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名探偵コナン
水平線上の陰謀

4/21鑑賞

 まず最初にタイトルから突っ込んでおきたいのですが、陰謀って「ストラテジー」じゃない
ですよ。このストラテジーというのは「Strategy」とつづりますが、たくらみという意味合いでは
ありますがどちらかというと、戦争に勝つための戦略とか試合に勝つための計画、といった
感じですし、経済にも使われます。strategy for selling(販売戦略)とかね。ちょっとコナンの
映画として使うにはおかしいんじゃないかと…。
 「conspiracy」とかが一番いいんじゃないかと思います。「〜 of murder」で殺人計画に
なりますし。
 ともあれ。変な横文字使うくらいならスパッと日本語タイトルにしなはれ。

 さて今回は公式ガイドブックも発売されるなど気合のはいった感じが見られたのですが…。
私としては前回の銀翼のマジシャンを100とするなら今回は30といったところ。展開は読めるわ
オチもヒネリがないわ、海上と地上のデュアルサスペンスでしたっけ?単に過去起きた事故を
ほじくりくえしただけだわ(地上)…。私は海上と地上で同時に事件が起きて同時進行かと
思っていたので正直がっかり。(殺人の二重サスペンス、というのなら分かりますが…)
 失礼を承知で言うなら、コナン映画を作っているプライドはあるのかといいたい。
 しかも、宣伝と中身のシーンが違うのはよくあることですが、CMのラスト、水に沈みかけた
蘭ちゃんをかかえてコナンが「蘭!」と叫ぶシーン。本当にああいうピンチになってたら面白
かったのになぁと思いました。
 それと作画で少し気になったのが。口元のハイライトといいますか。なんか米粒がついて
いるような感じですごい気になりました。この作画される人だとすべての登場人物がそうなって
しまうんですよねぇ…。

 さて言っててもしょうがないので本編。
 物語はある豪華客船の旅から始まります。もう冒頭からタイタニックのごとく「沈みますよ」感を
漂わせています。案の定氷に衝突して大変なことになりました。
 しかしこれで終わったんじゃコナン映画にはならない。船長を呼びにいった船員が発見したのは
眠らされているらしき船長と、不適に笑う副船長でした。犯罪のにおいがしますよ。何となくこの
衝突も意図的なものに見えてきますな!
 その15年後、なんかがけから車が落ちて事故ってました。これも続けて流すということは何か
関連性があるんでしょう。いやこういうヒントをどんどん出しちゃうのもなんつーか…。

 舞台変わってある船の上。コナンご一行がおります。もうこれでこの船は犯罪に巻き込まれるのが
決定したようなものですが、今回は犯人とおぼしき人間が最初から出ています。コロンボ形式で
いくのかも知れませんね。
 さてここの毎度毎度のタイトルとか説明ですが、マンネリな状況説明が今回はちょっとだけ
変わっていてこれは面白かったです。音楽も良かったですしね。ここの説明、そろそろやめても
いいんじゃないかと思うんですけども…。
 そんなこんなで再度本編です。

 博士が新しい発明品をご披露してます。カフスボタン型盗聴器だそうです。…いや博士、
普通にカフスボタンって子供がしていたらおかしいから。せめてボタンとかにしとけよ。
 ここで日下ひろなりという人物が登場。のっけから「こいつを要チェックや!」とばかりに
登場していた「犯人」です。(身も蓋もない)
 その日下さんの連れである秋吉みなこさん。しかしいつもなら鼻の下が伸びている毛利探偵の
ノリが悪い。妃弁護士に似ているから本調子が出ないみたいですね。…似てるか!?
 コナンコミックスの49巻では、あるキーパーソンに似ているという子供が出てくるのですが、
それも、見てもどう似ているのかサッパリわかりませんでした…。コナンのキャラは独特な
人物観があるようですな。

 ところで歩美ちゃんが、「この船が沈んだらどうしよう」と何気に失礼なことを言っています。
そういうことを言うとコナンの物語では本当になってしまいます。

 この物語、登場人物が多すぎて覚えきれないんですけども、えー、船長が物語冒頭で
沈んだ船の副船長。で、この船のオーナーが八代という人。心臓発作で車ごとがけから転落
して死亡したのがそのグループの八代さんの娘の旦那さんだそうです。ああもう面倒くさい。
 宴もたけなわといったところで、日下さんは気分が悪くなったといって中座。船酔いって、
こういう客船では殆どないですが、フェリーとかだと本当に厳しいです。つーかもう二度と
乗りたくない。
 あーそうそう。この日下さんは船を舞台にした物語を書きたいために乗船したそうです。
ごめんごめん、そんな建前の動機すっかり忘れておりました。
 
 少年探偵団は、空手で優勝したという蘭ちゃんのために、自分達で金メダルを作って
プレゼントしよう!という企画を考案。うんうん、気持ちはうれしいが君たちが何か考えると
ろくなことがないからね?(ひどいな)
 その出来上がったメダルを蘭ちゃんにプレゼント…と普通に渡しても面白くないので
パーカーのポケットにこっそり入れておいて、気がついたところで喜ばせようという魂胆
みたいですね。だからそんなことするから後半蘭ちゃんがピンチに…。
 いやいや子供の好意を無にしてはいけません。とりあえず正月に、挨拶もそこそこに
「お年玉!」とやってくるガキには無視で対抗しようと思います。

 そんなプレゼントにもまったく気づかずかくれんぼをはじめる蘭ちゃん達。オニは園子と
灰原さん。つーか客船全部って広すぎるだろ。せめてこのフロア程度にしとけよ。しかも
コナンは転がってきたバレーボールでいきなりサッカーを始めてしまいます。おいおいおい、
手で打つものを蹴っちゃいかんがな。
 私らの頃には(バレー部)バレーボールを足で蹴りでもしたらゲンコツが落ちたものですが。
 その一方で犯人が動き出しました。呼び出されたのは八代オーナー。さてさて何が起きます
ことやら。
 日下はありふれたトリックを使っています。あらかじめ吹き込んでおいた内容をレコーダー
で再生して(電話で)その間に犯行を行うという。このトリックって、成立しにくいんですよねぇ。
しかし今回に限ってはうまくいったようです。それは何故でしょう。

 かくれんぼの時間が来ましたが蘭ちゃんだけは見つかりません。園子いわく「忍者」だそう
です。天井に張り付いたり池に潜ったりって…忍者以前にどういう育てられ方をしたのかと
思いますが。
 ちなみに私はあまりかくれんぼというものをしたことがないのですが、見つかったこともあり
ません。鬼のすぐそばに隠れていると大抵見落とされるものです。というよりも記憶をたどりますに
淡白な子供達が多かったので、なかなか見つからない子供がいると置いてさっさと帰る
薄情なメンバーの比率が多かったように記憶しています。どんな子供らだ。
 蘭ちゃんが出てきてほっとしたのもつかの間。園子がどこか狭い場所に監禁されている
ことが判明。探偵バッジでそれを知った探偵団+蘭ちゃんは捜索に乗り出します。かくれんぼが
本物の遭難になってしまいました。
 これが面倒修太郎だったら「うわーん!怖いよ暗いよ狭いよー!」と大変なことになっていた
かと思います。
 園子は死体安置所に閉じ込められていました。多分殴り倒した犯人が運んでいったのだと
思うんですが、運んでいる暇、リスクを考えると殴り倒した場所に放置しておいた方が良かった
のではないかと思います。また、通常の犯人だと一人殺すも二人殺すも…と海へポイしてしまう
かと思うのですが、ずいぶんと心優しい殺人者さんですな。(お前は園子に恨みでもあるのか)

 さてそんな騒ぎから戻ってみると、八代オーナーの娘さんが殺害されているのが発見されました。
娘さんというか…ふけてたのでオーナーの奥さんだと思ってましたよ私は。
 で。警視庁からわざわざ目暮警部達がヘリでかけつけてきました。あと毛利氏はなんたら姉妹
の部屋へ行く途中すれ違った不審な人物を思い出します。
 さらに八代オーナーが殺されていることも判明。容疑は、二人のスケジュールを把握している
人間に絞られますが…。
 でも別にスケジュール把握してなくても、それとなく張り込みして見張ってたら分かるよね、
とか突っ込みはしてはいけませんかそうですか。
 毛利探偵は不審人物が男か女かも分からないとのことですが探偵たるもの、歩き方や姿勢、
香水の有無などくらいはチェックしておきたいものです。靴を見れば性別が分かることもある、と
いいますしね。
 あと海の上の密室と断定してましたが、ボートとか用意していたり、共犯がボートで迎えに
きて脱出という説もまだつぶしたわけではないので勝手に断定してはいけません。ホンマに
迷探偵ですなぁ…。多分Lなら「まあ、毛利さんの言うことですから」くらいは言うと思いますが。
「どうでもいい毛利さんのいつものボケです」…。

 目暮警部らはコナンの推理を元に日下さんに事情聴取。ところが日下はアリバイを主張
します。電話で物語を話して聞かせていたとのことです。
 ただ古畑任三郎でも同じようなトリックが出てきますがこちらの方が豪快です。なんと、携帯
電話で企画を話しつつ相手を拳銃で殺害してしまいます。当然相手はそんなこと夢にも思い
ませんし応答もきちんとしていますからアリバイを証言。こちらの方がよりトリックの完成度としては
高いといえます。このトリックを古畑がどう崩したかは各々ご確認下さい。ちなみに犯人役は
あの真田広之さんです。(古畑任三郎 3rd season 「忙しすぎる殺人者」)
 秋吉さんも日下さんの話をきちんと聞いていましたと証言。明らかに日下氏が犯人なのは
間違いないわけですが、ここを切り崩せない限りはどうにも出来ません。
 そんな一方で考え込んでいる毛利氏。一体何を考えていますやら。
 そこへ新たな情報が。娘さんが殺されていた現場では血のほかに、赤褐色の何かをふき取った
跡があるそうです。それは一体何なのでしょうか?どんな細工があったのでしょうか。

 コナンは独自に秋吉さんへ聞き込みを断行。しかし良い手がかりは得られませんでした。
ジャカジャカジャカジャカ…「俺は江戸川コナン。頭脳は大人な名探偵。どんな難事件でも
解けないものはないって言うじゃない。でもあーた、野原しんのすけの方が世界救ってますから!
残念!10年幼稚園児やってます斬り!」
 うわ。つまらん。しかも関係ないし。

 蘭ちゃんは昔のかくれんぼの思い出を話しています。
 昔にも同じようにかくれんぼをして欄ちゃんだけ見つからなかったことがあったのですが、
なんと蘭ちゃんはうまく隠れすぎて出られなくなってしまっていたのです。その時に蘭ちゃんの
場所を推理して見つけてくれたのがコナンこと新一でした。だから今回新一がメンバーに
いなかったから誰も自分を見つけられない、と安心してかくれんぼをしていたみたいですね。
 毎回何かにかこつけては盛大なのろけ話を聞かされる園子も大変です。これを全部録音
しておいて新一に送りつけるという羞恥プレイもあるわけですが、少年誌ですのでそういった
ことはないでしょう。(お前が何言ってんだ)

 コナン、日下さんの部屋へ突撃隣の晩御飯やって数秒で追い出されました。何しにいったんだ
お前は。

 一方佐藤刑事が、えーと、八代オーナーの娘さんの旦那さんの事件に不審点があるという
ことで、調べなおしておりました。
 車の中に不審な遺留品があったということで、白鳥刑事はその形状から「スタングレネード」
を連想します。これは別名音響閃光手榴弾といい、内蔵されたマグネシウムなどを爆発させて、
強烈な閃光と大音響で 犯人を6秒間程硬直させ、その隙に確保又は射殺する為の武器です。
6秒というと短いようですが、実際に確認してみるといかに長いかわかるでしょう。
 ちなみに踊る大捜査線で使用されたのもこれです。
 ただ思うのですがこれで心臓発作を起こしたとしても即死するわけではありません。心臓発作を
起こしてからニトロなどをなめて症状を落ち着かせるといった対応もあるように、即死はしない
ので、例え車に乗ってシートベルトを引っ張ったらそれが作動するようになったとしても、とっさに
ブレーキを踏むのでああいった事故にはならんと思うんですけども。つかシートベルトは車を
発車させる前にしめるから、そこで発作起こしたらその場で苦しみませんか?
 坂の上から車で下っている途中にシートベルトを締めて、スタングレネードが炸裂して心臓
発作でアクセルを踏んだままもしくはブレーキを踏む暇もないままがけ下へダイブ…。あまりにも
偶然だのみな犯行ですな。

 さて毛利氏は皆が集まっている場所で秋吉さんを犯人と名指し。ところがろくな証拠もない上に
反論されてたじたじとなってしまいます。蘭ちゃんや園子は「妃さんに似てるから犯人扱いして」
と言っていますが果たして本当にそうでしょうか?毛利氏が憎たらしい奥さんに似てるからという
チャチな理由で犯人だと断定するでしょうか。毛利氏の性格を考えるとむしろ…?
 その危機を救ったのはもちろんコナン。ハッハー、日下さんをズバリ犯人と断定。つか髪の毛に
黒ずんだ血が残っているといいますけどこいつ風呂に入らなかったのか!?いや普通殺人とか
やらんまでも風呂入るでしょ。え、もしかして数日に1度しか入らないタイプですか?いやだな。
 逆上した日下は「おいら爆弾仕掛けちゃったもんねー」宣言。犯行自体は穴だらけのクセして
こういうところは隙がないみたいですね。しかも取り押さえるのに失敗してスイッチオン。ええい、
体を張って吉本コントやってる場合か。どいつもこいつも余計なことばっかり。
 一人脱出した日下を追いかけてコナンは少年探偵団らと水上ボートを発進。誰一人武器になり
そうなものを持ってこないところは流石少年探偵団だと思いますが。
 そんなこんなであっという間に日下を追い詰めたコナン。
 ところが船からは更なる爆発が。嫌な予感を胸にコナンは、船へと引き返していくのでした。

 皆が脱出していく中蘭ちゃんだけは浮かない顔。歩美ちゃん達がくれた金メダルがないと
いうのです。一度はボートに乗り込んだものの「あそこに落としたかも知れない」と思い出して
船へ引き返しました。
 ちなみに私の部屋では一度なくなったものは二度と見つからないということになっています。
(発見する以前にどこにおいたかすら覚えていない)
 それはそうとして、その金メダルがどんなものかとか、袋がどんなものかとかすら分からないのに
探す蘭ちゃんはすごいと思います。

 脱出しようとした船長を追い詰めるある人物が。
 そう、日下の犯行を(彼自身は知らないまま)利用して自らの目的を遂げた、秋吉さんでした。
彼女にもまた犯行動機があったのです。
 船長を追い詰めた彼女に毛利氏が声をかけました。
 毛利氏は最初から彼女を疑っていたのです。
「流石名探偵、私のことを見抜いていたとはね」と言う彼女に毛利氏はこう言いました。
 「あんたじゃなけりゃいいと思って見張ってたんだ」
 その昔、蘭ちゃんが新一に「犯人が知り合いだったらどうする?例えば博士だったら?」と
聞いたことがありました。新一は「面と向かってあなたが犯人ですって言うさ」と答えました。
 「クールにカッコつけるのね」という蘭ちゃんに対し新一は言います。
「カッコなんかよくねーさ!きっとその時は疲れてボロボロになってるよ…。その人が犯人じゃない、
ありとあらゆる可能性を探し回った後だろーからな…」と。

 まあそんな余韻に浸るヒマもなく二人は格闘を始めてしまうわけですが。いや、そんないきなり
戦闘映画になられましても。しかも二人そこそこ強いし。
 やっと戻ってきたコナンによって決着がつけられなければそれこそ沈む直前までやっていた
かと思います。アホですかあんたらは。
 蘭の居場所を何とか見つけたコナン。駆けつけたヘリによって脱出を図りますがここでも
まあご想像通りのピンチが。船に取り残されたコナンは!?数秒の展開ですのでどうぞ
お見逃しなく。
 それと一番最後のシーンにまたも、怪盗キッドこと黒羽クンが出ているのですが…?

 ところで蘭ちゃんがコナンに「サッカーボール蹴ってたでしょ」と言っていましたが、実際の
その現場を見ていながらバレーボールをサッカーボールと見間違えるようであれば、早急に
眼科へかかられることをお勧めしたいと思ってたんですが、コナンはこれによって、蘭が
見えないけれど音が聞こえる場所にいると判断し、救出劇になったらしいです。
(掲示板でご指摘いただいた方、ありがとうございました)

 ちなみにどうでもいい話ですが、今回の「アフロディーテ」のように船には女性の名前が
付くことが珍しくありません。女性に例えられることも多いようです。それはなぜかといいますと、
単に「お尻が丸い」から。帆船などが主役だった時代の話です。今は四角い船が多いので
そういうことはあまりないようです。
 また、今回は物語の特性上わざとそうしているのだと思いますが、船の名前をつけるに
おいて、沈没や事故に関係のありそうな名前というのは避けるのが普通です。船乗りと
いうのは常人より弦を担ぐ人が多く、昔からの言い伝えを守る人が多いのです。
 あのタイタニック号には姉妹船があったのですが、姉にあたる「オリンピック号」、妹に
あたる「ブリタニック号」、やはりどちらも沈没という運命をたどっています。もっとも、オリンピック号
の場合は他の船と衝突し相手を沈没させること数え切れず。天寿をまっとうしてはいますが
20年の間人々はひやひやさせられたに違いありません。因縁というものはついてまわり
ます。
 タイタニック自体もゼウスに倒された巨人族の名前ティーターンに由来しているので、
やはり縁起でもない名前というのは避けるべきなのかも知れません。
 以上知っていてもまったく役に立たないお話でした。



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