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クレヨンしんちゃん モーレツ!オトナ帝国の逆襲

まずは4月の日記から

ずっとハラハラしどおしでした。20世紀と21世紀の戦いみたいなカンジで。
なつかしーっていうものが確かに多かったです。
私が印象に残ったのは、懐かしい20世紀の思い出に浸るだけになってしまった大人に対して
風間君が言った「懐かしいってそんなにいいことなのかなぁ」というセリフ。
なんか虚を突かれたような気がしました。そうだよね。昔は良かった、あの頃が良かったと
か振り返るのはいいとしても、現在を認められなくなってしまったら=受け入れられなくなって
しまったらとても寂しいなぁと思いました。
のんびりゆったりしていた昔ってのもいいけど、時間は動いているものなんだから少しずつ
時代が変わっていくのは当たり前。変わっていくからこそ「懐かしい」って感情が湧くわけで。
その70年代(映画ではその時代の頃だった)にひたりっぱなしになっていたら、いつを懐かし
めばいいんだろうって思った。

私は70年代の人間じゃないからよーわからんけど、三輪自動車は見た記憶がある。懐か
しいっナーて思った。というよりも、20代30代の人ならきっと、あの「懐かしい」が分かると思う。
懐かしい時代をちょっとだけ振り返れる映画ってのも悪くないなー。
で、とうちゃんが子供になってて、ぎんのすけじーさんに駄々こねてるシーンがあった。
「月の石見る!」って言ってんだけど、じーさん(過去だからお父さんか)は「3時間も並んで
見るもんでもない」って行ってしまう。しんちゃんはそれを見て「とーちゃん!帰ろうよ!」とか
言うんだけどとーちゃんは「とーちゃんはあっち!おらお前のとーちゃんじゃない」とか叫ぶわけね。
しんちゃんはとーちゃんを元の姿に戻そうと、何と靴の匂いをかがせるんだけど(笑)。

とーちゃんの人生がずーっと流れるのね、音楽に乗って。ぎんのすけじーちゃんの自転車の
荷台に乗って魚釣り行って、少し大きくなって自分で乗って、高校生になって彼女と帰って、
フラれて1人でがっくり肩を落として帰った時、上京、入社、外回り、取引、みさえさんとの出会い、
結婚、しんちゃんが生まれて、新居に入って。疲れて返ってくるとみさえさんの笑顔としんちゃん、
ひまわりが出迎えてくれる。そこで靴の匂いをかいでひっくりかえる2人…。
とーちゃんにとって大切な記憶だ、っていうのがよく伝わってきて泣けました。
あーもうしんちゃんの映画は見るたびに感動して泣きます。私だけでしょうが。
ラストも、コナンのように全部のことがうまくいかない。何より、野原一家は普通の人間だもの。
タワーに上れって言われても高いところが怖くて足が震える。でも、怖さのあまり逆ギレして
敵を退却させてしまう。全然かっこよくない。
ボス(ケンとチャコ)の乗ったエレベーターをとーちゃん手でこじ開けて止めるも、「パンツ丸見えー」
と相手をひるませたり、笑う方が先だった。
結局敵を足止めするために段々脱落して行って、最後しんちゃんだけになってしまう。
しんちゃんはただ階段を上へ昇っていくだけ。コケたり、息切れしたり、ケガしたりしてもただただ
昇っていくだけ。いつものほほーんとして、軽く問題を解決しちゃうしんちゃんと違ってかっこ悪い。
擦り傷だらけだし、鼻血出てるし、コナンよりも金田一君よりもかっこ悪い。
なのに何で泣けてくるんだろう。
かっこ悪いかっこ良さって、どうしてこんなに感動するんだろう。

結局世界を昔に戻すことは出来なくて、ケンとチャコは屋上へ。野原一家もやっと全員駆けつけて
きて止めようとする。でも2人はどんどん歩いて行って、ふちから飛び降りようとした。
しんちゃんが言った。「ずるいよ!」
この先は言わないでおくけど、しんちゃんは別のことと勘違いしていて言ったんだけど、何か胸に
突き刺さった気がした。
懐かしんでばかりで今のことを認めようとしないのはずるいことなんだなぁって。
やっぱりしんちゃん大好きだ。
コナンとは全然動員数とかも違うし、どっちかと言えばズッコケとか笑いが多い。
でもやっぱりこっちの方が「頑張って生きてる子供」ってカンジがする。

余談ですが。ケンの声。外見はビートルズ風でヤだなーと思っていたのですが、声がすごい渋くて
カッコイイーと思っていたらなんと津嘉山正種さんでした!キャーvvvv
広川のたーさんと並んで好きな方ですよぅ。嬉しいよぅー。ステキ。

しんちゃんの映画、偶然コナンと似たようなシーンがあったけど(車を運転する)、こっちはそううまく
いかない。座席に座るとハンドル、アクセルともに足が届かない。パンツ丸見えのセリフだって、
とーちゃんが言うからやらしく聞こえる。かっこ悪い。
…でも、誰も死なないんだ。



ビデオであらためて見て(完全ネタバレ注意です)

言いたいことはほぼ日記と同じなので重ならないようにしたいですが、昨年の「嵐を呼ぶジャングル」
とは一転、久々のクレしん映画!って感じでした。

なんていうのかな、ディズニーランドとか、ディズニーシーとか、USJとか、大人も子供も楽しめる
アミューズメントパークっていうのは日本各地にあるけれども、懐かしさっていうのはどこにもない。
常に最新の機械で、常に新しい刺激が味わえる。確かに面白いと思うよ。私も行ってみたいし。
だけどもそれだけ。うーん…うまくいえないけど、千と千尋にも感じたような「これを体験した人にしか
わからないあの日の思い出」って言うのはないんじゃないかなって思う。
昔小学校だか中学だかの修学旅行で「奈良シルクロード博」っていうのに行ったのね。
今でもあれは覚えてる。遊園地とかも行ったはずなのにまったく覚えてない。
なんだろ。

冒頭がいきなり怪獣映画。あのえーと…ゴジラとかモスラとかのアレと同じね。
大阪万博の最中に「怪獣がコチラへ向かってきています」という放送が流れ、慌てて皆が逃げ出す。
クレしんらしくない始まり方なので、パラレル?って思う人がいたかも。
で、みさえが「私達の出番よ!」とか言って、しんちゃん達変身。
か、かすかべ防衛隊ついに結成か!?(笑)
ひろしも来て応戦するもなんと撃墜。しかし現れたのは「ひろしSUN」!ハイここ笑うところです。
普通のヒーローは正体がばれないように顔を隠しているのに、首から上は素顔のひろしSUN!
怪獣とガンガン戦います。声援を送るみさえたち。しかし我慢できなくなったしんちゃんが「オラも
戦う!」と走ってきて…ネタばらし。撮影だったことが判明。
その後みさえも「魔法少女みさりん♪」というのを撮影。ひろしはバカにしてたけど、結構かわいい
と思ったんだけどなー。ちなみにみさえさん、明智さんと同じ28さいです(笑)。

でも子供達は不満たらたら。なぜかというと春日部に出来たこの「二十世紀博」は20世紀を懐かしみ
たい大人達のためのもので、20世紀の思い出を殆ど持ってない子供達には全然面白くないから。
ところがオトナは毎日通い始め、街にはレトロなものが溢れかえり、いよいよ20世紀ってカンジに。
でもってある日のテレビを見た大人達は、やってきた車に乗ってどこかに行ってしまいます。
仕事も、子供も放り出したまま。
途方にくれるしんちゃん達。しかも残っている子供達を回収しに怪しい車までくるらしい。
しんちゃん達はデパートに隠れるのですが、翌朝8時にその車がくるということで、目覚ましを早めに
セットしたはずが、なんと鳴ったのは8時。セットしたのはしんちゃんなので風間君は「8時じゃイミ
ないだろー!」と怒るけど、しんちゃんは「アチャー」の一言。絶妙で笑えます。

なんとか幼稚園の送迎バスに乗って逃げるけども、運転が交代制で、最初に指名されたマサオ君
ビビる(笑)。「ヒィィィー!」とか言ってたらネネちゃんがぬいぐるみに強烈なパンチを。そして一言。
「やれよ」
ネネちゃん最強!(笑)
しかもマサオ君最初はビビってるんだけど、ふとした拍子に体当たりされた車がたんぼに突っ込んだ
のを見て俄然やる気に。追いすがる車を次々とコースアウトさせ、ハリウッドのカーチェイスも真っ青
です。
そして選手交代の風間君。…法定速度を守ってノロノロと。文句を言うしんちゃん達に「規則は守らな
きゃ」。しかし、しんちゃんの「でも免許持ってないよね」の一言で「うぁぁぁー!」と運転不可能に(笑)。
ネネちゃんは運転席で踊りだし、ついにしんちゃん!
しかししんちゃん、トイレに行きたくなったらしく、シロに運転(オイオイ)させて自分はバスの屋根に。
その頃ケンちゃんが自慢の車をかっ飛ばしてやってきました。ちょうどバスの真後ろにピタリとくっつき
ます。
がしかし。
…………ケンちゃん、精神的ダメージ100ポイント(笑)。

結局バスは二十世紀博に突っ込んでしまい、子供達は捕まってしまうのですがそこはしんちゃんのこと。
まんまと逃げおおせてひろしらを探しに。
見つけて入った部屋では、子供のひろしがぎんのすけじーちゃんにダダをこねているところでした。
(これについては上で触れたので割愛)
やっぱひろしの思い出が流れるところは何度見ても泣けてきます。
一人一人がこうやって頑張ってきた人生を持ってて、だからこそ思い出は懐かしいものとして残るんだ
よね。
小さい頃、じーちゃんの自転車の後ろに乗って、その大きな背中を見上げていたのが、大きくなって
しんちゃんを今度は後ろに乗せて自転車をこいでいく。後ろではみさえがひまわりを乗せてついてくる。
こうして時代は次の世代に引き継がれていくのかな。

で、のはら一家は時代を取り戻すことになるのですが、二十世紀博の中にある街はどこもここも20世紀
の匂いで溢れています。必死にその中を走っていくのだけども。
「出口はどこだ!教えろ!懐かしくて戻れなくなるだろ!」
住人にこんなことをひろしが言います。
街中がテレビでのはら一家のことを見ているのだけど、いつしか皆、手を止めてテレビに見入っています。
新しい時代を取り戻そうとする行為が、必ずしも馬鹿馬鹿しいことではないことに気がつき始めます。

ボロボロになっても追いすがってくるしんちゃんを払いのけて、日本全国に「20世紀の匂い」をばらまこう
とした時、ケンちゃんとチャコちゃんは街から発せられる匂いがなくなってしまっていることに気がつきます。
それは、のはら一家を見ているうちに住人が「新しい時代も悪くない」と思い始めたからでした。
チャコちゃんはしんちゃんに「どうして!?」と叫びました。「どうしてそこまでするの」
しんちゃんはこう言います。「ケンカしたり腹も立つけど、とうちゃんやかあちゃん、ひまわりとシロと一緒に
いたい。早く大人になりたい。大人になっておねいさんみたいなきれいなおねいさんと、いっぱいいっぱい
お付き合いしたい」
2人はとうとう諦めて「新世紀は返すぞ、坊主」と出て行きます。

まああとも上に書いた通りなのですが、やっぱいいなぁしんちゃん。
なんだかんだいいつつ10年続いてきました。
下品なマンガとか、言葉遣いが悪くなるとか。大人のものさしで勝手にレッテルを貼ってしまうことはとても
簡単。だけどどうして子供達がしんちゃんを好きなのか、「見てはダメ」という人達は考えたことがあるんだ
ろうか。
しんちゃんがそういう風にオトナから言われたら、多分「それで?」って言うんダロウナ。


多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→クレヨンしんちゃん モーレツ!オトナ帝国の逆襲