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スーパーマン リターンズ

8/31鑑賞

 邦画「踊る大捜査線2」で「He is back.」を使うのであれば、洋画ではこれこそ"He is back."
というにふさわしいものでしょう。
 お帰りなさい、スーパーマン!

 …とはいえ、ちょっと物足りなさが目立ったかな…という内容ではありました。あまりにも最初の
活躍が目立ちすぎて、その後がくすんでしまった感じは否めないですね。スーパーマンに欠かせない
要素、恋愛も今回はハッキリとした落ちがなかったのも気になります。なんていうか…中途半端に
なっちゃったね、という感じがあり、昔のスーパーマンファンとしては話的にはちょっと不満でした。
アクションその他は良かったと思いますけどね。
 あと、可能ならば、スーパーマンの1作目と2作目を見ておくとより楽しめるかもしれません。
3と4とかは…ちょっとお勧めできませんが。

 さてさて、オープニングの銀河系?というか宇宙の映像はちょっとしたプラネタリウム気分になれて
いい感じだと思いますよ。
 で、まあはじめて見た人にもわかるようにか、なんか余計混乱すると思うんですが、スーパーマンの
パパりんがとうとうと語るわけですよ。カル=エルがどうのとか、父の力は子に受け継がれるとか。
 とりあえずそういう回りくどいこと言わんと、「クリプトン星ぶっ壊れちゃったから地球で元気に暮らす
んだよ。パパの力はお前に受け継がれたからね」って言えやコラ。
 そんで畑を豪快に焼き払いつつ星のかけらか何かに乗って戻ってきたクラーク・ケント氏ですが、
お前は普通に戻ってこれんのか。単体で戻ってこいよコラ。宇宙に旅立たれるたびにこうやって
戻ってきてたらいつか地球割れるぞ。

 そんなクラークのところに車でやってきたのは、地球で彼を育ててくれていたケント夫人。残念ながら
ケント氏はクラークが姿を消してから数年後に亡くなったとのこと。
 この夫妻は昔、カル=エルが地球へやってきた時にたまたまこの子を拾い、子供がいなかった
ことから自分達の子として大切に育てます。そして、クラーク・ケントという名前を与えたのでした。
 で、人とは違う能力に気づき、彼自身それを自覚し始めたことに対して、人の役に立ちたいという
彼の意思を尊重し、都会へ送り出したわけです。そうしてクラークは新聞社デイリー・プラネット社に
おいて新聞記者として生活し、時にスーパーマンとして人を助けるという二重生活を送っておりました。
 農場を見渡しながら回想という形によって、青年時代のクラークの映像が見られるわけです。
(このシーンで流れる音楽はビバルディの「春」です。多分ここだったかと…)
しっかし、わんこが昔のように「あそぼ」とボールを持ってきたからといって力いっぱい投げている
あたり、彼は5年経過して戻ってきてもあまり学習してないようです。星になったボール見て犬
呆れてるやんけ。

 ちなみに前作、クリストファー氏の「クラーク・ケント」姿は非常に秀逸ですので一見の価値ありです。
(こりゃスーパーマンとは別人だわ、ってくらい)

 ちなみに予備知識として、クラーク・ケントである時に彼がかけているメガネは微量の催眠波が
出ており、周囲にスーパーマンと気がつかれない設定だとか。あと服はどうしてるのかというと
マントの裏に圧縮してしまってんだって。はっはっは、濡れたら服も濡れますな…って今回の
スーパーマン、思い切り脱ぎ捨ててったけど…。後でスーパーマン姿のまま、こそこそ拾いあつめ
たんでしょうか…?
 この服はあのケント夫人の手作りだそうですよ!すごいねぇ。…全身タイツにパンツか…
すごいセンスというか…いやいや。

 クラークはたまたま欠員が出たため、また再びデイリー・プラネット社に務めることができ
ますが、同僚達との再会で喜んだのもつかの間、スーパーマンの時の恋人だったロイスが
子供や旦那らしき人と写真に写っているのをみて愕然とします。
 その旦那らしき人はリチャード。編集長の甥で、ロイスとは婚約中。まだ結婚にはいたって
なくて、そのことを言うとロイスは怒るんだ、と同僚ジミーは教えてくれるわけですが…。
 複雑な心境でロイスに挨拶するクラーク。
 私てっきりロイスはクラークの正体を知っているのだと思ってましたけど。映画の中では
明らかにそれっぽい会話をクラークとしてるし。
 だけど映画のパンフレットを見てみたら、ロイスは未だ正体を知らないんだそうですね。
うーん…そうかなぁ。ま、女のカンで気づいてんじゃないのかなぁ?って感じではあります
けども。
 でも確かに、リチャードが「そういえばクラークの体格ってスーパーマンに似てるね」と
言った時、プッとふいていたので本当に気がついてないのかも。

 さてさて。
 映画冒頭で謎の男が、死にゆく老婦人の全財産を譲り受けていたわけですが…。そいつは
スーパーマンの宿敵レックス・ルーサー。ようするに結婚詐欺を働いて合法的に出獄して
金も手に入れたわけですよ。当然狙うはこの世界の征服とスーパーマン抹殺。
 で、スーパーマンの隠れ家(北極のあれですかね。ぱぱりんの記憶とかいろいろ残ってる
場所)からクリスタルをごっそり盗んできて、それを使うわけですよ。
 鉄道模型の池に、ちょっとだけ削ったクリスタルを沈めるわけですが。ここで沈めようとした
男がちょっとしくじってボチャンと落としてしまうわけですが、その途端大停電が発生。
「…俺のせい?」「いや」という会話が結構面白かったです。

 この大停電はこの一帯のみならず広範囲にわたり、そのためにロイスが取材のために乗って
いた飛行機が一時制御不能に。すぐに回復したのはいいのですが、画期的な計画として、
飛行機にスペースシャトル乗っけて、ある程度上空まで持っていけばガソリン代の節約だよね!
みたいな計画のために上にのっかってたスペースシャトルの切り離しが出来なくなって大変な
ことに。しかもオートコントロールでスペースシャトルはもう飛び立つ気まんまんで点火しちゃって
このままだと飛行機つれて宇宙へお散歩という事態になってしまいます。
 そこへ現れたのは我らがスーパーマン。
 シャトルを切り離し、それを支えて宇宙へ。
 まあゆうゆうとやってるのはいいんですけどね、旦那。
 飛行機、ものすごい勢いで落下してってますけど。

 スーパーマンが晴れ晴れとした達成感を顔に浮かべつつ戻ってくると飛行機落下の最中。
こりゃ大変だということであわててスーパーマン、飛行機救出に。
 …いや、あのね、翼片方だけ持ち上げようとしてもね、意味ないと思うのね。多分彼は
回転を止めようとしただけで悪気はなかったと思うのですが。
 やっぱりバッキリ折れたじゃねーか!
 もう片方の翼も折れて、まさに錐もみ状態で飛行機落下。

 スーパーマン。
 お前はアホか。

 で、中にいたロイスも大変なことに。
 フライトアテンダントさんを助けていたために自分はシートベルトできなくて、飛行機内で
吹っ飛んだりしていたのですが、スーパーマンがやってくれちゃったおかげで更にあちらこちら
吹っ飛んですごい状態ですよ。
 これで無傷ってんだからあんたスーパーウーマンしろよとか思うんですけど。
 そんで野球場に落下スレスレでスーパーマンが受け止め、下ろすわけです。
 場内はやんややんやの大喝采。
 このシーンは復帰第1回目の仕事としてはものすごい良かったのです。良かったのですが、
良すぎて後の活躍がかすんでしまったという…。
 でもここで、スーパーマンが「これで皆さん飛行機を嫌いにならないで下さいね」と言って
立ち去ろうとするのですが、乗っていたのは記者たち。当然タダではすみません。律儀に
手をあげて質問しようとするのですが、軽くスルーされました。

 ロイスにあれこれ話をしたくて仕方がないクラークですが、そこに子供と、その子供に
パパと呼ばれるリチャードがやってきてそれはもう顔で笑って心で泣くというような状態
でして。
 それとなーくスーパーマンの話題を(「You-know-who」と言ってて笑えます)ふって
みるのですが、「突然いなくなるような人でしょ」みたいなけんもほろろ状態。
 で、「さよならを言うのが寂しかったんだよ!」とよくある自分で自分をフォロー作戦に
入りますがそれも失敗。
 ロイスにあっさり「なんで?簡単でしょ?"Good-bye"よ」といわれちゃいました。
(あれ、so longだったかな…?)
 ま、それを簡単に言えるほどスーパーマンの、彼女への思いは軽いものでは
なかったわけで…。
 そしてロイス自身も、スーパーマンが何も言わずに消えたことで、一方的な別れ
だったのだと思ったわけです。確かに、連絡をとる手段も、彼の意思を確認する手段も
なければいつかはけりをつけなくてはいけないわけで。それをリチャードという存在に
よって少しずつ癒されてきたのだと思います。そこへ突然彼が帰ってきたわけですから
なんともいえないと思いますよ。
 複雑ですね。

 ところがどっこいすごいんですよ。
 スーパーマン、なんとロイスの家にいっちゃう。透視で中覗いてるし!そういうことして
いいんかい、みたいな。
 ちょっとこれはイメージくずれちゃったなー、みたいな。
 いくら気になるといっても、スーパーマンはもっと正々堂々と聞く人だと思ったけど。

 さて、ロイスはあの謎の停電事件を調べようとするのですが、編集長はもうスーパーマンの
記事をかけと。停電なんかどうでもいいということなんですよ。
 腹を立てるロイス。
 屋上にいってタバコを吸おうとしますが、何故か何度つけても消えるライター。…っておい、
横からスーパーマンが吹き消しとるがな!誰がそんなコントやれといった。
 ま、つまりやっとこさ自分で本心を聞きにきたということでしょうね。
 それでもやっぱり進展するわけでなく、星空のデートの後の別れ、キスをしようとして
ためらう二人なのでした。これ、ロイスがもっと気の強い女性だったら再会早々ビンタ
されてただろうな…。

 ある時街中を暴走している車がありました。
 ブレーキがきかないんだってさ。
 いや、サイドブレーキひくとかさ、ギア落とすとかさ、最後の手段としてエンジン切るとかさ。
(車はすぐ止まりませんが、それでもいつかは止まる)
 っていうかブレーキが利かないってだけでアクセル踏んでないのに、あれこれ物に衝突しても
減速するでもなく何キロも暴走する車のほうがこええよ!生きてんのかよこの車は!
 そこへ颯爽と現われたるスーパーマン。乗っていた女性、キャサリンを救うのですが、
彼女は病院に連れていって欲しいと懇願。周囲の視線に負けた(笑)スーパーマンは彼女を
連れて飛び立ちました。
 それをぱっしゃーんとカメラつき携帯で写していた子供がおりまして。デイリー・プラネット社の
編集長は「こんなにきれいに撮った奴がいるのにうちの写真はなんだ!」みたいに怒ってる
わけですよ。
 いや、止まってる被写体と光速で移動してる被写体写せってどちらが難しいか言うたら
後者ですがな。

 さてその一方でレックスの計画は着々と進行。スーパーマンをひきつけている間に
目的のブツを盗み出したわけです。それはクリプトナイト。
 戻ってきたキャサリンことキティーは、「本当にブレーキをきかなくするなんて!」と
怒り倒しますが、レックスは平然と「芝居だと見抜かれるからな」と言ってのけます。
甘いなレックスよ。
 峰不二子に代表されるように女の裏切りはかわいいものですが、男の裏切りを女は
決して許さないものなのですよ、ホホホ。思い知るがいい(笑)。

 ちょっとここでみていてわからなかったのが、北極の隠れ家にあった水晶はまあ、
彼の記憶というかクリプトン星の大切な財産みたいなのだとして、どうしてこれが水に
入ると大きく反応するのかが意味不明。
 パンフレットにはこれもクリプトナイトみたいなことが書いてあるのですが、クリプトナイトは
緑色の鉱石なのでこれは違うでしょ…。ちょっと調べておきます。

 で、盗み出したクリプトナイトでこの水晶をくるむ形にしてミサイルにセットです。

 ロイスは「スーパーマンは何故必要ないか」と書いた記事の授賞式に出るために
目的地へ向かっておりました。
 ところが、不審なクルーザーを発見。何故かまったくためらいなく乗り込んでしまいます。
いや、なんでそんなナチュラルに不法侵入してんの!
 ものすごいためらわずに入っていくから誰か知った人がいるのかと思ってたよ。
 …まあ、優雅に歯磨きしてたレックスと鉢合わせしたわけですけど。
 このレックスって思うに、いまいち非情な悪役になりきれてないような気が。ラストから
してもそうなのですが、そうなると、ギャグキャラにするか、徹底的に悪にするかどちらかに
統一して欲しかったですね。

 レックスがもくろんでいたのは、新たに大陸を作ること。あの水晶が反応することを見て
海底に沈めれば大陸が出来るだろうと。
 んで子供のジェイソンとともにロイスはとッ捕まってしまうわけです。
 レックスは「そいつは…」と念のためクリプトナイトを近づけてみますが、ジェイソンが反応
しなかったことに安心し、またロイスが「リチャードの子よ!」と言ったことからもそれ以上
追跡はせず、部下に監視をさせて計画の最終仕上げに。

 ジェイソンがピアノを弾き始めたのを見て部下も連弾に参加。いやーやっぱ向こうのテロリストって
なんかこういうとこありますね。
 その隙を見てロイスはそばに何故かおいてあったファックス(紙つき)で現在位置を知らせ
ようとするわけです。
 ところがどっこい、水晶を発動させたがためにまたも停電が。ファックスは送れなくなって
しまうわけです。大ピーンチ。

 一方クラークたちは、ロイスがいつまで経っても現れないことに不審を抱いていました。
そこに送られてきた途中までのファックスにジミーが気づくわけです。と、その瞬間にもう
クラークの姿は消えていました。これでエレベーターに乗りつつ服を脱ぎ捨てて上から飛び立ち
更に社の天井を突き破って飛んでいくスーパーマンの姿が見られます。お前後でちゃんと
弁償しろよ…。

 けれども、ロイスを助けに行きたいけど都会のピンチも見過ごせない。板ばさみになる
ところはまあ旧作を踏襲していて良かったかなと。
 でもお前、いくら下ろす場所がなかったからといって、支えてた落下物車の上に置くなよ!
車つぶれたやんか!

 そしてロイス。とうとう細工が見つかって大ピンチ。
 殺されそうになるママのピンチを救ったのは…そう、スーパーマン・キッズ。
 異変を察知した別の部下によってロイスらはキッチンに閉じ込められ、レックスは無事
ミサイル発射になったこともあり、この船を捨てて脱出することにしたのです。そう、念のため。
 何をしても開かないドアに、ついにロイスはジェイソンに「助けて」と助けを求めます。静かに
ジェイソンがドアへ歩み寄り、鍵をあけ…たのはリチャードでした。

 彼、目立たないけどとても正義感があってロイスを常に助けにきてくれる。まさに人間版
スーパーマンですよね。だからこそロイスもさっさとスーパーマンのところへ戻るっていうのが
出来ないんじゃないかと。
 いつでも助けに来てくれる。
 キャッチコピーがあるのですが、「その時、あなたの盾になる」とか「あなたまで1秒」とか
「ピンチ、急停止」はいいですね。
「彼が守ってくれてる間に、みんな早く帰ろう」とか「ついに今日、到着」はどないやねんって
感じですけど。
 いや話がそれました。
 ともかく、リチャードも超能力があるかないかだけで、ロイスにとってはスーパーマンだと
思うのです。
 そうして逃げようと思った矢先。
 新しく出来てきた大陸の突出した部分が船を真っ二つ!
 いや、おいおいおいレックス。
 お前こんな、ウニみたいな大陸どうやって売るんじゃ。悪徳不動産屋に足元みられて
二束三文やないけ。少なくとも10年くらいかけて整備せんとやっとれんわ。
 っていうか草木も育ちそうにない土地ですなぁ…。

 んでキッチンのドアが閉まってしまい、彼らは閉じ込められたまま海の底へ沈んでいく
のでした…。
 だと物語が終わってしまいますんで、やってきたのはスーパーマン。
 彼の差し出した手を握ろうとして一瞬ためらうけども、意を決したように握るリチャード。
思えば彼の心はここらあたりで決まっていたのかもしれないですね。

 さて彼らを救い出し、気を失っているロイスを見た後スーパーマンは旅立ちます。
 レックスを倒すために。

 ところがどっこいレックスもバカじゃない。いや大抵バカだとは思うんですけど。
 ちゃんと対策をしていました。
 新大陸に降り立った瞬間、力が抜けるのを感じるスーパーマン。
 そう、この大陸は、クリプトナイトがあちらこちらに埋め込まれていたのです。
………先ほど草木も育たないといいましたが訂正。
 放射能測定器のメーターを余裕でぶっちぎりそうです。人間には害が無いといっても
地球に存在しない物質である以上、何らかの影響でそうだし。
 この土地ダメダメですよ。

 さてレックス。
 かっこよく決めようとします。
 キティーに、「おい、オヤジが俺に言ったあのセリフを言ってやれ」と言い。
 キティー、「はげるぞ!」
 「それじゃない!一つ前のだ!」「…出て行け!」
 …………レックスはため息をついて「お前は言われなかったのか?飛ぶ前に足元を
確認しなさいってな!」
とムチャクチャなことを言い出しました。
 お前らはどこのコント芸人だ。

 で、抵抗できないスーパーマンはめためたにやられるわけですけど、ここの描写は
ちょっと、アメリカ映画にあるまじき残酷な表現だったなーと。いや、なんつーの。正義の
ヒーローがやられるシーンというのも確かに必要だとは思うのですけども、ここはちょっと
個人的に正視に堪えなかったですねー。まあそういう効果を狙ってはいるんだろうけど。
 ともかく珍しく、顔を背けたくなるような暴力シーンだったなぁと思いました。
 そんでスーパーマンはクリプトナイトで刺されて海の底へ。

 目を覚ましたロイスは引き返すことを要求。もはやこのセスナが飛ぶのすらやばくて
落ちるかもなんてこと思ってもいません。
 リチャードはいいやつですから黙って引き返します。
 荒れ狂う海。当然発見なんて出来るわけもありません。
 その時ジェイソンが一言。「この下にいるよ」
 ロイスはリチャードが「僕がいく」というのも聞かず、扉を開けるや否や、オリンピック選手も
真っ青というくらいのキレイなフォームで飛び込みました。そうして見事スーパーマンを見つけて
マントを引っつかむわけです。いやいやいや!首しまってますがな!
 水中から引き上げ、セスナに乗せたはいいものの、セスナが飛び立つことが出来ません。
あわやという時、ジッと前方を見つめるジェイソン。そうして急浮上するセスナ。
 リチャードは歓声を上げますが…果たして単なる偶然だったでしょうか?
 私は少なくとも、誰かの働きはあったと思います。

 スーパーマンの体からクリプトナイトを引っこ抜き、ドアを開けて投げ捨てるロイス。あの…
下に誰かいたら突き刺さりますよ…?いや誰もいないとは思うけどさ…。この人、スーパーマンの
こととなると、やることなすこと豪快です。

 目を覚ましたスーパーマンは、もう一度、奴らを倒すために飛び立っていきました。
 今度はちゃんとロイスに「さよなら」と告げて。

 太陽の光を浴びて彼は水中深く潜ります。
 一方余裕でポーカーをやっていたレックスらですが、不気味な地震を感知し、ヘリで逃げる
ことに。その最中倒れてきた岩に押しつぶされて死ぬもの2名。
 レックスとキティーはヘリに乗りますが、キティーは隙を見て水晶を新大陸にすべて捨てます。
レックスは拾おうとしますがもう間に合いません。
 キティーはスーパーマンに好意を持っていたようですね。わかります、その気持ち。
 で、飛び立つ彼らの前に、新大陸を引っこ抜いて飛び立っていくスーパーマンが見えるわけ
です。
 クリプトナイトの危険に晒されつつ、大陸を宇宙へ放流させてスーパーマンは落下。
 えーと。
 宇宙にそういう危険なものを不法投棄しないように。っていうかこれ地球の引力にひかれて
落ちてきたりせんのか?

 落下したスーパーマンを市民は必死になって救助。病院へ運び込まれます。
 しかし彼の意識が戻ることはなく、市民らは沈痛な面持ちで見守るのでした。
 一方新聞社では、不自然に消えたクラークに誰一人気づくことなく(ひどい)、ロイスはひたすら
スーパーマンの心配をしていました。
 そうして彼女を病院へ送ることを申し出るリチャード。いい奴だなお前。

 病院へ行くのは大渋滞。途中で降りて歩き出すロイスにリチャードはそっと声をかけます。
「ここで待ってるよ」
 ロイスが返したのは頷きではなく、無言の拒否でした。
 彼女はやっと、スーパーマンを選ぶ決心がついたのでしょう。
 リチャードもうすうす気づいていたのかもしれません。彼女を引き止めることはありませんでした。
 切ないですね。
 だって相手はスーパーマン。かなうことのないライバルですから。

 病室にて。
 彼女は眠り続けるスーパーマンの耳元でささやきます。
 それは、彼の勇気を呼び覚ます根源となったんでしょう。

 看護婦さんが病室に行くと彼の姿はなく、病院は大騒ぎ。
 あれ?誰も追及してませんが、さりげなくスーパーマン、治療費踏み倒してますよね?

 眠るジェイソンの元へ訪れ、かつて自分が父から言われた言葉をささやくスーパーマン。
 父の力は息子へ受け継がれる…。
 そうしてロイスも彼の姿に気づきます。
 ここで二人は、最初の散歩の時には途中で諦めたキスを交わして、スーパーマンはまた
飛び立っていくのでした。
 んー、ここで残念だったのは終わり方が曖昧だったことかな。
 なんていうか…せっかくなら原作にあるように結婚までやって欲しかったですね。まあそう
すると正体明かしまでやらないといけないから、余計に話が長くなりそうですが。

 1作目のスーパーマンだと、ロイスを助けに行こうとするのだけれども、街が破壊されていく
のを黙ってみていられない。そうしてようやく片付けてロイスの元に行くと、彼女は車ごと潰されて
死んでいました。
 悲しみのあまりスーパーマンは地球を逆に回り出しっていうか、時を戻したと解説ではなって
ますけど私は、スーパーマンが一人過去に戻ったんじゃないかなーとか思ってたり。だってそう
思わないと、街の破壊を放り出して助けに行ったってことになっちゃうし…。
 ま、ともかくそうして戻って、ロイスの絶体絶命の危機を救ったわけです。笑みをたたえてロイスの
車のドアを開け、彼女を救い出すところは本当に盛り上がりますよ!
 そういう、わかりやすい恋愛ドラマが今回はなくて残念でした。その代わりに、複雑な3人の
恋心はすごく丁寧に描かれていたなと思いました。
 スーパーマンも恋をしている時は無力なんですねー。でもやっぱロイスと幸せになって欲しい
です。
 彼女の支えがある限り、そして"彼"がいる限り、明日もスーパーマンは悪に立ち向かって
いけるのだから。


 最後タイトルロールで、「クリストファー夫妻に捧ぐ」と出たのはちょっと感動しました。
 あと、クラークの時の方がこの俳優さんかっこいいなぁと思いました。誰かに似てるんだよねぇ…。
あ、加勢大周。



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