多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→オール・ユー・ニード・イズ・キル


オール・ユー・ニード・イズ・キル

7/9鑑賞

 これは正直、ネタバレは事前に大歓迎という人も、まず先に見に行ってから、このレビューを
「あーここあったな」と思いながら読んで欲しいです。
 新鮮な感動を味わってほしいなと思います。

 さてでは映画を見に行った方が読み進めていることを願って。(そんなご大層なレビューでもない)

 冒頭にワーナーブロスとかいろいろな会社のロゴが出るんだけど、ワーナーブロスの場合大体
ここから仕掛けてくるので、途中から入ってくる人もったいないですよ。
 このロゴが画面乱れたり、真っ暗になったりして面白い。
 しかも、VTR流してる最中に突然スタジオに戻ってしまった、みたいな感じの演出もあり、
力入ってるなーと思いました。
 …途中ロシアの隕石落下の映像も入れてあったんだが…。

 ともかく今地球は、宇宙からの侵略者「ギタイ」によって壊滅状態にあることがわかります。
 ヨーロッパはすでにコテンパンにされているありさま。
 さすがアメリカ!他国に容赦ねーな!
 ただ人類もやられてるわけではなく、ヴェルダンというところで勝利した女性、リダという
人がいた。
 パワースーツをまとって戦ってる女性らしいのですが、それがメチャクチャ強いんで、
ヴェルダンの女神という異名があるらしいです。
 あれだ、某巨人出てくる漫画の、人類最強、みたいなの。
 そういうわけで、このリタがモデルに、皆地球防衛軍のUDFへ入ろうぜ!という勧誘が
なされていた。
 その一方で主人公、ケイジはPR広報のような立場にいました。
 ヘリの中で寝ていてもうすぐ到着というのでパッと目覚める。
 このシーン大事なんで覚えておこう。

 で。
 彼は将軍に呼び出されて、要するに作戦を国民にPRしたり、若手を兵士として募集
するために最前線いって撮影してきてちょ、と言われるわけですよ。
 ここのね、ケイジがすがすがしいほどに及び腰ですわ。
 確かに前線行きたくないという気持ちはわかるんだけど、だったらなんで軍に入ったん
だよってくらい腰抜け。
 ぐだぐだ言い訳をするケイジに将校、わかったっつーてケイジを逮捕させる。
 そうして彼が目を覚ました場所は、初等兵を訓練する施設でした。
 ここのシーンから悪夢のような連続撮影が始まったのですね…!(シッ)

 何がなんだかわからないケイジは、話し合いを試みるもムダで、J分隊というところに
配属される。
 最初だから丁寧にシーンが描かれているので、ここは伏線ばっかだから記憶しておくと
楽しいですね。
 ポーカーを隠れてやっているのが見つかる、全員カードを食べさせられる、変なカフスだなと
からかわれる…。
 そして翌日わけもわからないまま最前線にあのパワースーツをきて出動させられるケイジ。
 安全装置の外し方を教えてもらえないとか、裸で着てる奴とかいろいろ。
 
 一方リタの方は、戦場のビッチって言った奴を叩きのめしてたけど、これスーツでやってる
から相手死んでないかおい。

 で、降下地点に到着、となったところで彼らは敵の襲撃を受ける。
 しかもケイジはリタと会うんだけど目の前でなんとリタ、吹っ飛ばされて死ぬんですわ。
 敵に待ち伏せされていたようだ、ということは分かったけどどうにもならず。
 あとこの時点で未だにケイジ、安全装置外せてないという素晴らしい状況ですよ。
 ギタイに襲われたのでケイジ、最終的に兵士の一人が体につけていた対人機雷を撃って
敵もろとも爆発、みたいな感じで自爆を試みる。
 そしてこの時の彼の行動が運命を変えたのです。
 彼が偶然倒したのは、アルファというギタイの中でも特殊なやつで、ある力を持っていた。
 まあ彼自身もこのアルファの体液浴びて死ぬんですけどね。

 つーかさ。
 これギタイの動き早すぎて人の目で認識して撃つの無理だから、せめてコンピュータで
自動認識して撃つくらいのものがないと無理だわ。
 かなうかなわない以前の問題ですよ。
 
 そしてケイジが目覚めると、あの訓練施設でたたき起こされるところからだった。
 ここで「ドッキリ大成功!」の看板が出ていたらどんだけ良かったか…。←いやいやいや

 この後は、怒涛の分岐挑戦状態ですよ。
 シミュレーションゲームやったことある人ならわかると思うけど、選択肢によって展開が
変わってくるってやつ。
 ひたすらそれを繰り返して一つのゴールを目指す、みたいなの。
 それと違うのは、いくつ分岐があるのかわからず、どこまでいけばゴールかわからないという
感じですかね。
 まあ何度か失敗して繰り返して、それでもどっかで殺されてまたループ、っていう中で
自分が見たことを訓練施設のおっちゃんに言うんだけどまったく信用されない。
 まあそうなりますわな。
 つーか、「この作戦が敵に漏れている。自分はそれを主張したために、うざがられて
ここに送られた」とか言っても無理ですかね。
 いやまあ無理っぽいな…。
 
 何度ももう繰り返してるんだけど、なんつーか、ケイジがだんだん腰抜けから、生き残る
ルートを探すことに本気になっていく過程はいいなと思いました。
 そりゃ人間必死にもなるでしょってあるかも知れんけど、何十回も繰り返す時点で普通なら
途中で疲れて諦めるか立ち止まるかしますよ。ま、それもしてるかも知れないけどね。
 ゲームのようにスキップポタンはないんだし。
 つーか敵もさ、お前ループ機能あるのならもっと直前に戻るようにしとけよ。(ムチャぶり)
 あとセーブポイントつくっといてくれよ。
 
 ある時この戦場でケイジはリタに、「そこは爆発するぞ、俺はわかるんだ」と話しかけたことで、
リタが「目覚めたら私を探して」と言ってくる。
 初めて生まれた新しい分岐だったわけです。
 で。
 今度目覚めた時ケイジは、そのまま戦場に出るのではなくて、リタに会いに行く選択肢を取る。
 最初わざと腕立て伏せして、その間にトラックの下を抜けて逃げる、という手段でミスって
トラックに轢かれてやり直し、になってたのはちょっと笑いました。
 死んだのに笑えるってちょっと不謹慎だけども、なんていうか張りつめた状況の中でそういう
間抜けな死もある、というのがちょっと面白いなと思って。

 そしてリタに会いにいったケイジ。
 リタは敵の動きになれるみたいな訓練施設にいてこれがなかなかすごいとこでした。
 で、このリタは当然ケイジを知らないんだけど、ケイジが「明日目覚めたら私を探せって
言ってたよ」と伝えると一緒にきてと連れて行かれる。
 これが正しいルートかどうかはまだわからんわけですな。
 分岐点がさらに増えたってだけで。
 
 リタはスーツの修理工場みたいなところに彼を連れていく。
 すると、カーターという人がいた。
 まず、リタ自身もケイジのようにループをずっと繰り返していたそうです。
 その話をカーターは信じてくれたらしい。
 んで、ギタイ、敵はいくつもいるけど実は一個の有機体であり、ケイジが最初の戦闘で殺したのは
アルファという、神経中枢のパーツだったと。
 そして本体はオメガという、脳の役割だそうです。
 つまり脳はどっか隠れていて、使い捨てパーツが地球を襲っていて、たまにアルファみたいな
重要なパーツも各地にあるけど、それをケイジがたまたま倒したわけだ。
 これが問題で、オメガは時を操作する能力をもっていて、アルファが死ぬとループが始まる。
 つまりアルファが何らかの意図で死んだ場合、時を戻してそのアルファが生きている時間帯に
戻る。記憶を受け継いでいるから、その死んだポイントを避けて生存し続けることが出来る。
 そうやって大事なパーツが死なないようにしていけるというわけですね。
 たまたまケイジがアルファの体液を浴び、オメガと同調したために、彼はこの時のループに
巻き込まれているというわけですな。
 コピー機能つけとけや。時を戻すよりそっちの方が簡単だろうが!

 リタは、これだったら、オメガが死ぬまであなたが死につづけることが、人類の勝機よ
みたいなこと言うけど、ここでケイジ、本来の腰抜け精神発揮ですわ。
 これ上に言えばいいじゃんとか言い出した。
 オメガの存在話せばいいじゃん、と。
 でもカーターはそれを話したけど受け入れてもらえなかったらしい。
 あと、オメガはこういう、別の存在が能力を身に着けたのに気づいたら探そうとするようです。
 オメガが潜んでいる場所の幻覚を見たことない?と聞かれるけどまだケイジは見てない
らしい。
 リタは何度も見たと。
 そしてリタは、ヴェルダンの戦いで勝利したものの、その時に大けがをして出血、輸血
されたことによりループ能力を失ってしまったらしいです。
 つまり、ケイジの力が頼りだと。
 それから二人はリタの訓練施設で実戦を見立てて訓練するんだけど、大けがするたびに
殺されるケイジはたまったもんじゃないなぁ。
 だって殺されたらまた、リタのとこにきて説明して…からやらんといかんのですよ。
 何百回繰り返したんだろう。
 大変だなあ。
 リタは、ルールを覚えてという。
 負傷したら死ぬことと。
 病院で輸血されたら能力を失うからって。

 ある時ケイジはついに、オメガの幻覚を見ます。
 ダムの近くに潜んでいると。
 でも戦場から向かおうとするのがなかなかうまくいかなくて、ある時ケイジ、施設を
抜け出してバーで酒飲んでた。
 なんかその気持ちわかるなあ。
 何も知らない老人が、お前は戦わないのか腰抜けめって言ってたけど。
 
 で、オメガの場所が分かったんだけど、まずそこに行く手段がない。
 ただ明日敵の襲撃があることは分かっている。
 それでケイジは戦場で敵をパーッと倒して車を手に入れて二人で、オメガのいる場所に
向かうわけですよ。
 ここのシーンがね、面白い。
 新たな選択肢で、ここからラストに向かうのかなと思わせておいて、実はまったく
違うっていうのが。
 二人は苦労しつつドイツに向かって、誰もいない家の中でヘリを見つける。
 リタはこれで飛んで行きましょうよ!ってわけですが。
 ケイジの様子がおかしい。
 ケイジは車にガソリンを移そうよっていう。
 コーヒーを飲もうとしてリタ、ケイジが「砂糖は3つだったよね」とうっかり言ったことから
気付くんですね。
「ここのループ何回目?」と。
 これすごかったなぁ。
 ケイジは、どうやってもリタがここで死ぬとわかっていたからこそ、彼女を引きとめようと
してたのです。
 ここでも多分何百回となく試したんじゃないのかな。
 それでもどうにも選択肢がなかったらしい。
 つまり、このルートはここで行き止まりというわけで、それは多分間違った選択肢
じゃないのかな。
 ともあれ今回もリタは死んでしまうわけで。
 ルートとかメモに残せない、頼れるのはひたすら記憶だけってのもしんどいですねぇ…。
 私だったらもうどっかで諦めて、わーい戦場ループーとかやってるかも知れん。

 この後彼は、リタに会わず一人で向かう手段を取ってみる。
 弾薬とかも多めに準備して、オメガの場所に向かう。
 ところが。
 ここにオメガがいると思ったら違ってて、アルファが待ち伏せしてて襲われる。
 で、偶然かとっさにかわからんけど、水が通ってるパイプ壊して溺死したおかげで
ループして逃れた。
 そしてケイジは、あの幻覚は嘘で、自分が出血すれば能力を失うからそれでループさせない
ようにしたんだと気づく。
 つまり見ていた幻覚はおびき出すためのワナで、リタはそれにひっかかって能力を
失ってしまったわけですね。

 で。
 カーターはアルファにぶっさしてオメガとの通信を試みる器具を作ってたんだけど、
ロンドンにいた時にテストしようとして上司に話したら首になってここに回されたらしい。
 実際に使える試作品はロンドンにあるということで、ケイジはロンドンに行くことを
リタに提案。
 実際に生きているアルファがいる、というカーターだけど、ここにはそのアルファの能力を
持ったケイジがいる。
 つまり条件はそろっているわけです。
 新しいルートが開けましたな。
 ここも何度か試行錯誤繰り返したらしく、もう手順覚えてるケイジはサクッと、ロンドンの
自分が最初招かれてやってきた施設に入ることに成功。
 将校に会いにいきます。

 ここの手順も頑張って覚えたんだろうなぁ。
 将校に二人で会って、「かかってくる電話はお偉いさんの到着が遅れるというものです」
「秘書には問題ないといってください」と先回りして言って、将校が目を白黒させながら
その通りにしてて面白かった。
 それで将校は、残念ながら君の予知のトリックが見抜けない、と言ってケイジが
当てた金庫の中身を出してくる。
 それこそがカーターが作った試作品だった。
 で、まあ逃げ出す途中で結局追われるわけですが。
 ここまでなんか考えておけよケイジ…。
 足に器具を刺して同調すると、ルーブル美術館の地下にオメガがいることがわかる。
 …なんで周りボロボロなのに、あの三角形の建物残してんですかね…。まあそういう
細かい事はいいけど。

 ところがこの後パワースーツに車を無理やり止められて二人は拘束。
 ケガを負っていたケイジは目が覚めたら輸血されていて、ループの力を失ったことを知る。
 これは面倒な展開になりましたね。
 ワンチャンスしかなくなった。
 リタが助けにきてくれるんだけど、殺そうとしてくるのであわてて説明するケイジ。
 あぶねぇぇぇぇ!
 リタはもうちょっと人の話を聞く努力を!!!
 そうして二人は訓練施設に戻る。
 そこでどうするかと言うと。
 お待たせしました。
 J分隊ですよ。
 消えたかと思ったら戻ってきたケイジ(のはず。訓練途中で抜け出してリタに会いにいって、
ロンドンへ、のはずなので)に、皆は自分のことを次々当てられる。
 一人、死んだ友達のためにその友達の名を名乗ってお金を遺族に送ってやってるって
人の話は良かったなあ。
 ともあれ、彼の話を少し信じてくれる気になったはいいけど、一緒に戦いに出てくれと
言われても信じられないわけですよ。
 そこに登場するのがリタだった。
 誰かが戦場のビッチと言いかけたのを別の人が「ヴェルダンの女神」ってちゃんといったの
良かったなあ。
 深夜ヘリで飛び立つ一同。
 めっかったらもう怒られるどころでは済まないわけですが、なんかこういう、信じたものに
ついていってみよう、というのはいいなぁと思いますね。
 ここからのシーンはもうほんっとうにどうなるかハラハラの展開で面白いです。
 つーか。
 到着が読まれてて襲撃されてるやんか!
 冒頭と同じじゃねーかよ!
 もう少し離れたとこに着陸とか無理だったのかな…。

 ともかく途中の戦闘が本当に面白かった。
 最終的にアメリカ映画の定番として、リタとケイジの二人だけで突っ込んでくことに
なるわけだけども、リタが自分がおとりになるっつーて走っていく中、ケイジは手りゅう弾とともに
オメガのいる水底へ。
 追ってきたアルファが攻撃するも、その時すでにケイジは手りゅう弾のピンを抜いていた、
っつーのかいいですね、なんとも。
 
 で。
 オメガ爆発。
 うーん。
 
 そうしてケイジ、今度はヘリの中で目を覚まします。
 またループか、と思いきや…。

 ロンドンで謎の爆発があり、ギタイがすべての戦闘能力を失ったことが発表されている。
 ケイジが「ループ」した過去は別の過去になった、ということですね。
 J分隊も生きていて、ケイジは元の身分のままでリタに会いに行く。
 こっちのリタもループは知ってそうだから、話わかってくれるといいですね。

 この終わり方いいなと思います。
 見てる方にいろんな解釈の余地を残してるから。
 バシッとこれで終わり!と突き付けられるよりはいいですね。
 
 全体的にもハリウッドが、作品送られてすぐ3億で買い取る旨通知してきたのわかる気がする。
 それだけ面白かったです。

 で。
 この最後のループ、私なりに解釈してみると、アルファの血を浴びると、オメガの時間リセットの
能力が身について、オメガ自体が滅びる危機には、その滅びた少し後の時間、未来ににジャンプして、
生き残る能力でもあるのかなぁと。
 それがケイジについたから、ケイジは自分が死んだ少し後の未来にジャンプした形になったのかな、
と思いました。
 なんかケイジが年取って死んだ時に、またこの時点に戻ってきたらがっくりしそうですねぇ。
 まあいいけど。

 この作品は本当に面白かったです。
 久々に見て良かった作品ですね。



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