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パイレーツ・オブ・カリビアン
デッドマンズ・チェスト

7/15鑑賞

 前回はDVDでしか見てなかったんですが、ジャック船長の二枚目になれない三枚目っぷりが
なかなかに面白かったです。
 そんな彼らがまたも帰ってまいりました!

 …前回のあらすじを派手に忘れていたりするんですが確か、呪われた海賊がいてその呪いを
皆で解いてメデタシメデタシだったような。(氷河さん省きすぎです)

 ま、そりゃいいとして、最後絞首刑になるはずだったジャック・スパロウ船長を助けたがために、
あわれ結婚式をあげるはずだったウィル・ターナーとエリザベス・スワンは逮捕されてしまうわけ
です。
 といってもこれは恐らく名目上。ジャックが持っている「コンパス」を手に入れんがために、えーと
ベケット卿とかいう奴がウィルと取引を持ちかけて、自由の代わりにコンパスをもらってこいとか
いうわけですよ。
 こいつの名前(ベケット)覚えにくいからまきまきハゲでいいや。
 ここの、交渉の背景で、船のマストに登っている人がいるんですけど何気にすごいな。

 なんだっけ、どこでだったか、「カーバンクル」という単語が出てきたのを覚えているけど、
そっちが強烈過ぎてどこで出てきたか覚えてない。確か財宝のこと(ガーネットだったかと)で
言ったと思うんだけど…。ジャック登場前後だったかと思います。

 それはさておき。
 一方ジャックですよ。囚人が処刑されて海に投げ込まれたりしているんですけど、その柩に
まぎれて脱出、骨をオールにして柩をこぐなこの罰当たり。
 んで、沖合いに停泊していたブラックパール号に回収されて、待ってた仲間達に次のお宝は
これだぁー!と得意げに示してみせるわけですよ。…財宝の鍵の絵を。いや、鍵ならともかく
絵って。これを元に鍵を探せって。そりゃ船員でなくてもどつきたくなるわ。

 しかもこの鍵がすごい。
 船乗りなら誰もが恐れる海の悪霊ディヴィ・ジョーンズが封印した己の心臓が入った箱の
鍵なんだそうですよ。名前覚えにくいから「うにうに」でいいですか、うにうに。
 船に戻ったジャックですが、そこへ現われたるはある亡霊のような男。彼はジャックに
「時間切れ」だと告げるんですよ。
 何の時間切れ?と思っていたらジャックはうにうにと契約していたとかで、その契約期間が
切れたと。あー最近再契約とか厳しいんですよねぇ。「キミんとこより安くやってくれるところが
連絡してきたから」って。…その契約じゃねーよ!
 ま、ジャックが船長であるためにしていた契約が切れて、うにうにが追ってくる、と。
 こりゃあ大変だと船を陸にもってくことにしたわけですよ、ジャックは。その異様な怯えように、
ギブス航海士がビックリしていたくらい。

 ジャックの帽子が飛ばされて落ちたけれども、それさえも見捨てていくくらいの恐怖。
それは一体何なのでしょうか?
 彼の帽子を拾い上げて喜んでいた異国の船が、正体不明の相手によって沈められて
しまいましたよ!すげぇ。

 一方ウィル。
 ジャックの居場所を聞いて周って、時には追いかけられたり殴られたりと散々です。
(ちなみにウィルを殴った女優は前作でジャックを殴った人が演じています)
 ジャック、何してきたんだお前…。ウィルとの再会の時には多分、駆け寄りながら右ストレートが
出るに違いないと思うわたくしです。
 そしてエリザベスももちろんおとなしく牢に入ってるような人じゃない。
 それはもう男顔負けのアクションで(一応助けをかりつつ)脱出。独自にウィルを探し始めますよ!
すげぇなしかし。でもこんくらいでないと生き残っていけないかも。
 ところで前作でも今回でもやたら「シンガポール」という言葉が出てきますが、シンガポールに
何かあるんでしょうか?

 で。ウィルはようやくジャックの船を見つけて陸へあがるのですが…。
 どう見ても人食い人種っぽい民族にとッ捕まって、しかもその頭領みたいなんがジャックだから、
はてわけがわからない。多分このあたりは、わざと見ている方にも混乱を与える目的があったん
じゃないでしょうか。現地語の字幕がまったく出ず、している会話がわからないようにしてあった
ので。
 その上何故かジャックの方がウィルに対して「助けて」とささやくもんだからさらに混乱。
 でもこれはちゃんと説明があるのでおいおい分かります。
 他の船員達と一緒に、絶壁からつるされた檻へ入れられたウィルですけども、彼がこんな
ことでめげるはずもなく。脱出を試みます。
 ジャックの方ももちろん脱走。
 ここのシーンはこの映画の中でも屈指の抱腹絶倒シーンだと思うのできっちり見られることを
オススメします。マジ笑った。
 しかも音楽が、なんていうかアクションっていうか一分一秒を争うシーンのはずなのに、すごい
のどかな感じでメチャクチャ笑えるし。
 映画の予告に使われていたうちのひとつのシーンがこれで謎が解けました。つーかジャック
あんた本当に海賊かよ(笑)。
 ただ、ちょっと気になったのが、あのまきまきハゲは東インド貿易会社だったかな、それと
関係があるのですが、この民族が使っている香辛料にもそこのロゴが入ってたこと。
 これは暗にこんな人たちまで使ってますよ、大きな会社ですよ、ということを示したいだけで、
別にこの民族がまきまきハゲと契約してジャックを捕まえようとしてたわけじゃないよなぁ…。

 さて、命からがら逃げ出した船員とウィル達。こっそり船を盗もうとしていた、前作に出ていた
のろいを解かれたデコボココンビのラゲッティとピンテルもどさくさまぎれに加わっていざ出航…。
と思ったけどさすがにギブスは船長を待とうと言います。(多分ウィルかギブスだったと思うんだけど)
 そこへ走ってきたのはジャック!
 皆が嬉しくなって手を振ろうとしたらその後ろから大量の現地人が。
 「すぐ出航しよう」とコロリと皆が意見を変えるところは素晴らしいと思います。
 で、ジャックもなんとか追いついてロープに捕まって、かっこよく「ばっははーい」みたいな決めセリフを
言うんだけど、かっこよくきめたところに頭から波かぶって台無し。だからとっとと乗り込んどけば
よかったんだよ、あんたは…。
 ちなみに現地人たちは、デコボココンビが連れてきていた犬を追っかけていってしまいました。

 さてウィルは再会を喜ぶヒマもなく、というかどちらかというと今すぐジャックを絞め殺したかったかと
思われますが、コンパスが必要であることを告げます。
 ジャックがこのコンパスを大切に持っているのは、つまりはうにうにの心臓のありかを差すから
必要なんだと。っていうか自分にとって必要なものの方角を差してくれるんだと。
 ええっ!ということは私が持てばこのコンパスはぐるぐる回るわけですね!(一生遊んで暮らせる
お金)←で、それを一体どうオチつけるつもりなんだ。

 ジャックは船長であり続けるためにうにうにと契約したけれど、その年数が過ぎたらうにうにの
船で永遠に働かないといけないので、その契約を破棄したい。
 でもってウィルはジャックのコンパスが欲しい。
 つまりウィルがうにうにの船に乗り込んで、うにうにが常に身につけている鍵をとってくれば
万事解決、利害は一致、というジャックの「お前それ悪徳業者が人を丸め込むのに使う手ですやん」
みたいな口車に乗せられて、彼はうにうにの船を目指すわけですよ。

 あ、その前に、ジャックら一行はかつてジャックの恋人だった魔女?みたいな女性のところに
向かいます。その名をダルマ。
 ここでジャックはお守りにと陸の土の入ったビンをもらうんですが…。

 で、うにうにの怖さを知らないからウィルはとっとと乗り込んで捕まって、ジャックの名前を出して、
それに反応したうにうにがブラックパール号に乗り込んできましたよ。っていうかウィルが乗り込んだ
意味ないですやん。
 ウィルはうにうにの人質に。ジャックはあと99人の男の魂をもってこいと約束させられるわけですよ。
しっかしこの時代にはクーリングオフ制度はないのか。(ないよ)

 はりきってー船員募集中!みたいな酒場で偶然ジャックは、前回に出てきた落ちぶれた総督?
監督じゃないよな、のノリントンと再会。あ、提督か。どうでもええっちゅーねん。
 さらにエリザベスにも。
 運命とは皮肉なものですね。
 ジャックの船に二人は乗り込みましたよ。
 にしてもエリザベスがここまでたどり着いた経過も大したものです。彼女はやはり頭の切れる
優秀な人ですね。

 いざ宝箱を探してブラックパール号は小さな島へ。

 一方ウィル。彼はうにうにの船の中で、父親と再会しビックリします。そして鍵を見事な手腕で
取り戻しつつも、父を助けると誓うのでした。この子苦労性で本当にいい人だなぁー。幸せに
なって欲しいですよねぇ。
 でもエリザベスはあの通りやんちゃで勝気だし、こりゃあ尻にしかれるな。あれだ、サザエさんと
マスオさん。(うわぁ、海賊の夢台無しですやん)
 
 上陸した小さな島で案外あっさり宝箱を見つけるジャックとエリザベスとノリノリですけども、
そこへたどり着いたるはウィル。
 宝箱を持っていけば手柄になり、身分を取り戻せると画策したノリノリはそれを寄越せと
言いますが、そうされっと今までの苦労は、みたいなウィルがすかさずノリノリに剣をむけ。
ノリノリは「いやいや、そもそもの元凶はこの男だ」とジャックに剣を向け。一人乗り遅れた
ジャックはあわててウィルに剣を向けます。お前らドリフか。ドリフがしたいのか。

 で、エリザベスの「あー急に暑い。バタリ。(しんちゃんの声で)」とか、「あー暑いから脱いじゃおう
かしら(峰不二子の声で)」とか言うのにもまったく耳を貸さないバカ3人組がチャンバラ
始めちゃうわけですよ。
 しかもチャンバラしながら森の奥にどんどん入ってっちゃうところがお前らアホだろ、
みたいな。
 壮絶な鍵の奪い合いで、手にしたのはジャック。彼は宝箱を開けて心臓をひとまずゲット。
一緒に持ってきた例のお守りの中に隠すわけですよ。
 ところがどっこい、うにうにの追っ手がそこまで迫っていて大変なことに。
 この追っ手どもも大概バカだと思うんですけど、それはもうものすごいバカテンポ♪(エンタの
神様かよ)みたいな戦いが繰り広げられます。戦ってるのに誰も死なないというのもすごい話
だと思いますが。

 デコボココンビも宝箱をちゃっかり盗もうとするんですけど、エリザベスと戦いになってる
時に、その追っ手と出くわしたもんだから大パニック。
 そんなところに、水車小屋の水車に乗りつつ戦いながら姿を現したウィルとノリノリに、皆
一瞬動きが止まるのがメチャクチャ笑えます。
 大道芸かお前ら。

 で、ここで注目すべきはノリノリことノリントンの動き。よくもまああの一瞬で頭が回った
ものだと感心します。

 こうしてノリノリを見捨てて命からがら船に戻ったバカテンポのヤツラですが、海に戻れば
うにうにのもの。
 あっという間に船はクラーケンに襲われます。

 ジャックは自信満々で「そんなことしちゃっていいのー?心臓はおいらが持ってるよーん」
みたいなこと言うんですけど、階段から転がり落ちてるからやっぱりサマにならない。
 しかもお守りの中に隠したはずの心臓は消えていました。
 こうなると奴はゴキブリよりも動きは速い。
 あわてふためく船員を見捨てて一人脱出。おいおいおい!

 ジャックはボートの上、コンパスを開きます。自分にとって今一番大切なものの方向を
示すというコンパスが示したのは…?

 一方ウィルとエリザベス。
 火薬樽を集めてクラーケンにからませたところを、銃でバクハツさせるという計画だったん
ですけど、ウィルも一緒に掴まれてしまっている。
 エリザベスは撃つ事が出来ません。つーかこれで顔色一つ変えずに撃ったらこぇぇよ!
(誰に突っ込んでんだよ)
 そこへ彼女の窮地を救ったのは、我らがジャック・スパロウ船長!ヒューヒュー!
 ウィルが逃げたのを確認し、見事クラーケンを撃退。
 が、安心してはおれません。
 さっさと逃げないと船は沈められてしまう。
 
 ちなみにここで、火薬の量が足りなくてラム酒の樽を使おうとウィルが提案した時に、
海賊の動きが止まりますが、これはラム酒というものが海賊にとってはとてもとても大切な
ものであるからです。要するに船の上の唯一の娯楽といってもいいでしょう。だからそれを
使うことに大ショックだったわけです。特に何か話の上で深い意味があるわけではありませぬ。

 ボートで脱出しようとする一行。
 ところがエリザベスはジャックを船にしばりつけ、さっさと脱出。
 彼女にしてみれば、ウィルとのことの原因は彼にあるのだし、散々騙して危険な目に
合わせたのが許せなかったのでしょう。
 でも油断させるためとはいえ、ちゅーしたりするのはちょっと…っていうかバッチリウィルが
目撃して10トンの重りが頭に落ちてきたような衝撃くらってるし。
 私はむしろ、ジャックとキスした隙に彼を船へ縛りつけ、脱出したエリザベスの方が
狡猾で怖いなと思いました。
 ジャックの場合はなんていうか、憎めないズルさっていうか、最後にはちゃんと戻ってきて
仲間を助ける強さを一応持ってるけど、エリザベスは皆を助けるため、これまでのお返しの
ためとはいえ、一人の命を平然と見捨てている。怖いなぁ…。
 こうやってジャックを犠牲にして自分たちが結婚できても、それで幸せになれるのだろうか?
とちょっと思いました。

 船に残されたジャック。彼は果敢にクラーケンへ剣を向けました。
 さて、どうなるジャック!?

 一方。命からがら逃げ延びた一行はダルマのもとへ。
 ジャックを救う旅へ向かうべく、ダルマが寄越した新たな船長は…キャプテン・バルボッサ
その人でした。っていうか出番これだけか!(第三部はバリバリでまくるんでしょうけど)

 …私この人のことすっかり忘れてて、「は?誰?」とか思ってたのはナイショです…。

 さてさて。
 エンドロールが終わってもしばしお待ちを。
 最後にドッと笑うオチがまた待っております。

 完結編は来年5月。前売り券を買うと「うっわー」といいたくなるようなオマケ人形がついてきます。
私は宣伝見て笑いました。

 さて劇中に登場した「フライング・ダッチマン」という言葉ですが、翻訳では「さまよえる幽霊船」
となっておりました。これは「さまよえるオランダ人」という言葉に置き換えればわかり易いかと
思います。(ダッチマンは、正しくはオランダ船)
 つまりは神の怒りを受けて永遠にさまようハメになった幽霊の話なんですが、これに出会うと
呪われるとされていて、船乗りは出会うのを非常に嫌がり恐れるわけですね。
 まあうにうにに当てはめるのはかなりピッタリな話かと。つかうにうにが、その設定で作られて
いるのだと思いますが。本家は7年に1度だけ陸に上がれるとされています。(永遠に彼を愛して
くれる女性を探すため)
 この話はワーグナーによってオペラにもなっているので(調べたらそう書いてあった)、オペラで
楽しむのも面白いかも知れません。(最後はハッピーエンドです)

 ウィルとエリザベス、ジャックの三角関係(というかエリザベスがかなり一方的にジャックのことを
気にしてますけど…)がどうなるか、物語の決着はどういう風になるのか、気になるところです。
ウィルが報われないのでエリザベス、ジャックへの未練をスッパリ断ち切ってくれるといいん
ですけども。
 でもディズニーだから必ずハッピーエンドにしてくれますよねぇ。

 全体的にアクションも多いし、かっこいいはずなのにまったく決まらないジャック船長が健在
なのは嬉しい限り。でもなんか字幕翻訳がまた変で、まったく意味のつながらない訳になってたり
とか(前作につながる話の流れで、そういう発言のはずなのに、みたいな)、ものすごいまわりくどい
文章になっていたのは残念。と思ったらまたあの翻訳の人か…。
 そういうのはありましたけど、面白かったです。もう一度くらいは見に行きたいなぁ。
 でも来年の5月といわず、年内に続編やってくださいよ…私が話を忘れないうちに…(笑)。
 次回作へのキーワードは、うにうにがもってたオルゴールかなぁ。恋人から贈られたものか
贈り損ねたものか…。うにうににも幸せになって欲しいとは思います。


追記…
 ダルマのところで陸の砂をジャックがもらうシーンで、連れてきた小猿が誰かをかまっている
シーンが意図的に挿入されています。というかやたらチラチラ出るから何かと思ったら。
 そう、あれはキャプテン・バルボッサの体だったのでした!
 すごい伏線だ。



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