多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→白夜行


白夜行

2/9鑑賞

 この映画は良くも悪くも重いですね。
 私としてはこれ、R-12(PGではなく)指定くらいあってもよかったんじゃないかと思います。
精神的によろしくない。
 ま、小学生がこの映画を見ようとするかというと、しないだろうとは思いますが…。

 
 さて。
 冒頭からいきなり、パンイチの男がホウキでドンドン2階の部屋の窓をつつきながら
「ぼっちゃーん」とか。
 …おかしいな、なんだか状況についていけないぞ?
 なんだこの変態男は。

 えーと刑事の名が途中まで出てこなくて困ったんですけど、笹垣と言う、2時間サスペンス
ドラマで「奥さん!死んじゃあいけない!生きて罪を償うんだ!」と説得してそうな刑事が
公衆電話で「当分帰れそうにない」と連絡しています。
 死体を見つけたという小学生3人がそれぞれ事情聴取を受けているのですが、ガキらしく
まとまりのないところを発揮してくれて刑事イライラ。
 逃げる時に使ったドアが、いつもは開いていた、昨日は開いてなかったとかで言い合いになって
ます。まあここは実は重大な伏線だったりするのですが。

 死んでいたのは桐原という男で、質屋を営んでいた。
 何かで背中を一突きされており、死ぬまでに相当苦しかったようですね。
 んでなんでこのガキどもが第一発見者になったかというと、廃ビルのダクトを這いずり回る
ゲームが流行っていて、それをやっていて中に入り、死体を見つけたらしいです。
 ガキどもは菊池とそのお供達ですが、こいつらも後でちょっとかかわってきます。
 笹垣は桐原のベルト穴がずれていることに気づく。
 つまり死ぬ直前にズボンを下ろすようになことをしていたということで、犯人は女ではないか、と。
 すごいですねー。
 まあ大食い大会に出て腹パンパンになって自分でゆるめたってことはなさそうだから、犯人に
よって、というのが有力でしょう。
 さらに、ホテルが近くにあるのにこんなところにいるということは見られると困る相手か、と
考えます。

 桐谷の奥さんによると、財布とライターがないとのこと。
 これ未だに「犯人」が持ち去った理由がわからんのだけど。単に別の人間に容疑をかぶせるために?
だとしたらものすごく緻密に考えましたね。とっさのこととはいえ。
 それから刑事らが調べてきたところによると、奥さんと桐谷はうまくいってなくて、事務員の松浦と
奥さんは不倫関係にあったらしいです。
 アリバイもあいまいで、奥さんが疑われているっぽい。
 さらに、近所の主婦が質屋を訪れた時に、明かりはついていたのに誰もいる様子がなかった、と。
 本当にいなかったのか出られない状況にあったのか…。
 つーか松浦お前かよ冒頭のパンイチ男は!

 この後桐谷の奥さんに話を聞きに行くのですが。
 刑事多いよ!
 9人で来て何するんだよ!
 後ろもうただメモとってるだけの存在になってるだろうが!多すぎだよ!
 ちったぁ現場周辺の捜査に回れよ!
 笹垣は、息子に話を聞こうとします。
 この家ちょっと変わってて、二階への階段に下からカギがかけられるようになってる。
 それは、屋根を伝って物取りが、2階から侵入するのを防ぐためだそうですが、だったら2階にいる
息子は犠牲になってもいいんかい。
 ともかく上がっていくと、息子の部屋は骨董があってすごい渋い趣味…と思ったら質屋の品を
ここにもおいていたらしい。あ、なるほど…。
 つーかこんな部屋にいたら息子うなされるわ!
 笹垣が切り絵上手だねーとかアマチュア無線やるんだー、と必死こいてご機嫌取りをしている
ところで息子の亮司が何の話を聞きたい、と聞いてくる。
 おいおいお前…眉毛の上で前髪切りそろっとるやないか!(どうでもいい)
 笹垣は、昨日のテレビ、どんなものを見たか聞きます。
 クイズダービー見てたそうです。はらたいらが竹下さんに負けたらしい。チッ、倍率ドン、さらに
倍は通用しなかったのか…!

 この後笹垣は自分の息子を見舞いに病院にいきます。
 状況からしてガンか白血病かな…。
 大変そうでね。

 捜査本部では、桐谷の足取りが判明してくる。
 午後3時ごろ、プリンを3つ店で買い、西本という女の家に向かったらしいです。
 西本は生活が困窮していてよく質屋を利用しており、愛人の可能性がある、と色めき立つ刑事たち。
 で、向かうわけですが、なんつーか…すごい地域ですね…。
 留守番を女の子がしていて、すごい用心深くていい躾されてんな、と思ったけど、今思えば別の
意味で用心してたんだろうな…。
 笹垣らが刑事ということで中に入れた彼女、雪穂は、風と共に去りぬ、を読んでました。
 私もまだ読んでないのに…!(小学生に負けてんじゃねぇよ)
 西本を待っている間笹垣らは、プリン買った店の包み紙があるのを見つける。
 そうしているうちに母が帰ってきて、桐谷とどういう関係か、と聞くわけですが。
 明らかに動揺した感じの西本は、犯行のあった日は来てないと言おうとするけど雪穂が先に
来た、と答えます。なかなか頭がいい子のようです。
 雪穂自身は図書館にいたらしい。
 近くに来たから寄ったといった西本の話も明らかに変ですし、これは南雲先生か翔子を呼んで
こなければいけませんね…!
 刑事の一人が雪穂がいい匂いしたとかいっててちょっと引いた。

 捜査本部に、西本が公園でブランコに乗ってる目撃情報が寄せられた、と報告が入ります。
 誰かが「いい年した女が」と言ってたけど何歳だろうがブランコに乗ってもいいだろうが!
 それから西本には別に若い愛人がいたことがわかります。
 日用品配達をしているらしいのですが。
 この次のシーンでものすごい泣き喚く男がいたから何かと思ったら、これがその愛人だった。
 こぇぇよ!
 事件にかかわりある男はこういう変態チックな登場しないといけない決まりでもあるのかよ!
 刑事に取り押さえられたこの男、寺崎が、両手両足持ち上げられて出てくる様子ちょっと
笑いました。完全に運ばれとるがな。

 言うことがコロコロ変わったり、この態度といい、明らかにおかしいことはおかしいのですが、
決め手がなくて釈放はしたらしいんですね。
 また、ガキの菊池が、桐谷の財布を盗んでいたことがわかり、逃げ出すときにドアが閉まって
いたという供述も怪しくなってくる。
 だから笹垣が主張する、ドアが閉まっていたなら犯人はどうやって逃げたのか、誰がふさいだ
のかという話もあいまいになってしまうんですね。
 そんな中、寺崎が運転をミスって死亡したという知らせが入ってきます。
 そのジャケットからは桐谷のライターが発見された。
 
 雪穂の方はそのころ、大家らしきおっさんに、母親がカギをしめて出かけたからあけて欲しいと
言いに来るのですが、その大家がカギをあけて中に入ってみると、ガス漏れしており、中では
西本がテーブルに伏せていた。
 さっきまでヨレヨレだった大家がシャキッとして窓開けたり通報してるのが面白いですな。
 あと雪穂が入ろうとすると遠ざけるのも。
 西本は風邪薬や睡眠薬などを服用していて意識がもうろうとしていたところに、味噌汁が
吹きこぼれてガスが漏れた状態になり、死亡したということらしい。
 本部では自殺の線もある、と考えます。
 このころは吹きこぼれで火が消えるとガスが止まる装置とかついてなかったですからなぁ。
 笹垣はまだ、桐谷を殺してどうやってビルから出たんだ、という話をしてるけど、お偉いさん
達は「ヤレヤレだぜ!」みたいな顔をしています。
 というわけで、被疑者死亡で立件して終わりだーみたいな感じに。
 
 そんな中悲しい出来事がありました。
 笹垣の子供が闘病のかいなく、亡くなったようです。
 かわいそうですね。

 時は過ぎて昭和61年。
 調べてみやんしたらこの年も大雪だったらしいですね。
 …まあ今年の雪にかなう記録は当分でてこないでしょうが…。

 ともかく、一人の女学生がいじめにあってます。
 ああこの頃積み木崩しとか、いろいろあったもんなぁ。
 つーかそのいじめてる子をブスとか言ってるけど。
 …いやあの、ブスにブスと言われてもなんだかなって感じですよ?
 この女の子はエリコというのだけれど、そのエリコに成長した雪穂が一緒に帰ろうと声をかけてくる。
 そんな帰っていく雪穂らをこっそり隠れて写真撮ってるガキがいます。
 んで、雪穂の心無い噂をしている藤村というグループがいるんですな。
 これがエリコをいじめていたグループであり、雪穂より藤村の方がきれいだとか、母はヤクザの
愛人だとかなんだかいろいろと。
 家で雪穂はエリコから、おかしな噂を流しているのが藤村であると聞きます。
 おそらくこの時が初めて、雪穂がしっかりとした自覚を持って動き出した頃なんではないですかね。
 もちろん、作品中でわざと語られてないだけで、成長するまでにいくつもあったかもしれないけど。

 雪穂の写真をとっていたのはちょい不良校の生徒らしいんだけど、そこに菊池がいました。
 悪く育ってやがんなー。
 写真とってた子に、本田美奈子のコンサート行きたいとかほざいてて、さらに菊池は雪穂の写真を
見て彼女が、西本雪穂であると気づく。
 そこにいた亮司に、お前の親父を殺した犯人の子だぜぇーとか言ってますが亮司無反応。
 つーかあんたこんなのとつるんでるのかよ。
 雪穂は西本が死んだあと学校にこなくなったらしいです。
 どうも菊池が苛め抜いたらしい。
 それを何とも思ってないなんて、こいつの性格の悪さがわかりますね。

 菊池はこの後、雪穂がいる学校の帰り道に立ち、雪穂を探し始める。
 おそらく脅して自分の思い通りにさせるつもりなんだろうなぁ。
 彼にとって不幸だったのは、雪穂の方が何倍も狡猾で、行動が早かったところでしょう。
 まあ菊池には同情できんけど。

 少しして藤原が暴行される事件があり、雪穂の証言から、写真を撮っていた子が警察に
連れてこられる。
 彼は現場にあったというカセットデッキを見て、菊池のものだという。
 つーかお前、疑われてあわてるのはわかるけど、立ったり座ったりおちつかねーよ!椅子に
しばりつけんぞ!

 というわけで刑事ら、今度は菊池の家に行くのですが、ここの家族がなんつーか個性的で
笑ったというか。
 おい…後ろにワカメちゃんいんぞ。思い切りスカートからパンツ見えてんぞ。隠せ。
 この後父親が飛んできて、「お前なんてことしたんだ!俺が殺してやる!」みたいな展開に
なってて、刑事があわてて止めてるのちょっと笑いました。
 今も昔もそんな変わらないのかもしれないけど、やっぱり昔の方がこういう、人様に迷惑
かけるなんて恥、という考え方する人が多かったように思います。

 雪穂とエリコは藤村に、私たちがしゃべらなければ大丈夫だから、と言ってるわけですが。
 まあこれで確実に藤村はおとなしくなるし、エリコをいじめたりもしなくなるでしょうね。

 またまた時は過ぎまして、昭和63年。
 ここは少し別の人の展開になるので注意が必要です。
 私最初状況が呑み込めなくてよくわかんなかったし。
 女3人で来てる連中が、男3人と会ってこれ、なんていったらいいんだろう。出会い喫茶の
古い版みたいな?ことになってんだけど、若い女性一人は生理的に受け付けなかったようで
逃げてしまいます。
 でも、時計を落としてきたのに気づいてこっそり戻る。
 気まずいのはわかるけど、勝手に入っちゃダメだろ…。
 したら中に男の子がいてビックリするんですね。
 彼はここに住んで、ああいうのを取り仕切って金作って暮らしているようでした。
 この女も、探し物見つかったんだから帰ればいいのに、何を勘違いしたのか、上から目線で
説教ですよ。バカじゃなかろうか。
 こんなことしてちゃダメよ、とか親御さんは、とか。
 お前は風俗で女性に偉そうに説教するダメ親父か!
 自分がそこに来てる時点で説得力ないってのが全然わかってないんだけど。
 さすがにブチきれた男の子に乱暴されそうになって涙目で謝ってるし。
 謝るくらいなら言わなきゃいいのに。
 さらにそのあと、男の子が部屋に戻ったので今度は自分の身の上を語り始めます。
 うぜぇぇぇぇ!この女うぜぇぇぇぇぇ!
 キャバクラで成績あげようと、ドンペリ勝手に頼むお妙さんキャバ嬢くらいうぜぇぇぇぇぇ!!!
 
 男の子はいい加減うんざりしたのか知りませんが、自分はここで売れるものがあるから
売っている、買うやつがいるから商売成り立つ、と言って黙らせました。
 しばらくして女、言いました。
「私にもビール一つちょうだい」
 図々しいにもほどがある!!!

 笹垣は係長から、松浦が指名手配犯になったことを知らされます。
 あ、あのおっさん何やってんだこれまで…。
 桐谷の奥さんはクラブを開いてたんだけど、すっかり元気になっちゃって、たくましく生きておりました。
 なんでも、松浦は桐谷の家と土地を手に入れようという目的があって、奥さんにすり寄っていた
らしいのだけど、家と土地は桐谷本家の名義だったため、主人が死んでも奥さんのものには
ならなかったんですね。
 それを知って松浦は金を持って姿を消したらしい。
 どうしようもない人間だな。
 それで苦労してこの店を持ったそうですが、この奥さん意外に努力家だと思います。
 んで亮司はと聞くと、高校出てそれからどっかいったらしいです。
 この家はみんなくるってると言い残して。
 
 時は流れて平成元年。
 消費税3%導入された頃ですな…。
 大学生になった雪穂とエリコはダンス部に入る?のかな、見学にきてます。
 雪穂が踊るのを見ているエリコに声をかけてきたのは…根津さん!根津さんじゃないですか!
執事の仕事から転職されたんですか!?(メイちゃんの執事もう何年前になるだろう…(笑))
 彼の名は篠塚。
 雪穂のことを褒めるんだけど、直接本人に話しかけずにエリコに話しかけた理由として、
将を射んと欲すればまず馬を射よ、とかなり失礼なことを平気で言ってるあたり、根津時代から
女癖の悪さは変わってないようです。(根津もう違います)
 篠塚の家は結構なお金持ちのようで、三枝という、なんかテレビにも出たりしてる有名な人とかも
出入りしているようです。
 雪穂の視線からして「三枝、キミに決めた!(ピカチュウ、君に決めた!の口調で)」といったところ
でしょうか。
 ある意味雪穂の一番長い計画がスタートしたのかもしれません。

 この後エリコは篠塚と交際を始めるんだけども。
 篠塚、車の中でエリコと話をするのはいいけど、運転しながら話をしろよ。
 車止めたままであれこれ話すとかなんかカッコワルイよ。あとそこ多分駐禁だよ。

 雪穂とエリコが帰っているところへ、なんと松浦が声をかけてくる。
 エリコは帰るわけですけども、松浦はニヨニヨ。
 雪穂に金を無心してくるわけなんですね。
 要するに、容疑者の娘だということを黙っててやるから金をくれってことなんでしょうね。
 もしここで雪穂が、こいつが指名手配されていることを知っていたら事件の流れは変わって
いたでしょうか?
 …変わってないかもしれないな…。
 秘密を知っている人間には消えてもらわないと困るのだから。

 翌日雪穂はエリコに、昨日の人のことは誰にも言わないで、と言います。
 エリコのことだから、絶対に誰にも言わないだろうし、秘密は墓場まで持って行ったでしょうが、
悲しいかな、雪穂には多分人が信じられなかったんでしょうね。
 この後エリコは、配達人を装ってきた男に襲われます。
 つーかキミ、相手が帰ってもないのに、荷物に気を取られて視線外しちゃダメだ。

 雪穂は篠塚に会って、エリコは別れたいといったと話し、そのあとエリコは本当のお嬢様だから
飽きたらもう捨てるの、私はいつもその整理をさせられてるとうまく取り入って、篠塚の恋人の
地位を手に入れるんですね。
 このあたりから雪穂のしたたかなところが表に出てきて、ぞーっとしてくるのはいい感じ。
 でも今まで見てきた悪女といった感じてはなくて、なんていうか不快感は感じなかった
ですね。
 雪穂に同情する部分があるからかな、と思ったんだけど、観客の心までつかんでしまっている
としたら大したもんだと思います。

 さて。
 久しぶりにあの女が出てきました。
 上から目線で男の子に説教かましてえらい目に遭いかけたやつです。
 つーか名前わからんかったんだけど、サイト見たら名前出てた。
 典子さんか。え?派遣戦士?(それ山田のり子)
 典子は結局あの男の子と同棲してるんだけど、この子が亮司であることがわかります。
 何してんだお前、と思ったのですが。
 実はこの同棲には恐ろしい計画が隠れていたことが後でわかります。
 すげぇーって思った。
 
 この後松浦は亮司と再会します。
 松浦にしてみればたまたま、って感じだったんだろうけど、亮司はある計画を胸に秘めて
いました。
 確かに、目の前から消えて欲しいだけだったら警察に通報すれば済むしね。

 亮司が典子に過去を語るシーンがあって、父が自分が切り絵が好きだと知るとドイツ製の
ハサミを買ってくれた、などさりげなく出されていますが、こういう伏線の出し方は東野さん
らしいなぁと思いました。ここはかなり重要な伏線です。
 この後ゴミ箱のコンドーム見てどうして、と典子が言ってることも多分伏線。
 というかこれは映画では伝わりにくいからバッサリカットでもいい気がしましたが。

 桐谷の奥さんのクラブで飲んだくれている笹垣は、そこに飾ってある切り絵に気づきます。
 それは、風と共に去りぬで出てくる場面のものでした。
 いきなり雪穂と亮司のつながりができたことに驚く笹垣。
 児童図書館を訪れてみると、よくいろいろ本を貸出ししていたことがわかる。
 被害者の息子と容疑者の娘はお互いの存在を知っていた。
 そこの管理の人に聞くと、時々女性がやってきて、作ってきた人形を古いものと取り替えて
くれるそうです。それが雪穂ではないか、ということらしいのですが。
 つーかおっさんども!話している傍らでモロ雪穂が帰っていっとるやないか!

 次に笹垣は、雪穂の養母、唐沢に会いにいきます。
 彼女曰く、雪穂は遠縁にあたるのだけれど、西本が自殺する少し前から突然遊びに
くるようよになって、自分に何かあったら守って欲しいみたいなことを言ったらしく。
 そしたらあの西本の自殺が起きた。
 葬儀で自分を見てくるのでどうしても捨て置けず養女にしたらしいです。
 なんていうか…後でわかって思い返してみると、子供ならぬしたたかさに舌を巻きます。

 その頃亮司は、ミステリー小説を書いてみたいとか言い出し、薬で人を殺すなら何を
使う?と典子に聞きます。
 青酸カリとか言っちゃう典子。
 アホだな、この時代ならまだ規制なしで手に入るものが他にもあっただろうに。(コラコラ)
 リアリティを求めて実際に手に入るものを使ってみたい、と言う亮司のために、バカな典子は
手に入れることを決意します。バカタレ!バカタレ!もっかい言うぞ、バカタレ!
(そのネタ、ドラマのコントロールでも使っただろ)

 笹垣はある喫茶店で電話をしていて、土砂崩れが起きて松浦の死体が出たということを
聞きます。
 白骨死体ということは、松浦が最後に登場した時から数年くらいは経過していると思って
間違いないのかな?本当なら8年くらい経過しててもおかしくないんだけど。
 と、電話を終えて出ようとすると(当時のこじゃれた喫茶店では、公衆電話はおしゃれな
ボックスに入っていることが多かった)誰かとぶつかる。
 この後席についてコーヒーを飲もうとする笹垣ですが。
 ここは刑事のすごさを見せつけられた気がしましたね。
 彼は店員を呼びとめて、さっきこの席に誰かが座っていなかったか、誰かがこのカップに
触らなかったか尋ねる。
 自分は左利きではないのに持ち手が左側になってたんですね。
 これ…右側にあったらそのまま飲んでたかな…。
 ともかく笹垣は、何かをさっきぶつかった、店を出て行った男が入れたことに気づいたわけです。

 典子の方は手に入れた青酸カリが使われているのを気づき愕然とします。
 その横ではニュースで、笹垣のコーヒーから青酸カリが検出されたことを報道している。
 つまり亮司は彼女を利用したということですね。
 そして典子は亮司が帰ってくるのを待ちわびて、一人ワインを飲んでいるのだけど、その
ワインにもご丁寧に青酸カリが混入されていて彼女は死亡。
 死に方が鬼気迫っていて怖かったっスよ。

 刑事らは青酸カリの瓶を見つけて、喫茶店で検出されたものと一致したことから、この女が?
みたいな感じなんだけど、笹垣は当然知らない。
 けれども、部屋の中に飾られていた切り絵を見て、亮司がここにいたことに気づくわけです。
 つまり、自分を殺そうとしたのは亮司であると。
 こんなあからさまな証拠残しやがってアホかてめぇ。

 雪穂の方は篠塚と結婚してましたよ。
 これで計画の第一段階成功ですか?
 つーかここのシーンで、雪穂の髪の毛の先がガウンにひっかかって広がって、アニメキャラ
みたくなってるのが気になった。毛先がありえない広がり方してます、的な。
 お前はプリキュアに出てくるキャラか。

 時はすぎて平成10年。
 ある男がベンチで死んでました。
 探偵らしいです。
 これは別の探偵の出番だ!(リアル社会では警察の出番だ!)
 雪穂はすっかり三枝に気に入られていて期待されているようです。
 その一方で篠塚はもうすっかりダメらしい。引きこもりみたいになってるらしいよ。
 笹垣の方は定年を迎えて退職していました。なるほど、これから2時間ドラマご出演な
わけですか…。(違)

 篠塚が食事してるところへ鼻息荒く入ってきた女の子がいて、お前はなんだと思ったら
妹らしい。
 うわぁ…小姑かってくらい雪穂にダメ出ししやがった。
 彼女としてみれば、仕事が忙しいからって旦那に一人で食事させて帰ってこない雪穂が
許せないらしいです。
 でも腹へりんこの状態で9時10時と待たせるのも可哀想な気がしますが…。
 そこに雪穂が帰ってきて、この妹ミカはドスドスッと歩いていってしまいます。将来絶対
肉食系女子になるな…。
 話を聞いていた雪穂は、あんなに嫌われてたなんて…といった感じだけれども、その
表情からは本当にショックを受けているようには見えない。怖いです。
 翌日雪穂はもう少し先に開店する予定のお店の中で、何か作ってました。
 これが重大な伏線だったとは…!

 そんな中、ミカが何者かに襲われます。
 またこのパターンか。
 雪穂はミカを病院に連れて行ってますが、多分これで自分にミカをなつかせようという
計画なんだろうなぁ。
 ミカを組み敷いて、思い出すなら襲った男じゃなくて私を思い出しなさいって言ってて、
それでミカは優しいと勘違いするわけですね。
 記憶のすり替えかー。
 すぐ立ち直れるわ、と励ます雪穂は、自分も同じ経験がある、とミカに言います。
 自分からこういうこと話したのは、ミカなら本当に誰にも言わないからと思ったかも
しれないですね。言えることでもないしね。
 私はもっとひどかった、悪魔に何度も襲われた、悪魔は一人じゃなかったから、という雪穂。
 ここから、事件の真相が見えてきます。
 
 笹垣の方は、もう刑事退職したんだからよしとけばいいのに、また桐谷の奥さんの店に
いって話を聞いていますが、ここで思わぬ事実が。
 奥さん曰く、桐谷は毎晩のように西本のところに通っていたらしいです。
 しかも、大人の女はダメだと。
 つまり、桐谷の目的は西本ではなく、雪穂の方だったわけです。
 これは衝撃ですね。
 さらに、雪穂が持ってきてた人形をばらして調べていた笹垣は、ついに雪穂と亮司が
連絡を取り合っていた証拠を見つける。
 人形の首にかけられていたビーズアクセサリーでした。
 それがモールス信号になっていた。
 解読してみると、ミカの名前が出てくる。
 つーかカタカナの書き方おかしいよ笹垣。
 ツがよめねぇよ。シになってんよ。

 すっかりなついたミカとともに雪穂は出かけていきます。
 一人家の中にいる篠塚を笹垣が訪ねてきました。
 で、雪穂の過去のことを話して聞かせます。
 私どうして笹垣はこんな余計なことをするんだろうなと思いましたね。
 この時には時効も成立してるし、刑事でもなくなったのに、いたずらに人の幸せブチ壊す
ようなことして楽しいのだろうかと。
 話す義務があると感じたというのにしても、それは笹垣の独りよがりなだけで、雪穂が
望んでいるようには思えないし。
 もちろん篠塚としては過去を知りたい、悪夢から抜け出したいというのがあったにしても、
私は笹垣の行動は余計なものでしかないように思いました。

 篠塚はまず雪穂の過去を知りたくて探偵を雇った話をするのですが、その探偵から
大学時代エリコをレイプさせたのは雪穂であるという事実をつかんでいました。
 過去にも彼女の周辺で似たようなことが起きている、と。
 映画では藤村くらいだったけどおそらくいろいろなことをして邪魔な者を排除してきた、と
いうのをここではにおわせているんだと思います。

 ということはその探偵は亮司とのつながりをつかんでいたということなんでしょうか?
 それもなんかすごいとは思うけど。
 ともあれその探偵は青酸カリで殺されてしまったらしいです。ああ、あれか。
 それで篠塚は次は自分の番かもしれない、と戦々恐々していると。
 多分口をつぐんでいる限りは大丈夫だと思いますけどねー。

 それで笹垣は、20年前の事件のことを話し始めます。
 雪穂は当時、母である西本によって、少女愛好者の客を取らされていた。
 そんな雪穂にとって、児童館だけは心が安らぐ場所であって、子供らの面倒を見ていた
老人らによって亮司と仲良くなり、遊ぶようになった。
 ところがある日、亮司が児童館にやってくると、西本の家で雪穂が帰ってくるのを待ちきれ
なくなった桐谷が雪穂を連れて帰ろうとするところに遭遇した。
 父親が何をしてるのか疑問に思った亮司はついていって、廃ビルで雪穂とことに及ぼうと
していた父を見て、ハサミで刺してしまったんですね。
 それで雪穂を外に連れ出し、ドアをふさいでベルトを元通りにしめ、財布とライターを抜き取った。
 どんな気持ちで亮司がこれを行ったか、察するに余りありますね。
 恐らく菊池が財布を取ったのも見える位置に置いといたか、それとも亮司がこっそり細工
したか…。
 この後二人は共謀して、西本も自殺に見せかけて殺したわけです。

 雪穂の店にやってきた笹垣は、店の名前を見てR&Yを、亮司&雪穂であると確信します。
 わからんぞ!リンダ&ヨシキかもしれないじゃないか!(誰だよ)
 雪穂のところにやってきた笹垣。
 彼女が一度会っただけの自分のことを覚えているのに驚きます。
 でも雪穂は亮司のことについては答えませんでした。
 まあなんていうか私は、確かに亮司を使って女性をレイプしたりして突き進んでいく雪穂は
裁かれるべきなのかもしれない、と思うけども、刑事でなくなった今笹垣がしゃしゃり出てきて
引っ掻き回すのもどうか、と思いました。
 本当に確信をつかんだのならまず警察に通報すべきでしょう。
 自分一人で何とかできる問題じゃないのだから。

 そしてその夜、R&Yを見下ろせる場所に亮司がいるのに気づいた笹垣は、向かいのビルに
いって、やっと見つけた、と話しかけます。
 彼に、父親になりたい、いろいろ話したいというけれども、亮司はそのままビルから飛び降りて
死んでしまう。
 この後亮司の過去が流れて、雪穂か篠塚と結婚するのにドレスきてるのを、店の外から
見て喜んでる亮司のシーンがあって。
 なんかすごい愛情だなぁと思いました。
 亮司が一方的に雪穂に利用されてたとか、そういう可能性もなくはないけど、それだけだとは
思いたくないですね。

 亮司の遺体を抱える笹垣は見に来ていた雪穂に「この男を知っていますか」と声をかけます。
 雪穂は、知らない、と言って歩き去って、やってきていた三枝を迎えるのでありました。
 ここは私としては、わざと、雪穂が口を開きかけたところで画面を暗くして、そのあと歩き去って
三枝を迎える、という風に演出してもよかったかなーと思ったり。
 雪穂が亮司をどう思っていたのかは見る人にゆだねます、的な感じで。

 ともあれ全体的にこういう、すごく考えさせられる話でありましたが、さっきも書いたけど、確かに
二人の罪は許されるものではないし、裁かれるべきものだとは思います。
 それを差し引いても、笹垣があんな風に亮司を追いかけていくことがなければ、彼が死ぬのは
まだ先だったかもしれない、店のオープンを見届けてからだったかもしれない、と思ったりします。
 おそらく雪穂の秘密を知る者として亮司は最後自分の死で幕を下ろそうとしていたことは間違い
ないと思うので、それを留めたければ笹垣はもっと慎重に動くべきだったと。
 多分雪穂の店を笹垣が訪れたのを知って、覚悟決めたんじゃないかなーと思うので。
 いろいろな考え方あるでしょうが、私は笹垣の行動には納得できません。父親になりたいというの
ならどうして亮司を追い詰めることしかしなかったのかと。
 
 雪穂の夢はかなったのか。
 それはまだわかりません。
 ただこれから彼女は誰を利用して生きていくのか。
 気になるところです。




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