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AEON FLUX 
イーオン・フラックス

3/29鑑賞

 未来の世界を描いた映画ってのは多く、また、未来では人類は絶滅しかけているってのも
また多いです。
 その王道パターンをどう味付けしていくかが見物なのですが…これは流石にちょっとひどい。
 何から何まで「どこかで見たような」というのが付きまといました。ひねりも何もない。
 映画の採点はかなり甘いつもりの私ですが、これはどうフォローのしようもないというか…。

 とりあえずストーリーとともに突っ込みをいれつつ。

 2011年、品種改良による麦からウィルスが発生して人類の殆どが死滅。科学者トレバー
グッドチャイルドの開発したワクチンでなんとか生き残った人類はそれから、清潔な都市のみで
生活しておりました。
 ここ、かなりサラリと流されていますが、結構重要な部分だと思います。
 遺伝子をいじくった食い物の危険性は前々から指摘されていますし、こういうことも十分ありうる
話っス。つかトレバーの名前が「グッドチャイルド」ってやりすぎだろ。

 さて。彼女の名はイーオン・フラックス。
 モニカンという組織に属し、トレバーとそのバカ弟賢弟オーレン率いる政府に真っ向から対立
しております。
 とはいってもこの都市は某K国も真っ青というくらい監視されており、すべての都民の会話は
監視されているといっても過言ではないほど。しかも突然人が行方不明になる事件が相次いで
いても、誰もその不満を口にすることは出来ません。
 ってなわけでイーオンも表向きは普通の生活をしておりました。
 つーかイーオンの服装がいくら近未来といっても、どう考えても周囲から浮いていることが
気になる。
 ただ、組織と連絡をとる方法ですごいなと思ったのは、薬を飲むか体に埋め込まれたチップを
触って、精神だけアクセスするってのはすごいなと。これなら連絡方法を誰かに諜報される
心配もないしな。

 で。
 新たな指令を受けて政府に忍び込んでるイーオンですが…。
 ちょ、ちょっと待って!
 闇夜に白装束ってお前はアホか!
 思い切り目立ってんですけど。これで敵に見つからないって、敵の監視体制どんだけ
ボンクラやねん。
 これで仕事を成し遂げてしまうのはイーオンがすごいからなのか、政府の監視員が無能
なのか…。
 ところが帰宅したイーオンを待っていたのは、大切な妹の死でした。そう、彼女ユナは、
モニカンのメンバーと間違われて殺されてしまったのでした。旦那さんも事情聴取を受ける
ハメに。
 イーオンは改めて政府への復讐を誓います。

 それから何年経過したか知らんのですが、流石にイーオン、今度は黒装束に着替えて
おりました。…ってその胸が上半分出てる衣装はなんだ。あと背中も出てますけど。
いや、あのさ…日本で言う忍者でしょ…?そんなに、致命傷受けたら困る部分丸出しで
いいんですか…?
 銃を背中にやってるってのも気になるけど、これはまああの体術があるなら滅多に
銃は使わないから、逆に邪魔にならなくていいかも。

 そんでイーオンは新しい命令を受け、トレバーの射殺を目的として政府に侵入。この時に
足を、手術して手にしたというシサンドラという女性も補助でついてきますが。
 ここの、侵入のシーンは確かにすごいです。
 張り巡らされた罠を次々かいくぐっていくイーオン。一方、足を手に改造手術したため、
ハリのようになった芝生に手をついて大怪我してるシサンドラ。それはだしで歩いてるのと
同じだからいろいろ不便あんじゃないですかねぇ…。イーオンがそのハリにかわる芝生の
フチに両足つけて踏ん張ってギリギリのところで止まるってのはすごかったッス。

 なんかあっさり侵入してイーオンは見つけたトレバーを殺そうとしますが何故か心当たりの
ない記憶がフラッシュバック。迷っているうちに後ろから殴られて昏倒。…この人、組織ナンバーワン
の人じゃなかったですっけ…。
 とッ捕まえられた牢屋でイーオンのスパイ7つ道具みたいなのが炸裂しまくりですが、
これはなかなかかっこよかった。あちらこちらにばら撒いておいたグッズが金属の玉になり、
集まってきて壁を破るところなんか。すごかったっス。
 
 逃げ出したイーオンは、ユナの旦那さんを発見。政府で働いているということで旦那をどつき
倒しつつ(ひでぇ)、何が目的なのか聞きますが要領を得ず。
 トレバーから渡されていたカプセルが危険物でないことを確認して、それを飲むと、またしても
いろんな記憶が。…これ、カプセルコーポレーションのポイポイカプセル?(それ話チガウ)
 トレバーの部屋に忍び込んでいろいろ探っていた彼女は、研究室を見つけました。
 あの器具の類からいっても、細胞関連の研究をしてるんじゃないかと思うのですが。
 そこである写真が。
 それは髪の毛の長いイーオンの姿。…って、え?これイーオンなんですか?いや姿が
変わりすぎて私には同じだとは…(笑)。

 ともあれイーオンはお空に浮かんでいる飛行船に何か秘密があると思いそこへ侵入。
 この映画の中で何がハラハラドキドキしたって、この侵入シーンですよ。私高いところ嫌い
なんですよ。本当に手に汗握りました。こええよ映像が。
 その中で、ユナがクローンとして生まれ変わっていることを知ったイーオンは、その妹の
ところへ向かいます。だからなんでそんなに簡単に出たり入ったりできんだよ。ここの警備は
相当なんでしょ、とか思うんですが。
 ユナの生まれ変わりの先でトレバーに再会したイーオンは、実はトレバーは組織から言われて
いるほど悪い人ではなくむしろ、ワクチンに欠陥があったことを知りその副作用をなくすべく
研究をしていると知ったのでした。はいはい。
 トレバーは政府から裏切り者とみなされ、あの弟が指揮を執り、二人は政府からも組織からも
追われるハメに。

 でもってトレバー。自分の研究の記録を持ち出せばなんとかなるとかとんでもないこと
言いやがって、またも戻ってまいりました。だからなんでそんなに簡単に(以下略)。
 ところがどっこい研究成果は弟によって燃やされた後。トレバーの味方であった政府メンバーの
一人も殺されておりました。
 で、またも二人は逃走するハメに。もー出たり入ったりわけわからんよ。

 ここまでのことを整理しておきますと、
・トレバーとその弟は、代々クローン人間
・ワクチンの欠陥とは、ワクチンで助かった人間には繁殖能力がないこと
・ただし、ユナは自然妊娠していて、つまりは「次世代」の人間が自然に出てき始めていたこと
・弟はそれを知ってユナを殺し、自然に人間が増えていくということを阻止して自分たちの
支配力を衰えないようにしようとしていること
・イーオンは実は何代か前にトレバーと恋人同士だったが死んでしまい、イーオンはその
クローンである
みたいな感じかな。クローンであるイーオンが昔の記憶持ってるの…?変なの。

 そんで結局、組織を裏切ったとみなしていたシサンドラもイーオンに手を貸すことを約束。
連れてきていた仲間とともにイーオンの援護射撃。これはかっこよかった。でも全員死ぬことは
ないだろう。腕利きのはずなのに…。
 まあいいや。
 で、バカ弟は死に、再びトレバーが政権を取り戻し、飛行船は落下。めでたしめでたし…
じゃねーよ!
 前半の華麗なアクションと打って変わって、場面がやたらコロコロ切りかわる後半。見ていて
疲れるし、何よりダラダラと説明がめんどい。
 ストーリー自体は分かりにくかったことはないのですが、何より伏線も何もなく、ただ盛り
上がらないという感じでした。
 例えば名探偵コナンとかの映画で主人公は絶対死なないというのは誰も分かってるけど、
それでも絶体絶命なピンチに陥ったら「ここからどうやって脱出するんだろう」とは思います。
それすらもなかったですね。自由自在に外へ出たり政府内へ戻ったり。追っ手があるというのに
簡単に抜け出し、さらに簡単に戻ってしまう。それがなんだかなーって感じ。最初の侵入時の
アクションは一体なんだったの?みたいな。
 しかもお約束というか、イーオンには乱射される敵の銃弾が殆どあたらない。真っ只中に
あってまったく当たらない。うーん…。
 魅せるべきポイントをもっと欲張って欲しかったかなというのが感想です。

 映画予告の「イーオン、君に泣いてるヒマはない」っての。
 妹の復讐戦になるかと思ったのですが…。

 見所をあげるとしましたら前半のアクション。これにつきますね。
 うーん、あとは厳しいかな…。
 ともあれ、こういう未来がこないよう祈りたいもんです。



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