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ナルニア国物語

2/25鑑賞(先行上映)

 初めて先行上映で映画を見ました。パンフレットも重厚感がありいい感じです。この映画は
片手間に見る、というのではなく、ドップリハマって見る方がより楽しめると思います。

 最初爆撃のシーンから始まるので映画を間違えたかと思いましたが、第二次世界大戦
最中のロンドンが舞台ということで、間違いはないようです。
 ドイツ軍の空爆を受けていてさながら日本を見ているような感じ。防空壕って海外にも
あったんだなぁ、と余計なことに感心してました。
 その、防空壕に避難するってー時にどっかの一家のクソガキ…いや、男の子が家族の
手を振り解いて家の中にかけこみました。父親の写真をとりに戻ったみたいですが、気持ちは
わかるにしても漏れてくる明かりが空軍にとっては格好の照準ポイントであるわけで。
 アホですかこいつは。勝手な行動をするな!とアニキに叱られてムッとしてるようですが
わかってなさそうだな…。一日外につるしときゃいいんじゃないですかね。

 ともあれ、この兄弟は学童疎開をすることになったみたいです。つらいですよねぇ。
 母となくなく別れ、やってきた先はすごい田舎。…えっ?列車の中でタイムスリップとか
するんじゃないんだ。(それじゃ銀河鉄道999みたいになっちゃうだろ)
 なんかえらい教授さんのお屋敷だそうですが。すっげぇぇぇぇぇ!さすがはイングリッシュ
ガーデンって感じ。いいなぁ。こういうところで暮らせたら幸せだな。
 で、そこのハウスキーパーさんがメチャクチャ厳しくて怖い人で、兄弟4人はガクガクブルブル。
 ある時末っ子の妹ルーシーちゃんはかくれんぼをしていて、入った部屋でシーツのかけられた
衣装ダンスを見つけます。つーか剥がすな剥がすな。しかも入るな。
 そのタンスの奥へ奥へと入っていくと…そこは雪国だった!
 …トンネルを抜けると雪国だったというのはパロディとしても使われますがなんと今回は
本当なんですねぇー。いやー寒がりのわたくしとしましては、家の中だったのがいつの間にやら
外、しかも雪国だったりするとなきそうですけども。さっさと帰ります。
 ところが好奇心たっぷりのルーシーはものともせずさくさくと進みます。
 そこには街灯がともっていました。
 これが有名な、ポスターにもなっているシーンですねぇ。そしてこの街灯はキーポイント?でも
あるのでよくよく見ておかれると良いかと思います。

 で。しげしげと眺めるルーシーちゃんの後ろを!何奴!名をなのれぃ!
 …やっぱルーシーちゃんは手裏剣は飛ばしませんね。(当たり前)
 そこにいたのは半獣人と言えばいいのか…下半身が獣の姿のタムナスさんでした。まあ上半身
裸だから、そのまま下も人間の裸だったらまずディズニー映画には出られないだろうな…。
 ルーシーちゃんは誘われるままにティータイムをしにいったわけですよ。
 良い子の皆さんは街中でタムナスさんに会ってもついていってはいけません。世の中、
いいタムナスさんばかりではないわけです。悪いタムナスさん(どんなんや)が誘拐しようと
子供に声をかけてくることだってあるのですから。
 …こっちの世界でタムナスさんに会うほうが恐ろしいですが…。

 実はタムナスさんは悪いタムナスさんになりかけていて、白い魔女の命令でルーシーちゃんを
さらおうとしていたのです。しかし純粋なルーシーちゃんの心に触れ、良いタムナスさんに戻った
のでありました。
 そして彼はルーシーちゃんを街灯のところまで送り、無事元の世界へ戻してあげるのです。

 さてさてルーシーちゃん。自分がさっきまでかくれんぼをしていたこととか、お兄ちゃんに
「かくれんぼのルール知ってるか?」とか突っ込まれたのをオールスルーしまして、興奮気味に
語りますが、まあ大抵の人は悪いものでも拾い食いしたか熱でも出したかと思うわけです。
 信じてもらえなくてふてくされるルーシーちゃんをなだめて、皆は眠りに。

 夜のこと。ルーシーちゃんはまたあのタンスに向かいます。そこへ現われたるは今反抗期
まっさかり、世の中に怖いものなしという次男のエドマンド。そう、冒頭で父の写真を取りに
戻ったという奴ですよ奥さん!みてますか!お電話ちょうだい!(なんでみのさんだよ)
 後をついていき奴も雪の世界へ。そこでルーシーを見失った彼が出会ったのはなんとっっっ!
森のクマさん!ではありません。
 白い魔女でした。

 彼女は悪者らしく気品あるように振る舞い、甘言をもちいてエドマンドに残りの兄弟をつれて
くるように命じました。エドマンドはぺーらぺらと個人情報どころかタムナスさんのことまで
話してしまいます。誰かー!こいつに個人情報保護法教えてやって!(時代違いますから)
 なんつーか…。幼い故の反抗期とか、大人ぶるというのは分かりますけど、弱いくせに
大口をたたき、こそこそ人の後ろに隠れる。こういう奴が大嫌いです。
 エドマンドが人には反発しても孤高のオオカミを気取るくらい心は強くあろうとするのなら
まだ可愛げもあるのですが。

 で。
 戻ってきたけどエドマンド、「妹の夢に付き合ってやっただけ」と現実を認めないし。
 もうね、「鬼のスーツ」1クール躍らせるぞお前。(by「桃組+戦記」)
 カーク教授は「妹が嘘をついたことがないのなら、彼女の言っていることが本当」と
いいます。なんだ、素敵な教授ですよ。
 でもって、兄弟仲良くクリケットで遊んでいたらサザエさんでもやらんような、窓ガラス
バリーンの骨董品ガボーンをやらかして皆で逃亡。隠れた先が例のタンス。
 さぁ、皆ナルニアにやってきましたよ!

 ルーシーは張り切ってタムナスさんのところに案内しようとするんですがしかし、たどり着いた
そこは荒れ果てていました。
 見ればこの国の警察が、ナルニアの女王に反抗した罪によりタムナスさんを捕らえたと。
 姉さん、事件です!
 
 白い魔女ちょっと来い。だれがナルニアの女王やねん。
 オマエ「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」的な態度で思い切り反発
くらっとるやん。それやと逮捕された時「自称・ナルニアの女王と名乗っており…」と報道
されるぞお前。

 えー。
 そこへ現われたるビーバーが、兄弟を案内します。うはー、ビーバーしゃべってる!
ピーターに「チッチッチッチッ」とやられて「なつきゃしませんぜ」みたいなこと言ってるのが
すげー笑える。
 ビーバーの家!すごいぞ!ダムつき庭付きババアなし!
(一部不適切な表現がありましたことを深くお詫びいたします)
 でまあそこで兄弟はとんでもない予言を聞かされるわけですよ。
 即ち自分たちが、白い魔女から遠ざけ、ナルニアへ春をもたらす英雄であると。そこで
ピーターとスーザンはさすが長男長女ですね。迷うことなく「帰ろう」といいます。よっ!
さすがリアリスト!とりつくしまもないね!
 そこで帰れたら帰りたかったでしょうが、またあのアホ、エドマンドがいないわけですよ。
もうね、うんざりですよ。うんざりの語源は「倦んずあり」という、飽きて嫌になるという意味
ですが、思わずそんなどうでもいいことを説明してしまうほどうんざりです。
 私の弟だったら迷うことなく置いて帰りますよこいつ。

 一方エドマンド。あの白い魔女に会えるということで内心ニヤニヤだったに違いありません。
が、会いにいったらそれはもう手のひらを返したどころかちゃぶ台返しされたような態度。
「何故残りの奴らを連れてこなかった!」と逆切れされまくりです。しかも牢屋に入れられて
やんの。ハッハー!
 そこでエドマンドの情けないところは、自分が助かるために兄弟の情報をペラペラしゃべって
しまうことでしょうか。…自分の兄弟が捕まえられる、殺されるとわかっていて尚しゃべる
こやつの性格がわかりません。なら反抗すんなや。

 さあ追っ手がかかりました。逃げるルーシーちゃん達。
 とにもかくにもアスランのいる場所に向かうことになりました。
 アスランのいるところに向かう途中で彼らが出会ったのはなんとサンタクロース。
 あー、皆大喜びしてるのはサンタと分かったからか…。わたしゃてっきりカーク教授がこちらの
世界にきたのかとばかり…。
 春が来るからサンタが現れることが出来たと。なるほどなるほど。

 ここで、溶けかける氷の湖を渡るシーンがあるのですが、見事なピーターの迷いっぷりが
見れます。いや普通はオオカミに切りかかっていくとか、押しのけてわたりきるとかじゃないの?
本当に氷が崩れるまでその場にいて水没した主人公というのを初めて見ました。
(もちろん彼なりの考えあってのことですが)
 それとここからのチェックポイントは、少しずつかわっていく白い魔女のドレス。冒頭で登場
した時とは少しずつ色合いがくすんできているはずです。この国に、4兄弟がきたことで予言が
実現しつつあり、国は春の訪れがあるわけです。で、それにしたがって魔女のドレスもくすみ、
力も衰えてくると。なかなか小憎らしい演出です。

 さて。アスランが登場するシーン。皆がひざまずく中、下半身が馬の半獣人?の人がいるの
ですが、その人がどうやってひざを折るというのをやるのかなーと思ってみていたら。ううむ、
なかなかやるな、というポーズでした。オレイアスかっくいー!
 で、流石はアスラン。あっという間にエドマンドを取り戻してくれました。がしかし、エドマンドの
せいでタムナスさんまでもが石にかえられてしまったというのはまだ知られてないのか…。
 アスランから説教くらってまあなんとか心を入れ替えたっぽいエドマンドですがそうは問屋が
下ろさない。
 昔マラソン選手の人形で、宗選手のものだけ売られていない、何故かというなぞなぞがあった
んですが。答えは「宗は問屋が卸さない(から売られてない)」という、お前ちょっとそこへ座れ
的なものでした。
 閑話休題。
 白い魔女が乗り込んできやがって、エドマンドは裏切り者だからこっちに渡せと。
 アスランは話し合いを要求し、長い時間の後白い魔女はエドマンドの引渡しをあきらめると
宣言して帰ってったわけですが…。
 絶対何かあるよなぁ。

 と思ったらやっぱりそうでしたよ!
 アスランはエドマンドの代わりに自らの命を差し出し、白い魔女の手によって処刑されて
しまったわけですよ!うわぁぁぁあ。っていうか見ていたスーザン、魔女を矢で射るんだ!
とか思ってたのは私だけでしょうか。あそこで射ればすべてが終わったのに…。
(そしたら映画も終わっちゃうだろ)
 この事実を知った四兄弟は今度こそナルニアの平和を取り戻すべく、戦いに臨む決心を
します。というか正確にはピーターとエドマンドが。
 対立する白い魔女の軍と、ナルニアの軍。炎となって敵の間をかけめぐる火の鳥や、斥候として
頼もしいキメラみたいなんや、本当に見ごたえがあります。
 さてこの戦いの結果は?私は実にディズニーらしい、素敵なものだと思います。是非最後まで
ご覧下さいましー。

 でもってちょっとだけラストのネタバレを。
 なんか、あの街灯を忘れ去るくらいナルニアで暮らしてんじゃねーよてめーら!という
ツッコミを内心しまくりでした。お前らどんだけエンジョイプレイ(死語)してんだよ。
 だけど元の世界に戻ってきた彼らを出迎えたカーク教授の一言がなんとも素敵でした。
 そして。
 エンドロールが出始めてもまだまだ!
 この後に、さらにもう少しだけ続きがあるのです。
 ナルニアの物語はまだここから。


 全体的に2時間半というかなり長い時間ですが、バランスよくストーリーが配置されていて
とても楽しめました。ナルニア国へ入るまでに時間が割かれすぎ、という感も若干はあるかも
知れないですが、初めてこの物語に触れる人にはいいんじゃないかなーと。
 白い魔女は迫力タップリでした。静の演技もすごいし、自ら剣を取って戦う動のシーンも
素晴らしいです。さすが満場一致でこの女優さんに役が決定しただけはあるなと思います。
 さて先に触れた街灯ですが、あれがポスターにも、ナルニアのイメージとしても使われて
いるのは伏線があるためのようです。この第1章は全部の物語の年代順でいけば2作目に
あたるようで、それより以前に白い魔女がアスランと戦った時に投げた鉄の棒が育ち、この
街灯になったということだそうです。ナルニアでは鉄の棒が街灯になるんですねぇ。
 また、カーク教授がルーシーちゃん達の冒険を信じているわけは、彼自身過去にナルニアを
訪れたことがあるから。その冒険譚は…また改めて語られることでしょう。その時に何故、
あのタンスからナルニアにいけたのかも分かるはずです。
 もうかなり歯がゆい思いをしながら見ていたエドマンドも、最後には「やるな、オマエ」という
成長っぷりを見せてくれます。悪人(といったらいけませんが)が最後まで悪人のままではない、
だからディズニー映画は好きです。パイレーツオブカリビアンのジャックもそうですしねー。
エドマンド、馬に乗って剣の練習中に、馬に「あっしには××って名前があるんですぜ」って
突っ込まれてて笑える。(似たようなシチュエーションはラストあたりでもう1度繰り返されます)
 で。エドマンドが好きだった「ターキッシュ・ディライト」というお菓子ですが、あれにたようなの
が和菓子でありますよね。ゼラチンで作られてて砂糖みたいなのがまぶしてあるやつ。食感も
多分似てると思います。つーかあんなもんばっか食うなエドマンド。虫歯になるぞ。

 ナルニアの物語は始まったばかり。
 指輪物語やハリーポッターとはまた違った、静かに展開されるこの国の行く末を、もう少し
見守ってみたいものです。
 Welcome to Narnia!
 Defend peace for this world!!
 


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