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ポンペイ

6/10鑑賞

 私の場合、内容がどうというより、ベスビオス火山の噴火がどういう映像になるかが
見たかったのでまあそれに関しては満足なんだけども、ちょっと噴火までをもったいぶり
過ぎたなと思いますね。
 もちろんこの話の本筋はラブロマンだからしょうがないんだけど、最初の異変から次
までが長すぎてダレた。
 そういうわけで、噴火の画像は大変に良かったなぁと思いました。

 冒頭、火山灰で固まった人の姿が出てきますけど、なんでこれが冒頭にあるかというと、
ラストの意味を分かりやすくするためだと思います。
 また、噴火の時の様子が説明されます。
 ま、当時の人達にとっては、神々は死んだ、この世の終わりだとなるのはしょうがないだろうなぁ。

 西暦62年のこと。
 ケルト騎馬民族がローマ人に襲われて皆殺しにされてた。
 ここで、一人生き残ったのが、主人公のマイロです。
 彼はとっさに死んだふりをして助かったのだけど、両親を殺した男はしっかり見ていた。
 あと、マイロという名はなんと、1時間後にようやく本人が名を名乗ります。
 こんだけ名前が出てこない映画も珍しいですな。

 このあとマイロは一人で生き延びているのだけど奴隷商人に捕まりつれていかれました。
 それから17年後。
 彼は地下闘技場でとても腕の立つ剣士になっていて、それを見つけたおっさんが、ローマで
奴隷同士のバトルをさせるのに好都合、みたいな感じで連れていくことに。
 ここから彼の運命が変わり始めます。

 彼が他の奴隷とともに連行されていると、後ろから馬車がやってくるけど、その車輪が
水たまりにはまってしまい、馬一頭が倒れ込む。
 中から、カッシアというお嬢様が下りてくるんだけど、彼女はマイロを気に入ったようで、
倒れた馬をマイロが苦しまずに殺してやったことでなんかフラグたったみたいですよ、と。

 このカッシアはローマにいたんだけど、嫌気がさしてポンペイに戻ってきたらしい。
 運命っつーのは皮肉なものですなぁ。
 このあとポンペイの街並みが出ますけど、いやー本当にすごいなと思いますね。
 これだけでもこの映画見た価値あったわーって感じ。
 これは誇張とかじゃなくて本当に、これだけ栄えていたとわかっていますので。
 車道(馬車)と歩道が分けられていたり、飛び石の横断歩道があったり。
 カッシアの家は、町の外れ、ベスビオス火山に近いとこに建ってるけど、クソ広いな。
 どんだけ広いんですか…。
 羨ましいわ。
 動物とかもいるし。

 一方でマイロの方は、最後のケルト人ということで他の奴隷らに目をつけられてて乱闘に
なるけど、アティカスという人が、ケンカ吹っかけた方が勝つとワイン2杯かけたら、話を持ちかけた
人は、マイロが有利になるのを見てから「その賭け乗った」とか言っててある意味卑怯臭い。
 駆けつけてきた奴隷商人らに取り押さえられて、マイロはアティカスと同じ牢に入れられた
けど、ここでも彼は特に打ち解けようとしなかった。
 まあどうせお互いに殺し合いするだけだしねぇ。

 カッシアの愛馬をお世話係の人が夜、慣らしに出てたんだけど、馬の様子が変で、
その時地震とともに地割れが起きて彼は飲みこまれ、馬は駆け戻って行きました。

 アティカスは明日の試合で自分が勝てば、ローマ法により自分は奴隷から自由の身に
なる、と言ってるけど、マイロは、ローマ人はそんな約束を守らない、と言う。 
 で、対決するのはやっぱりマイロだった。
 明日の練習だとか言いながら、割とマジに戦ってる二人なんだけど、仲裁しようとした
男がマイロを刺そうとしてるのを見てアティカスとっさに助ける。
 ここのシーン、何もセリフとかはなくて、マイロの視線で、倒れた男がナイフをもっていたのに
気付き、そうしてアティカスが助けてくれたのに気づく。
 この演出いいなと思います。
 剣士が背中を刺されて死んではならない、というアティカス。
 どっかの三本刀も言ってたねぇ。
「背中の傷は剣士の恥だ」って。

 まあそういうわけで二人にはちょっとした友情が芽生えたのだと思います。
 もともと憎しみ合ってたわけじゃないしねぇ。
 
 一方、ローマからなんかいけすかないお偉いさんがやってきた時、町の人達が
背を向けてて、何してんのかなって感じだったんだけど、これは後でわかります。
 彼はカッシアの父親に会いにきていた。
 なんでも町の再興計画があって、それに支援するためにこのお偉いさんきたらしい。
 彼の名はコルヴス。
 めっちゃ嫌われモンです。
 カッシアの父は、新皇帝は有能ですか、と聞くけどなんか少し間があってから、よく
やってるとか言ったな。
 反感もってるのかねぇ。
 で、コルヴスはさっき町で皆背向けてたけどどういうこと、と聞きますが、まさか
「そりゃオメーが嫌われてんだよ」とは父も言えませんから、「再興計画に反対している
人達ですよ」と言った。
 ここちょっと説明不足なんで説明しとくと、あのマイロ少年が偉い目にあった年、大地震で
ポンペイは大被害を受けてるんですよ。それの再興が進められているということなんだと
思います。
 ただし、カッシアの父の場合は、もっといろいろ遊技場みたいなのを作ろうとしてるから、
もういらねぇって感じなんじゃないですかね。
 カッシアの方は、ローマは新皇帝になって変わってしまった、悪党がはびこってて好きじゃ
ないという。
 だからうんざりして戻ってきたんですかね。
 私は歴史は疎いからわかんないので調べてみたけど、ティトゥスはそんな悪い皇帝でも
なかった感じですが…。遊戯をとがめだてしなかったみたいなので、それを「悪党がのさばる」
と表現するならそうなのかも知れませんが。

 まあともかく。
 この時カッシアの馬だけ戻ってきて大騒ぎになる。
 一方マイロの方はアティカスと話をしていて、このままアティカスはローマ人は法を守る
だのなんだのやり取りしてるけど、お互いに相手の弱点を指摘しあってて面白かった。
 要するにそこをなおせって暗に言ってるんだろうなあ。
 そこに声がかかって、マイロもアティカスも外に出される。
 カッシアの屋敷で催されてるパーティみたいなのに、金持ちの道楽で遊び相手になる
みたいな感じなんでしょうね。
 それでマイロはたまたま、カッシアと再会することになります。
 なんて安易な展開なんだろう。
 カッシアはコルヴスに呼ばれて飲み物をもっていくんだけど、どうやらこの二人、
ローマで何かあった様子。
 と、ローマでしつこく言い寄られていて、それが嫌になってここに帰ってきたのもある
みたいですね。
 確かにこんなおっさんに言い寄られても嬉しくないだろうなぁ。
 さて、戻ってきた馬があまりにも落ち着かないので、カッシアがマイロを呼んで、大人しく
させて欲しいと頼む。
 マイロはうまいことなだめて、カッシアも中に入って、なんでかいきなりそこで二人、馬に
のって外に逃走ですよ。
 まあコルヴスのことがあったから嫌になったのはわかるけど、のちのち問題になることが
分かってるだろうに…。
「ちょっと馬で外に出てくる」とでもいえばよかったものを。
 意外にこいつら考えないで行動するな!

 そういうわけで外に出てみたけど結局連れ戻されました。
 マイロは奴隷だから当然、何かやらかしたと思われてる。
 カッシアが、自分が命令したからと庇うけど結局、コルヴスが出てきて、マイロの命を
助けるためにカッシアは結婚を承諾することになるというアホみたいな展開でした。
 いらんことしたばっかりに代償は大きなものになりましたな。
 認めたくないものだな、若さゆえの過ちというものは。(使い所違う)

 ちなみにこの後、馬だけで帰ってきたのは誰も気にしなかったというすごい展開に。
 この映画ちょくちょくそういうのが無視されます。
 それと、この異変が起きたあとは地震がちょっと起きる程度だったので、マグマが
ぐつぐつ煮えてるだけじゃなく、もうちょっとこう、なんかエピソード欲しかったです。

 マイロが邪魔であると感じたコルヴス、奴隷商人に命じて、アティカスとの対戦は
とりやめ、最初の試合ですぐ殺せと言います。
 マイロの方は、コルヴスの前に引き出された時に、その隣にいた男が自分の両親の
仇だと気づいたようでした。
 ここでようやくマイロはアティカスと握手をかわし、名乗り合います。
 おっせぇぇぇぇぇ!!!
 
 翌日闘技場ですよ。
 相手が変わったと言われてマイロもアティカスもびっくり。
 で、闘技場の地下にいた商人、新しいひび割れが入ってるのに気づいたらしく、
多分これ崩れるとか思ったんでしょうね。
 自分はさっさと逃げ出しました。
 ある意味正しい行動ではある。
 コルヴスの方は貴賓席に座り、隣にカッシアはべらせていい気分ですよ。
 闘技場では、マイロやアティカスら、出されて鎖につながれ、ようやくおかしいと気づく。
アティカスも、ローマ人は自分を自由にするつもりなどなく、殺すつもりだったと知る。
 何が始まるかというと、彼らvsローマ兵ですわ。
 本当に一方的な殺戮みたいなもんだと思う。
 こんなんしてポンペイの民から支持失ったらどうすんだとか考えないとこが、コルヴスの
頭悪いとこというか。
 ただまあ、ローマ兵の方がボコボコにされるんですけどね。 
 この展開に市民はやんややんやの大喝采。
 コルヴスとしては、これでカッシアの目の前でマイロを殺してやる、しめしめと思ってた
だろうからビックリでしょうな。
 あと、カッシアの両親に、お前の娘は私との結婚を承諾したぞ、とか言ってるし。
 父親も馬鹿なことをしたもんですねぇ。
 まあそんな会話をしてる間に奴隷ども、ローマ兵ぶっ倒しましたけど。

 コルヴス、マイロらを始末しようとするけど、ポンペイ市民は生かせ、と反発。
 ここでカッシアが合図をして、兵の弓矢を下げさせる。
 コルヴスは怒るけどカッシアは、ここで彼らを殺したら英雄として語り継がれることに
なるし、市民が反乱を起こすことになると言う。
 うまいことやりましたね。
 面白くないコルヴスは彼女を家に閉じ込めておけ、と下がらせる。
 それが逆に良かったのかも知れませんなぁ。

 ここでベスビオス火山の噴火が起きるんだるど、コルヴスは馬鹿だから火神ウルカヌスが
マイロとローマ一強い男の戦いを望んでいるー!とか言い出した。
 火神はバスケやるので忙しいんだよ!(そっちの火神じゃねぇよ!)
 この神様の名前がイタリア語で火山を示す、ボルケーノの語源…だったはず。(調べろや)

 んでこのローマの騎士との戦いが始まるんだけど、マイロは親の仇だから迷うことなく立ち向かって
いくのですが、いかんせん武器の強さが違う。
 あと、新しく渡された剣もわざと切っ先が鈍くしてあるという酷いありさま。
 そうこうしてるうちに、本格的に噴火が起き、闘技場が陥没し始め人々はパニックに。
 マイロはその陥没に騎士とともに飛び込んでて何がしたいんだと思ったら、地下の奴隷が
一杯いるとこにきてた。
 まあ結局騎士逃げるから意味なかったけど。
 ちなみにコルヴスは下敷きにもならずに逃げやがりました。
 悪運強いな。てかここで死んだら後の展開がアレだしなぁ。
 あ、商人の方は船に乗ってたけど、火山岩でやられて船ごと沈んだ。

 そういうわけで爆発の中、マイロはアティカスとともに外に出るんだけど、そこに、がれきにつぶされた
カッシアの両親がいて、母親が娘を助けてほしい、と頼む。
 マイロにしてみたら命の恩人だから捨ててはおけなかったんでしょうね。
 火山に近いから危険なんだけど、必死に助けに行く。
 アティカスは港で落ち合う約束をして逃げました。
 
 この後の映像は本気で迫力あるので面白かった。
 屋敷でカッシアを助けるも、その侍女みたいな人は崩れ落ちた地面とともに落ちていってしまったり
とかあったんですが、二人は何とか逃げていく。
 港の方はもう人が押し寄せてどうにもならん状態でした。
 港以外の場所から船で逃げるとかいう考えはないのかな…。
 そんな中アティカスは、港に巨大な津波が押し寄せてくるのを見る。
 えーとここではわかりやすく津波と表現されていますが、どうやら実際は違ったらしいというのが
分かっています。
 多分津波ではなく、火災流だの燃え盛る火山石だのあれこれが降り注ぎ、海から水蒸気が
たちのぼって海水温が上昇したのかな?と。
 62年の大地震では津波が起きているはずですが、これは噴火なので。
 まあともかくそういうことで、津波によって船が砕かれ、港が潰されたことを知ったアティカスは
引き返すことにする。
 ここで親子を助けたけど、特に会話もなく分かれたのでちょっともったいなかったな。
 
 一方マイロらは、馬がいれば陸続きで逃げられると気づき、闘技場に戻るんだけど、途中で
アティカスと合流。
 で、3人で戻ったら、先に気付いたらしいコルヴスらが馬車を手に入れてた。
 ここで両親の遺体と対面していたカッシアがコルヴスにさらわれ、マイロはそれを追いかけていく。
 騎士はアティカスが引き受けました。
 …親の仇はいいのかよ…まあいいけどさ…。
 アティカス最終的に騎士には勝つんだけど、自分も瀕死の重傷を負ってて、火山から火が
迫るのを見つつ勇ましく死んでいったのはかっこよかったです。

 一方コルヴスは、あんな馬車で街中走れるのかよと思ったら、驚くほどまあ人がいねぇわ。
 なにこの走りやすい道。
 こういうとこが完全にご都合主義なんですけども、まあ途中でやりあうことになって、カッシアが
殺す価値もない、と自分がつながれていた手錠をコルヴスにはめて放置。
 彼は火山灰に焼かれて死にました。
 
 二人は必死に脱出をはかるも、結局迫りくる噴火から逃れることは出来ず、最後二人は
抱きあって死ぬ、というオチで、これが冒頭に出てきた、人の形の石膏と同じく、身を寄せ合った
二人の石膏が映し出されておしまい、みたいな。

 まあこの映画の見所は、迫力ある噴火シーンだと思います。
 これは本当に良かった。
 こういうのをふんだんに使ったドキュメンタリーを見たいのですが無理だろうなぁ。
 当時の再現とかもっといろいろ見たいのだけれど。



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