多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→新参者 祈りの幕が下りる時


新参者
祈りの幕が下りる時

2/15鑑賞

 これ、映画のタイトルに「新参者」つけた方がよかったと思うよ。
 このシリーズだとわかりにくいですわ。
 知らずに初めて見て「??」ってなった人もいるんじゃないかなあ。

 内容はとても面白かったんですがひとつ残念だと思ったのが、冒頭の展開が早すぎて
人間関係把握するのにちょっと時間かかるとこ。
 もう少し時間をかけて展開して欲しかったなあ。
 重要になってくるだけに。

 あとはそんなに悪くなかったです。
 やっぱ新参者シリーズは面白いなあと思いました。
 過去のドラマ・劇場版新参者はこちらから

 物語は1983年の冬、仙台から始まりました。
 ある女性が、家にいるのに耐えられず飛び出してきた、水商売は経験があるから
ここで働かせて欲しい、とやってきたところからです。
「ここで働かせて下さい!」
「じゃあお前は今日から千だ」
 …違うアニメになっただろうがぁぁ!!

 どことなく影のあるその女性をお店のママさん、宮本さんは雇うことにしました。
 その女性、百合子は客を引き付け人気者になりました。
 ただ、家族のことはほとんど語らなかったと。
 宮本がしつこく聞いて怒らせてるけど、そりゃ聞き方が失礼だと思う。
 家が嫌で飛び出してきたという女性に、そんな根掘り葉掘り聞くもんじゃないだろ。
 無神経だなと思います。
 百合子は10歳の男の子がいた、という以外は話しませんでした。
 また客に対しての関係もきれいなもので、綿部という人間を除いては深く付き合うようなことは
しなかった。
 この綿部という人が唯一心のよりどころになったんでしょうね。
 そして2001年のこと。
 百合子は布団の中で心不全で亡くなっていたそうです。
 事件性はなかったものの、身寄りがなく、宮本さんも百合子の携帯で綿部に連絡した程度
だった。
 でも葬儀に綿部はこれなかった。
 事情があったらしいんですね。
 なるほど、ここからもう伏線が…。

 そして数日後、綿部から連絡があり、百合子の息子が東京に住んでいたことがわかり、
住所も教えてくれたので連絡をしたと。
 それが、加賀でした。
 宮本は、18年もこんな狭いところに住んでいて…っていってるけどあーたそれ大家さんに
失礼でしょうよ。
 それに百合子の事情からしたら多分、ここでも幸せだったんじゃないかなと思いますけどね。
 てかなんで布団しいたままなんだよ。
 加賀は綿部に連絡を取りたいというのだけれど宮本曰く、全国を転々としていて、今は携帯も
解約してしまったようだから全然連絡がつかなくなってしまったと。
 まあ母の話を聞けなかったのは残念ですが加賀、家を出た母にそういう人がいてくれて
良かった、というのでした。
 何とかして会いたいと言うと宮本は、日本橋あたりで良く会っていた、と教えてくれます。
 
 それから16年が経過しました。
 加賀は綿部の行方をつかめないでいました。

 そんな中、葛飾区で事件が。
 両さんがまた爆発事故でも起こしたんだろうか?(その漫画は終わりました)
 あるアパートで絞殺死体が発見されたのでした。
 下の階の住人が、「異臭を放つ液体が落ちてきている」ということで通報したと。
 うわこれ絶対遭遇したくないやつ…。
 上の部屋からは死後20日くらい経過した腐乱死体が発見されました。
 ここ結構リアルなんで、グロ苦手な人は気を付けて下さい。
 腐敗がひどくて女性という以外はわかりませんでした。
 つーかウジがいるのにハエがいないって。

 検視に立ち会った松宮はカレンダーに、柳橋とか常盤橋とか書いてあるのに気付く。
 書いてあったとこにいってみると何かを燃やした跡が。
 ホームレスのテント映っていたけどこれはまだ結末の前ってこと…なわけはないな。
燃やした跡あんだから。
 ここの映像のつなぎ方ちょっとおかしいぞ。

 女性の身元が判明します。
 押谷という清掃会社の営業担当の人で、5/12の金曜日には出社したけれども、13日、
14日の土日を挟んで5/15から無断欠勤していると。
 13日はホテルを予約して宿泊しており、殺されたのは14日の模様。
 アパートの借主は越川という男性ですが、15日くらいから姿を見てないと。
 70歳だそうです。
 それで家主さんとかいろいろ聞き込みしてモンタージュが作られました。
 ただし被害者との関係は分からずじまいでした。
 捜査本部の面々が調べるぞーとやってた時に、松宮が手をあげた。
 先月16日にあったホームレス放火殺人と関係があるのではないか、と。
 ここちょっとわかりづらいですが、発見されたのが死後20日後なので、発見そのものは
6月に入ってからですね。
 なので、松宮としては、5/14の押谷、5/16のホームレス放火殺人は同一の犯人では
ないか、というわけです。
 2人とも絞殺されていたからだそうで。
 ただ捜査本部を仕切る大林としては、似てるってだけではちょっとなあって感じです。
 まあそりゃそうだ。
 ただもう一人の幹部が言いたいことがあるなら言った方が言うので松宮言うのですが、
越川という人物はその日暮らしだった、と。
 アパートを見る限りほとんどものはなく、9年もこのアパートで暮らしていたというのに
まるでホームレスのハウスのようだと。
 これ本当何の意味があるんだろうとちょっとわかりづらかった。
 のちのち、ホームレスの家出てきて実際越川はそっちで生活してるようなんだけど、
そこがあるならアパート借りる必要ないのでは?みたいな。
 そこでの暮らしはこのアパートを出てからのことだったのかな。

 なぜ押谷は東京にきたのか、それを調べるために松宮は勤務先へ飛びます。
 なんでも、13日は贅沢をすると言ってたらしいです。
 急に決めた感じだと。
 なので誰かに会ってそれがきっかけになって東京にいったという可能性もあるので、
取引先をあたってみようということになりました。
 松宮、これは何か複雑な事件の気がする、と盛大なフラグを立てていました。
 お前が余計なこと言うから…!

 ホームレス焼死体を調べたところ、DNAは越川のものとは一致しなかったという
結果が出ました。
 つまり、アパートに住んでいた人間はあそこで殺された人間ではなかった。
 連続殺人事件かと思っていた松宮、がっかりでした。
 で、改めて押谷の取引先の一つであった老人ホームに向かうと…。
 201さんと呼ばれる高齢者がいることが判明する。
 なんでも、たまたまやってきていた押谷がここの職員さんと話しながら廊下歩いて
いた時に、この201さんと呼ばれてる人とすれ違った時に、「浅居さんのお母さん!?」と
呼びかけたのだそうで。
 その201さんとは、なんも名前とかわからんということでここに居ついているらしく。
入ってる部屋が201だからそう呼ばれてました。
 施設側も迷惑しているらしい。
 で、押谷の言った「浅居さんのお母さん」というのが本当なら身元が分かって
有難いんだけど、ということでその浅居を訪ねて東京にやってきたのではないかと
いうのが目星ついてきました。
 201さんに、浅居さんという人の母親では、と言うと狂ったように大騒ぎしたらしい。
 ただちょっと思ったんだけど、こんなどうしようもない性格だったら逆に、親として
有名になった子に金せびりにいきそうな気もしますけどねえ。

 浅居は今は有名な舞台演出家のようです。
 押谷としては昔の同級生ということを理由にサインのひとつでも欲しかったけど、
なかなか近寄りがたく、良い口実が出来たと喜んで出かけて行ったのではないか
ということですな。
 
 松宮は浅居を訪ね、あなたを訪ねてきた押谷という女性が殺されたということを
説明します。
 ただ、公演初日のバタバタしてる時にきてて内心困ってたらしい。
 母親の話をされたけど、引き取りをきっぱり断ったと言います。
 それで押谷は、公演の切符が欲しいようなことを言ったけど、初日だから手に入らない
ということを浅居が告げたらそのまま帰って行ったと。それくり知らないらしいです。
 母は自分が中学のころ、自分と父を捨てて出て行ったという浅居。
 なんでも、質素な暮らしに耐え切れず借金こさえただけでなく、父の実印まで持ち出して
父親の名前で借金も作って逃げたと。
 そんな親だったら引き取り断固拒否しますわなあ。
 父は借金を苦に自殺したらしいです。
 
 松宮、そういうことでその場は引き取るのですが…。
 浅居の仕事部屋に、彼女と加賀が一緒に映っていた剣道場の写真があるのを目ざとく
見つけていました。
 さすがです。
 
 松宮、加賀と会っています。
 加賀は入った飲食店で舞台のポスターに見知った名を見つける。
 それが浅居でした。
 松宮は、彼女の部屋に一緒に映っていた写真があったことを言い、つながりを聞きたいと。
 昔刑事やりながら剣道の講師もしていたころに、子役らに殺陣のため剣道を教えて欲しい
という希望があって、たまたま会ったらしいです。
 
 んで念のため浅居のアリバイも調べられたけど、押谷が殺されたころはずっと事務所につめて
仕事してたからあっさりアリバイ成立と。
 ただ、あの母親と浅居の関係が気になるという松宮に、加賀は、剣道を教えていた時に
自分は子供をおろしたことがある、と言ってきたと伝えます。
 なんでそんなことを言ったのかはわからない。
 あと、松宮は今自分が担当している事件の話をして、DNA鑑定で別人と出た、というの
ですが、加賀は殺した犯人がDNA検査に使う歯ブラシとかタオルをすり替えた可能性を考えたかという。
 自分が担当していたら考えると。
 さすがですね、加賀。
 捜査本部は色めき立っていました。
 もう一度DNA検査をやり直したところ、あの焼死体は越川のものであるとわかったのです。
 2つの事件がつながる可能性が出てきました。
 つーか勢いよく書くからチョーク折れたやろが。
 
 加賀の方は浅居の舞台見るために当日券の列に並んでいたけど自分の目の前で売り切れた。
 この人いつもこれだな…。
 と、浅居が声をかけてきます。
 一番のコネ見つけたー!(やめなさい)
 浅居がチケットを用意してくれて、加賀、ホクホクで席に歩いていきます。
 途中止まったから何か思いついたのか、と思ったら「やっぱ超美人だな」。
 お前のチケット破って捨てるぞ。

 松宮、非番だった加賀にあって、DNA検査の結果を報告。
 加賀はそーかーって感じなんだけど、松宮が、カレンダーに橋の名前がかかれていた、と
いうことを聞くと顔色が変わる。
 それは、自分の母、百合子のカレンダーにも同じことが書いてあったからでした。
 宮本曰く、綿部との待ち合わせの場所に使っていたのではないか、と言っていたのを
加賀は覚えていました。
 加賀、無理を承知で松宮に筆跡鑑定を頼みます。
 つーても事件に関わってくることだからそりゃ申請通るだろうなあ。
 筆跡鑑定の結果、綿部と越川は同じ人間である可能性が高い、ということがわかりました。
 さらに加賀もこの事件捜査に加わりました。
 綿部を知っているのは今の時点では宮本さんだ、ということで加賀と松宮は宮本のところへ。
 似顔絵を用意して、その中に綿部に似ているものがあったら…と見せていたのですが、
宮本は越川の似顔絵にすぐ反応した。
 これだわ、と。
 
 加賀は百合子がいなくなった時のことを話します。
 ある時自分が剣道の練習から帰ってきたら母はもういなくなっていた。
 家庭を顧みない父のせいだ、と加賀は思ったらしいです。
 
 ここから少し回想に入ってます。
 百合子の遺骨を持ち帰った加賀に加賀父は、過去水商売をしていたこともあり、百合子は
親類からよく思われてなかった、と話す。
 要するに自分が悪いんじゃないの。
 一人孤立する形になった百合子を、加賀父がかばってやっていればまだ、心の支えにも
なったものを、仕事仕事で一人で抱え込ませていたら、そりゃおかしくもなるでしょうよ。
 まあさすがにそれを悔やんでいたのか、加賀父は「自分が死ぬ時は一人で死んでいく」と
いったらしいです。
 だからその約束を守って加賀は看取らなかったと。(テレビドラマ)
 でもその話がなくてももとから、看取る気はなかったでしょうね。
 母のこともあり父のことを心底嫌っていたようでし。
 
 間宮、加賀が日本橋警察署に移ったのはずっと綿部を探していたのか、と言ってます。
 加賀、いい年をして強烈なマザコンだとか自虐してるけど、そういうのじゃないと思うなあ。
 母を慕う気持ちなんじゃないですかね。
 当時子供で母を助けてあげられなかったことをこの人なりに悔む気持ちがあるんだと思う。

 加賀はカレンダーに書かれていた橋をあちこち回ってみることにします。
 中でも日本橋では、橋洗いという伝統行事があると話していた加賀ですがここで、
もしかしたら橋洗いを映した写真の中に、越川に似た人物がいるかもしれないと、探すことを
考えます。
 そんな気の遠くなるような話を…。すごいですね。
(ここで、皆携帯使ってますね→待ち合わせしてても人数多くてわからなくなる、という会話の伏線もあり)
 
 大林が息を切らして本部に走り込んできました。
 つーかこの人何度も走らされてるな…。
 百合子の遺品から面白い事がわかったというのです。
 時刻表で、女川駅というとこに集中して百合子の指紋がついていたそうで。
 綿部は電力関係の仕事をしていたと言うことから、女川原発で働いていたのでは
ないか、そこから仕事が休みの日に仙台にきて、百合子と会っていたというわけです。
 つまり、原発に勤めていた人間に聞き込みをすれば、綿部の情報がつかめるのでは
ないか。
 古株の人がいてその人に話を聞いたらわかるのでは、ということで入院している
病院に行く松宮ですが、その古株の人は今意識がなくICUに入っていて、手がかりを得る
ことは出来ませんでした。
 まあここであっさり話を聞けたらこの映画すぐ終わりそうだもんなあ…。

 一方執念で写真を探し続けていた加賀は、目的のものは見つからなかったようですが
気になるものを見つけていた。
 それは日本橋で携帯電話で誰かと話している浅居でした。
 
 加賀は浅居の中学時代のクラスメイトに会いに行きます。
 皆は、浅居と仲良くしていたのは押谷程度だと言う。
 浅居は環境的にいじめにあっていたと。
 つーか皆よくそういうの覚えてますな。
 加賀は2人の共通の知り合いで当時40代くらいの男性に心当たりは?と聞く。
 加賀としてはその男性があの越川ではないか、と考えてるのでしょうね。
 すると、苗村先生という答えが返ってきた。
 浅居に親身にしていたそうなのですが、ある日突然蒸発したと。
 ここで卒アルから苗村の顔が判明します。
 でも浅居もいつの間にかいなくなったというクラスメイト。
 父が自殺して大変だったらしいと。
 加賀は似顔絵を見せて、この男に見覚えはないか、年を取った苗村ではないかと
きくも、同級生らは違うと思うと言います。
 その後、浅居の父が飛び降り自殺したというビルを教えてもらいました。
 
 その後苗村の元奥さんを訪ねた加賀。
 不倫して家を出て行ったらしいです。
 相手は不明、別れてくれの一点張りでどうしようもなかった。
 クレカの使用履歴があって、50万円もするペンダントを買ってたらしいんですね。
 なんかの宝石で、十字架の形らしい。
 自分に買ってくれたものだと思ってたら違ったと。
 ここで加賀あることに気づきました。
 つかこっからつなげる想像力がすごいんだけど。
 松宮に電話をかけて、浅居が5年前剣道場にきた時にしていたペンダントの形が
思い出せないから、浅居の仕事部屋いってあの写真を撮影して送ってくれ、というわけです。
 すごい想像力だなあ。
 松宮、写真を撮影して送信することに成功。
 後ろに浅居立っていたけど、加賀の顔が面白いから撮影した、とごまかすことに成功しました。
 あぶねぇぇぇ!
 この映画がホラー映画だったら殺されてたぞ、松宮!

 加賀、そのペンダントの写真をもとにメーカーに持ち込んで確認しました。
 苗村が買った商品と一致するようです。
 つーかあれで50万もするの?
 うそやろ…。(いいから先にいけよ)

 ここでまた回想になって、浅居に会いに来た苗村が、学校もやめて東京にくれば君と
一緒に住めるという話をしています。
 ただ浅居が子供を相談もなしにおろしたということを聞き、彼女が「せっかく女優として
役をもらえたから子供を産んでいる場合じゃない」と言ったのには愛想を尽かして出て
いった模様。
 この後行方がわからなくなったんですかね…。

 というかこの映画ちょくちょく加賀視点じゃない話が出ますけど、あまりそういう視点で
謎が明かされすぎても面白くないのでは…とはちらっと思いました。
 最後探偵によってからくりが解き明かされるから面白い部分もあるんだけどなあ。
 まあいいや。

 捜査本部は、押谷は浅居を不倫していた過去で強請ったので、苗村に殺させ、その後
苗村を始末し、火をつけたのではないかと考えます。
 そんな簡単に始末できるかねえ。
 宮本に苗村の写真を見てもらったんですが、宮本はピンとこない感じでした。
 この人は綿部ではないと。

 このあと加賀は加賀父をみとってくれた看護師金森と会います。
 彼女の弟がカメラマンで、橋洗いの写真を借りていたのでした。
 金森は父のことを褒めるけど加賀は、あなたが知ってるのは死の間際の弱って
いた良い親父ですよ、俺が知っている親父とは違う、と。
 私もそれはちょっと思いましたね。
 ずっと辛い思いをさせられてきた家族と、最後の何か月かを付き合ってた人とでは
見えてるもの違う部分あると思う。

 加賀は宮本が違うと言ったことを聞いて、少し安心したと言います。
 教え子と不倫して逃避行するような男に母は惚れたと思いたくなかったと。
(これ結構浅居にはひどい事言ってることに…)

 加賀が警察署の外に出たら金森がいて、死の間際に加賀父は、あの世にいくのは
むしろ楽しみだ、そうしたら加賀のことを好きなだけ見ていられると言っていたと伝えます。
 つまりは、ちゃんと子供の事を心配していたと言いたいのはわかるんだけどなあ。
 だったらもっと昔から、その愛情を見せてやれよとも。
 加賀父はそういう愛情を示すのが下手な人だったんでしょうね。

 加賀はこの事件は一体なんなんだと悩みます。
 この事件は自分と関わりが強すぎると。
 てか事件の被害者一覧に自分の写真はるなよ。そして線を引くな。
 勝手にやっていいのかこれ。
 綿部、つまり越川の部屋で殺された被害者、綿部の恋人は母。
 さらに浅居と自分もつながっている。
 なぜ浅居は会いに来て唐突にあんな告白をしたのか。
 加賀は逆に自分が会いにいくとしたら?と考えます。
 父の言葉を思い出し、何か気付いた加賀。

 これ映画だからいいけど地上波で放送してたら、しっかり見てないとついて
いけなくなるような気がする。
 かなりややこしいんですよねえ…。

 加賀、浅居父の足取りを追ってます。
 自殺したことになっていたビル、そしてそのあと石川の能登へも。
 その後加賀は浅居の自宅を訪ねました。
 金森を別の課の人間ということにして連れていってます。
 なるほどうまいな。
 
 加賀は日本橋の橋洗いの写真に浅居が映っていたことを伝え、毎年行くのかと
尋ねる。
 そのあと16年前に母が死んだのだけれど、それを知らせる手紙が届いた事、送り主で
ある宮本は綿部からこの住所を聞いたと浅居に説明する加賀。
 でも母は住所を知っているわけがないから、では綿部はどこから聞いたのかってことなんで
しょうね。

 突然そんなこと言われても浅居も困ると思うんだけど(加賀はこういうとこ、話が
回りくどい)、自分が取材されている剣道の雑誌を取り出して、この出版社に11年前自分の
住所を問い合わせてきた人がいる、それは女性だったと話す。
 5年前に浅居は子役らを連れてやってきたけど、その11年前にすでに住所の情報を手に
入れていたんですね。と。
 ややこしいですがつまりは、16年前に一度浅居はこの出版社に加賀の住所を問い合わせて
いたのに、その時取材にこなかったのはどうしてか、宮本を通じて綿部に加賀の住所を教える
ために問い合わせたのではないか、つながりがあるのではないか、と言いたいらしい。
 ええい。
 浅居は、16年前問い合わせた時は舞台の題材が変わり、剣道に関する情報が必要
なくなったんです、と話します。
 本屋で雑誌を見つけて問い合わせたんですが、と。
 加賀が言ってる「この雑誌が出たのは3年も前ですよ」と言ってるのは、問い合わせた2001年
より3年も前に発行された、という意味です。ま、1998年というのが映るからわかるだろうけど。
 ここら展開早いよなあ。
 ここで金森さんいきなり洗面所を借りました。
 あーなるほど。

 加賀は、同級生にあってみたが、浅居が転校した時のことをよく覚えてないというのですね。
その代わり父の自殺はものすごくはっきり覚えていて、ここから飛び降りたらしいとビルにまで
つれていってくれた。
 しかし、加賀は地元警察で調べたけれども、そのビルから飛び降りした記録はなかったと言います。
 浅居は、父が死んだのは事実だけれどその時は混乱していてよく覚えてなかったと話す。
 その後養護施設に連れていかれたからと。
 親類とかいなかったのかなあ。
 引き取る人がいなかったのかも知れないですね。
 加賀は、苗村がクラスメイトに父はあのビルから飛び降りたとウソをついたのではと言います。
 ここまでくると浅居も大体わかってるようで、本当は父がどこで死んだかわかってるんでしょう、と。
 でも罪には問われないでしょ、と。
 加賀は、ある人が「子の人生をあの世から眺められるのは楽しみ」と言ってたと話します。
 まんま金森の言葉パクりやがった…!
 まあ、親というのは子供のためなら自分の存在を消せるのかも知れないと言ってるあたり、
加賀はうすうす真相に気付いてそうな感じですね。
 金森が戻ってきて、二人は浅居の自宅を辞するのですが。
 浅居何かに気付いた様子。
 この人も頭いいんだろうなあ。
 多分洗面所で金森が髪の毛を採取したって気付いただろうね。
 でもこれ証拠能力あるのかなあ…。
 まあいいや。

 加賀は真相が見えてきた、と金森に話します。
 父の言葉のおかげだと。
 そんな中、あのICUに入っていてすっかり存在を忘れられかけていた、原発のベテランさんの
意識が戻ったと連絡が入ります。
 越川の似顔絵を見たその男性は、横山一俊だと伝える。
 加賀、その名前は原発作業員のリストにあるはずだから必ず入手しろと指示。
 いよいよ事件が終盤に向かって動き出しますよ。
 あと松宮に、名前を書いて比べてみろ、とも。
 綿部は、綿部俊一という名を名乗ってたので、つまり、横山一俊の名前部分を入れ替えたもの、
さらに原発の近くに綿部という企業があったらしいです。
 なるほどねー。

 浅居の方は新幹線に乗ってどこかへ移動したらしいです。
 尾行がついてるみたいですね。
 加賀はDNA検査をしてもらいたいものがあると言います。

 5年前浅居が自分に会いにきたのは偶然ではなかった。
 自分は綿部をずっと探し続けていたけれども、綿部は死んでいた。しかし、もし綿部に子供が
いたら必ず会いにいっただろうと。
 つまりは浅居もそういうことだった、というのです。

 あれから加賀はいろいろ調べて、浅居の父が石川県の能登で死んでいることを突き止めました。
 …どういう足取りでそこにたどり着いたんだろう…記録照会したのかな?
 ただ、それも嘘だという加賀。
 もう何がなんだかわけがわからないよパトラッシュ…。

 話は26年前にさかのぼるらしいです。
 ちなみに加賀がそういう話をしている頃、浅居はあの201さんに会いにいってました。
 あんただけは許せん、と。
 そらそうでしょうなあ。
 今回の事件の発端といってもいいくらいの事だもんなあ。

 26年前です。
 浅居母が借金を父親に背負わせて出て行き、ヤクザが家に押しかけていた。
 浅居が連れていかれかけた時警察がきてヤクザは帰って行ったものの、父はこのままでは
娘の身が危ないと判断し、二人で夜逃げしました。
 まだこの頃だと闇金法もできてなかったかなあ。
 そうして逃げていった先で延暦寺のポスターを見た父はふと、延暦寺の坊主は寺に火を放って
焼け死んだらしいけど、死ぬとしても焼け死ぬのだけはゾッとするなあとつぶやいたのでした。
 こういう何気ない言葉って結構覚えてること多いですよね。

 そのあと2人は石川の能登にやってきてました。
 崖を見てる父。
 何となくこの時に、ここで死のうって思ってたんだろうなあ。
 今夜は贅沢しよう、という父の提案で、食堂に入ったのですが。
 …贅沢っていうか…ものすごい汚いというかさびれてるというか…。
 ここで父は、横山という男に出会った。
 彼はこれから原発の作業をしに行く途中で、仕事にありつければと思っていた父は紹介を
頼むけれども横山は、そんなことをしたら自分がクビになるかもしれないと断る。
 つーか別口で応募しろよ父…。
 あと横山は浅居に目を付けて、後で裏の車のとこにきてアルバイトしない?とか
誘うわけです。
 彼女がもう少し大きかったら、言われてる意味がわかったかも知れないなあ。

 その後豪華な旅館に泊まったので不安になった浅居。
 彼女は父がお風呂にいったすきに財布を見て、中身がほとんどないことを知る。
 そして意を決して横山のとこに行くんですな。
 バカだなあ。
 そんなことして手に入れたお金を親がありがたがるわけがないだろう、と思うんだけども
子供は子供なりに必死だったんだろうね。
 そして車の中に引きずりこまれた浅居。
 この、音も何もない時間が不気味ですね。

 夜道のトンネルを走ってくる浅居父。
 風呂から上がったら我が子の姿が見えないので心配したんでしょうね。
 泣きながら走ってくる浅居。
 父は話を聞いて車を見に行き、何があったのかを知る。
 そして一大決心をしてトンネルの浅居のとこに戻ってきた。

 彼はこれから横山として生きていくことを決めたのでした。
 幸い原発での働き方については食堂で聞いていたしね。
 自分のカバンの取っ手に横山の指紋をつけハンカチをまいて浅居に渡した。
 朝になったらそのハンカチをとって、旅館の人に「父がいなくなったと言いなさい」と。
 自分は横山の顔をつぶしてがけから放り込んできたらしいんですね。
 服も取り替えてきていた。
 だから、死体を確認させられることになるだろうけど、父に違いないと言いなさいと。
 戸籍乗っ取りか。
 金田一少年の事件簿でもやってた手口ですね。
(あれは自殺した人の戸籍を乗っ取った)
 
 本当は夜自分は自殺するつもりだったという父。
 でも浅居が横山を殺したために命拾いした。
 やってることは許されることではないけれども、死ぬよりはマシなんだろうなあ。
 境遇を思うと責めることは出来ないですね。
 
 これからは他人として生きていく、会うことは出来ないという父。
 なんでだよ。
 会う場所とか決めとけよ。
 2年後にシャボンディ諸島で!って。
(それ銀魂がワンピースパクったやつ!)

 近藤今日子という名で手紙を書くと父は言います。
 浅居は施設に入るから住所はわかってるわけだしね。
 そういうわけで二人は別れ…別れたはずなのにまた戻ってきた!
 ここ離れがたいっての表現してるんだろうなと思ったんだけど私はコントか!と
突っ込んでしまった。

 現在に時間が戻ってきます。
 浅居は201号室から出てきたけど、浅居母はなんかおかしくなっちゃってました。
 よほどのことを言われたんですかね。

 浅居がその後ひっそり暮らさず、女優→演出家という道をたどったのは、別の人生を
歩みたかったのでは、と言う刑事ら。
 というよりも、浅居父が隠れていても自分が何をしているかわかりやすいっていうのも
あるんじゃないかなあ。幸せになってと言われてたし。
 父も浅居の活躍をちゃんと知っていたようで手紙で褒めていました。
 そうして彼女が20歳になった時に親子は再会を果たしたのです。
 良かったねえ。
 その後はたびたび会うようになったんじゃないかな。
 携帯という連絡手段もできたしね。
 父は浅居が女優になったと聞いて、これからの楽しみが増えた、もし死んだら明治座に
とりついて彼女の舞台を見たいと言います。

 ただ同時に浅居父には懸念もできた。
 もし自分の存在が世間に知れてしまったら浅居は破滅しかなくなると。
 でも世間的に死んでしまっているものを、生きているかもしれないと調べる人はあまり
いないと思いますけどねえ。
 横山という戸籍を手に入れてるわけだし。

 浅居父は百合子という存在を浅居に話していました。
 浅居もまた、苗村の名前は出さなかったけれども付き合っている人が出来たことを
伝える。
 ただその後会っていたホテルから出てきたところで浅居父に声をかけてきた人間がいた。
 それは苗村でした。
 よく知ってたな父親の顔を。

 この後浅居父は事情を浅居に説明せず、レンタカーを借りて欲しいといいます。
 そしてもうホテルで会うのはやめて別の手を考えようと。
 それがあのカレンダーに書かれていた橋なんでしょうね。
 携帯で向き合って話せば、周りの人には気付かれないと。
 考えましたなあ。
 …気になったんですが。
 浅居父は、浅居と百合子とも同じ月、同じ場所で会ってたんでしょうか?
 さすがに一日に2人と、はないだろうけど覚えやすかったからなのか。

 ところが、浅居が演出家になり、あの舞台に初めて父を招待した時に皮肉な偶然が
起きてしまった。
 押谷が何らかの偶然により初日のチケットを手に入れていたんですね。
 それで浅居父を見つけて声をかけた。
 それが、明治座の防犯カメラ映像に残っていたそうです。
 なんでそれをもっと最初にチェックしなかった。
 
 押谷は詮索好きっぽかったから、それはそれは質問攻めにしたことでしょうねえ。
 つーか誰もかれもよく同級生の親の顔なんか覚えてるなって思うけど。
 ともあれそれでまずいと思った浅居父は押谷を自分のアパートに連れてきて絞殺した。
 ただしそうなると浅居父を殺したのは誰か。
 加賀は浅居だろうと言う。
 松宮はあの親子には鋼の絆があるんですよ、というも、加賀はだからこそだと。
 浅居親子と正反対の親子関係だったからこそ、加賀には見当ついたのかなあ、
とも思いますね。
 親子のきずなが強いほどこうするだろう、的な。

 浅居が演出を手掛けた舞台の最終公演になりました。
 加賀、浅居のとこにきました。
 演出家だけが入れる小部屋みたいなとこに案内されています。
 浅居はすべてわかっているようで、DNA鑑定の結果を聞いた。
 あの焼死体、つまり越川であり綿部のDNAと浅居のDNAは99%の確率で親子であると
示していました。
 最初のDNA鑑定の時にタオルだの歯ブラシだのすり替えていたのは浅居だったんですね。

 よく気づきましたねという浅居に加賀は、あなたが5年前会いに来なければ気が付かな
かったと言う。
 いやそれで気付くのはあんたと蝶ネクタイのメガネ小僧くらいのもんだよ…。

 5年前初めて会った時に浅居は、父が愛した人は素晴らしい人だったと確信した、と言います。
 父の人生は悲劇ばかりではなかったと。
 それは加賀が感じた、教え子と不倫のすえ逃避行するような人が母の愛した人でなくて
良かった、という思いと同じなんだろうね。

 どうでもいいけど一応舞台シーンあるんだな。
 大変ですね…。

 公演3日目、5/16のことでした。
 浅居父が珍しくそばによってきて、幸せになれよと言ったんですね。
 その時の顔を浅居は過去に一度見ていた。
 能登のがけを見ていた時の父の顔だと。
 つまり父は死のうとしていると浅居は気付いてしまった。
 
 急いで父の後を追っていくとあのホームレステントに灯油をまいているところでした。
 やっぱ押谷殺したあとここに住んでいたんだろうなあ。
 自分は押谷を殺したと浅居父は話す。
 19年前には苗村も殺したと。
 浅居と付き合っていたことを父は親のカンでうすうす気づいてたようですね。
 自分の存在がばれたら浅居の人生が終わってしまう。
 ここで焼身自殺をすれば誰にも迷惑がかからない、という父に浅居は自分がかくまうと
いうけれども父は「もう逃げ回るのに疲れた」と。
 なんか気持ちわかるなあ。
 でも浅居はもう一つ思い出した。
 昔逃避行の時に父は、焼け死ぬのだけはやだなと言っていたことを。
 それで浅居は父を絞殺したんですね。
 …いやあの…感動の場面のとこ申し訳ないんですが、女の細腕で男を絞め殺すのって
結構大変ですよ…。

 その後テントを燃やした浅居。
 こうしてややこしくて複雑な事件が出来上がったのでした。

 実際の舞台を見ながら加賀、もうすぐ幕がおりますねと言う。
 浅居も、やっと下ろすことができます、長い悲劇でしたけど、と。
 おいおい幕どんだけのスピードで降りてきてんだよ。早すぎるよそれ!
 
 浅居は父の残したものですと加賀あての手紙を渡します。
 そして自分は松宮らに連れられて出て行きました。

 加賀は解散した捜査本部で手紙を見ます。
 百合子は家出の理由を綿部こと浅居父には話していました。
 生活の中で追いつめられ、ある夜包丁を手に持っていたこと、子供の加賀に声をかけられて
我に戻ったものの、自殺ならまだしも息子を手にかけていたらと思ったら恐ろしくなってしまったこと…。
 今でも目をさましたら子供の加賀が声をかけてくれるのではないか、と思ってしまうこと。
 綿部は加賀が剣道を続けていて、取材されていたことを百合子に教えます。
 あの雑誌ですな。
 でも百合子は自分にはそれを持っている資格がないと綿部に返した。
 これがきっかけで加賀の今の住所が分かったし、浅居も接点を持ったんでしょうね。

 そうしてこの物語も幕を下ろしました。
 最後にはドラマとか今までの話で出てきた人らがカメオ出演してます。
 相変わらず加賀、「本日売り切れ」の呪いにかかってるなあ。
 それから、加賀はもう母親の手がかりを探さなくてもよくなったので、捜査一課に戻るみたいです。
 これはドラマの方で続編ありそうですねえ。

 話自体は濃厚だけれども、展開が多すぎてなかなかに疲れます。
 もしドラマ続編やるんだったら一期みたいなのより1話完結の方がいいなあ。



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