多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→フライト


フライト

3/6鑑賞

 これはひどい。
 こんなひどい映画久しぶりに見た。
 ネタバレありのレビューだから言いますが、予告編見て飛行機を不時着させて乗客を
救った英雄が、ある陰謀に陥れられる話かと思って見に行ったら単なるアル中の話だった。
 これを感動の物語とか言っちゃう意味がわからない。
 パイロットなら当然搭乗前に呼気検査とかやってるものだと思ってたから、そもそもの
前提がもうありえないと思って。
 失礼ながら、見に行くだけ時間とお金のムダだと思いますこれ。
 何より、人命を預かって操縦桿を握る、飛行機のパイロットだけでなくすべての運転手の方を
侮辱した内容だと思うのですが。
 どういう意図でこれが作られたのかまったくわからない。

 さて。
 PG12と銘打ってある通り、冒頭からおねぇちゃんの裸全開です。
 主人公のウィップはかかってきた電話でたたき起こされるんだけど、別れた奥さんが電話で
金を要求していること、息子の学費とかで必要であるということがわかります。
 んでこの後ウィップは9時からフライトなんだよとか言うんだけど。
 …7時14分に起きて9時からフライト…。この時点でもうこいつにパイロットとしての自覚とか
プロ意識とかいうのがないのがよくわかります。
 しかも目覚めの一発でコカインやってるし。
 ちなみに一緒に寝てて裸全開だったおねぇちゃんはカテリーナといって、同じ機に乗るCAのようです。

 なんかもうこの時点ですでにこの物語暗雲立ち込めていると思うんですけど、コクピットに乗り込んで
副操縦士が顔をしかめていたから、酒の匂いプンプンなんじゃないかなと思いましたね。
 ここでウィップ、マーガレットというCAにコーヒーをブラックで砂糖たっぷりと頼んでいたけど、
それはブラックではないと思う!
 副操縦士は今回初めてのコンビで、名はエヴァンス。
 てかこの人も慣れてないのか知らんけどびびりがすごかった。(トラブル起きた時に)

 一方シーン変わってある女性が電話をあるところにかけているのですが、それは薬の売人で、
この女性は薬をやめようと思いつつやめられないという人でした。
 まあ依存性強いとかいうからなぁ。支える人がいないとそういうことになっちゃうんでしょうね。
 結局薬買いにいったし。
 薬は強いやつだから吸うだけにしとけ、注射はするな、と警告を受けるのですが…。
 金はいらないっていい奴だなと思ったけど、常習者にさせるならよくある手口ですね。最初は
タダで配っておいて後から高い金で売りつけるっていう。売人してる奴にいい奴いるわけないもんな。
 戻ってきた女、家賃滞納してるぞおいと言う大家を追い出して、薬を注射しちゃってます。
 本当に話きかないやつだな…。

 そんで飛行機の方に戻りまして。
 乱気流に巻き込まれてそこを抜けたはいいものの、それを説明しながらウィップ、なんとオレンジ
ジュースにウォッカ2瓶入れてそれを飲んでる。
 もう飛行中に飲むとかマジありえんでしょう。
 そうして安定飛行を続けていた中、いきなり機体に異常が発生し、落下し始めます。
 寝てたウィップがパッと目を覚ますのはさすがだけど、操縦が一切できない中、彼は機体を安定
させるために背面飛行をする。
 このあたりはまあ映画だからいいとして、この時に男の子が一人、シートベルトしてなかったようで
投げ出されてしまうのですよ。
 それをカテリーナが危険を冒して助けにいってたのは良かったです。
 その後機体は元の状態に戻りつつも、野原目指して不時着。
 ウィップは頭を打って意識を失い、自分の体が外に引きずり出されていくのをボンヤリ見ている。

 はい、皆さんこの映画の面白いシーンは終わりました!(オイ)

 そうして彼が次に目覚めたのは病院で、チャーリーという彼の古い友人であり、パイロット組合の
一員でもある人が付き添っていました。
 客4人、乗員2人合計6人死んだとチャーリーは言うけれど、乗員が誰かは言わなかった。
 ショックを避けるためだったんですかね。
 ただあの状態でほとんどの人が生還できたと言うのは奇跡に近く、ニュースではもちろんウィップは
英雄扱いなわけです。
 そこに安全委員会が入ってきて話をして、ウィップはカトリーナが死んだことを知る。
 
 この後またチャーリーと会話してて、ウィップが涙を流すシーンがあるんだけど、目に入れた
充血演出のための赤い塗料が流れ出してきてんぞおい。

 そんで少しすると、ハーリンというおっさんが来るんだけど。
 こっちもウィップの友人ですかね。
 えらい親しい様子だけど、テレビでウィップの兄弟だっていってインタビュー受けてたのが出て
いてちょっと笑いました。この人の性格は好きだなぁ。
 彼はいろいろ差し入れを持ってきてくれたんだけど、酒も薬もウィップはいらないと断る。
 おっあの事故でもう改心したんだ、偉いな!とか思っていたのですが…。
 ウィップは彼に、家からあるものを取って来てくれと頼みます。

 その夜ウィップは寝付けなくてタバコを吸いにこっそり階段に行くと、そこにはあの薬決めてた
女がいました。どうやらやりすぎて入院になったようですね。
 彼女の名はニコール。
 で、ぽつぽつ話をしていたら階下から陽気なおっさんが来るんですよ。
 彼は末期がんらしいけど全然そうは見えなくて、すごい陽気でびっくりしました。
 めずらしいがんになったのは自分が神に選ばれたからなんだよって言ってて、それをどこまで
本気で言ってるかはわからないけど、そういう前向きな考え方の出来る人なんだなと。
 そういう性格の人なんでしょうね。

 さて。
 そういうわけでウィップはニコールに住所を聞いて、必ず遊びに行くよと約束してました。
 その後退院したウィップですが、家はマスコミが張り込んでいて帰れないので、父親がやって
いた農場に隠れ住むことにしました。
 なんかつい昨日まで人がいたかのようにきれいなんだけど。
 ちなみにハーリンに頼んで取ってきてもらったものは、冷凍庫に隠していた肉ならぬ、札束
でした。隠し方うめーな。
 あとちょっと気になったのが、杖をつく手が右手だったり左手だったり統一されてないんだけど、
それはいいんか。ケガした方の手でも平気でついてたけど…。

 ここでウィップは、家の中にあったすべての酒を処分し始めます。
 ってか水道に流すのもったいないだろ!
 友人にわけるとかしろや!
 てーかこの家どんだけ酒があんだよ!!ストック多すぎるわ!
 そんなとこにチャーリーから電話が入って、事故の報告書にちょっと不審なとこがあるから、
明日会って話をしたいと言われる。
 彼が出かけていくと、そこには弁護士がいました。
 名前はヒュー。
 なかなかの切れ者弁護士です。ヒューヒュー!(やめなさい)
 彼が言うには、今回の責任を誰かが取らなくてはいけないが、航空会社は制作側の責任に
したがり、設計側は操縦ミスがあったんじゃないかと言ってて、それでまあ何が言いたいかと
いうと、血液の検査をしたところ、ウィップからアルコールが検出されたというわけですよ。
 その数値がとてもまともに運転できるような状態ではない濃度だったと。
 そらあんだけ飲んでたらなぁ。
 ここでウィップ、いきなり「弁護士を呼べ!」と。
 いやだからお前の目の前にいるやつが弁護士だろうが!
 なにその、踊る大捜査線で刑事があわてて「警察呼んで!」って言っちゃったようなパターン!
 アルコールとコカインの反応が出たとヒューはいい、これが事故の原因であるならば
過失で4人を死なせたことになり終身刑だと言う。
 でもこの報告書はつぶしますよと言うんですね。
 だから自分と契約して下さいというわけなんだけど、ウィップはサインせずに立ち去ってしまう。
 そういうことをするのは実際に酒を飲んでいたからであって、やましいからでしょうな。
 その帰り彼は酒をしこたま買い込んで結局家で飲んだくれるんですよ。
 もう酒は飲まないんじゃなかったのか。
 つーかこれ普通に飲酒運転してないか。
 まあ飲酒運転してもいい州はあるんでしょうが。(ただしそれで事故を起こしたら罪が重くなる)
 彼はニコールの家の近くを通りかかっているのに気づいてそこへ立ち寄ります。
 するとたまたま彼女は大家とモメている最中で、追い出されるところだった。
 んで流れ的に彼は自分の家へニコールを連れてくるわけです。
 なんだかなぁ、そういう予感はしたんだよ。

 数日後ヒューがウィップを事故現場に連れてくる。
 ウィップは、目覚ましにコカインをやったことを話すけれど、事故自体は機体の問題だと言う。
 そりゃ運転テクニックそのものは良かったかもしれませんが、アル中の人間が操縦してるって
聞いたら誰しもいい気分しないと思うけど。
 事故しないから飲んでても大丈夫って考え方は好きじゃないです。
 ヒューは、血液検査の結果は握りつぶすし、政府にもコネはあるから大丈夫だ、ただし酒は
飲まないこと、あなたは行動のすべてが監視されています、と警告してきます。
 が、全然聞きませんがなこいつ。
 お偉いさんとの会議でもヒューは、血液検査そのものに問題があった、検査キットは使用期限が
切れていたし、サンプルは誰の血液かハッキリしない、保存液を入れると発酵してそれが反応
することもある、とさすが敏腕弁護士の能力を見せつけてきます。
 君はアメリカの古美門だね!(やめなさい)
 そういうわけで、ウィップを守ればこの会社も守れますよ、と皆を説得します。
 さすがです。

 カテリーナの葬儀に訪れたウィップですが。
 何を思ったのかそこにいたマーガレットに、自分はシラフだったしちゃんといつも通り操縦したと
証言して欲しい、とか言うわけですよ。
 だったらまず事故後から飲むのやめてろと。
 マーガレットも多分嫌悪感持ったんじゃないかなーと反応からして思ったんだけど。

 一方ニコールの方は仕事を見つけて働き始めていて、記念にとウィップにライターをくれた。
 そしてアルコール依存症の会に行くと言う。
 ウィップも何となく付き合うんだけど寝てばっかりでやる気ない。
 自分には必要ないと本気で思ってるっぽい。
 体験談を話していた人が、「酒を飲むためにあれこれ嘘をついた。自分の人生は嘘で塗り固め
られていった」と話していて。
 ウィップは退屈して帰ると歩いていくんだけどその背にかぶさる感じで「嘘は身を滅ぼす、うそつきは
ここにいられない」と言葉重なったのが何とも印象的でしたね。

 その後ウィップはエヴァンスが入院している部屋を訪れる。彼は重傷で歩くのにもリハビリが
必要、二度と職場復帰できないみたいでした。
 でも敬虔なクリスチャンで誰も恨んでないみたいなのがすごいと思いました。
 ただウィップが何しに来たかというと、マーガレットの時と同じで、要するに自己保身をしたい
から嘘の証言してくれ、みたいな感じですよ。
 本当に最低な人間だな。

 ウィップは多分これで自分は有罪になると感じたのではないでしょうか。
 酒を飲みながら農場にあった飛行機の手入れをしていて、ニコールに明日これで逃げよう
とか言い出してくる。ジャマイカへ行くんだと。
 でもニコールはもう自分は薬に逃げたくない、ときっぱり。
 偉いですなぁ。
 明日朝俺が酔っぱらってたら愛想尽かして出て行ってもいい、とかウィップは言ってるけど
今すでにぐでんぐでんに酔ってるあたり、ものすごく説得力ないんですけど。
 というわけで、朝起きたニコールは、彼が酔っぱらって寝てるのを見て、荷物まとめて
出て行きました。
 そうなるわな!
 ちなみに彼女は自分を支えてくれるシーラという女性がおりました。その協力を得て出て
いったわけです。

 ヒューが連絡してきて、血液検査のことは握りつぶした、後は調査している連中の質問に
答えるだけだ、というんだけど、少し問題があると。
 飛行機の機体が回収されて調べられているのですが、ゴミ箱からウォッカの瓶が2本
見つかったらしいです。
 乱気流でドリンクサービスを中止していたから、触れるのは乗員だけだと。
 それで検査でまだ結果が出てないのがウィップと死んだカテリーナらしいです。
 ウィップがふざけて、俺は3本飲んだ、1本消えたぞーとか言ってるんだけど、ヒューは
そういうジョークは連中には通じないから辞めろという。
 てか本当にどうしようもないんですけど、ウィップ。
 ちなみに、パイロット10人に同じ事故をシミュレートさせたら全員飛行機墜落したらしい。
あれが出来たのはウィップだけだったと。
 でもそれは結果論であり、助かったから飲酒と薬が許されるわけではないでしょう。

 ウィップは別れた奥さんのとこに行くんだけど、まーた酔っぱらってて、嫌がった奥さんと
息子に追い出されるわけですよ。
 ここで張り込んでいたマスコミに囲まれるんだけど、ウィップは颯爽とした感じで、家族を
巻き込まないでと言う。
 そういう、体面を保つだけの意識はまだあるんだなぁ。
 でも酒の匂いでばれそうな気もするけど。
 その後ウィップは、チャーリーの家に身を寄せ、断酒することを誓って住まわせてもらいます。
 まあ他人の家だから好き勝手出来るわけがないというのもあって、彼は9日間きちんと
断酒してホテルにやってくる。
 ここで明日聞き取りが行われるのであります。
 そのホテルも室内の冷蔵庫はジュース類のみ、ドアの外には見張りということで、うまく
いきそうに思えたのですが…。

 何と言う運命のいたずらか、隣の部屋のドアがきちんと施錠されてなくて、外に出ず中から
隣に行けるというのもどうかなと思うんですけど、そこをあけて中に入ると、冷蔵庫には
アルコールの類がずらっとあるわけですよ。
 後はわかりますね?
 もうここに新八がいたら「飲むなつってんだろうがァァァァァ!!!打ち切り食らいたいのかァァァ!!!」
くらいの勢いでぶっ飛ばしてたと思います。(新八関係ねぇ)

 朝。
 チャーリーとヒューがやってくると、ウィップはもうぐでんぐでんなわけですよ。
 そういうわけでハーリンが呼ばれ、唖然とする二人の前でウィップは薬を吸ってシャキッとする。
 もうここまできたら何でもいいから乗り切ってほしい…って気持ちなんだろうなあ、2人共。

 取り調べで何とかうまく乗り切ってたんですが、最後の質問でそれは起きました。
 調査委員会のリーダー、エレンは最後の質問ですと言って、ウォッカの瓶が発見されたことを
持ち出してくる。
 しかもカテリーナの血液からアルコールが出たと言ってくるんですね。
 彼女はアルコール依存症で過去二度ほどアルコール依存の治療を受けてるらしい。
 だから、彼女がこのウォッカを飲んだと思いますか、と聞いてくる。
 ここでわかりませんとでも答えておけばよかったものを。
 ウィップは自分が飲んだととうとう言いました。
 カテリーナは子供を助けたんだと。
 …いやあの、血液からアルコールが発見されたということはやっぱカテリーナもウィップと
ともに飲んでたってのは事実であり、子供を助けたからどうこうはまた違うような…。

 そういうわけで会は大騒ぎとなり、ウィップは刑務所行きとなったのでありました。
 この辺がモヤッとするというか。
 結局カテリーナのアルコール血中濃度の話はどうなったん?みたいな。

 まあ彼が、今まで自分を救おうとしてくれた人が沢山いて、それに耳を貸さなかったと
反省してくれているのが唯一の救いではありますが。
 この後ウィップの息子が面会に来て、「お父さんは何者なの」「いい質問だ」で終わるという、
終始パッとしない作品でした。
 これを感動作なんて言っちゃいけない。今までの感動作品に失礼ですよ。


 


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