多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→おまえうまそうだな


おまえうまそうだな

10/19鑑賞

 この物語は、親子で見に行った方がいいと思います。
 なんかじんわりとして、いい映画だったので。

 とある恐竜のお母さんが川をブラブラしていると、川上からドンブラコードンブラコーと
流れてきたのが桃で、中から現れたのが「俺、参上!」のモモタロス…ではなくて、
流れてきたのは卵でした。
 お母さんはそれをかわいそうに思って拾い上げ、もって帰ります。
 そして、自分の卵とともにそれを育てます。

 肉食恐竜に襲われたりして、卵はその拾ったものと、本来あるものとの2つになって
しまいましたが、お母さんは一生懸命育てました。
 そしてある時、2つの卵から命が生まれたのです。
 ところがどっこい、仲間達は、これは肉食い(肉食)の可能性がある、捨てて来い
というわけなんですな。
 このあたりは人間の特色がよく出ていますねぇ。
 人間というのはとかく、自分達と違うものを嫌いますからね。
 (動物とかだと種族超えて育てたりすることはたまにある)

 お母さんは一旦はその幼い恐竜を、食料が沢山あるところに捨てはするんだけど、
悲痛な叫び声を聞いて結局育てることにするんですね。立派です。
 そうして二人は、ひろわれっこはハート、もともとの子はライトと名づけられ、お母さんに
育てられました。
 将来ライトが「僕は新世界の神になる」と言い出さないか心配です。

 ハートはトカゲのシッポをちゅーちゅー吸ったりして、肉食獣らしいところを見せているの
ですが、それでも優しい母とライトとともに何不自由なく過ごしてました。
 これはなんかよかったなぁ。
 そういうお母さんでホントに良かったと思います。
 ただお母さん自体は、ハートを捨てなかったために、群れに戻ることは許されず、離れて
森の中で暮らしている状態でした。草食獣にとってはとても危険な状態であるといえます。

 ある時二人はエサを探している最中、沼のようなところに転がり落ちて、そこで偶然別の
恐竜に出会うんだけど、その恐竜はハートの姿を見るや驚いて逃げ去ってします。
 肉食いの「大あご」に似ていると。
 それを聞いてライトも、ハートは自分と違う、と言い出すのだけど、母はライトにそんなことを
言ってはいけないとたしなめます。なんてできた母なんだ!
 ハートはここでは気付かれていないけど、もともと肉食ですから、母やライトなどと同じように
草を食べることができず、やわらかい果物の実などを食べて命をつないでいました。
 普通こういう育てられ方をすると、肉食は弱って死んでしまったりするんだけど、まあ
児童向け作品ですからねぇ…。

 この後のシーンで、カエルが昆虫をとって食べ、そのカエルがリスに食われ、そのリスが
ワシかタカに捕食されるという、短いですがすごい食物連鎖をやってました。

 それからしばらくして。
 ハートとライトは大きく成長していました。
 そんな中でハートは草原に出た時ついに、自分と同じ肉食獣が食事している風景に遭遇
するのです。
 今までそういう光景を見たことがなくて、ひたすらびびるハートではあったけれど、その一方で
本能的に突き動かされる何かがあったんだろうなぁと思います。
 つーかハートにちょっかい出してくる連中がめちゃくちゃスネオタイプだ…。

 ここで彼らをたしなめ、ハートを見逃してくれたのが「バクー」。
 体つきからしてもう違います。でかすぎです。
 何食ったらこんなでかくなるんだ。
 バクーはハートの名を聞いて、それで気をつけて帰れよ、と見逃してくれるのだけども、
一人いらんことするやつがいたんですなぁ。
 面白がってハートの後をつけた。
 この肉食獣がゴンザ。のちのちハートと因縁の再会をします。
 ゴンザはハートが草食獣と暮らしているのに驚きつつも、ライトを襲おうとする。
 そいつを襲ってはダメだ!
 デスノートに名前書かれるぞ!

 ここでついにハートの本能が目覚めた。
 ゴンザのしっぽを食らっていよいよ自分がライト達とは違う、肉食獣だと理解したハートは、
飛び出してライトと母のもとを去ったのでありました。
 なんかすごい悲しい別れだな…と思った。

 さらに月日は流れまして。
 ハートは草食獣を襲うほどの恐竜に成長していました。
 はい、ここから山口勝平さんだよォォォー(声)
 ここの草食獣とのやり取りは面白かったけど、生きるか死ぬかだから、本当は笑え
ないんだよなぁ。
 ハートは自分ひとりで生きていかなければならないことをよく理解してて、すごい体を
鍛えてるんだけど、この鍛え方も実に人間ぽくて面白いです。
 ハートタイプの肉食獣だと、前足が短いのが特徴で、当然前足の力は弱いんだけど、
それを補って余りあるあごの強さだとか、後ろ足で走る速さ、しっぽの強さがありますからねぇ。
 岩を登っていってずり落ちたり、とかいうのが実にユーモラス。
 もうKIDに重なって仕方ありません。(コラ)

 そんな中ハートは、かつて母がそうであったように、自らも、草原にぽつんと放置された
卵を見つけます。
 何の気なしにつついたら中からいきなり子供の恐竜が生まれ、ハートは「お前、うまそう
だな」と声をかける。
 ところがその生まれた恐竜は、それは自分の名前だと認識してしまい、ハートになつきます。
 うん、まあ…生まれてあれこれ知っているわりには「うまそう」だけ何を示すか知らないとか!
 ウマソウ(混乱防ぐため以降はカタカナ表記にします)は、ハートを父と呼び、警戒心なしに
なつきます。
 これにはハートもまいってしまう。
 もともと心根の優しい恐竜だし、そういわれたらもう食べることはできないですね、ハート。

 何かの本で読んだのだけど、例えば食肉用として出荷する予定の家畜だとか、そういう
予定のものだとかは、飼育している方は絶対に名前をつけないのだそうです。名前をつけて
しまうとそれで個として認識されてしまうから、食べることに抵抗をもってしまうって。
 言われたら確かにそうですね。

 こうしてウマソウと奇妙な生活を始めることになったハート。
 ウマソウは体に見合わず結構な大食漢で、草をムシャムシャ。
 そんなウマソウには食事の風景を見せないで一人こっそりと食事するハート。
 優しいですね。
 で、ウマソウはハートのために赤い実を取ってくるんだけど、その場所で出会ったのが、
肉食獣だけどもう歯が悪くて食べられないというじいさん。
 このじいさん、赤い実がなるところにずーっと座ったきり。
 この出会いがある意味、ハートの命を救ったといってもいいかも。

 ウマソウが、自分と一緒に赤い実を食べようと探してくれていたとは梅雨知らず、ウマソウが
いなくなったと大慌てのハート。
 やっと帰ってきたウマソウを叱るんだけど、ウマソウがひっくり返って泣くのがすごいかわいい。
 ところが、ウマソウが背中にその木の実を乗せるのを手伝ってくれたおじいさんがいる、と
聞いて驚きます。
 そのじいさんは手伝ったというか、ウマソウを食べようとしたけど歯が立たないから諦めて
見逃してくれたっぽく。
 うーむ…。
 そのじいさんは大あごであり、年を取って食べられなくなったから、とやってきたハートに
話します。
 ウマソウのことを非常食呼ばわりするじいさんに否定するハート。

 じいさんは、バクーに見つけられるなよと警告してくれます。
 小さい頃ハートを見逃してくれたでっけぇ片目の大あごですね。
 昔この土地にならず者がやってきた時に、バクー一匹で追い払ったらしい。それから彼は、
この辺一帯の王になったらしいです。
 まあ恐竜の寿命がどんなもんか知らんけど…。
 それだけ生き残ってるということは確かに強いんでしょう。

 この後ハートはじいさんの「いつまでも二人一緒には暮らせない」という話を受けて、ウマソウを
鍛えることにするんですね。
 きたる別れに備えて。
 それはいいけど、音楽が軽快で面白いのと、ウマソウの尾っぽが意外な凶器になって、ハートの
むこうずね直撃して痛がったりと、なかなかよかったです。

 そうしてハートはあるとき、ウマソウに「かけっこしよう」と持ちかけ、ウマソウが一生懸命
走ってる間に自分は反対の方向に走り、突然の別れを迎えるんですね。
 ここのシーンはなんかめっちゃ泣きそうになりました。
 誰だってこんな別れはしたくないに決まってる。
 でもハートは自分が肉食だからこそ、ウマソウに別れを告げたんだろうなぁと。

 余談ですが、クマの巣立ちは、コグマがエサを食べている間に親熊が巣から離れることに
よって完了するのだそうです。
 その後コグマは自分一人で生きていかないといけないことを悟り、自立するのだとか。
 下手すると30過ぎても親にべったりな人間って…ある意味恵まれすぎともいえますね(笑)。

 事情を理解してないウマソウ、一生懸命走って…うん、思い切りゴンザチームのところに
突っ込んじゃったね!
 運が悪いにもホドがある!
 あんなに別れを演出したものの、ウマソウの悲鳴を聞いて10秒で決心を翻したハート。
 ウマソウのとこにかけつけて、ゴンザらを一蹴。
 どう見ても柔道の技とか石での反撃とかありえなさすぎです。

 ゴンザらにしてみれば、ウマソウはただのエサでしかなく、ハートはそれを横取りした、
ということになるわけですな。
 現実とは無常なものです。
 このことがもとでバクーにはナワバリを荒らしたとみなされ、この草原を追放されてしまいます。
 つーかこれだけ経ってもまだハートに勝てないゴンザって一体。
 ま、一人で生きてきたハートとグループで獲物を取っているゴンザらとでは力の差が
ありすぎるんでしょうが。

 というわけで再びウマソウとともに行動することになったハート。
 このあとバクーがじいさんと話をするシーンがあるんだけど、ここで意味深な会話が。
 昔バクーは何らかのトラブルで卵をなくしたことがわかります。
 そしてじいさんの「ハートはバクーの若い頃にそっくりだ」という言葉。
 何となくわかってきましたね。


 それからまたしばらく歳月は流れて。
 ハートが、ペロペロという、海に住む首長竜と一緒にいたんで、これがウマソウの成長した
姿?とか、それとも新たな仲間か?と思ってたんだけど、ウマソウは相変わらず小さなままで、
単に離れて眠ってただけでした。
 紛らわしい!
 たまたま移動途中で出会ったらしいんだけど、ペロペロは近く、昔ハートが母らと住んでいた
あたりにある、卵の山が噴火で壊れるかもしれない、と知らせます。
 母のことが心配になって向かうハート。
 バクーに、二度とくるなといわれたけど、それをおしてでも母のことが気になって仕方が
なかったんでしょうね。
 だって育ててくれた母だもの。

 このあと戻ってきたハートの前に立ちふさがったのはゴンザでしたが、もったいつけて
登場したわりに、一瞬でやられました。
 …はやっ!
 ただゴンザはウマソウに対して、こいつはお前の親なんかじゃない、と言う。
 あわてるハート。
 けれどもウマソウは言いました。
「そんなこと知ってるよ。ボクもう子供じゃないんだから。でもお父さんはお父さんだ」
 生みの親より育ての親なんて言葉もありますが、ウマソウはちゃんと、血がつながって
なくてもハートが一生懸命自分を育ててくれたこと、そして肉食獣であることを理解してました。
 子供って大人が思ってるよりずっと沢山のことを考えてますね。

 噴火が始まり、二人は急いで草食獣の群れに向かいます。
 そこでライトと思いがけず再開したハート。
 母は、山にいったきり戻ってこないらしいのですが、ライトは群れを守ることが大事だから
探しにはいけないという。
 この群れには小さな子もいて、怖くて動けなくなってて、避難ができない状態らしい。
 ここでハート、「逃げないと食っちまうぞ!」と、わざと自分が悪役になって脅かしてました。
 なんか「泣いた赤鬼」の話を思い出しますね。

 ハートは、卵山の卵がないことに気付きます。
 あれスポーンとどっか飛んでっちゃったのか!
 どういう展開なんだ!

 ともあれ、山の中で母と再会したハート。
 なんと母、まーた卵産んでて、ハートの弟妹(血はつながってないけど)にあたる子を
連れてたんですね。
 あんた…。
 いやいいけども。
 母が、これだけ成長しているのにも関わらず、すぐにハートだと気付くの、すごく良かった。
 さらに「何してたの、勝手に出て行っちゃって」とか。
 もうこのあたりはウルウルしますよ。
 そして、ウマソウのことを紹介されて、親子って似るのかしらねーと言ってたのも面白かったです。

 避難する最中、ピンチになった一同を、探しに来たライトが助けて合流するのですが。
 そんな彼らの前に立ちふさがったのはバクーでありました。
 この後の戦いはすごくて、まあバクーがやっぱり勝ちはしたんだけど、引き分けってことで
彼らを逃がしてくれます。
(ハートは気絶)
 逃がしてくれるのは有難いけど、一番でかい図体のやつを引きずっていかされる草食獣の
身にもなれ!

 バクーも戦ったことで、ハートが自分の子供だと確信したんじゃないかと思います。
 戦いが犬夜叉みたいだった…。
 また、ハートを母が守ったときに、こいつは肉を食わないと生きていけない、とバクーが言った
のに対し、母は、「自分が食べられてもいい」と言うのですが、バクーはそれを「ハートを一生
苦しませるつもりか」と叱る。
 確かに、母は自分が食べられても後悔しないでしょうが、ハートはずーっと苦しんでいくことに
なりますよね。
 話の中でも、母を食べてしまう夢に飛び起きたこともあったし。
 どうでもいいけどここで一生懸命威嚇してるけど、相手にされてないウマソウにちょっと笑いました。
 誰か気付いてあげて!

 バクーは、それでもお前が育てなければ生きていけなかった、と声をかけてくれるわけです。
 ただし、次はもう二度と俺とは会わないほうがいい、って。


 その後目を覚ましたハートは母らと別れ、ウマソウと旅を続けることにします。
 母らも群れに戻って移動することになりました。

 この後ハート、たまたま空を見てんですが。
 あの…卵山の卵が飛んでるんですけども…隕石!?
 なんかすごい展開だよこれ!
 宇宙飛び出しちゃったよ!

 最後、母の声が流れます。
「どこにいても、いつまでも、ずーっとあなたを愛してる」
 人間の親子もこうでないといけませんね。


 この映画を見ていたら、大好きな歌を思い出しました。
「ファミリア」(作詞 ●吉田安英、作曲 ●吉田安英・上里優、歌 - D-51)
 一部引用したいと思います。(この引用はレビューのためのものであり、著作権を侵害
する目的はありません)

  触れなくても見えなくても離れてても
  何よりも強く何よりも濃い固く結び合った絆

  Mother,Father,Brother,Sister and All of my friends…
  Thank you for your love.
  ちっぽけでもひきょう者でも 僕のことを愛してくれる

  Mother,Father,Brother,Sister and All of my friends…
  I love you so much.
  いつも背中を押してくれるよ 暖かい声

  Mother,Father,Brother,Sister and All of my friends…
  Thank you for your love.
  どんな時も味方になって僕のことを信じてくれる

  Mother,Father,Brother,Sister and All of my friends…
  I love you so much.
  いつも心に響いているよ温かい声

    "出会ってくれて ありがとう"





多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→おまえうまそうだな