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パフューム
ある人殺しの物語

3/8鑑賞

 これはハッキリ言って、PG-15に指定していい作品ではないかと思います。(実際はPG-12)
結構刺激が強いというか、中学生でもどうかなって内容でしたので。
 あと、一人で見に行ったほうがいい映画かも。ラストに行くにしたがって気まずいものが…(笑)。
レイトショーとかをこっそり一人で行くと間違いないかと思います。何が間違いないのかは私にも
わかりませんが。


 物語はなんか暗闇の中匂いをかいでるらしい、ヘンタイちっくな男のシーンから始まります。
つかどう見てもヘンタイだよね!?
 それがなんか慌てた様子で引きずり出されていきました。
 様子を見るにこの男は死刑囚で、早く死刑にしろと暴動がおきかけている模様。
 …ここフランス?
 なんか判決文を読み上げてて、その判決の内容のたびに歓声が上がるということは、
えげつない犯行をやらかしてきたんでしょうねぇ。

 シーンは変わりましてパリ。
 ナレーターでこの頃のパリは悪臭に包まれていた、と言っています。
 この時代はアルコールは発見されていて香水自体は作ることが出来ましたが、今の
ように当然量産などできずまた、調合があったりあれやこれやで高価なものでした。
当然、貴族のみが身につけられるものだったんですね。
 香水というと、入浴の習慣がない、不衛生な状態から発生する悪臭を隠すためのみで
発明されたと思いがちですが、この映画の中でも出てくるエピソードのように、当時革製品
というと独特の臭いがありまして、これを消すためにも使われていました。

 つーかまあ魚とかの市場なら臭くて当たり前だと思うんですけどね。
 ま、そんな中でこの物語の主人公である、えーなんだっけ、やたら長い名前だったな。
ジャンは生まれたんですよ!(後の名前は忘れました)
 ちなみに母親は生んだはいいけど、放置して逃げたため、殺すつもりだったとみなされ
死刑に。なんともまああっさり死刑になるもんですな。
 そしてジャンは施設に送られたのですが、これが、子供の養育費が支給されるの目当て
で子供を引き取っているというようなごうつくババアのところでして。
 そんな中を生き延びてきたわけなのでした。

 ジャンは成長し、なめし皮の工場?かな、就職します。
 ひとつ彼が他の人間と違っていたのは、あらゆる臭いをかぎ分けられたということで
しょうか。水の中まで臭いをかぎ分けられるのはすごいな!犬でも水の中はお手上げ
ですもんね。つかカエルの卵をスクリーンいっぱいに映してんじゃねーよ。あとネズミの
死骸の中のウジとか。
 このあたりが、年齢指定が生ぬるいなと思った理由なんですけども。
 容赦なしにいろいろ映し出されてますからね…。

 そうしてある時ジャンは、親方に連れられて街中へ繰り出します。様々なにおいに
フラフラしまくり。いやあのね…目つぶってあるいたら危ないから…。
 コケる前に親方にどやしつけられたけど。
 でもいろんなにおいかげるのはいいけど、ムサい人のわきの下のにおいとかはかぎたく
ないよね!
 で、香水の店かな、行って貴族が香水つけてるの見るんですね。

 つーか香水って確か3種類くらいありませんでしたっけ。いや種類じゃなくて…。
確か効き目の持続する時間とかて使い分けるんだったはず。
 と思って調べたら4種類でした。そうか、1種類あまり目にしないと思ったら、かなり高価な
ものなのであまり取り扱いがないというか、売ることがないのかも。
・パルファン(いわゆる、パフューム)
・オーデパルファン
・オーデワレ ←これが一番種類の多い香水
・オーデコロン

 当然ジャンにも彼らのにおいは伝わってると思うのですが、突如彼は、それとは比較に
ならないくらい「良いにおい」に引かれてフーラフラ。
 赤い髪の毛の果物を売っている女性に引かれて後ろをついていくのですが。
 いやあんたさ…。何も言わずにいきなり腕とってにおいかがれたら立派なヘンタイだよ。
 何がしたいんだこの男。
 もう少しなんかフォローしようがあったろうに。
 例えば「香水か何かつけておられますか」とでも聞けば存分ににおい嗅げたと思いますが…。
 ともあれ付きまとっていたジャン、勢いあまってなんとこの女性を殺してしまうんですな。
 いやいやいや、あんたしょっぱなからいきなり殺人犯デビューすんなや!

 一応アジトに戻ったジャン。
 彼は香りを保存する方法を知りたいと強く思うようになります。
 …その相手の近くに住むとかすればいいんじゃね?結婚が無理なら。
 ちょっと先にネタばらしみたいになってしまいますが、殺さないとにおいを取れないのなら、
その香水がなくなった時どうするのかと。それよりは生かしておいて好きな時ににおい嗅げる
方がいいと思うんですけどねー。頭悪いな。

 場面は変わりまして、ある閑古鳥のなく香水屋。彼、ジュゼッペは今人気の香水師に
すっかり客をとられてしまい、お客がこなくっていたのでした。
 で、その人気の香水師が編み出した「愛と精霊」だったかな、この香水を自分でも作ろうと
するのですが、成分などがわからない。
 そこへたまたま革を届けにやってきたジャンが、ひょいひょいのひょーいと香水を作って
しまうわけですよ。香水師の立場形無し。
 ちなみにここでジャンはアルコールをまず容器に入れ、それから成分を混ぜ合わせている
のですが、本物の調合師さんによるとやはり現代でもあの作り方はナンセンスだそうです。

 そしてジャンはこの香水を「ひどいにおい」といい、本当に良い香りの香水を作って去って
いくんですね。
 その才能に驚いたジュゼッペは彼を自分のもとに買い受けるわけです。

 ただこのシーンで思ったのですが、この物語はフィクションにしても、万人に合う香水なんて
あるわけがなく、香水というものは身につけて使うものである関係上、その人との体臭と
どう交じり合うかが一番重要なポイントになってきます。
 よく、交じり合ってものすごい悪臭を発しているねーちゃんとか、香水をそもそもつけすぎて
歩く犬撃退機みたいになってる女の人とかいますが、あれは一番やっちゃいけない香水の
使い方ですね。自分は鼻がバカになってるから気がつかなくていいでしょうが、レストランとか
お寿司屋さんで一緒に食事をしなければならない彼氏さんが気の毒です(大笑)。ま、女性に
限った話でもないですけどね。
 皮肉はこれくらいにして、においの好き嫌いで選ぶのではなくて、ひじの内側につけて
かいでみたり、専門家にアドバイスをもらうなりして、自分に合う香水をみつけるのが一番
いいかと思います。
 
 こうしてジャンを雇ったジュゼッペの店は大繁盛。そりゃそうだ。その人にピッタリ合う香水を
作れる天才がいるわけですから。
 一方で香水に関する知識も教えてもらったりとか。トップノート、ミドルノート、ラストノートは
勉強になりました。つーかあんまり気にせずに香水つけるしな!←気にしろや
 あまり興味もないような話の中、ジャンの興味を唯一ひいたのが、エジプト王の墓をあけた
時に香ったという香水の話。
 それはえもいわれぬにおいで、様々な人間がこのにおいを再現しようと分析し、13種類の
うち12種類までは分かったけれども、最後の1種類がどうしてもわからないと。
 で、ジャンは「どうしてわからないのか」と質問します。彼にとってはわからないにおいがない
からなのでしょうが、ジュゼッペはその質問の意味自体がわかってないので、わからないものは
わからない、みたいに答えるんですね。

 言葉をあまり多く知らない子供に大人が質問しても、理解できる答えが得られないのと同じ
ことではないでしょうかね?
 大人は知識があるからいくらでも推理とか出来るけど、子供はもともと言葉の引き出しが少ないから
教えることも理解も出来ない、みたいなの。

 で、バラの花びらから精油を抽出するわけですが。
 おいおいそのどぶ川の水使っていいのが出来るのか…?

 そんでジャンはこの方法を使って、店のネコから体臭を分離しようとするのですな。お前ひどいな、
生きてる猫を…。
 銅や鉄とかからもしようとしたのですが無理でした。
 ジュゼッペから無機物は無理だし、ましてや体臭を分離することなど出来ないといわれて絶望
するジャン。絶望のあまりかんしゃく起こして失神した人を見たのは、ハウルに続いて二人目だよ!

 この方法以外で香りを抽出する方法が一つだけある、と教えられ、ジャンは代わりに香水の
調合方法を100ほど教えて香りの首都グラースへと旅立ったのでした。
 ジュゼッペはそれからも処方箋を使って大もうけ…しようとしたのですが、その日のうちに家が
崩れて死んじゃった。いいのかこのオチ。

 旅の途中ジャンはある洞窟にたどり着きます。
 そこにはにおいがなかったって言うけどそれはおかしいやろ。空気がある以上においはある
はずなんだから。においがなかったって言っておきながら「冷たい岩のにおい」ってわけわからん。
誰だこの日本語訳したのは。

 つーかおいおいおい。ジャンどんだけ寝てたんだこの男。
 ヒゲぼうぼう、髪の毛バサバサですやん。
 でもってジャンはあることを発見します。即ち、自分にはにおいがないということを。
 いやそれおかしいから。普通体内で細菌活動とかある以上においあるから。つーても映画だし
なぁ…。
 必死になって臭わなくても、鼻に綿つめといて、それからしばらくしてにおえばわかるかもよ。

 そうして彼は決意も新たに旅立つわけです。
 彼に贈りたい。
 「決意の朝に」 歌:Aqua Timez

 そんな中彼はあの果物売りの女に見出したような、運命のにおいを見つけ出すのです。
 馬車にゆられていったその女性を追いかけ、たどり着いたのはある屋敷。
 アランんんんんんんんん!出ました、アラン・リックマン!…いやこの女性が、じゃない
ですよ。(当たり前)父親役でアランが出てました。かっちょぇぇ!
 女性の名前はローラというみたいです。
 っていうかまた忍び込んじゃったよこの人。ほんっっっとうに後先考えないな、ジャン。

 さてジャンはその街に就職しておりました。
 なんか香水?か何かを作るとこみたいですね。
 で、同じ職場の女を一人殺して、花を煮詰めるやり方でにおいを抽出しようとしたが
失敗。
 次に、これは…なんだろ、動物の脂?を体に塗りたくり、それをそいでにおいを抽出する
という方法を試してるみたいです。これはうまくいったようですね。
 これが冷浸法なのかな。
 
 一方ローラちゃん。誕生日ぱーちーですよ!
 食べられるバラを豪快に食べるアランが素敵ー。
 で、ローラにモーションかけてる侯爵がいて、アランはまあこの男を好きっていうわけでも
ないけども、娘を結婚させて落ち着かせたい様子なんですかね。
 ところが、ぱーちーの余興で鬼ごっこやったら双子の娘が行方不明になってしまった
という…。
 いやその前にこのセットハリーポッターだよね?
 炎のゴブレットに出てきた植物の迷路そのものなんですが。よしprof.スネイプ、
アクシオで双子を引き寄せるんだ!(無理言うな)
 というかその前に芝生を片っ端から切って行けばいいんじゃねぇ?

 双子はジャンがお持ち帰りしていました。なんかお持ち帰りって言うとやらしいな。
死体としてお持ち帰りなんですけど。
 ちなみにジャンはこの迷路の中で侯爵に迫られて困っていたローラを、灯りを割って
気がそれた隙に逃がしてあげるということもしています。お前は何がしたいねん。

 さて、ジャンがまるで生ごみを捨てるかのように死体をポイポイしたため、街では
次々と女の丸坊主にされた死体が見つかり、大パニック。
 しかもその死体には乱暴された形跡がないことから、犯人の意図がわからず更なる
不安を煽る形に。
 貴族たちは外出禁止令を出せだのあーだのこーだの言ってますけど。集団で行動
するようにすればいいんじゃないの?
 で、アランは鋭い推理でもって、犯人は何かを集めており、それが収集しおわるまで
この犯行はやまないたろうな、みたいなことを言うんですね。さすがだ。
 でもジャンが襲ってる女性ってなんかのべつまくなしに見えるんですが?それでも
最高の香水を作るためにそれぞれのにおい成分を持った女性を襲ってるのかな?
 ここはちょっとわかりづらかったです。

 で、連続殺人はやまず、アランのヅラが乱れまくっております。
 教会はこれは許せないと、見も知らない犯人をキリスト教から破門する、と宣言。
いやそれって犯人がキリスト教だった場合ですよね?ってか何言ってんの?
 その最中になんと犯人が逮捕されたという知らせが。
 実はこれは、事態収拾を狙った人達の計画で、アランはその供述の矛盾から、
拷問によって引き出されたものであると見抜くわけですね。
 つい先日日本でも、選挙法違反で逮捕した人達に対し、脅しを遣って自白を引き出し
供述をでっちあげたということで、全員無罪判決が出ておりましたが。
 また魔女狩り裁判でもありましたけど、拷問すればどんな自白でも引き出せるわけです。
そしてそれは鼻紙ほどの価値もない。
 事態の収拾をはかるにしてもこんなやり方じゃ、次に殺人が起きたときにさらなる
パニックを引き起こすだけじゃないのかと。

 そうして街が浮かれる中、危惧を抱いたアランは、娘を連れて田舎へ避難します。
何故なら妻をなくしたあと彼の生きがいはこの美しい娘だけであり、何者かが侵入
した形跡があった以上、屋敷にはいられないからです。つーかどんだけ警備ザル
やねん、この屋敷。
 避難して僧院に入れた後あの侯爵と結婚させるつもりなのです。

 避難をにおいで悟ったジャン。街を飛び出していきます。すげーなおい。
 ところがあるきっかけによって、ジャンの殺害の証拠が見つかるわけです。ここは
「おーなるほど」といった伏線でした。なかなか面白かったです。
 っていうかいちいち証拠を全部並べとらんで早くジャン追いかけろや。

 しかし娘にだけはちゃんと事実を知らせた方がいいのでは、アラン。そうすれば
異様なまでのアランの怯えように理解も示してくれるだろうし「パパなんて嫌い!」
って言って薄暗い通りに走っていったりしないだろうし。これを追いかけるアランは
大変そうでした…老体に無理させんなや。
 あと悪夢を見て慌てて娘の寝室にかけつけるアラン。心労のあまり髪の毛が!
(ヅラ外してるだけです)
 
 で。
 においで嗅ぎ分けるジャンの前には偽装も無駄。あっという間にアランらがいる
宿にたどり着いたジャンはこれまたあっさりと侵入し…。
 翌朝アランが見たのは、愛する娘、ローラの無残な死体でした。
 つかさ。
 このシーンモロCMに使われてんですけど。最近の映画ってCMであっさりネタバレ
しすぎと思うのは私だけでしょうか?

 そういうわけで究極の香水を完成させると同時に逮捕されたジャン。
 もちろん判決は死刑ですが、その死刑実行の日。
 彼は香水を身につけ、衆人の前に出ましたが…。
 ここらあたりはなんつーか、正視に堪えないのでカット(笑)。
 で、あのアランさえも「わが息子よ」とかわけわからんこと言いましたよ。

 そうしてジャンは自分自身が生まれた故郷に戻ってきました。
 その中で香水を頭からふりかけ、群がってきた人間たちにたかられてこの世から
消え去ったと。
 こう書くとわけわかりませんが、見ててもわけわかりませんでした。

 うーん、私としては、ローラが死んでからの後がかなりグダグダになったと思います。
 究極の香水の完成というのをああいう形で表したのはよくわかりますけど、なんか
いまいち腑に落ちないというか。あっさり完成しちゃったなと。
 私は、究極のにおいを完成させるために人を殺してにおいを探し続ける話かと
思ってたので。
 だってにおいがわかるということと、それと同じにおいもしくは成分を簡単に探し
あてられるということはまた別問題だと思いますから。
 でも、映像で唯一伝えることの出来ない「香り」をテーマにした映画としてはなかなか
良かったと思います。

 究極の香水を手に入れたとしたら。
 まー一滴ずつハンカチに落として、そのハンカチを高い値で売り、一財産築きたいですね。
(夢も希望もねーな)



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→パフューム ある人殺しの物語