多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→マリー・アントワネット


マリー・アントワネット

1/25鑑賞

 やばい、モンスターハウス見に行ってたのすっかり忘れてて、「あー今年初の映画だー」とか
思ってました。何たる失敗。私のワクワク感を返せ。(誰に言っている)

 うーん、感想としては、エミリー・ローズとか、ワールドトレードセンターのように、人の
人生を描いているわけだから山も谷もなしっていうか、劇的な展開はないなって感じですね。
 でも一人の女性が頑張って生きている様子としてすごい共感できたし、頑張れ!ってな
部分はありました。
 あとセットはゴージャスゴージャス。これはすごいと思った。
 世界史に詳しい人だともっと楽しめるんでしょうが、私とか、必修なのに単位すっ飛ばされて
いた受験生は厳しいかも(失礼なことを言うな)。

 ハッキリ言ってね、勉強が全般において得意ではないと言える私ですが、学生時代から
どうやっても克服できないのが社会でありまして、しかも世界史というかこのあたりの
フランス史もまったくもってダメ。この映画のレビューを書くためにいろいろサイト調べて
見ても何のことやらちんぷんかんぷん。
 なので、話に関わる部分程度にしとこうと思います…。

 えっと、この頃の時代の背景としては、フランスはイギリスと張り合うくらい巨大な国家で
産業革命によって巨大成長しつつあるイギリスをどうしても叩き潰したかったと。
 で、物語のラストの落ちとなるフランス革命前、マリーが生きた時代の制度(旧制度)の
ことをオシャレ口調で「アンシャン・レジューム」というそうです。アンシャンだかおっさんだか
知らんが誰やねん、こんないかにも「試験に出ますよ」的な言葉使いやがったやつ。
タイムマシンで過去に戻って抹殺したい。

 でまあ、このアンシャン・レジュームが傾く理由となったのは、そういう、張り合った戦争やら
贅沢やらで。あと、ルイ16世(マリーのムコさん)の親父がボンクラだったのもありますが。
 で、ボンクラの子もボンクラだったわけで、親子二代によってアホが君臨した結果、フランスは
傾いたわけです。
 というのがこのあたりの大まかな歴史のようです。ただ16世の方がまだ、有能な人間を
登用してなんとかしようとしたあたりマシだったのかも知れません。
 
 さてさてこういったところを押さえたところで始まり始まり。

 ………鬼太郎のCMがデスノートの時のような内容になっちゃってんですけど…。モンスター
ハウスの時はもちっと内容あるやつだったのに。
 あと、「あなたを忘れない」っていう映画のCMやってました。えーと何年か前大久保駅という
のですっけ、ホームから転落しようとした人を助けようとして、一人の韓国人と日本人カメラマン
が一緒に犠牲になった事故ですね、確か。…ってこの映画では「一人の韓国人がやった善行」
になってるんですけども?日本人カメラマンはどうなったんでしょうか?よくわかんねー映画
だな…。
 どうでもいいけどイ・ビョンホンってある角度から見ると、デスノートのLの松山ケンイチさんに
ちょっとだけ似てる。(素顔の松ケンには多分似てない)

 オープニングが、これはロック?パンク?わかりませんけど、テンポのいい音楽で始まるのは
いいけど、出るのが出演者の名前だけなのでちょっと退屈。合間にやっとケーキ食ってるマリーが
出た。一瞬。
 すごいなぁ、Lが見たらよだれたらしそうな豪華なケーキでしたよ。少しくれ。

 いきなり、別の名前で呼ばれたから誰かと思ったが、登場した女の子がマリーでした。
 ああ、国によって読み方違いますもんね。
 つーか化粧であれだけ変わるのかっていうくらい、地味な女の子ですよ。すごいな。
 オーストリアから14歳の身で、たった一人でフランスへ嫁ぐことになったマリー。これは
心細いってもんじゃないでしょうね。確か王族とかって嫁いだら国を捨てないといけないって
いうか、もう故郷はなきものと思わないといけなくて、何があっても帰る事を許されていなかった
はずですから。
 にしてもこの時代の流行というかファッションとして、女性は胸をドレスの上に半分出るような
形に作り上げるというか、コルセットをギュウギュウに締め上げてああいう風にしてたはずなん
ですが、ばーさんがやると見苦しいというか…オエ。
 いや、これは年齢を選ぶ衣装ですね…。

 さて馬車に揺られてオーストリアからフランスまで長い長い旅です。えっと…真正面から
馬車がやってくるシーンでウマ同士がなんかケンカしてんですけども…。撮り直しくらいしろや。

 どれくらい経ったか知りませんが、国境に到着。マリーはここでお付の人達とも、大切な
ペットのモップスとも別れなくてはいけません。
 しかも何から何までフランス製のお衣装にさせられまして、一人ぼっちで連れて行かれる
わけです。風習も違うから大変だろうなぁ。
 えーと、お世話をするのがノアイユ侯爵夫人。何から何まで教えてくれる人なんですけど、
なんか怖そう…。
 でもドレスとかはやっぱフランスの方が洗練されていて綺麗でした。美人さんは何着ても
似合うからええのう。

 またトコトコ馬車はゆられまして、皇太子がいるとこへ到着。マリーが降りる直前、馬車横に
待機していた馬が結構暴れていて、乗っている人が慌てて抑えてるんですけども…それでも
OKテイクになるんかい!
 あと、マリーが降りてくるところで脇の男性が、「反省」みたいなポーズをしているから、
腹でも下してるのかと思ったら、あれが偉い人に対する頭を下げる?みたいなポーズらしい。
なんだよ、なんか中途半端な格好しやがって。

 で、オーストリアから来たわけですから周囲がバカにすることバカにすること。
 日本で言うと九州の人が東京へとついで来た?みたいな?
(九州・東京の人に悪意はありません)
 オーストリア女が、みたいなのを聞こえよがしに言ってます。
 ははん、美人度からいえばマリーの方がはるかに上ですが。

 宮殿へ迎え入れられたマリーは、もう豪華絢爛な様子におおはしゃぎ。いや気持ちは
分かります。私ならそこらの骨董をこっそりと馬車に積んで売り飛ばしに出かけるところです。
 そんで息つくヒマもなくサクッと結婚式。
 なんか作法が大変そうだな…。
 あと結婚の誓約書というか書類にサインする時、マリーインクこぼした。

 この後はま、こういう時代ですからお披露目ぱーちーみたいな踊りがあるわけですが、
すごい踊りにくそう。
 ストレスたまりそう。
 お祝いもすごいですねー。
 寝室にまで何十人入っとんねん!
 これは…ゆっくり休めという方が難しい。もちろんカーテン閉めたら出て行くんですけども、
王族とかって本当に大変なんだなぁ…。

 朝。
 慌てて起きて着替えをしようとするマリーに対してノアイユ侯爵夫人が、あなたはただ
立っているだけ、着替えなどは下々の者が行うっていうんですね。
 これがまたすごいの。
 着替えを手渡す立場には、より高位の人間がなるとされていて、ひとりが渡そうとすると
より高位の人が現れて最初からやり直しになるもんだから、マリーは素っ裸でずっと立って
いないといけなくて。嫌がらせか!?と思ったけどどうやらクソ真面目にやる儀式らしいです。
こりゃ大変だわー。
 この頃の生活って確か朝食までの支度とかもやたら時間かかったりとか、食事自体も
時間かかったと聞いていてなんでだろうと思っていましたが、そりゃ時間かかるわ…。
 日本でも将軍様の食事にはお毒見お毒見と何人もいて、実際に将軍が口にする時は
料理は冷め切っていたといいますが、えらい人ってのも大変ですなぁ。料理はこさえたてが
命だってのに。

 で、夕食は夕食で、女どもの見栄の張り合い・悪口大会。こんな席で食べたらうまいもんも
不味くなりますわ。
 ここからは時間の流れがあんま具体的ではないのですが、多分結婚してからそれなりの
時間は経過していると思うんですね。
 世継ぎが出来ないとコソコソ噂になるくらいだから、半年〜一年くらいは経過している
のかも。
 ちょっとアレな話ですが、確か日本だとそういう夜の生活についてお世話係がいて、奥さんと
なる人にあれやこれや知恵を授けていたはずなんですが、フランス王室にはそういう立場の
人はいなかったのかな?それともカトリックとかだからあんまそういうこと言わないものと
されていたのかな?知りませんが。
 ただ歴史としては、ルイ16世にそういう能力がなかったという話もあり、治療するまでは
世継ぎは無理だったらしいです。なのでマリーのせいではないのに、こういう時って何でか女の人
ばかりが悪いように言われるんですよね。同じ女性として分かりそうなもんなのに、無責任に
「世継ぎが生まれないのはマリーの努力が足りないせい」と言う人の多いこと。
 
 つーか、マリーもマリーで、まだ若いからしょうがないのかも知れないですが、ルイ16世と
もっと会話しようと思ったら、錠前についてもう少し興味もてばいいのに。いや興味を持たなくても
例えばルイ16世の話を聞くだけでも大分違ったと思う。私ならその人が興味を持っている話を
聞くのは楽しくて仕方がないですけどね。だって(失礼な話ですが)調べる努力をしなくても
新しい知識が手に入るんですから。こんないい話はないぞ。
 …まあ私のことはどうでもいいとして。

 何かがぶっちぎれたマリーはもう開き直って贅沢三昧に没頭し始めます。
 そりゃもうすごいですよ。
 前に、靴は毎日新しいものに変えるみたいな金持ちの話を聞いたことがあるんですけど、
まさにそんな感じ。
 周囲の同じような年代の女性達とワーキャーすごいです。
 豪華な衣装着てうまいもん食って…もうため息しか出ませんね、って感じ。
 で、ここでかかる音楽が、「I Want Candy」っていう曲なんですが、マリー・アントワネットの
イメージにぴったりでかわいい曲なので、映画を見たときはゼヒゼヒチェックを。
 様々な靴が映り始めるシーンからかかります。CMにも使われている音楽です。
 このほかにも実に様々な曲が使われるんですけど、私はこれが一番好きですね。
(追記…すみません、靴を取り替えるシーンから始まる音楽はI Want Candyじゃなくて
Natural's Not in Itかもです。始まりが多分こっちかと…)

 で、世継ぎが出来ないってんで二人は医者に見てもらうことになったんですけども、
この医者がすげぇ。
 ドリフコントで志村けんがやりそうな、「おめーどこに注射するつもりだよ」みたいな手が
震えてこわいじーさん。こんなのに医者させとかんと、ルイ16世にスッポンでも食わせとけ。

 それからこの時代の装飾品でピアスが出てきます。
 「えっピアスって最近のものじゃないの」ってな感じですが、実はピアスの方が歴史が
古く、イヤリングと呼ばれていました。登場は古代のエジプトから。古代っつーとあれですか、
おしゃれさんなクレオパトラはつけていたかもですね。日本では縄文時代には既に登場
していましたから、「ヒカルの碁」に出てくる藤原左為のピアスは間違いでもなんでもない
わけです。
 それが19世紀あたりに、耳に穴をあけない、いわゆるイヤリングスタイルが流行し、
最近になってまたピアスブームが復活といった感じになったわけです。
 といっても昔は消毒の概念とかなかったでしょうから…なんか怖いっスね。
 またこの時代の髪型はかなり独特。
 いかに人より奇抜なものにするかというので、様々なデザインを生み出せるヘア・
スタイリストがチヤホヤされました。どういったらええの、頭の上に家(の模型)一軒
まるごと、とか。サーティワンアイスクリームのダブルどころかトリプルやっちゃいました、
みたいな。
 風呂の習慣がなかったからあまり頭も洗わない(香水の文化はここから)。だからこそ
こんな髪型が出来たわけですけども、頭皮が痒くなったら大変そうですね。
 
 そんで贅沢を極める中、マリーはオペラを見て大感激。拍手してはいけないところで
拍手喝さいをしてしまいます。でも無理やり周囲に拍手させてしまうあたり、なんつーか
やったもの勝ちですね…。
 
 ええーっと、数年しても世継ぎが出来ないものですから、マリーの母親の心配たるや
もう大変な有様ですね。
 そんな心配を他所にマリーはドンペリタワーやったり乱痴気騒ぎやったりと、お前は
ホスト狂いの主婦かってなくらいすごい遊びっぷりです。
 そんである時つれられていった仮面舞踏会。
 マリーの仮面が、仮面というよりも写真に黒い目線入った犯人像みたいな感じなのが
気になります。
 ここで彼女は運命の人、フォン・フェルゼン侯爵と出会うのです。
 名前を名乗りはしなかったけれども、フェルゼンは彼女の正体を知ったようですね。

 舞踏会から朝帰りの馬車。
 坂を下ってくるのですが…おいおいおい!だんだん左に寄っていっとるがな!

 朝帰りしたルイとマリーを待っていたのは、ルイ15世が天然痘にかかったという知らせ
でした。
 これは確かこの頃はまだまだ不治の病でしたっけかね。
 でもって、王が寵愛していた愛人は(安全のため)とうとう王宮を追われるわけです。バイバイ。

 そしてルイ15世の崩御により、ルイは19歳、マリーはたった18歳にしてこの国の未来を
背負うことになってしまったのです。
 それでもやっぱり世継ぎが出来ないというか、さっさと寝てしまうルイのせいで、マリーの
遊びは収まらず。
 彼女お気に入りのスタイリストであるところの、レオナールという人がいるのですが、
センスのいいヘアスタイルを作ってみせてます。
 笑い転げすぎて落ちそうになったマリーのヅラを支えたあと、その後ろのロウソクの火を
フッと消しておくところなんか面白い演出ですね。

 さてこの頃。
 アメリカでは独立戦争が始まっていました。えーっと簡単に言うと、イギリスの植民地
だったアメリカが、課税に対して反乱を起こし独立をもぎ取るべく戦ったやつで、これに
フランスが加勢し、見事アメリカは独立成功。ただしフランスはこの多大なる出費が
元でフランス革命になるやつですね。(もちろん原因はマリーの浪費もありましたが)

 ただ、良いこともありました。
 やっとこさ子供が生まれたのです。
 といっても女の子でしたが、それでもマリーは周囲の蔑みに勝利したわけで。
 ルイからなんかかわいらしい別荘を与えられて、そこで過ごすようになります。
 いわゆる田舎生活みたいな感じ。
 ただマリーは知らなかったのですが、採取する前にニワトリの卵は使用人によって
ピカピカに磨かれ、イチゴも採ってすぐ食べられるように手入れされ、といった感じ。
 でもまあこういう生活がマリーには必要だったのかも。少なくとも贅沢はしなく
なりましたしね。ま、もう遅いんですけど…。

 そんで戦争が一段落して開かれた舞踏会でマリーはフェルゼンと再会。
 っつか乾杯でこぼしてますよマリーさん…。
 あと、額に名前を貼り付けて、自分が貼り付けたのが誰か当てるゲームを
してんですが。
 いやいやいや!誰が誰の名前を張ってたか答え合わせして下さいよ!すごい真剣に
考えたよ!

 いよいよ財政は厳しくなってきました。
 高くなる税金に国民の反発も高まります。
 新聞では、パンも食べられない民に対して「パンがないならケーキを食べればいい
じゃない」とマリーが発言したというゴシップ記事も載っており、王政に対する反感も
段々と大きくなっていきます。
 マリーは言った覚えがないから無視しておけばいいと言いますが。
 
 でそんな中、マリーのお母さんが亡くなったという知らせが…知らせが…お母さん役の方、
カットかかるまでは呼吸は止められた方が…………。

 一方、やっとこさ世継ぎが生まれたという良いこともありました。
 残念なことに亡くなった子供も二人いたみたいです。

 しかし革命の足音はすぐそこまで迫っていました。
 いよいよ圧政に耐えられなくなった暴徒がヴェルサイユ宮殿に押し入り、ルイらは
宮殿を追われることになりました。
 最後はあの豪華な作りの宮殿の寝室が、ボロボロに破壊されたシーンで終わります。
 ギロチンにかけられるところまでやらなくてよかったです。
 確かにマリーは最悪の王妃と言われていますが、この映画を見ていると彼女に
肩入れしてしまうので、処刑まで見たくないなーと思ってましたから。

 こうして華やかな暮らしは終わりを告げました。
 彼女が最後の時に何を思ったのかはわかりませんが、この映画を見る限り、
短くても幸福な人生だったのではないかと思います。

 Apres nous le deluge. (後は野となれ山となれ )



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→マリー・アントワネット