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ハッピーフィート

3/28鑑賞

 これはねぇ…ともかく、「踊ってるペンギンが見られるなら話の内容は問わないわっ!」
という方ならいいですが、普通にストーリーも可愛さも求めるって場合にゃちと厳しいですなぁ…。
 私自身、CMとかポスターで踊ってる子ペンギン見て「詐欺じゃねーかよ!」とか思いました
もん。
 子供時代はほんのちょっとしかない。それもかわいいといやかわいいですけど、少なくとも
この子ペンギンがずーっと活躍するわけじゃないからなぁ…。ちょっと複雑でした。
 あと話がハッピーハッピーなんではなくて、中途半端に環境破壊に対する警告みたいな
話ですからねぇ。
 森のリトルギャングって映画がありましたけど、あれはまだ最初から最後まで人間と
動物のバトルを描くことによって話がスッキリしてたけど、これは踊りを見せたいのか、
人間への警告を見せたいのかよくわかんなかったです。

 さて最初。いきなり銀河系から始まって、おいおいやたらスケールでかいなって話
なんですけども。
 しかもタイトルロゴもかっこいいですよ。だからこういうところに無駄な力使うなっての(笑)。

 南極に広がる皇帝ペンギン達。ムスカ大佐ならこういったでしょう。「みてみろ、ペンギンが
ゴミのようだ」と。
 二羽のペンギンが求愛の歌を歌ってました。アニメーションつっても再現力は見事ですね。
毛並みとかが限りなく本物に近いっス。二羽を囲むペンギンがハート型というのもいけてます。
 で、夫婦になったオス、メンフィスと、メス、ノーマ・ジーン。このお母さんはペンギン一の歌姫
らしいんですね。
 そんで卵をメンフィスが抱いてノーマはエサを探しに行きます。現実のペンギンもこんな感じ
です。メスが帰って来るまでオスは何ヶ月も絶食し、卵を足の甲の上に乗せ羽でもって暖め
続けます。この絶食期間は大体115日であると言われています。
 ところが寒さから身を守るために移動している最中、メンフィスはなんとこの卵を落として
しまうんですな。雪の上だから割れはしなかったものの…。

 これが響いたか、卵からヒナはなかなか孵らず、かえったかと思えば足から生まれてくる
始末。
 マンブルと名づけられたこのヒナは、ノーマが帰って来る時に出迎えようと飛び出していって
いきなり迷子になりました。
 おいおいおい、いきなり物語終わっちゃうのかよ。
 と思ったんですが、なんとか再会できました。いやーほんっと良かった。いきなり主人公
行方不明で終わるかと思った。
 でも親鳥から子へのエサヤリのシーンはあんなにリアルに描かなくていいです。
(親が吐き戻したものをヒナに与える…)

 ペンギンのヒナのための学校に通うマンブルですが、彼はペンギンとしては致命的な、
「オンチ」であることが判明します。オンチだと求愛行動が出来ないって。
 ただマンブルは歌はダメだけれどもダンスがうまいんですね。ステップ踏んだりして。
 そんで一人、学校に行かず氷原で踊っていたら、トウゾクカモメに襲われるわけですよ。

 ただここの会話は結構な伏線となっておりまして。
 トウゾクカモメが出会い、脚に黄色のわっかをはめてきやがったというエイリアンは、
一体どういう存在なのでしょうか?

 そうして少しだけ大人になったマンブル。はい、かわいいチビヒナの時代は終わりました(笑)。
声変わりしまして、ヒナというより巣立ちが近い若鳥になり、かわいさがまったくなくなった
わけですけども。
 残念なことにここから本編です(笑)。←つまりヒナの時代はもう出てこない。

 で、学校卒業式の日。当然ながら卒業を認めてもらえなかったマンブル。夜通しのパーティの後
目を覚ますと思い切り流されまくってました。ついでに、ヒョウアザラシかな、襲われました。いや
なんちゅーかキミさ、イマイチ危機感足りないよね、マンブル。
 この前にヒナ達が初めて水に飛び込むシーンがあるんですけどね、マンブルは成長が遅れて
いるのか、ヒナの羽がまだ残っているから、あれで下手に飛び込むとおぼれますよ。まあ下には
ちゃんと羽が生えてきているとは思うんだけども。
 ええ、鳥のヒナが最初から飛べないように、ペンギンのヒナもあのふわふわ羽毛の時は
泳げません。おぼれます。泳げるようになるのは成長してその羽毛が抜け、大人の羽になった
時です。
 アニメだからいいっちゃいいですが。生態系はリアルに書いてあるのに変なところで
中途半端なのねん。
 幼馴染グローリアにも、歌の最中割り込んじゃって困ったように注意されちゃいました。
 マンブルもう少し空気読んだほうがいいですねぇ…。
 
 さてさて、ヒョウアザラシに襲われてたどりついたるは、皇帝ペンギンと同じ地域を住まいと
する、アデリーペンギンの群れの中。5匹の馴れ馴れしいアデリー達に誘われてついていく
わけですが、そこで初めてマンブルはその踊りを褒められるんですね。女の子の気をひきそうだ、って。
 アデリーが石で巣を作っているシーンがありますが、これは本当。ただし氷に囲まれた
南極では石の数も有限。そのため他の巣からこっそり盗んだり、取り合いになったりという
ことが頻繁に起きます。

 で、踊りに夢中になってなんか氷壁を滑り落ちたり、崩れたりと結構大変なことになって
たりするんですけど。しかもどさくさにまぎれてショベルカーが沈んでいったよ!?いいのか!?

 そのショベルカーが何であるかわからないので、ラブレイスとかいうペンギンに占って
もらいにいこうということになるんですね。イワトビペンギンのラブレイス。
 ええとイワトビペンギンはもちろん和名ですので、英名はロックホッパーペンギンです。
皇帝ペンギンも正しくはエンペラーペンギン。アデリーはそのままアデリーなんですけど。
 和名しか知らないと外国人に通じないこともありますので、英名知っておくと便利かもです。
 …いつどこで使うんだって聞かれても困るんですが。

 …あとラブレイス。なんか聖なる首輪授けられたって言ってるけど、それ半ダースの缶
とかを纏めて運ぶプラスチックのやつだよね?
 こいつ、泳いでいてはまったな…。

 さて。なんかよくわかりませんが群れに戻ることにしたマンブル。グローリアに、アデリー
ペンギンのアフレコで歌を歌って見せますがバレバレでした。いやー…すぐばれること
するもんじゃないですよ…(笑)。
 そこで踊りを披露していい線いくのですが、空気読めない長老が止めやがった。
 ここで流れてた「Boogie Wonderland」はノリがいい曲で好きです。つかこの映画に
使われてる音楽は全部良かったですよ。サントラに収録されてるんだっけかな。
まだ購入してないんでわからないんですけど。輸入盤だから届くのに時間かかるので。

 で。
 このクソ長老が、魚が取れなくなったのはマンブルのせい、とかいって追い出して
しまいます。歌が歌えないペンギンが、ペンギンの神の怒りを買ったとかなんとか。
 しかも父親がひどい。
 確かに卵を落としたのは悪かったけど、マンブルを庇おうともしないんですよ。
世間体がそんなに大事か。
 母親はマンブルを『個性』って認めてるんですけどね…ひどいな父親…。
 ってか鳥の親はこんなことないからなんかあんましシックリこなかったです、
このシーンは。

 マンブルは、魚が取れなくなったのはエイリアンのせいではないかと考え、また
ラブレイスを訪ねることにするんですね。
 で、行ってみたらひっくり返ってウンウン唸ってた。あのプラチックの首輪が食い込み
まくってました。こりゃひどい。
 ラブレイスを連れて一行は果てを目指すんですが。
 いやあの、歩いて移動してるけど。
 ペンギンならトボガン(腹ばいになってフリッパーと脚で地面を蹴り進む)の方が
早いですけど…吹雪にも飛ばされないし。

 ゾウアザラシの群れを抜け、マンブル達は人間の基地みたいなとこにやってくるのですが。
話せばなんとかなるってマンブルは言うけど、ペンギンの言葉が人間に通じたらビックリ
だよ。話せばわかるてお前は犬養毅か。
 なんかこの辺りから話の進行がかなりグダグダになってくんスよ…。

 シャチに襲われて、ラブレイスの首輪は外れましたが、命からがら逃げた一行。
 そんな時、人間が魚を大量に網ですくっていくのを見て、マンブルは夢中で追いかけて
いくのですよ。
 いや、本当にさ…この話の始末どうつけるのかと…。

 そんでどっかの海岸に流れ着いたマンブルは、拾われて水族館に収容されました。
 …これ見た時は話終わったと思いましたね、マジで(笑)。
 そこには沢山のペンギンがいるのですが、皆目がうつろなわけですよ。まあ飼われ
ちゃってるからなんだけども。
 ここにいたペンギンはフンボルトとチンストラップペンギンかなぁ…フンボルトの方は
ケープの可能性もあるですが。でもいろいろ見られてちょっと嬉しかった。
 ここは実写か?って思うくらい綺麗でしたね。あんなに再現出来るんだ、アニメって。
すごいや。

 そんでそこに住む間にすっかり思考を失いかけていたマンブルですが、なんか突然に
目覚めてダンスステップを踊り始めます。
 それに気づいた人間大喜び。

 で、いきなりマンブル開放されて、背中に通信機がついてはいるのですが戻ってくる
んですね。この辺りの展開がよーわからんのですが…。
 ってかグローリアとっくに別のペンギンと結婚してるのかな。なんか子供が沢山
出来てるんですが。
 それで、人間を前にペンギンの大ダンスが始まりまして。
 それをみて仰天した人間たちがそこを保護区にすべきだ、と言い出して禁猟区になり、
ペンギン達は踊り続けましたとさ。

 …これをどう評価したらいいんだろう…(笑)。
 厳しい意見を言うなら、後半ほんっっっとグダグダ過ぎる。
 あくまでもペンギンダンスを表に出していくのか、環境破壊の批判を表に出すのか、
どちらかに絞ってほしかった。あれでペンギンダンスがペンギンの世界を救いました、で
納得できるか。
 エンディングはマンブルを始めとするペンギン達のステップダンスが出てきてかわいらしく
みられます。なかなか良かったです。かわいくて。
 それから、この映画の中では「歌を歌えない皇帝ペンギンはダメだ」というセリフが何度も
出てきますが、現実の皇帝ペンギンの求愛は「ダンス」です。(鳴き声は他の鳥同様、個体の
識別や追い払い、警告などに使います)
 求愛にも様々あって、もちろん歌声でひきつけるもの、巣を作って招くもの、エサをあげて
求愛するもの、そしてダンスを踊るものと様々です。
 もちろんそれらが下手だといつまで経ってもパートナーを得ることが出来ません。
 案外鳥の世界にも「メスのハートをうまくゲットするには」なんて学校があったりするかも
知れませんね。

 また、ペンギンはその種の殆どが要保護種です。昔からその肉や油が人々に好まれ求め
られ、その種が少なくなって保護対象になると、バカ学者やらコレクターが「手に入らなくなる
のなら手に入れておきたい」と生死問わず買い求め、絶滅に追いやったケースもあります。
 この映画に出てくるような開発だけでなく、地球温暖化によって氷が溶け、住まいを奪われて
いくのはペンギン達だけではありません。
 天敵から身を守るために長い月日をかけて、厳寒地方という、敵が入り込みにくい住まいを
会得したものは、暖かい地域に対応は出来ても、卵やヒナを敵から守りきれず、絶滅への
道をたどることになります。
 地球温暖化で困るのは人間が先ではなく、物言えぬ動物達なのです。
 10年後もペンギンのダンスが見られるように。
 ストップ・ザ・温暖化。



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