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プロデューサーズ

4/12鑑賞

 世の中、楽に儲けたいという人は多いもの。そして過去の栄光が忘れられず、いつまでも
夢を追い求める人も多いもの。
 さてその両方を何とかできるとなったら?
 果たしてそれはうまく行くんでしょうか。

 マックス・ビアリストックはかつてはブロードウェイでは超有名な演劇プロデューサー。
しかしそれはもう過去のこと。今は出資者という名の老婦人から金をせびって暮らしている
状態。落ちるところまで落ちたもんですなぁ…。

 そこにたまたまやってきたのが会計士のレオ・ブルーム。この人、山田隆夫さんに
似てますよ。なんかずっと映画見てる間中気になって仕方がなかった。
 で、帳簿を調べていてレオは、マックスがこの間やった演劇で10万ドルの出資金を集めて
いろいろやったけど失敗して、2000ドルがどっかいっちゃってるのを発見。普通2000ドルも
なくなっていたら大騒ぎのはずですが、なんか使っちゃったっぽいマックスはそれをごまかす
ことを要求。
 つーかここのいじめがすごい。
 1分だけ話を聞いてやるって言って、何秒無駄にした、あと何秒とレオに言って全然話させようと
しないし。マックス、そういうのは話を聞いてやるとはいわん。パニくったレオはポケットから青い
毛布の切れ端を出して落ち着こうとします。
 それをマックスが取り上げたから大変。ヒステリーを起こしたレオ。彼をなだめようとして
マックスは水をぶっかけるんですけど、そうしたらレオが「ヒステリーを起こした上に水をかけられた!」
と言ってさらに大騒ぎ。どうしようもなくなってマックスはレオをひっぱたくんですが、「ヒスを起こした
上に水かけられて叩かれた!」と余計に大騒ぎ。どないせーっちゅーねん。
 マックスも頭がおかしくなりかけたところでなんとか収束。笑える。
 あと、ここでマックスを訪ねてきた老婦人に、マックスがあわててレオをトイレに入っててと
追い出すのですが、話聞いちゃいねぇのか、用を足したからといって平然と出てきてまた閉じ込め
られるレオが面白いです。つーかお互いに話を聞けよお前ら。

 いろいろありましたが、マックスはレオの話にヒントを得て(トイレではない)、出資金を募るだけ
募って演劇が大ゴケしてしまえば開演は1日で打ち切り、出資金も返さなくていいからまるまるお金が
儲かるみたいなことを考え付きました。そんなもんなんかねぇ。まあ出資金は成功を期待して出すもの
だから失敗したら戻ってこないというリスクもあるんでしょうけど…。
 ところが当然レオは逃げる逃げる。水をかけられたはずが、部屋を出たら何故か乾いていたって
くらいの勢いで逃げました。
 会計事務所に戻ったレオはそこで「ボクはプロデューサー!」とか踊りながら考えます。いいから
そこの山田隆夫、静かに仕事してろ。
 結局、人生一度くらい夢を見てもいいんじゃないかと思ったレオは一大決心。事務所を飛び出して
マックスのもとへ。

 こうして彼らはまず、最低の脚本を探すことに。この脚本探してるのはマックスの部屋なんですか
ねぇ。そうだとしたら彼はかなりの勤勉家ですな。つーかネットで探した方が早くねぇか!?
 まあいいや、一晩読み漁って最低の脚本を見つけた彼ら。
 そのタイトルは「春の日のヒトラー」。要するにヒットラーはこんなほのぼのさんなんだよ、みたいな
話らしいです(いいのか)。
 そんでその脚本を書いたというフランツに会いに行きます。

 このフランツがまぁ。石原良純にクリソツなんですよ。もしくは宇梶さん。
 さすが変わり者だけあって変な踊りやら誓いやらを適当にやって、二人はサインをもぎ取ることに
成功。二人が帰った後、素で嬉しがってるフランツがなんか可愛いです。

 次。演出家。ロジャーとかいう、やたら「ゲイ」を連呼する演出家をうまくおだててこちらもサイン
取得に成功。私はロジャーという人もなんかいいなと思いましたけど、そのアシスタント?だか
秘書的なカルメンも好きですね。この人は誰に似てるだろ…誰かに似てるなあとは思ったの
ですけども。この二人はなんか濃くて好きです。明るいゲイ。

 アパートに戻った二人のもとにやってきたのは、やたら名前が長いので省略してウーラという名前
で呼ぶことにした女性。すっげぇスタイルいいしものすごい美人です。…頭はやや軽そうですが。
 で、このウーラにレオはぞっこん。いい雰囲気に。
 あの、一つ言わせていただきますとですね。
 何故ウーラのドレスは踊っているうちに1メートルくらい丈が長くなっているのですか?

 さてさて。
 結局理想のヒットラーが見つからんということで、フランツがやることになりまして、んでもって
二人はいよいよ最低のショーになると大喜び。
 ところがどっこい開演5分前になんともまぁ間の悪いことに、演劇の成功の挨拶である「Break a leg!」
を言った途端フランツが足を本当に折ってしまうという事態が。
 そこでピンチヒッターとしてロジャーが抜擢されました。うん、私もこちらの方が顔は似てると
思う。

 さて開幕。
 二人の思惑通り、お客は「最低だ」と顔をしかめどんどん立ち上がって帰り始めます。
 喜び、「このままじゃ(にやけた顔を見られて)まずい」と外に出る二人。
 ところがどっこいここで終わったんじゃあ意味がない。

 ロジャー扮するヒットラーが登場した途端、湧き上がる歓声。
 …なんと、思い切り内股で出てきたんですな、ヒットラーが。さすが陽気なゲイ。
 ナヨナヨしたヒットラーに会場大うけ。スタンディングオベーションまで起きる始末。

 青くなったレオは、アパートに戻ってゴミ箱から毛布のきれっぱじを拾い上げ、二重帳簿を
持ち出して自首しようとしますが、そうはさせぬとマックスがとめる。もめているところに、
「ヒットラーを笑いものにされた」とフランツが銃を持って乱入。
 すごいぞフランツ!「動くな!当たらないじゃないか!」って逆切れだ!
 しかもここでチャップリン並みのコントも忘れない。いいなぁこのノリ。
 警察官に取り押さえられてフランツは連れて行かれたのですが、マックスもまた二重帳簿を
見られて逮捕。
 助かったのは、ドアが開いたときそこに服が引っ掛けられて動けずにいたレオだけ。
 結局彼は、200万ドルを持ってリオへウーラとともに高飛び。
 えっ、一番悪人なの、レオですやん!

 まあいろいろありまして、結局レオはマックスを助けに戻ってきて、監獄の中でまた新しい
演劇をやったり。それがヒットして恩赦で釈放され、彼らはブロードウェイに返り咲き。
 沢山のヒット作を飛ばしたのでした。めでたしめでたし。

 で、これパンフレットに全部ストーリーが書いてあったのですが(ラストのオチまで)いいんで
しょうか。まあ昔からミュージカルで上映されていたみたいだからいいんでしょうが。
 ただ、歌って踊るミュージカルが苦手な人にはちょっと話の進み方がまどろっこしいと思われる
かも知れません。私も途中途中で、「いつまでも歌ってないでさっさと進んでくれないかなぁ」と
思いましたし。
 あと、またも出ました、エンドロール出てる途中で帰る勿体ない人!
 エンドロールが終わった後、この映画らしい面白い挨拶があります。これは好きだ。

 ちなみにフランツが言ってるのはドイツ語の挨拶で「Auf Wiedersehen! (さようなら)」です。
また、歌のタイトルでも「Haben 〜?」みたいなドイツ語が出てきますが、これは英語の
「Have you ever seen〜?」とかの何々したことがありますか?系の疑問文ですのでわかり易い
かと。Guten tagは夕方の挨拶、Guten Moegenは朝の挨拶です。
 ちょっとだけドイツ語知ってると劇中の歌とか楽しいかもです。大学の時もうちょっとやっとく
んだったぁー…。

 まあなんちゅーか、さらっと見るにはいい映画じゃないですかね。
 踊りも歌もさすがブロードウェイ。オペラ座の怪人のような濃厚なものもいいですが、
こういうのもいいです。
 最低なはずの話も魅せ方によっては大絶賛の作品になる。
 そんな鼻歌交じりの皮肉を突きつけられたような気がします。



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