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武士の家計簿

12/14鑑賞

 とりあえず民主党のみなさんはこの映画を見て、質素倹約とは何たるかを学んでいただきたい
ものです。
 あと、私が言うのはおこがましいですが、この作品は、見て「ああうちも贅沢しないように生きよう」と
考えるものじゃなくて、面子だとか武士の誇りにとらわれず、今なすべきことは何かを見据えていく
ことの大切さを伝えるものではないか、と思います。
 坂本龍馬のように有名なわけではなく、新撰組のように誠を貫くわけではなく、それでもその時
できることをやっていくのは難しくない、そういうことなんじゃないかと。

 えー時はいきなり明治10年から始まるのでびっくりしました。
 弥太郎伝が始まったかと思ったじゃないか!(龍馬伝から離れて!)
 そろばんをはじいている男性がいて、部下がちょっとびっくりしたように見てます。
 そうだね、電卓使うと早いよね!(ねぇよ)
 彼は軍の収支決算とかやってる偉い人っぽいです。

 そこに彼のお父さんから手紙で、帳簿見て欲しい、と送ってきたらしい。
 でも彼は、父の計算に間違いはない、と。

 そしてこの父の物語が始まります。
 彼の名は直之。世に、そろばん侍と呼ばれているそうな。
 …ぜんまい侍の友達かなんかですか?

 さあその直之が登場です。登城で登場…。(シャレにはなってないから別に!)
 彼はコツコツ真面目に仕事をこなす人で、藩の家計を預かる部署にいるらしいんだけど、見習いの
間の3年はここは無給らしいです。それもどうかと思うのですが…。研修期間でも給与は出るのが
現代だと言うのに。
 ともあれ、直之の父が思わぬ手柄を立てたために、この部署の侍としては異例の出世した
らしいですよ。
 で、その父がやった手柄というのは。
 食事の席で語るところによれば、殿に嫁さんが来るときに、その嫁さんのために門を朱塗りに
しようとしたが金がない。
 てなもんで父が、嫁さんは表しか見ないから、表だけ赤く塗ったらどうだと言ったらしいです。
 嫁が振り返るのは縁起が悪いということで誰も裏はみないだろうから、と。
 頭いいな!

 あるとき直之は、帳簿が合わないのを発見して、上司の郷田に報告するのですが。太鼓が
なってて昼飯時なわけですから、上司としてはさくっとメシ食いに行きたいわけですね。でも
直之は一人コツコツと調べるのでありました。
 つーか郷田さん、おたくに武もしくはジャイアンって名前のお子さんいませんかね?
(その郷田じゃないから!)
 ちなみにこのころはチャイムなんかないので、昼を知らせるのに太鼓が使われてました。
 まあその昼を知らせる人は、どうやって昼になったのを知っていたのかなとか考えだすと
おちおち昼寝もできなくなるのでやめておきます。

 そういうわけで直之は給金をもらえる身分になりまして。
 母親が、これで給金取りが父と直之二人になったから、暮らしも安泰、みたいなことを
言うんですね。
 まあ侍なんてカツカツの暮らしぶりでしたからねぇ。
 付き合いにやたら金はかかるわ参勤交代はあるわ、それでも暮らしぶりを質素には
できないわ(体面があるから)で…。
 商人の方がよっぽど儲けてましたね。

 で、縁談が持ち上がるんですが。
 のちに奥さんとなる、お駒の父が、「剣の腕は…からきしだな」とか言ってて面白かった
です。
 まあそういう武士がいてもいいじゃないとは思いますけどね。
 そろばんで身を立ててると言われて、お駒もまんざらではないようですし。

 あるとき直之は、思わぬ事件に巻き込まれます。
 世の中飢饉に陥っていて、各藩が米を民に配給しているわけなんですけども、その配給して
いる内容がどうも帳簿と合わないんですな。
 中抜きしてるやつがいる、と。
 いつの世もこういうのはおりますなぁ。
 んで調べ歩いてる直之は、あるところで、反物を染めている女性らと出会うんですが。
 彼はこの時、水をくれた女性がお駒だとは知りもしませんでした。
 お駒の方は人に言われて気づいたみたいで、それはそれで面白いんですが。

 直之は帳簿が合わないことを郷田に報告するけれども、彼は帳尻があっていれば
どうでもいい、みたいな。
 つまり、自分の代で問題起こしたくないってことなんでしょうなぁ。
 こういうことなかれ主義の上司って何も起きないときはいいですが、問題起きると
全部部下のせいにして逃げますから、面倒といや面倒ですよ。
 つーか帳簿のつじつまはあっていても経過が合わないとシンコが乗り込んでくるぞー!
 「足りない米150俵、黄金の豚にきっちりお返しいただきます!」つーて。
 あ、この時代電卓ないから、キラキラにデコレーションされたそろばん持ってくるのか…。
(ねぇよ)

 納得いかないまま日々を過ごす直之ですが。
 調べていくうちに、どうも不正があるらしいことに気づくんですな。
 それを藩のお偉方があれこれ会話してんですが。
 ここで、米につけられていたマークが、眼科の視力検査みたいな感じになってたんだけど、
そのお偉方が話をしてる時に検査みたく片目隠してて、お前らは何をやってんだと思った。
 さりげなくギャグを入れてくるのー!
 多分こいつらが不正をしてるのかよくわからんかったけど、直之はいらんことに首突っ込んでる
からこれで飛ばされるかもしれない、みたいな話をしていました。

 その直之は何も知らずに結婚式の場にいるわけですが。
 あの…すいませんが、花婿さん、ガッチガチに固まってるんですけど?
 え?なにこれ?マネキン?

 親類の話によると、あの川での出会いのあと見合いになったらしいのですが、直之はずーっと
下を向いたままで、お駒の顔を見ることすらできなかったらしいです。
 なるほど、それで今回のような…。
 あと直之の父、また門の話はいいから!お前どんだけ話するつもりだ!今孫が一生懸命
ナレーションでしゃべってんだから!
 お駒は直之に、そろばんの音が自分も好きだと言っていて、生きるすべに私も加えて
下さいみたいなこと言うんですね。
 ここのやり取りはほほえましくてよかった。
 直之が、「自分不器用ですから…」って言ってて(それ違う人だよね!?)「出世は無理だが
それでも良いか」と聞くとお駒が「イヤです」と。
 ええー!?とか思ったら、「といったらどうします」と。
 シャレにならないから!
 目が笑ってないから!

 お駒は朝餉の支度を使用人とやるわけなんですが。
 母がビックリして、武家の嫁はそんなことするもんじゃない、と飛んでくる。
 要するに、支度とかは使用人がするものだから、嫁が手ずからやるのははしたない、と
こういうことなんですな。
 でもやれるのはやった方がいいよねぇ。
 んで、その朝餉の時にまたまた父が空気読まずに門の話をするのですが、おばあさまが
直之に数学の問題を出していて、話を止めるのが面白かったです。
 お駒ビックリしてますが、これがこの家の空気だから早く慣れて!

 ところが直之は上司に呼ばれて、先の調査のことをいろいろ言われ、叱られるんですな。
 直之の言ってることは間違ってないけども、まあつつかれては困るところがあるんでしょう。
 ちょっと立場がやばいことになってきました。左遷もありえます。
 お駒はそんなことが起きているとはつゆ知らず、母からお気に入りの小袖を見せてもらって
ます。
 もともとお駒は反物を染めたりしてたわけですから目は肥えてるわけで、大変すばらしいものと
ほめてました。
 でもお母さんや、直之の元服の時に仕立てて、袖を通したのは一度きりて、それ持ってる意味
ないですよね!?
 今の洋服と違って着物は多少体型が変わっても着られるものだから、着ないと生地が傷みまする。
 で、そんなさりげない伏線のやり取りがあったあと、お駒の懐妊がわかります。
 お駒は懐妊、直之は解任ですか…。(うまくない、うまくないよ!)
 
 子供が生まれた祝いでめでたいムードの中、直之は、左遷の話をお駒に伝えるのですが。
 事態は一転します。
 暮らしが好転しないことに腹を立てた農民らが焼き討ちをして、それで前田藩は米をまた提供
するのだけれども、そこで不正の件が明るみに出るわけです。
 で、今まで不正にかかわっていた人間は当然処罰、郷田もこれにかかわっていたとかで
処罰されて、直之は藩の偉い人に呼ばれて、帳簿の正確さを認められ、左遷は取りやめの旨
知らされるんですな。
 運気が向いてきましたねー。
 この後直之はお駒とともに夜店へ出かけて、櫛をかってやります。
 2分だから…この時代だと大体1万円くらい、と考えればいいんじゃないかと。
 調べてみたら幕末はかなり貨幣価値が動いたようなので、もっと安いかも知れません。まあ、
ハイパーインフレ時のドイツみたいな価格の動き方よりはマシですが。←ビール飲んでる間に
貨幣価値が変わってビールの価格が変わるとか(byヘタリア)
 このあとお駒の髪に直之が櫛をさしてやるのですが。

 季節柄、なんかケーキにチョコレートの板が乗ってるような感じだなぁ…と思ってみてました。
(なんてことを!)
 
 この後直之は、執筆役に出世します。今でいう書記みたいなもんです。
 たいそうな出世といえます。
 直之がお弁当食べてるんだけど、奥さんの手作りの煮物みたいなのを同僚の人が見て、
自分のお弁当をパタンと閉じるのが面白かった。

 ただし、身分が上がれば出費も増えるのが世の常。
 このままでは子供、直吉の4歳のお祝い(親戚を呼ぶ)ができないということで、直之は悩んだ
結果、一計を案じます。
 お駒の父に頼るとか、着物を売って金子を作るとか、そういう安易な方法を取らなかったのは、
そうすることで一時しのぎにはなるけれども、何の解決にもならない、ということを直之は身をもって
知っていたからだと思います。
 さぁ、猪俣家の事業仕分けが始まりますよー!

 というわけでまず、祝いの鯛を紙に書いた鯛にしました。
 CMのはここですね。

 親類一同きょとーんって感じですが。
 直吉が、タイじゃタイじゃー!と喜んだことで、場の空気が和やかになったのがよかったです。
 そのあとみんなでにらみ鯛(紙の鯛)を運んでいくのもよかった。
 ここで直之が、直吉を背負って喜んでいたシーンを覚えておいて下さい。

 その夜、直之とお駒は今回の宴について父母からお咎めを受けるのですが。
 逆に直之は、この家の家計がひっ迫していて、さらに借金もあることを話し、この家の売れる
ものは売る、という話をします。
 この時代、商人に借金がある武士というのは珍しくもありませんでしたが、直之はそれでは
いけないと考えて、要するに「いつもニコニコ現金払い」でいようと考えたわけです。
 大変すばらしいですね。
 直之にこの国の財政を仕切ってほしかったですよ。
「民主党じゃないといけないんですか!別の党じゃダメなんでしょうか!」
(いろいろな意味でやばいな…)

 ともあれ、仕分けに真っ先に同意したおばばさまは偉いなと思いました。
 で、売り払うためのいろいろな算段が始まるのですが。
 ここは面白かったです。近所に知られる、と騒ぐ父母に、家をつぶす方が恥、と直之が
諭してて。
 そして我が家でも家計簿をつける、と。
 それが入払帳なわけですな。
 父母が、あれは残したい、これも残したいみたいなので直之がダメとか言ってるの
面白いです。カメラワークも変わっててよかった。
 で、父の、お姫様からもらったという椀みたいなのはOKが出ました。
 しかし母の、直之が元服の時に買って、一度袖を通して以来だという、例の小袖は
却下されました。ここ笑ったわー。着てないんなら売りましょうってのが。
 まあなんだかんだで仕分けしたら結構売るものあったみたいです。
 この時身ごもっていたお駒が、これは売らなくて良いでしょうか、とあの時の櫛(ケーキの
上のチョコに見えるやつ。←コラ)を見せていて、直之が、これはいいだろうって言ってて。
そういう会話もほのぼのしていてよかったです。あと、もうすぐ生まれそうみたいな会話で
「明日は困るぞ、道具屋が(引き取りに)来るから」みたいな。
 そして直之はこの時代結構なお値段がした砂糖を出してきて、お産の時にこれをなめれば
力が出る、と渡すのです。
 おおーい、かくしておかないと銀さんがいつの間にか上り込んでなめに来るぞ!

 というわけで。
 案の定というかお約束というか、道具屋が査定に来てる最中にお駒さん、産気づいた。
 本当に期待を裏切らないな、君は!
 直之が商人と話をしている間、父も結局あのお姫様からもらった椀を売ることにしたんだけど、
思いのほか低い値段で、商人と交渉してるのが面白いです。
 で、刀も売ろうとするんだけど、それもなんだか…(笑)。
 なんでも鑑定団もっていけ!

 これでもまだ借金は半分くらい残ってるらしいんですが、直之は商人と交渉して、借金の
元金を4割返す代わりに、残りを10年の無利子での返済にしてくれ、と言う。
 なかなかうまいですな。
 商人としてもこのまま借金が利子ついてかさんで返してもらえなくなるよりかは、そっちの方が
マシだ、と思ったらしくて了承。
 こんな思い切ったことをする武士はいない、裏口からこっそり相談にくる人はいますが、みたいな
ことを商人が言ってたのも興味深い。
 と、そんな中で子供が生まれたようですよ。
 よかったですねー。

 直之が言った通り、しばらくは近所から奇異の目で見られていたようですが、それもだんだん
なくなったらしく。
 家族も気にしなくなったようで、それが一番よかったと思いました。
 あと昼食が握り飯とイモ、なんてことになってたのですが、直之は人のうわさなど気にならないと
いった感じで。
 またまた、奥さんの手作りと同僚にいってたのが面白かったけど、今回も同僚、別の意味で自分の
弁当広げにくい!
 職場の人も、末代までの語り草みたいなこと言ってるけど、借金で首が回らなくなって刀をこっそり
売って武光さしてるよりかはいいですよ。
(この時代そういう武士が結構いた。龍馬伝でも黒船来航の時チラッと出てきましたが)
 母は小さくなった煙草入れでタバコ吸ってますが。
 もう値上がったんだから禁煙しなさいよ。(それ現代の話ですよね!?)

 お駒もいろいろと工夫して家計を助けるような料理していて、いい奥さんでよかったなぁと
思います。
 また、その倹約を生かした料理を直之は殿の食事にも生かしていて、老中は「ちょ、待てよ(キムタクの声で)」って
感じなのですが、殿がメチャクチャ喜んでて、何よりって感じでした。
 そんな中、直之は息子、直吉にそろばんと筆を教え始め、彼に家計簿をつけさすんですね。
 まだちょっと早いかなという気がしなくもないのですが。
 直吉も不満ではないけど、これでいいものか、というような疑問はあるみたいですね。

 あるとき、家計で不足が出た時直之は直吉にこれをどうするか、と話す。
 直吉は、来月から持ってくる、来月足りなくなった分は再来月からと、お前はいつも小遣いに
困ってるのび太か!みたいな回答をするけれども直之は、それが借金だ、と教えます。
 なるほどねぇー。単に支払いを先払いにしているだけで、それから逃れられるわけでは
ないもんねぇー。
 で、直吉は倹約したらいいということに気づいた。立派です。

 ところが直之は、4文ほど直吉がつけている帳簿から不足していることに気づき、自分で
何とかしろと言うのですね。
 どうもお金を落っことした時になくなったらしいけど。
 直之はそれを直吉に探させました。
 お駒が4文くれたけど直吉はそれ断って雨の中探し続けました。
 お駒も、直吉が見つけられそうな場所に転がしておくみたいなことでもよかったのでは…。
 私はこのシーン、直之がお金のことで責任を持たさせるというのは立派だと思ったけど、
やっぱりちょっとフォローは欲しいなと思いました。おおーい、フォロ方さん呼んできてくれや!
 まあ史実に基づいてのことだから仕方ないんでしょうが…。

 それで結局見つからなかったらしく、直吉はばばさまからお金を借りたようです。

 直吉を背負って父が川べりを歩いていたのですが、父、具合が悪くなったようです。
 ここで直吉を呼ぶから、人でも呼んできてくれというのかと思いきや。
 満月の話を始めました。
 いやいやいや!満月の光以前にあんたの命の光が消えかけてるから!
 具合悪い時に無理に説明せんでもいいから!

 というわけで直之の父は亡くなってしまうのです。
 …この家、女ばっかり生き残っとるのぅ…。
 安置された父の顔を直吉が見るのはいいんだけど、部屋を出る前に顔の白い布を戻していかんか!
 直之もそういうところちゃんとしつけましょうよ!そろばんだけじゃなくて!

 直吉がどこにいったかというと、葬式の夜でさえ、帳簿をつけている直之のところでした。
 直吉としては納得いかないでしょうが多分、そういう普段のことをしていないと悲しくて仕方がない
部分もあったんじゃないでしょうか、直之は。
 …つーかおばば様まだ生きてる!
 おばば様は直吉に、鶴と亀があわせて100いるんだけど、足は272本、さて鶴は何羽、亀は何匹
いるかな、と問題を出します。
 これは有名な鶴亀算ですので計算式は省きますが、昔の人はなかなか、面白いことを考える
ものですね。
 直之は5歳でといたぞ、というおばば様。
 そういうこと言うと直吉に余計コンプレックスになるからやめてあげて!

 んで、直之は直吉に、4文の件を問いただすのですが。
 川で4文拾ったからそれで帳尻があった、みたいなことを言う直吉に、直之は、直吉の財布から
4文銭を出して、河原へ戻してこい、と言うんですな。拾うのは物乞いのすることだから、って。
 気持ちはわからなくもないけど、私はやりすぎのような気もします。
 拾ってそれを黙って帳尻合わせに使ったのは悪いことですが、それはそれで諭すべきじゃないの
かなぁ、って。
 そろばんを思わず壊そうとした直吉を突き飛ばす直之。
 …思いっきりいったぞお前…。そろばんも壊れました。
 額にケガをしつつも、直吉は河原へ金を戻しにいかされます。
 お駒が、川へ落ちでもしたら…って言うんだけど、直之が、落ちたらそこまでの定めだ、と
言ってたのはビックリしました。
 その直吉ですが、金を川へ放り投げてました。
 戻して来いとは言ったが投げろとは言われてねーぞクソガキ!(コラコラ)
 
 そしてある日。
 直吉はおばばさまに鶴亀算の答えを…っておばば様死にかけとる!そんな時に悠長に
答え言っとる場合か直吉!
「鶴が64、亀が34です」
「ごめいさん」
 おばば様余裕だなオイ!

 というわけでおばば様もなくなりました。最後の言葉がごめいさん…(いや違うから)。

 続いて母も具合が悪く臥せりがちになりまして。
 あるときいよいよだという日に、お駒が呉服屋にいって、売ったあの小袖を買い戻してくるのが
よかったですね。
 あの小袖ですよって着せかけてるのが。
 ちゃんと覚えてたお駒は偉いと思いますし、直之も、借金は返し終わってるから安心してください
と声をかけるのもよかったです。

 そうして直吉も成長し、かつて直之がいた、藩の家計預かる部署へ配属になってました。
 しかしこの時、時代は大きく変わろうとしていました。
 あ、お駒の二人目の子供出てきませんが、女の子だったので嫁にいったらしいです。
 後姿しか見てないような…。
 ともかく、借金返し終わって猪俣家のお弁当もまた、前のような内容になったようですね。
 
 時代は長州討伐の頃でした。
 加賀藩は藩主が賢明な人であったため、戦いを避けて兵を引いたので、直吉は死なずに済んだ
らしいです。
 なるほど、あの高杉の高杉無双を見なかったとは…。(多分テレビで見てたと思うよ!)
 ただしそのせいで殿、謹慎くらったらしいです。
 その頃から直吉は、直之に反発するようになってて、このまま加賀が徳川についていたら
加賀は新しい時代に取り残される、みたいなことを主張していたみたいですね。
 まあ徳川に忠誠心なければこんなもんでしょう。
 直吉は、父上はそろばんバカですか、とかいって自分はそろばんだけで埋もれたくない、と
反発をあらわにするんですな。
 お前、親にバカはねーよバカは。この父上はな、かつては新撰組に所属して京の町を守って
いたこともあるんだぞ!(うん、それ時代同じだけどめっちゃ違うドラマ!)
 そろばんを持って、今度は壊れなかったとか言ってる直之。
 あんたもあんたでずれてんな!

 それで大政奉還が起き、直吉は加賀藩の軍として、直之と分かり合えないまま、京へ向かいました。
 龍馬伝では最後のガイドでちょこっと語られましたが、大政奉還したからといって、はいそうですかと
旧幕府が諸手あげて降伏したわけではなく、新撰組をはじめとする多くの旧幕府軍が、朝敵とされ
ながらもあちこちで戦っておりました。
 
 あるとき猪俣家にお駒の父がやってきて、鳥羽伏見の戦いで直吉が一人どこかに連れて
いかれた、と話すのですね。
 お駒はたいそう心配するのですが何ができるわけではもなく。
 ところが直吉は生きていました。
 そろばんの腕を見込まれて、大村益次郎によって新政府に見いだされていたのです。
 龍馬伝では出てきませんでしたが、この大村益次郎も実は新政府の立役者みたいなもんでして。
 長州藩の参謀をやってました。
 龍馬に近いキレ者ですね。(すぐキレる、の方じゃなくて…←わかるから)
 大村は、鉄砲や刀を使えるものはいくらでもいるが、これから先の世の中に必要なのは、直吉の
ように、会計に強い者だっていうんですね。
 兵に食べ物や武器を補給したりするのに、その数字の管理するものがいるという意味ですか。
 そういうのができる人を敵味方関係なく雇うのは面白いですね。
 身分関係なく兵を集めた高杉といい、今回の大村といい、長州藩は、そういうこだわりのない
部分を持つ人が多かったのかもしれませんね。

 つーか大村、欲しいのは君だよとか、これからの世を作るのは君のような人だよ、って
2回ずつ言わんでいいから!大事なことだから2回言いました、か。やかましわ!

 ところが家族がこのことを知ってホッと安心したのもつかの間、なんと大村は殺されて
しまうのです。その時に、直吉らしき人も巻き込まれたと手紙で知らされて、ショックを受ける
直吉の奥さん。
 この時ばかりはお駒も、京に行く、と言います。
 直之も、昔、4文を川に返してこいといった時に、そこで死ぬならそれも定めといったことを
悔いているのか、さぞかし、「ああしてやれば」「こうしてやれば」と思ったんじゃないかなと
思うのですが。

 そうして時は明治。
 大村といて切られたのは、実は直吉を新政府にスカウトした人だったらしいです。
 それはそれで気の毒だな。
 生きていた直吉は、軍のえらいさんになった、と。
 そうして彼は久しぶりに実家に戻ってきました。戻るのはいいけど軍服の着こなしが変なんだけど。
もうちょっとこう、腰のまわりなんとかならなかったのかなぁ…。

 戻った直吉は直之をおぶって、あの川のところを歩きます。
 父に負ぶわれたことがない、という直吉に、直之は背負ったことがある、というお駒。
 タイ騒ぎの時ですね。
 そのひとつ前の会話の、家財売り払ってる時にお前生まれたって言ってお駒に「それ妹やん」と
ツッコミ食らってましたけど。直之ボケたんか…?どっちの意味でボケたのかわからん!わざとか
マジボケか!ジジイになってるだけに!

 あーでもこの後おぶわれて歩きながら直之、回想に入ったですね。
 走馬灯か…。(縁起悪い!)
 
 そうして翌年、直之は人生を終えました。
 この後直之の葬式でも直吉がそろばんをはじいていたのがなんか感慨深かったです。
 彼自身、直之も父が亡くなった時、こんな思いを抱えてそろばんをはじいていたのかな、なんて
思ってたのかなぁ、と。

 つーかそこの横で燃えてるロウソクの火がなんかハンパなくて、大丈夫か…とちょっと
心配しました。

 この後、直吉らがどうなったかが出ますけど、ここはざっくり省いてもよかった気がする。
 終わり方としては、静かに葬儀の夜、そろばんをはじく直吉の姿で終わってもよかったかと。

 ともあれ、猪俣家の入払帳は今でも続いているとのことであります。
 最後はそろばんの玉をはじいて、「ご破算」の恰好で終わるのはよかったですねー。
 すごい年季が入ったそろばんのようでしたが、これは猪俣家に伝わる本物でしょうか?


 家族を守るために自分は何ができるか。
 それをまっつぐに見据え、生きた直之は素晴らしい人であったと思います。




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