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Mr.インクレディブル

12/20鑑賞

 正義の味方・ヒーローというと皆さんは何を想像されるでしょうか。ウルトラマン、仮面
ライダー、セーラームーン、今ならプリキュア、ややマニアックで英雄(それ読みがHERO
なだけだから)、あとはぶりぶりざいもん…いやこいつは金でしかうごかねぇ。
 ともあれいろんなキャラクターがいるでしょうが、これは想像上だから存在できるので
あって、実際にいたらどえらいことになってしまいます。
 例えばウルトラマンや戦隊もののロボ。着地するたび、倒れこむたびどこかで地震が
起きます。
 仮面ライダー。お前はその格好で走る限り道路交通法違反だ、とか。
 セーラームーンは…登場のたびにカメラ構えた大きなお兄さん達があふれかえるかと。
いやはやまあ何であれ、「超人的な力を持つ存在」というのは本人にそんな意識がなくとも、
存在するだけで1つの脅威となりうるのです。
 そのヒーローによって被害が出たら?もちろんかの訴訟天国な国ならたちまち裁判でしょう。
 流石はアメリカ、本当にありそうな話をやってくれるものです。
 では夢も希望もないヒーローの話へようこそ!(念のため言っておきますが冗談です)

 冒頭はいきなりインタビューから始まります。なんちゅーかこういうところがおもろいですが、
日本だとヒーローにインタビューはしないでしょうね。かっこいいヒーローのカッコワルイ私生活
なんて知りたくないでしょうし、夢が崩れると言うでしょうから。
 まあでも正体を隠すのに苦労するとか言うのは本人だけであって実は、落ち目の芸能人と
同じく、彼らがばれるのは変装のつもりで目立つサングラスをかけていたりコソコソと挙動不審
なだけであって、普通に歩いている限り人は案外注目しないものです。(一部実話)
 それに人前で最近堂々と変身するようになった日本のヒーローと違って海外では正体を
隠すのはデフォですからよっぽどのことがない限りわからんよ。…まあ目も隠していないのに
セーラー服になっただけで正体がわからなかった某惑星名戦士とかいましたからねぇ…。

 さてさて。
 ここにミスターインクレディブルというヒーローがいました。実写でやるならまず間違いなく
シュワちゃんが満場一致で選ばれるであろうほどの逆三角形の体型です。
 今日も頑張って忙しいスケジュールをこなしつつ大活躍。つーかアメリカのヒーローって
なんちゅーかハイテクですね。日本のように「今日もどこかで誰かが呼んでいる」なんて
こたぁないわけですか。
 自殺志願者を助け、ついでに銀行強盗を退治。インクレボーイとかいってまとわり
ついてくるガキ(ファンクラブナンバー多分一ケタ台)がうざいです。しかも銀行強盗の犯人が
爆弾仕掛けたのに気づいてないし。
 それを助けようとして結局電車の通る橋を爆破させてしまって一般市民を危機に陥れて
しまったインクレディブル。結果として死者は出ませんでしたが、1人を助けるために犠牲は
大きかったようです。そして銀行強盗こと「ボンボヤージュ」も逃げてしまいました。
 ところがどっこいインクレディブルは職場放棄、今日だけはダメといって走り去ってしまいます。
まあ確かに己の結婚式となれば流石に敵を捕まえに行ってるヒマはないわけですが(「だって
ハニー、君の心を捕まえるのに忙しいからさー!」by花輪(ちびまるこちゃん))、大喜利は
さておき、こういうのでは世間は困ってしまうわけです。

 案の定、スーパーヒーローに対して世の中の不満が続出。自殺志願者を助けたからと
訴えられ、電車の乗客からも訴えられついにインクレディブルを筆頭としたスーパーヒーロー
は普通の生活に戻ることを余儀なくされたのでした。
 で。
 インクレ氏は保険会社で働いていますが、でもさすが、ヒーローらしい小憎らしい演出を
やってくれます。
 保険が適用できないケースに対して法の穴を利用して「合法的に」保険適用できる
やり方を教えたりと。こういう「正義感」を忘れてないヒーローは大歓迎ですね。上司からは
怒られてますけど、保険会社だって一人くらいこんな人がいてもいいと思います。
 ちゅーか一日中「保険料はたったこれだけ」って言ってる宣伝うざいねん。

 インクレ氏の子供であるダッシュ君はどうやら学校校長室の常連らしいです。といっても
別に毎日訪ねて行ってコーヒーをご馳走になっているわけではありません。サザエさんとこの
カツオ君と同じ、いたずら坊主らしいです。まあ子供はこれぐらい腕白でないとねー。
 どうも自分の能力を持て余している様子。わかりますねー。私も授業中押さえきれない睡魔を
持て余して居眠りぶっこいたことが何度か。え?違う?
 
 今日も今日とてしょんぼり肩を落として帰宅するインクレ氏。怒りに任せて車を持ち上げた
ところで近所の子供と目が合います。でもこの子、逃げるでもなく見つめています。三輪車に
のってるところといい、なんか普通の子とは違うところが垣間見えます。ひょっとして君の名は
のはらしんのすけ君!?(違うから)
 まあ一家の主がそんなですから、家庭はやや荒れ気味。いつも口論が絶えません。
ちなみに一家にはインクレ夫人、長男ダッシュ君、長女バイオレットちゃん、と生まれたばかりの
次男ジャックジャックがいます。
 バイオレットちゃんは微妙なお年頃。片目隠してワンレンといった感じですが(今時ワンレンを
分かる人はいるのか)、両目出した方がかわいいのに。しかしこのウエストの細さはワンピースの
ナミと張れるでしょう、間違いなく。

 インクレ氏のところにかつてのスーパーヒーロー友達、フロゾンさんが訪ねてきました。
頻繁に来るようです。昔の栄光の日々を語り合っては、治安を時たま守るのが彼らの
少ない楽しみのようですね。でもこういう生き方もいいんじゃないでしょうか。燃えさかる
炎の中に一家が取り残されていても、普通の消防士では入ることは出来ません。そういう時
にこそ、炎も、崩れる建物も平気なスーパーヒーローが必要なのです。
 ところがどっこい一家を助けて飛び込んだ先がなんと宝石店。インクレ氏とフロゾンさんは
銀行強盗と間違われ慌てて逃げ出しました。つーかもうちっとマシな助け方しろよ…。
 しかしその様子を物陰から見ていた女性が1人…。(借金取りではなさそうです)

 深夜遅く戻ってきたインクレ氏と口論になる夫人。まあ、夫が過去の栄光を未だ忘れられずに
「ヒーローごっこ」をしていて、そのせいで何度か引越しを余儀なくされていると思えば腹も立つ
ものです。
 芸能人と同じく、落ちぶれることほど寂しいものはないのでしょう。
 よく、「あの人は今」という番組に昔話題になった芸能人が出てきますが、それはいいとして、
当時の写真と比べてあまりにも寂しい頭だったりするとちょっと気の毒に思えるものです。
スタジオみんなの視線は頭に釘付け。

 で。インクレ氏は上司に呼び出しを受けて叱られていますが、彼の言った「人を助ける仕事
なのにどうして助けてはいけないのか」という言葉は真理をついていますね。
 保険というのは何か思わぬ災害にあった時のためのものです。なのにそれを「出来るだけ
適用しないようにする」というのは本末転倒だし、何よりそういう保険屋が多いのもまた事実です。
海で遭難しそうになって開いた救助ボートに穴が開いていたとき、どうすればいいんでしょう。
エスプリのきいた保険屋なら「ああ残念。あいにく当社のこのタイプは穴がデフォルトなんです」
くらい言うかも知れませんが。シャレにならない世の中だから困ったものです。

 えーと。そんなこんなで上司を吹っ飛ばしてクビになったインクレ氏ですが、捨てる神あれば
拾う神あり。一通のメッセージが舞い込んできました。
 インクレ氏の「スーパーヒーローとしての」力を借りたいという女性の名はミラージュ。
 まあインクレ氏が過去の栄光を求めて仕事を引き受けるのは当然として、スーツが入らない
というのはアメリカのヒーローもののお約束みたいな感じでいいですねぇ。服はきるもの、って
いうイメージがあるのだなと。
 日本だと着るというより「装着する」という感じですよね。ぱーっと光って何かかざすと全身
ボディスーツに切り替わる、みたいな。だから体型の話は出てこないし、敵の手にアイテムが
奪われると敵が装着してしまう。(仮面ライダーなぞはもう誰が変身しても同じという感じ)
 これが日本とアメリカの違いですかね。
 アメリカは妙に人間臭いというか生活臭のしみついたヒーローが好まれるのかな、とちょっと
思いました。元々が移民の民族ですから、ヒーローにも一体感というか「身近」を求めるので
しょうか。確かにあまりにも人間離れしたヒーローというのは、アメコミにも少ないような気が
します。(怪物ヒーローなどにしても、実験失敗の結果生まれたとか、放射能で被爆したとか…)
 
 ミラージュからの依頼で、誰も知らないような大海の中にぽつんとある島において、なんかの
メカと戦ったミスターインクレディブル。何とか倒しますが、体力・技ともにしばらくはリハビリが
必要のようですな。
 インクレ氏は元の自分に戻るために体を引き締め始めます。
 でもって、スーツを修復しようとエドナという女性のところを訪れますが、彼女はもう大張り切り。
完全に新しいスーツを作るつもりです。つーか人の話聞けよ。
 会話がかみ合わないままいつの間にかスーツを新調することになってました。ああ会話って
すばらしい。
 このエドナという女性、誰かに似てんですが…。誰だろう。あああれだ。市松人形。
(今夜貴様の枕元に市松人形が立つ!!!!!)

 一方、急に体も引き締まってりりしくなった夫に、一抹の不安を抱く夫人ヘレン。エドナに
たまたま電話したらスーツが一家全員のが出来上がってると聞かされてビックリ。いやー
気が利いてて嬉しいんだか嬉しくないんだか…。
 でもあんな一方的にしゃべって電話切る人嫌だ。

 ま、インクレディブルも完全にミラージュのことを信用していたわけではなく。不審がって
いろいろ調べてましたがとッ捕まったようですね。
 ここに現れたのが「シンドローム」という男。もう見るからにお前それヒーローというより
完全な悪役やんというスーツが素敵ですが、この男昔インクレディブルの周りをウロチョロ
していたファンだというあの男の子。あの頃からファッションセンスの悪さは直ってなかった
わけですね。お前ヒーローを研究する前に自分のセンスを何とかしろと。
 ギリギリ逃れたインクレディブルは水のそこからもぐっていった先でとあるヒーローの
遺体と、残された謎のメッセージを発見。
 シンドロームのアジトに乗り込んでいってシンドロームが、自分がヒーローとして華々しく
登場するために今まで何人ものヒーローを「実験」として殺害し、得たデータを元にメカを
作り上げていたことを発見します。ちゅーかさすがはアメリカ。生半可な悪役ではありません。
 あと彼の容姿からしてもどう考えてもヒーローは無理というかいやその。

 ヘレンはエドナのところに行ってスーツの説明を(きわめて一方的に)されますが、そこで
押しちゃった、インクレディブルの居場所がわかるというボタンのおかけで彼はシンドローム
にとっ捕まりました。あーあーあー…。
 ともあれ、彼が正体不明の敵に捕まっていることを知ったヘレンは一応スーツを持って
飛行機をチャーターして島に向かいます。
 置いてきたはずの子供たちが乗っているのはお約束ですが、ジャックジャックをベビーシッター
に依頼して置いてきたのはちょっとやばいかなと。しかもそのベビーシッターがどう考えても
きちんとできるような人には見えず。まあジャックジャックもタダモノではなさそうだから
いいでしょう。
 ひまわりも必ず連れて行く野原一家とは大違いです。

 で。飛行機はシンドロームが発射したミサイルで粉々。逆上したインクレディブルはミラージュを
人質にとりシンドロームを脅しますが、まったく利かず。確かに彼が人を殺せるはずはないのです。
一方、「やれるものならやれば」と言ったシンドロームに、ミラージュは不審を抱いたようですね。
 なんちゅーか…。こうやって形だけのヒーローとして君臨するよりも、悪役でとことんやった
方が信者とかも出そうな気がするんですけど、シンドローム。世界に一人くらいは君の側について
くれる人が出てくるよ、うん。
 どんな悪役でも何人かはファンがいるものだしね。ほら、ネズミ男とかぬらりひょんも。
 私的な目的のために人を殺した時点でヒーローにはなれないんですよ、シンドローム。

 島に上陸するインクレ夫人と子供二人。ここから別行動です。
 つか子供二人残していくより、朝になるのを待って探した方が…とか思うのですが。
こんなガキどもだから何するかわかりゃしねーし。
 でもインクレ夫人のように伸びる手足ってのはいいですねー。寝転んだままで数メートル
先のテレビのチャンネル変えたり、寝転んだままで冷蔵庫の飲物取ってきたり、寝転んだままで
本棚の漫画が取れる!(お前の生活の中心は布団の中か)
 あー寒い布団から出ないですべてが済む方法ねーかなー。

 懸命に夫の行方を捜すインクレ夫人の苦労も何のその、子供達は子供達で大変な目に
あってますよ奥さん!
 それはもう能力を発揮しまくって敵から逃れたり戦ったり忙しいダッシュとバイオレット。
ま、正義の味方の力を受け継いでますからそう簡単には死なないでしょう。
 そして奥さんも奥さんでやっと忍び込んだと思ったら、インクレディブルを助けたミラージュ
とダンナが抱き合う場面を目撃して修羅場ですよ。ここで思いっきりテレビに電話ですよ!
奥さん、みのですよ!ファイナルアンサー!(無茶言うな)
 そんなこんなで何とか家族一家合流しまして、もうここまで揃えば怖いものなし。でもって
シンドロームが街に向かったと聞いてミラージュ協力のもと街へ。フロゾンも合流して最強
メカを倒し、やんややんやの大喝采。
 ところが家に帰った彼らを迎えたのはベビーシッターこと実は生きていたシンドローム。
彼はジャックジャックをさらって行こうとしますが…?

 後半がかなり忙しい感はありますが、情けないヒーローの姿にがっかりしていたならば
それを十分覆すだけの爽快感はあります。
 ミスターインクレディブル、やっぱり彼は家族思いの優しいヒーローです。
 この映画を見て思いました。
 寝転がったまま何でも出来そうな、ゴムゴムの手足か、ヘレン夫人の能力が欲しいと。



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→Mr.インクレディブル