあるんですが。
 こええなこの女。
 さっきまで強盗に襲われてギャーギャー言ってたとは思えません。

 イーライのところに引き返したソラーラは、彼を連れて再び西へ。
(イーライは瀕死のはずなのにフラフラと歩きだしていた)
 車中でイーライは、本を毎日読んでいたくせに、守るのに必死で大切な教えを忘れて
いた、と言う。人のためにつくせ、ということを。
 ああ、それはいいことだと思います。大切なのはあの本じゃなくて書かれていること
だもんね。

 西の果てにやってきたイーライとソラーラは、海に直面します。
 アルカトラズにきていました。
 イーライはやっとわかったって言う。
 その海の真ん中に浮かぶ島こそが自分の行くべき場所…ってコラ!ボートをけが人の
イーライにこがせるなソラーラ!鬼か!
 あ、途中で変わりました。よかった…。
 
 イーライは見はりに「聖書を持っている」と伝え、中に入れてもらいました。
 おっと出てきたのはルシウス・マルフォイか!?(シリウスつながり…ってつながってない、
全然つながってないよ!)
 出てきたのは白髪のおっさんでした。
 ここには印刷機もあって、いろいろな本を集めているけれども、聖書だけはなかったんだよ、
と言う。
 聖書の状態はボロボロってイーライが言うから、「あれ?渡したのはニセモノで、ちゃんと
本物は隠し持っていたのかな?」と思っていたのですが。
 別の意味での「ボロボロ」だったのです。
 おっさんに、紙を沢山持ってきてくれ、というイーライ。
 ここはワープロもパソコンもタイプライターもないんか!印刷機はあるのに!

 一方カーネギー君です。
 待ちきれないという感じで技師に鍵を開けさせ、いよいよ待望の本を開く…。
 その直後彼は驚愕します。




 えー一応ことわりますが、本当にこっから真のネタばれです。ご注意ください。




 なんと、その聖書は点字だった。
 そう、イーライは目が見えていなかったのです。
 だから聖書の言葉はすべて頭の中にあり、ボロボロの状態でそれをすべて口述で
伝えようとしていた。
 これではカーネギーも人を導くことはできません。

 ここで振り返ってみれば確かに映画の中で、イーライは、強盗の存在を知った時も
「臭う」と言っていたし、追っ手も「音が聞こえる」と言っていた。
 何ひとつ「見える」とは言っていない。
 してやられました。


 カーネギーはソラーラの母を呼び、読ませようとします。
 おそらく表情からして母は読めたんだと思います。表情が明るくなりましたから。
 けれども「点字は忘れた」と言う。
 それが世の中のためになると思ったから。
 ソラーラの母はカーネギーに、下ではあなたの手下が暴れている、誰も止められないと
言って去って行きました。
 おそらくこの町はまた、混沌に飲み込まれていくことでしょう。
 カーネギーも根っからの悪人じゃないにしてもやり過ぎましたね。過ぎたる欲は身を滅ぼす。


 イーライの方はすべての言葉を伝え、そしてこの世を去りました。
 もう気力だけでここにたどり着き、気力だけで言葉を伝えたとしか思えない。
 私こういう、主人公死んで終わる結末すごい嫌いなんだけど。
 可哀そうすぎる。
 キリスト教の神様は厳しいなぁ。
 でもイーライは決して自分の人生を後悔していなくて、それはちょっと救われました。

 「主よ 仕事を全うさせて下さったことを感謝します。やっと休めます。私は疲れました。
でも、安らかに眠れます」

 イーライは神を信じ、その加護を信じ、自分を信じることのできるすごい人だと
思った。だからこそ神にも選ばれたんでしょうが。

 そうして再び、聖書は新しく作られました。
 イーライの遺志をついだソラーラは家に行くと言い出しました。
 あの町で混とんを鎮めにいくってことなんでしょうか?
 まあよくわからんけど、今度はこの子が「ザ・ウォーカー」になるんじゃないかと思います。
 それもまた、神のご意思なのでしょう。


 そんで、途中の変な建物での話。
 イーライのセリフ
 ※寝てない…目が見えてないのだから動かなくなったから寝たとは限らない。恐らく
本当に起きていたんじゃないかと。
 ※字が読めなければ…点字が読めなければ意味がない、ということだと思います。


 ちょっと宗教色濃い内容だから、苦手な人は苦手だと思うし、全体的にストーリーの
起伏が少ないので、退屈だと思う人も多いかと。
 ただ、ラストのあの衝撃は、近年見た映画ではなかったものなのでびっくりしました。
 
 こんな地球にならないように気をつけることがあるとしたら。
 まーごちゃごちゃと面倒なこと嫌いだし、手垢ついたようなことを言うのもアレなんで。
「いただきます」と「ありがとう」くらいは言おうやってことでしょうか。隣人じゃなくていい、
家族を愛して下さい。



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→ザ・ウォーカー