多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→花戦さ


花戦さ

6/13鑑賞

 いつもこの背景の色は映画イメージの色にしてんだけど、ショッキングピンク系は「目が!
目がぁ!」になりそうだったので変えました。

 うーん全体的にはそんな面白くない。
 たたら侍と同じくらいの感じ。
 痛快エンターテイメントと言ってるけど面白いのは最初と最後10分くらいで、それまでは淡々と
物語の積み重ねが続くだけです。
 もっとこう、難題が突きつけられてそれを花で解決してって最後に利休の無念を背負って
みたいな展開が良かったなあ。一休さん的な。
 だから、見せ方が残念な内容だと思いますね。
 前半1時間半くらいまでは利休が主役と言ってもいい感じだし。

 時代は織田信長が全国制覇を成し遂げようとしている頃でした。
 1573年のこと。
 仏に仕えながら花を生ける坊主の集団がおり、それが池坊と言われる集団でした。
 うん、犬かわいいな。
 河原でなくなっている人に花をそなえ念仏を唱えてあげる心優しい坊主、それが今回
主役の池坊専好。
 …「こうこう」っていうお坊さんはおられませんかね。(先攻後攻じゃない)
 
 執行という、リーダー的ポジションの方がいるんだけどその人が、信長から花を活けて
くれと言われたらしく、専好にていよく押しつけていました。
 信長の人となりを聞いていればそりゃ怖いのはわかるんだけど。
 あの人は何でもかんでも気に入らないから斬るって人でもないですよ。
 茶坊主を膳ごと押し斬った、という由来で有名な「へし切長谷部」についても、あの
茶坊主自体もともと敵だしね。
 まあこの時代だからしゃーない。
 というわけで、専好は花を活けてって言われたもので嬉しくてしゃーないからルンルンですよ。
そばに付き従うのは専武。
 執行が専武がいれば安心と言ってたのは、この人が銀魂の真選組でいう土方ポジだから。
つまりフォロ方十四フォローってことだよバカヤロー。
 つかマジで専好、専武いないとやばかったと思う。
 ある意味世の中の理に囚われない、幸せな人ではあるけどね。

 道中専武に信長とはどういう人か、と尋ねる専好。
 専武もさすがに、怖い人というのは抵抗あったのか、昇り竜のような人と表現してました。
 なるほど。
 というわけで岐阜城にやってきた一行。
 専好は一番好きな松でいろいろ作ってます。
 そこに通りかかったのが若き日の利休でした。
 松で昇り竜を作っていると聞いて驚く。
 まあなんていうか、物の理に囚われない人だなあ、って思ったんじゃないかな。

 それと、中井貴一さんの信長表現は面白かったな。
 静かな感じの中の気性の荒々しさを足音で表現しているのが好き。
 んで専好の活けた松を見るのですが。
 意見聞かれた部下らは、奇をてらいすぎてるとか言うんですね。
 うーん。
 で、専好は全然空気読めないから、昇り竜ですとウキウキ説明。
 信長公の勢いを示したものです、と専武ナイスフォロー。
 信長も見て、見事なりと褒めるんですね。
 ここで、奇をてらいすぎてると言った奴ら、アチャーって感じだろうなあ。
 自分の意見をちゃんと言っても怒らない人だと思うんだけど。
 掛け軸のこれは…タカかな、松の枝にとまろうとしているのを生かしたのも見事な
感じの作品ですね。
 ともあれ、そうしてたら嫌な音がして、継いでいた部分の枝が折れた。
 ああー…。
 そーいや利休が、その枝は重すぎるようだから気を付けて的なこと言ってたよなあ。
 この絶望的にやばい空気を救ったのが秀吉でした。
 手を叩いて大笑いし、「さすが殿、扇子を叩いただけで松の枝を折った」と大喜び。
 信長も悪い気はしなかったんでしょうね。
 精進しろ、と専好に伝えてお咎めなし。
 信長は一同に、武人は茶と花、人の道を大事にするものだ、と言い、秀吉に
「聞いておるかサル!」と怒る。
 まあそれはいいとして、何とかおさまってよかったですな。

 専好のいるお寺では、信長からの贈り物に目を丸くしていました。
 直々の寄進らしいです。
 思えば信長と専好という組み合わせは、常識にとらわれない者同士よかったのかも
知れませんね。

 それから時は流れ12年後。
 信長は本能寺の変で世を去り、秀吉が天下統一の時代に。
 時は天正13年。
 民の暮らしも活気を戻しつつありました。
 池坊も新しい時代を迎えており、なんと専好が執行になってた。
 もっとも、彼は心底嫌でたまらなかったらしいですか。
 こういう人はリーダーになるべき立場の人ではないからなあいろいろと。
 自由人としている方がいい作品作れますしね。
 池坊では町の人々に生け花を教えているのだけど、皆専好に習いたいらしい。
 親友の吉という人が教えてるんだけど、この人も筋は悪くないと思うんだけどねえ。
 専好もリーダーの立場よりはこうして、民に花を教えたいみたいですしね。
 
 細川の屋敷に花を活けにいった専好。
 ははあ、この時代だと忠興さんとこかねえ。
 でも全然嬉しくなさそうなんだよね。
 本当は専好の兄弟子が執行さんになるはずだったんだけど、ふらっと旅に出て10年
もどらんらしい。
 ああ…逃げたな…。
 そんな中専好は河原で死んでいる人たちのためにまた花を手向けてやっています。
 と、物取りが女の死体から髪の毛を切り取っていて(髪の毛も高く売れた)、念仏を
唱えながら走ってくる専好がめっちゃ怖かった。
 ここは面白かったわ。
 で、むごいことを…と言いつつ念仏を唱えてやっていると、その女が目を覚ましました。
 死んでたんじゃなかった…。
 保護して寺に連れてくるも、口も利かない、食べ物も食べないというのは面倒くさい。
 専武が難儀していると、専好、女の横に座り、でかい声で念仏唱え出した。
 女がビックリしたので、耳が聞こえないというわけではないらしい。
 うむ、彼らしい確認の仕方だ。
 結局かゆは女が食べなかったので専好が食べてました。
 お前…。

 その翌日も女はかゆに手を付けず。
 ハスの花を取ろうとして池に落ちた専好は着物をほしてました。
 専武が持って来たそのかゆをすすって、行儀が悪いと言われると、箸もってすすりだすの
笑いました。
 そういうことではないんだと思うのですが…。
 ただ女は、専武がかゆを下げるのと入れ替われに持って来た、専好がとったハスの花が
咲いたのに何かインスピレーションを刺激されたらしい。
 ふすまに、一心不乱に絵を描いたのでした。
 専好は花の力や!といたく感心します。
 そしてこの女に、花の中には仏さんがいる、と伝える。
 あと名前がないのは不便なので、蓮と書いてれん、ということにしました。
 今の時代だったら確実に「君の名は?」って聞いてたよなあ。
 蓮が取ろうとしていた花を「それには毒がある」と止める専好。
 一つ食べると倒れ、3つも食えば死ぬと。
 ここで、2つが飛ばされたのが伏線だったとは…!
 
 専好は蓮を尼寺に預けました。
 好きなように絵を描いていいと言われる蓮。
 ただしふすまではなく紙に。

 専好はその後吉のお店にいって、自由に花を活けてました。
 ここは好きにやっていいと言われてるから嬉しいらしい。
 専好の活けるものは型破りなんですかねえ。
 その、好き勝手活けたものを店の外に吉が飾ったところ、たまたま通りがかった利休が
目に止めたのでした。
 そんで、吉に専好あての手紙を託した。
 吉はビックリしてるけど、専好は利休がどれだけすごい人かを知らない。
 吉はそんな専好と利休が知り合いなことにビックリしてますが…。
 専好忘れてるなこの様子は…。
 君の名は…?(やめなさい)

 利休の庵に招かれた専好。
 入り口の朝顔に喜んでいます。
 …時間考えるとこれ昼顔ではないか、と思うんですけどねえ。
 朝顔は明け方から5時くらいまでには開花してしぼむので…。
 昼顔だとその名の通り、昼ごろまでは咲いていると思うんだけど。
 まあいいや。
 茶室の中のしつらえに感心している専好。
 と、利休いた。
 つーか!
 影薄いわ!
 ミスディレクションしてて驚くわ!
 利休は久しぶりというけど専好は覚えてない。
 私影薄いですから、という利休。
 なるほど、黒子テツヤくんの先祖は利休…!(違う)
 信長の話をしてやっと思い出したらしい専好。
 ここで専好は、自分は執行に向いてないと言い出した。
 要するに今の立場だと好き勝手に生け花出来ないのがつらいらしい。
 まあ気持ちはわかりますね。
 きちんとしないといけないのが楽しくないと。
 まあでも利休に相談したことで、何か吹っ切れたみたいで。
 茶は束の間の事、それが生きているということだ、という悟りを開いたみたいな
感じになったのかなあ。
 それで、仏さんの前に飾る花を、飛び跳ねる花みたいな感じで作ったようです。

 その利休ですが。
 秀吉の怒りをかってるようで。
 なんか、朝顔がきれいだからと聞いて庵にやってきたら、入り口のとこ咲いてなかった
らしい。
 あんた、そりゃ旬が過ぎたからじゃないの。
 茶室に一輪の朝顔しかないみたいなので怒ってるし。
 ううーん…。
 茶室も狭苦しいと文句言ってます。
 なんかなあ。
 卑屈になってきてるなあと思います。
 秀吉は、帝の肝をつぶすものを作りたい、と黄金の茶室を作ることを提案。
 それを利休に任せると言います。
 なんつーか…うーん…。
 
 その頃蓮がいなくなって尼寺では大騒ぎ。
 三条家に絵師としての奉公の話があったから良い事だと思って持って来たんだけど、
蓮が嫌がって逃げてしまったらしい。
 自由にやりたいんじゃないの、と思っていたんですが…。

 町では皆が、秀吉が大茶会やるらしいと話をしていました。
 民衆でも、茶碗一つ持っていけばいれてもらえるらしい。
 それが10日間開催されると。
 うーんなんだろう。
 茶飲み放題と言われてもあまり嬉しくないのは…。
 ビール飲み放題の方が。(やめなさい)

 その利休がまた専好を訪ねてやってきたんだけど、名前忘れてるの笑った。
 吉が、利休さまと言って思い出したようですが。
 ところがここで、村人が蓮の行方を伝えにくる。
 山の中の洞窟で蓮、壁に絵を描いてたんですね。
 事情を理解したらしい専好は、木こりの家みたいなとこを用意して、そこに蓮を住まわせて
やることにしました。
 蓮は自分はお勤めなんかできない身の上だと言います。
 素性を話したら巻き込むと。
 でも専好なら大丈夫でしょう。
 人の名前覚えないし、世俗に興味ないし。
 専好は小屋で好きなだけ絵をかけ、と蓮に言います。

 さてさて。
 天神さんの大茶会が開催されます。
 吉は利休に言われた花を届けるため利休を探しにいったんですけども。
 専好、ここにいてよと念押しされた次のカットでもうフラフラしてて笑える。
 幼稚園児以下かよ…。
 というかこの場合、吉は専好も連れて行くべきでしたね。
 専好はワクワクしてるみたいで、あちこち見て歩いてるし。
 そんで前田利家がいて話しかけてくるんだけど当然専好は覚えてない。
 ただ、利家は機転がきくというか、空気読めるみたいでさっさと、信長の城で
会ったと説明。
 でも秀吉すら覚えてないのはちょっと呆れた模様。
 専好の窮地を救った人でもあるからねえ。
 ともあれ、そこに吉がやってきて怒られる専好。
 利休と合流できて、花を生けるんですけども。
 これがまたなかなかに面白い。
 枝を生かして花を活けていくのいいですね。

 秀吉の方は町民に茶をふるまって満足したようだったんですが、民衆が「利休の茶が
面白い」とうわさし、自分のとこを通り過ぎていってしまうのが腹立たしかったようで。
 さらに子供と言うのは残酷なもんで、黄金の茶室もかすむなーとか、サルに茶たてて
もらってもとかひでーことを親と一緒になって言ってた。
 ううーん。
 手打ちにされてもおかしくなかったぞ。

 利休は専好からこの花の名を聞きます。
「花、わらう」らしいです。
 で、専好は利休がなぜいつも黒の茶碗を使っているのかと尋ねる。
 利休は、いろんな色が好きなんだけど今は黒が好きと答えました。
 懐が深いからと。
 ふーむ。
 この答えも深いですね。

 ところがその翌日からお茶会は中止されてしまいました。
 この理由はいろいろあって定まってないらしく、いろんな憶測が飛びかっています。
 今一番有力視されているのが、秀吉が思ったほど人が集まらなかったから、面目を保つために
中止したのではないか、という説らしいです。なるほど。
 この映画では、利休が秀吉の怒りを買ったから、という話にしてるんでしょうね。
 面白いです。
 秀吉は利休に、黒の茶碗を出したことを怒っていました。
 金の茶室で黒の茶碗なんで使うのかよって言ってますが。
 信長がこの場にいたら、はたとひざをうったかもなあ。
 すべてが黄金の中にある黒。
 映えますよ。
 こういう風に大局でものを見られなくなっていってたんだなあ、このころの秀吉は。
 利休は、秀吉になら分かってもらえると思ってやった、というけど、秀吉はバカにされたと
思ったんだろうなあ。
 何から何まで説明して台無しにしない、というのは茶とか美の世界でもよく語られること
だけど、なんていうか、それがわからない人もいるわけで。
 
 それから3年が経過しました。
 というと、秀吉と利休の仲がもう微妙な感じになってるころあいだなあ。
 三成がいろいろ入れ知恵したりして。(真田丸)
 このころ秀吉の振る舞いは傲慢になっていました。
 その頃三成が、利休の話を耳に入れます。
 あれです、寺の門の上に利休の像があるから、秀吉がその寺を参拝する時、利休の
足の間をくぐることになってる、っつーやつ。
 言うてもあの門の上ってのは納屋みたいなもんだから、言いがかりではあるんだけどね。
 利休も利休でとっととどっかにやるように言えばよかったんだろうけど。

 その頃専好は蓮の絵を見てホクホクしていました。
 その中にたまたま絵柄が違うのがあったんですね。
 これは父に似せたものだという蓮。
 専好はそれで、父もまた絵師であったのだと知る。
 ………身の上話を聞いたんじゃなかったかお前………。
 まあいいや。

 そんな中、利家の部下が専好を訪ねてきます。
 なんでも、利休が今秀吉の怒りをかって大変なことになっているから、皆が利休にとりあえず
秀吉に謝っとけと言ってるらしいんだけど、利休は、あの寺が勝手にしたことで自分は関係ないから
謝らないと言ってるらしい。
 利休の言い分は正しいんだけどねえ。
 それで、専好にとりなして欲しい、と言うわけです。

 専好は利休の茶室を訪ねます。
 良い梅が手に入ったからと。
 咲く少し前の感じですね。
 良い梅というから食べる方かと思ったのに…。

 専好はこの梅が開くのを見たくないですか、と問いかける。
 なぜ詫びないと。
 専好は、もてなすつもりで詫びればいいと言います。
 面白いですね。
 利休、私はそれを見失っていたのか、とある意味答えを得たようでした。
 なんていうか、秀吉にどう伝えたらいいかを模索していたのもあったんだろうなあ。
 ただ利休は利休で、こうしないと秀吉と向き合うすべがないと言うんですね。
 茶の道を理解して欲しかったんだろうなあ。
 なんでも奇をてらうことがいいってわけじゃないみたいなの。
 秀吉を頭から否定してるわけじゃないんだろうけど。
 
 そうして利休は自ら切腹したのでした。
 その首を秀吉は河原に晒した。
 ひでーことしますなあ。
 専好は彼のために花を手向け念仏を唱えてやります。

 これがあってから専好は仏前に花が飾れなくなっていました。
 まあ気持ちはわかる。
 そんな専好を見た吉、思い立って花の力を借りるかと。
 利休の四十九日を弔おうということで、皆に花を持ち寄ってもらうんですね。
 それを思い思いに活けようと。
 いい考えだと思います。
 そうして専好も飾るんですが。
 蓮が、咲いた梅があった、と山を下りて持って来てくれた。
 いい子ですねえ。
 そんな蓮を、不審な侍がじーっと見てました。

 秀吉の方は、幾松が生まれていて三成から「民が利休の四十九日弔ってっけど
どうする?」というのも「ほっとけ」と言ってました。
 さらに利休の話をする三成に「利休の話はするな」と怒る秀吉。
 これは三成が悪いな。
 こっちの三成はうぜぇなあ…。いらんことを空気読まずぐちぐち言うタイプだわ。
 で、「むじんさい」の娘を見かけたという三成ですが、こちらも捨て置けと秀吉は
答えました。
 ちなみにこのむじんさいというのは架空の人物です。
 
 天正19年のこと。
 民の間に少しずつ不満が出てきていました。
 上のお達しで仕事ごとに住む場所が決められて、引っ越せ言われたんですな。
 これは面倒くさい。
 でも、私歴史のことよく知りませんが、職人の町とかいうのが残ってるのはこれの
名残なんかね。
 たたら製鉄とかだと、資源がある場所に自然集まってくるようになりますけども、
モノづくりの職人がまとめて住んでる町、みたいなのはこういう政策の結果なんかね。

 そんな中、鶴松が亡くなったという知らせが入ります。
 人々は口々に利休の祟りだ、とうわさをしますが専好は、あの人は祟るような人ではない、と
厳しい口調でいさめるのでした。
 優しい人だな。
 秀吉が、鶴松の遊んでいた馬に乗ってるシーンが出てくるんだけど、この背中だけで
哀愁を表現するのすごかった。

 街中では秀吉を揶揄する川柳などがはられています。
 真田丸に出てきた落書きみたいなあれやな。
 と、秀吉を侮辱した町民とかがいきなり連れていかれて処刑される事態が起きていました。
 秀吉の周りには、いさめる人はいなかったんだろうなあ。
 というか処分されるからね、いさめると。
 こうなったリーダーってのは悲惨ですよ。
 後は破滅しかないので。
 吉は自分のせいかも知れないと言います。
 利休の四十九日を弔ってしまったから、目をつけられたのかも知れないと。
 専好は河原に晒された町民の首に花を手向けようとするけども周りに止められました。
 やりたいっていうのはわかるけど、その行動のせいで坊主数十人がまた殺される、というのは
ちょっと考えた方がいいぞ。
 池坊がつぶれてもいいとかではなくて。
 
 そんな中、蓮も連れて行かれたという知らせが入ります。
 むじんさいの娘だとばれたと。
 吉はむじんさいについて、人気の絵師だと説明。
 ある日呼ばれて秀吉の絵を描いたが、それが猿だったから秀吉が激高し、むじんさいを
はりつけにし、絵をほとんど燃やしてしまったと。
 娘は河原の無頼に投げ与えられたということらしいです。
 それであの行き倒れ状態か。
 吉はちょっと調べてみる、と言います。
 今は動かない方がいいと思うけどなあ。

 その頃秀吉のとこでは、蓮が命を絶ったらしく、捨てとけって言ってた。
 あの、専好が教えた花を懐に隠し持っていて、隙を見てそれを口に入れたらしいです。
 なるほどなあ。

 さらに、吉も秀吉のことを変に調べていた、として専好ら坊主の前で切り捨てられてしまった。
 てかここはちょっと考えて欲しかったんだけど、さすがの秀吉といえども、坊主の前でこういう
沙汰はちょっとどうなんかね。
 うーん。
 ともあれ、吉も蓮も失った専好は、仏なんかどこにいるのだ、と嘆き悲しみます。
 
 咲いた桜の道を歩く専好。
 いつの日か、利休が問うた話を思い出していました。
 梅と桜、どちらが好きか、どちらが美しいか。
 専好は、どちらもそれぞれの美しさがあるという。
 確かにそれなんですよね。
 利休はおそらくそれを秀吉に伝えたかったのでしょう。
 専好、では自分がと決心します。
 まずは利家に会って、秀吉への目通りを願い出た。
 民衆は秀吉をバカにしていない、その誤解を解きたいということで。
 その後山の中に入り、皆にも頼んで生け花用のものをそろえてもらっていました。
 
 そして坊主らに、花をもって秀吉をいさめる、と説明します。
 この戦、勝つつもりでいると。
 花の戦さや、という専好。
 このあとお経唱えるシーンあったけど、ほとんどの坊さんが本職なんだろうなあ…。

 そうして花を生ける作業が始まりました。
 美術さんも大変やな。(シッ)
 大体の土台が仕上がり、あとは細かい花を活けていくという段階で専好は、ここからは
自分ひとりでやると言う。
 最後までお供するという専武に専好は、破門状を渡した。
 万が一秀吉の怒りをかった場合に、もう専好は波紋されているからとして、池坊自体への
お咎めを避けるためなんだろうなあ。
 
 さて秀吉がやってきましたよ。
 専好の活けたものを見てびっくりしています。
 昇り竜みたいな感じだな。
 専好に秀吉は見事、と答えます。
 ここで専好は秀吉に尋ねる。
 どの花が好きかと。
 秀吉は、花はそれぞれに趣があると答える。
 そこでばーんと掛け軸が生け花の後ろに出てくるんですよ。
 絵はむじんさいのサル。
 サルにはそれぞれの美しさがある、と専好説明します。
 部下が刀を抜くけどここで利家が、「その者は刀突きつけられても動いてない。覚悟の
上だろう」とナイスフォロー。
 さらに秀吉に、冥途の土産にお答えを、と言うわけですよ。
 それで秀吉はあらためて猿の絵を見る。
 ちゃんと生け花の松にそって、ある猿は枝でぽけーとしてたり、ある猿は枝をつかもうと
していたりするわけですよ。
 生き生きしてるんですね。
 なんとかろやかな猿であるか、と秀吉は言う。
 専好はものにはそれぞれの美しさがあると説明。
 赤には赤、金には金、黒には黒の美しさがある。
 利休は己の死をもってそのことをわかって欲しかったのではないか、と専好は利休からもらった
あの黒い茶器を出します。
 「1人の長い友として」と。
 秀吉に意見できる立場ではあったからねえ、利休。

 秀吉は思い出します。
 あの日信長が、茶と花を、人の心を大事にせよと言っていたこと、聞いているのか猿と
怒られたことを。
 
 こうしてやっと秀吉は自分の過ちに気付いたのです。
 と、大団円になりかけたらまーた松の枝が折れやがった!
 慌てて支える専好。
 利家をきっかけに皆笑いはじめました。
 いい〆が台無しだよと思ったけど、ここを見てふと思いました。
 もしかしたらこれは専好の計算だったんじゃないのかなと。
 信長の時は本当に偶然だったとしても、これはあの時の再現なのかなと思ったり。
 
 その後また河原で専好は死んでいる人のために花を活けてました。
 蓮が倒れていたのはこの辺だったかなと言いながら花を活けて、念仏を唱えて目をあけると
活けた花が変わっている。
 後ろには蓮が立っていました。
 ヒョー!さっそく化けて出たで!(違う)
 蓮は生きていたのでした。
 あの花は2つ食べると仮死状態になるそうです。
 なるほど、うまくやったな。

 専好はあの花を渡し、ひとつええように描いてあげてや、と蓮に頼みます。
 毒の花でも?と聞く蓮に対し、「それもまた花やろ」と答える専好。
 そのうしろをたたたたーと走るわんこがかわいかった。

 つーわけで、もう少し花で戦う(語弊がある)シーンが欲しかったなあ、中盤あたり。
 盛り上がりが最初と最後だけで、あとはだらだらーっとなのでちょっと疲れました。

 信長のシェフはそれこそ、料理で活路を切り開いていくから受けているのであり、それを
花で出来ないとは思いません。
 生け花が見事だっただけに、話がもったいなさすぎてなあ、という感じです。



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→花戦さ