多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→突入せよ!「あさま山荘」事件


突入せよ!「あさま山荘」事件
THE CHOICE OF HERCUKES

5/14鑑賞

うー、この映画はなんかあまり突っ込み入れてはイカンような気がするので、マジメに書くです。
ただでさえへっぽこな感想がますますつまらなくなりますが許してつかぁさい。なんかもっとこう、
読んで「うわっ臨場感が伝わってくるなぁ。実際に見てみたいなぁ」っていうモン書きたいです…。

 場所は長野県。冷え込みが厳しい2月下旬のことでした。パトロールしていた警官らが、雪の
上の真新しい足跡を見つけます。複数あるようです。
 時代はその頃学生運動が活発な頃で、警察官の地位が低い頃でもありました。機動隊に対し
学生達は平気で徒党を組んで向かってきたり、銃を発砲したり、火炎瓶を投げつけたりしてきた
頃です。有名なのは東大の…えーと…なんたら堂…あー、安田講堂立て篭もり事件でしょう。
 でっ。5人の警官は念のため実弾を装てんしつつ目の前の小屋へ。
 と、突然数人の若者が発砲しながら飛び出してきました。警官らは犯人に向けての発砲が
許されていないため威嚇射撃と警告を行いますが、そんなんで止まっていればそもそも学生
運動自体おきゃしません。案の定彼らは逃走してしまいます。その先の、あさま山荘へ。
 これが歴史に残る最悪の事件、「あさま山荘事件」の始まりでした。

 海外から帰ってきた佐々さん。警察庁の自分のデスクで書類などを忙しくひっかきまわして
います。なんや英語やらいろいろあったんで自信がないんですが、あれは多分、アメリカの
「液体窒素」を使った爆弾解体のメモや、スケジュール、領収書ではなかったかと思います。
この頃連合赤軍と名乗りをあげた学生運動の一派が、派出所に爆弾を仕掛けたり、関係社宅
に爆弾を送りつけたりして(ある夫人が爆死されました)警察をてこずらせていました。その
解体技術を学ぶために、後藤田警察庁長官に「ちょっといってこい(^o^)丿」と佐々さんはアメリカ
行きを命じられ帰ってきたばかり。それをまたこき使うんだから後藤田さんもいい根性してます。
でもこの人自体もものすごい実力を持っている人なんですけどねー。
 でもって後藤田さんに呼び出された佐々さんは「あさま山荘事件、ちょっと行って指揮して
こい(゚-゚)」と命じられるわけです。しかも6つの条件付で。
・人質は必ず救出
・犯人は全員生け捕り(射殺すると殉教者になり今後も後を引くため)
・身代わり人質の要求には応じない
・火器などの使用は警察庁許可事項とする
・報道関係と良好な関係を保つ
・警察官に被害を出さない
これはパーフェクトな警備です。流石後藤田さん、言う無茶も一味違います。
佐々さんは文句言いますが聞き入れられません。ま、いろいろあってあさま山荘へ向かうことに
なりました。この時点で佐々さんは、2、3日もあれば解決する、と考えていました。
しかも後藤田さんはアメリカでの成果を「手ぶらで帰ってきたと報告する」といいました。
つまり敵に情報を与えないためにあえて何も成果はなかった、と説明するつもりらしいです。
(余談ですが、このために佐々さんは庁内でも「慰安旅行に行ってきた」と噂されて非常につらい
思いをされたそうです。しかし後ほど後藤田さんが正式な記者会見で、爆弾冷却技術について
佐々さんと、一緒に行った方の名誉を挽回されました)
後藤田さんは佐々さんに「ヘラクレスの選択」をさせるつもりだったようです。ヘラクレスの選択
とは何か。これから分かっていくでしょう。

あさま山荘につくと、長野県警が何やら険悪な雰囲気。それもそのはずで、県警内で本来なら
片付けるべき仕事なのを、わざわざ東京から警視庁らが乗り込んでくるというのだから、ナワバリ
意識の強い警察組織としてはムチャクチャ腹も立ちます。その上、肩書きが「○○官」ばかりで
誰がえらいんだか分かりゃしない。
とりあえず課長の人よりゃ局付(佐々さん)が下だろうってんで国松課長を上座にもってきたら
局付が「おい、国松君」と言っているためにあわてて席を替える始末。
(ちなみに、佐々さんの部下宇田川さんが来た時も、本部長隣に席が設けられていたので、
佐々さんが「おいウダコウ」とやって席を替えさせていました/笑)
そしてここで、長野県警と警視庁の対立がもっとも顕著になります。
今までのデータを詳細に打ち合わせしようとする佐々さんに対し、その会話をわざとさえぎり
偉そうにまくしたてる長野県警。警視庁が迷惑であるかのような言い方をします。それは以前
長野県警は銃撃戦をやったという自信があるためです。
佐々さんは、ここで全面対立はよくないと判断、長野県警を主体にすえた警備体制を敷くこと
を決めます。それでも納得行かない顔の長野県警。この対立が結果的に、事件をよりこじ
らせてしまうとは、この時誰が予想したでしょうか。

このあたりの細かいエピソードはいちいちバラしてしまうと面白くないのですが、細かく再現
されていてとても楽しかったです。朝食に丸山参事官が卵の黄身だけをご飯にかけて食べて
いて、佐々さんもそれを真似するところとか、あまりの寒さに野中長野県警本部長が旅館
そなえつけのどてらを着てウロウロしているところとか。タオルがお風呂場から部屋に戻る
までに凍り付いてしまったこととか…。彼らはこんな厳しい気候の中、事件にあたっていた
のだということがよく分かります。

すいません、なんかさくさくと進めちゃってますが、あさま山荘事件について書くのを忘れて
ました。
ええと、冒頭で逃走した5人の若者が連合赤軍メンバーであり、数日前に銃器店を襲って
手に入れたライフルなどで武装してあさま山荘にたてこもります。この時管理人の奥さんで
ある「小雀真理子さん(映画名)」が人質にとられた上に、あさま山荘はバルコニー側は開けた
平野、後ろはがけのようになっていて(実際に見てもらったほうが早いんですが…)、おいそれと
突入できる場所ではありません。そのために突入をするには綿密な計画が必要でした。
ということを念頭において以後続きをどうぞ。

そんな折、管理人が妻に差し入れをしたいと果物を持ってきました。これを勇敢な警察官が
届けに行きます。発砲はありませんでした。
ところが警備の隙を突いて身代わり人質になりたいという民間人が、山荘の玄関を開けて
中に入ってしまいます。果物を中にいれたつもりだったのですが、反応がないため仕方なく
引き上げようとした時。発砲音が鳴り響きました。
あわてて盾を持ち寄って警官らは彼を保護しますが、「ちょっとかすっただけ」と彼は歩き出し
ます。一応とたんかに乗せて運んでいきますが、会話した佐々さんも「大したことはなくて
なによりだ」と胸をなでおろします。
しかしその後の会議で、撮影に向かっていた警官らが撃たれて重傷というニュースが飛び
込んできます。佐々さんはそんな命令を出していません。長野県警に問い詰めますが、
誰もが責任逃れするばかり。誰かが勝手にスタンドプレイをやったことは間違いありません。
そうしているところに今度は、先ほど撃たれたという民間人が死亡したというニュースが。
佐々さんはののしりあいになっていた会議の場を一喝し、今後は誰も勝手に野中本部長
の指示なしで動かないこと、それを破った者は解雇すること、そして、会議室は以後禁煙
ということを告げました。
犠牲者がしかも民間から出てしまったのです。

また、ある団体からの申し入れもありました。今後の身の振り方について話し合いたい
とか悠長なことを言っています。この頃世間の予想に反して長引き始めていた事件に、
多くのムチャクチャな意見が寄せられていて、親切から出るものとは言え閉口されたとの
ことでした。確かにテレビだけ見ているとそこから伝わる情報はわずかだし、何でもかんでも
自分の策が名案のように思えてしまうものです。とはいえ、皆が、早期解決を願っていた
からのことなんでしょうね。
この団体の対応については「俺が話をする」と佐々さんが言ったきり、どうなったかは
触れられていません。多分、団体の方々に配慮したのだと思うのですが、原作では
ちょっと面白いやり取りだったので、ルール違反と知りつつ紹介します。
実際の場ではこの団体さんは「直接彼らに会って話し合いをしたい」と申し出てきます。
佐々さんが応対すると「せっかく我々が平和的解決をはかるために話し合いをしようと
しているのにあなたたちは邪魔しようとするんですか」とかみついてきます。佐々さんは
気にする風でもなく「どうぞどうぞ、現場に行って好きなだけ話し合ってください」と承諾、
「ただし命の保障はしませんので、すべて自己責任と一筆サインしてください」というと
団体さんらはとたんにしり込みをし始めます。「私たちにも発砲してきますか?」「それは
もう、誰でもかれでも撃ちますよ。母親に向けてさえ撃った位ですから」というと、そそくさ
と帰ってしまいました。まあ所詮奇麗事だけで何もできないやつらはだまっとれという
ことですな。

そしてそろそろ後藤田長官のカミナリが。落ちました。
「鬼手仏心」という書がかかっているのですが、後藤田さんの言い方がきつくなると、
「鬼」の文字がフレームインし、ちょっといたわるようなことを言うと「仏」という文字が
入ります。細やかな演出に気付くとすごい嬉しいですね。面白かったです。
しかし佐々さんも今すぐどうこうという問題ではないため、中央の話なんぞ聞きゃしません。
代わりに、宇田川主席管理官(警視庁)と後田巡査(警視庁)を呼び寄せます。これが
佐々さんの腹心の部下。彼らもようやくお呼びがかかったことに大喜び。
映画の上演が今すぐ始まるところだったのですが、慌てて飛び出します。
そこに実は本物の佐々さん、宇田川さん、後田さんがいます。ナイスな演出です。
もー実物はステキですねぇ。

ところが現場では。
気持ちよく眠っていた丸山さんと佐々さんの布団をひっぺがし(そりゃもう豪快に)、警官が
「強行突破です!」と飛び込んできました。合図の取り決めをしていた照明弾2発が
先ほど上がったとのこと。慌てて彼らは飛び起き現場へ!報道陣らも駆けつけてきます。
ところがどっこい着くなり「間違い!勘違い!ミス!解散ッ!ご苦労さん!」といわれて
しまいました。
つまり、擬音作戦(音を立てて眠れないようにする)開始の合図が照明弾1発。それが、
一つ目に着火したらくすぶってつかない。なーんだしけっててダメなんか、と用意してあった
予備のに着火したところちゃんと出た。やれやれと思っていたら1発目が今ごろ飛び出して
しまい、結果的に「強行突破!」合図用の2発打ち上げとなってしまい…。
皆さん不満たらたらでした(笑)。
朝起きて宇田川さんがドライヤーで髪の毛整えていたら、となりにやってきた石川さんが
おならするし。(ドライヤーをあてて飛ばしてました…/笑)
何やら中だるみしてきた様子。

集音機もこの寒さで役に立たず、現場の詳しい写真をと、装甲車の陰にかくれつつ写真
を撮ってきた長野県警のメンバーも、ろくに撮れていないというありさま。写真コンクール
で優勝したのは静物の部だったため。
その上、「警視庁には頼らない!」と言っていた無線までも混線して役に立たず。
佐々さんの怒り爆発です。
やっと指揮系統がまとまりだしました。そして運命の日。

2月27日深夜。
記者会見にて明日突入結構と述べていた佐々さんのところへ中央からまたも電話です。
「明日は天気予報で大雪警報が出ているから延期してはどうか」
これにも佐々さんの怒り爆発です。
「そうおっしゃいますがあさっては29日です。警察官にもし殉教者が出たら4年に1回しか
この日が来ないんですよ。そんなことがあってたまるか」
警察もそういう行事はとても重んじますから「そりゃ確かに大変だ」とあっさり納得。
会議でも、高見警部が「明日の天候や気温はどうですか」と聞くと長野県警はバカに
したように「そんなことは後で」と言います。まだいろいろ根に持っています。しかし佐々
さんが「いやいや大事なことだよ」とフォロー。調べてもらえました。
そして狙い撃ちされるといけないからと、会議で佐々さんは指揮官らが帽子に縫い付けて
いる白いラインを取るようにいいますが(佐々さん用のヘルメットのラインをこっそりはがして
いた後田さんがかわいかったぁ)、内田二機隊長は「これは自分のけじめなのでどうしても」
と言います。佐々さんはあっさり承諾して「これが最後のご奉公だね。がんばってください」
と激励しました。

いよいよ決行です。

ここまでの流れとしてはとてもスムーズで、退屈させませんでした。立てこもり事件の
中いろいろなトラブルや衝突が起き、警察どうしの対立がそれどころではなくなっていく、
その演出も楽しかったです。実際にあったことも大体このままのように進んでいった
のだろうなと、無理なく溶け込めました。事件の詳細については、ちょっと説明不足な
ところもあったような気がしますが、そういうところを気にしなければいいと思います。
(原作を読んでいたら「ああ、あれね」と分かるんですが、やっぱあえて読まないほうが
楽しめると思う)
照明弾のくだりは、実は上に書いたのとはちょっと違う流れになっているのですが、
文章で書くのと映像にするのとは違います。とてもいいアレンジだったと思うです。
そして私がひそかに注目していた最大の伏線(といってはあまりにも失礼ですが)も
きちんとなされていました。しかしそれに対する後のフォローがなくて、ちょっとこれは
いけないんじゃ…と思ったんですが。まあしょうがないか。

2月28日。朝。
東大の時に使用できなかった「モンケン」を使うことになりました。テレビでもよく用い
られる「クレーン車+鉄球」のやつです。操縦者はきっぺいちゃーん!!!
私服ではテレビに映ったときに困るということで警察官の服を着てもらうことになった
のですが、ここでもまた長野県警と警視庁が大もめ。どちらの手柄になるかという
のがかかってるみたいです。結局、正装の制服を着てましたが、そりゃもうゴッツ
かっこよかったです。そのまま「踊る〜」に出てほしいくらい。
ところがモンケンを動かす段階になって、佐々さんは大変なことに気がつきました。
切ったはずの電線がそのまま残っています。電線があるとモンケンがひっかかって
うまく動かせません。佐々さん怒りの形相で、長野県警幹部が待機する車の中へ。
ところが長野県警「切りましたよ」と自信満々。
彼らがいったのは送電を切った、ということであって電線をきったわけではなかった
のです。
「数日前にとっくに切ってるものをわざわざ会議で確認しますかっ!」
佐々さんの剣幕にあわてて「今から切ってきます!」と飛び出そうとする警官。
「今行ったら狙い撃ちに決まってるだろう!」と佐々さんまたも怒鳴る。
始まりから何やら不穏な空気です。

しかし我らがきっぺいたん。「俺達は警察の言うことなんて信用してないから」と
軽々とモンケンを操作。くぁー漢だねぃ。かっこいいよきっぺいたん!
そして破壊作戦開始。

崩れたところから機動隊第9機が突入していきます。しかし無線から「センキョ」と
聞こえたのを「検挙」と間違え、早くも場が混乱し始めます。騒音の中で聞き分ける
のはとても大変だと思います。
佐々さんが2機隊の後につきました。伝令役の後田巡査は一瞬姿を見失って
しまい棒立ちに。その目立つ白いコートを狙って犯人が発砲。巡査が倒れました。
幸い、弾はヘルメットをかすめていた程度。佐々さんも胸をなでおろします。
ところが放水を指揮していた高見警部が突然吹っ飛びました。その帽子の白い
ラインを狙われて犯人に狙い撃ちされたのです。
撃たれるのもかまわず、高見警部に覆い被さる警官たち。見ていて涙が出て
きました。犯人に撃たれるかもしれないのに、身を盾にして警部をかばい、後方へ
運びます。警部は救急車で運ばれていきました。

一方突入した2機も、盾で固める一方向こうの様子がわかりません。様子を覗こう
とふと顔をあげた上原中隊長がのけぞりました。被弾した模様。
急ぎ運び出し顔面血だらけのまま運び出されていきますが、突入部隊は目の前
の惨状に混乱を生じ始めます。
突入した部隊だけでなく表を固める者、連絡する者、待機している者、すべての
描写が同時進行で、それでもさほど混乱せずに見ていけるのは演出がすばらしい
からではと思います。あちらを映してこちら、という具合に急展開ながらもしっかり
描かれています。

そして同じく分機して突入していた内田隊長以下2機。盾の間から敵状を視察して
いた隊長が突然ずるずると倒れました。
宇田川さんがマフラーをほどいて止血します。たんかで運ばれていきました。
隊長と中隊長が戦線離脱してしまった2機は指揮系統が混乱し、現場でうちわもめ
を始めてしまいました。
このままでは突入の意味がなくなると見て取った佐々さんは2機を引かせて9機
突入を決定、無線で連絡しますが誰も言うことを聞きません。
そんなところに高見警部殉職の連絡が入りました。初めての殉職者でした。
いよいよと思った佐々さんは、モンケンでさらに大きく崩すように指示しますが、
モンケンはストップ。なんとエンジンが水を被り停止してしまったのでした。
テレビを見ていた、事情を知らぬ視聴者からは「どうしてモンケンを止めたんだ」
と、電話線がパンクするほどの電話が殺到しました。
現場とはそういうものです。こんな事態にいちいち説明していられません。
2機がもめている時に、佐々さんは呼び出しを受けました。戻ると、内田隊長
殉職の知らせでした。
のちに佐々さんは、「私はあの時(前夜)なんということを言ってしまったのだろう」
と悔やむことになります。前夜、「(この事件が終われば帰れるね)、これが最後の
ご奉公だから頑張りなさい」と言ったことが、文字通り「最後」の奉公になって
しまったのです。
佐々さんは無線を取ると「今度こそ徹底せよ。指揮官は白いラインを今すぐ取れ!」
と叫びました。
そして自らもコートの袖をまくりかけて思い出します。狙撃された警官がやって
いたように、まくっていた袖はピンクで、とても目立っていたことを。
あわててそれを降ろし、佐々さんは2機待機の現場へ飛び込みます。自分が
指揮をとるために。

放水が再開し、建物が崩れ始めました。果敢に飛び込んで犯人を取り押さえる
警官達。その中に、人質だった小雀真理子さんがいました。人質無事救出。
その瞬間日本中が沸き立ちました。
こうして、日本史上に残る立て篭もり事件、「あさま山荘」事件は終着したのです。
マスコミの前を、犯人の顔が見えやすいようにわざとあげて通る警官。
真理子さんの服のポケットに入っていたと、かじりかけのリンゴを持ち上げている
警官。
すべてが終わりました。

湧き上がる警察庁。大騒ぎです。その中で「あさま山荘事件は失敗だ!」と
兵頭参事官がするどく言って立ち去りました。水を打ったように静まり返る庁内。
あんまりじゃないかね、と声をかけた上司に「誰かが言わんと終わらんでしょうが」
と返します。自分が悪者になることで、通常業務に戻れと示したんでしょうね。
ステキです。ですがちょっと分かりづらかったのでは。

帰宅した佐々さんは、妻に足を洗ってもらいながら、今しがた寄ってきた葬儀を
思い出していました。
高見警部と内田隊長。もしかしたら自分もそうなっていたかも知れないと思いながら。
 「辞めるよ」
佐々さんは言いました。
そこへ後藤田さんからの電話が。
 「今日『は』ゆっくり休め」とのことでした。
 佐々さんは苦笑して電話に出ます。
 ヘラクレスの選択ですね、と奥さんが言いました。
 わざわざ七難八苦の道を選ぶこと。それがヘラクレスの選択であり、後藤田
長官はそれを佐々さんに課していたのでした。
 
 ●5/28追記●
 警視庁が乗り込んでくる前に長野県警内での話し合いで、山根部長が、「あんたは
東京に戻る人だから、あっちの味方をするわけだね」と言われてあわてて「そんなこと
ない。私はこちらの味方だ。その証拠にタバコもすっとる」というシーンがあります。
 見ていてもしかして…と思ったのですがこれは多分、「タバコを吸う人は出世できない」
というのを皮肉ったのではないかと思います。会議でも長野県警がモウモウと吸っていた
のに対し、警視庁の人間は1人も吸っていませんでしたからね。(灰皿も早々に片付けたし)
 これはちょっと警察に詳しくないとわからないんじゃないかなぁ。


 とても素晴らしい出来の映画でした。あー、じーちゃんに見せてあげたかったなぁ。
 ところどころ当時の映像が挿入されていたことも、迫力が出ていていい演出でした。
 難を言うならば、事実とはいえ長野県警の扱いが気の毒だということでしょうか。
無線を変えたということは流石に書かれていませんが、現実では、長野県警が
大丈夫だというからそのまま使っていたら、混線して交通取締りの照会まで入って
しまい、まったくどうにもならなくて警視庁指定の無線に変えたそうです。
 確かに長野県警としては至らないところもあったでしょうが、少しはフォロー入れて
あげて欲しかったと思います。彼らだって上がダメだっただけで、現場の人たちは
とても頑張っていたんですから。
 佐々さんもそこをくんで、犯人を連行する時「長野県警を先頭に」と指示されて
ましたけどね。
 あと、友達が言っていたんですが、これはあくまでも佐々さん側からの視点で
描かれていますから、ある程度佐々さんがまるでヒーローのようになってしまっても
仕方がないと思います。私は、この映画に書かれていたことは事実として受け止め、
この日本を命を張って護ってくださった警察官の方に深く感謝したいです。
 1635名の勇敢なる警察官に、敬礼!


多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→突入せよ!「あさま山荘」事件