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少林サッカー

9/3鑑賞

現実のサッカーでは、お金にあかせて選手を集めたり、地位や名声のために選手が
利用されたりといろいろなことがあります。
あの2002年ワールドカップも、ある国の審判買収問題で不自然な勝ち方をしたチーム
がありました。
でも、ある男がこう言いました。
「審判がいかに不利な判定を下そうとも、俺たちがゴールを決めれば済むことだ。そして
俺が、ゴールを許さなければいい」
その男の名はオリバー・カーン。
ドイツのゴールキーパーです。
そして彼はその言葉どおり疑惑のあるチームを蹴散らしました。

そんな風に、何もかも関係なくただ単純に個々の技術で勝てるチームがあったとしたら。
あなたはどう思いますか?


前置きが長くなりましたが、ワールドカップでもやもやした気持ちをすっ飛ばしてくれる。
そんな映画です。

黄金の右足を持つサッカー選手のファン。彼は、チームメイトのハンが持ちかけた八百長
試合に加担してしまい、わざと最後のPKを外します。そのことによってなだれ込んできた
サポーターにボコにされ、選手生命を絶たれてしまいました。
20年後彼らの立場は逆転し、名監督(ただし金にあかせてる)となったハンとその召使
になっているファン。なんとも情けない。
そこでファンは20年目にして、あの試合が自分を陥れるためのものであったことを知ります。
まあつまり、ファンが引退したことによってハンが名声をもぎとったわけですよ。
なんだかんだゆーても八百長に乗るほうが悪い。

ファンもその辺はわかっているようで、落ちぶれた自分とだまされていたことに怒りを覚え
つつ街へ繰り出します。
と、町中のごみを集めて、その上で不自然に開脚している男に遭遇。あんたは何やってんだ。
この男の名はシン。
少林寺の使い手であり、世の中に少林寺を広めたいと思っています。
だったら勧誘活動くらいしろや。
少林寺を習っていればバナナの皮を踏んでも転ばないで着地できるし、駐車場だって
車を横付けにしておいて気功を放って入れることが出来ると、ムチャクチャなことを言います。
大体バナナの皮を踏んづけるほど不注意な奴は何ならっててもコケると思いますし、
車を入れたとしても片面が壁にぶつかってボッコボコになるわけで。
大きくずれまくってると思うんですが…。あと、植木を早く切れるとゆーても、植木を切るには
造園業を知らないと無理です。

で。
底抜けに明るい…というかかなり天然のシンはファンに向かって「足が不自由でも少林寺は
出来るよ」といらんことをゆーてしまいます。カッとなったファンは手に持っていたカンを投げつけ
ますが、シンはいともたやすくこのカンを空のかなたへ。
えー、香港で意味不明の飛行機墜落事故が起きたら十中八九こいつのせいだと思います。
そんなこんなでシンと分かれてファンは雑踏の中へ。

シンはというと、集めたくずを引き取ってその日の賃金を受け取るという仕事をしていました。
つーかなんでいきなり話が変わるのか…。
日本の映画だと殆ど主人公の視点で動きますよね。この映画はコロコロシーンが変わるので
かなり戸惑うかと思います(笑)。
通りかかった饅頭屋でシンは、饅頭を作っている子が太極拳で饅頭を作るのを発見。
いや待て。太極拳で饅頭作れるんですか?
ブレイクダンスをしながらピザ作る奴は知ってますが(食べる食べないはともかく)。
それはおいといて、その場面を目撃したシンはいきなり奇声を張り上げます。それはもう、
ジャイアンだってまだましだろうってな感じです。
なんだろうと思ったらこやつ、饅頭作りに感激して歌を歌ったつもりらしいです。まあこれが
アメリカなら間違いなく鉄格子のはまったきれいな病院に連れて行かれてるでしょう。

当然その作っていた女の子、ムイは引きまくりです。まあ普通いきなり道端で男が直立不動
のままこちらをジーっと見て奇声張り上げていたら、私ならとび蹴りのひとつやふたつ…。
ムイは、顔に出来た吹き出物がコンプレックスとなっていて、誰にも心を開いていません
でした。
そんなことはおかまいなしにシンは話しながら饅頭をパクパク。おまけに1個分のお金しか
持っておらず、あとはつけておいてくれと言い出します。
ムイにダメ、といわれると、もーいつ買ったんだかわかんないような、異臭を発する靴を
代金の代わりといっておいて行きやがります。あんた…。

ところでシンには兄弟子が5人います。そのうちの一人、ウォンはパブでこき使われている
という体たらく。しかも少林寺を広めるため、というシンの誘いに乗って少林寺を歌にした
ところ客に大不評。シンは客数人から売られたケンカを買います。
そこに居合わせたのがファン。彼はいつかシンが蹴り上げたカンが壁にめり込んでいる
のを発見して、そこでシンが男たちに囲まれているのを見たというわけです。
そこでシンは、サッカーボールを武器に男たちをボッコボコに。つーかボールは友達なんだぞ!
(うっわぁ古いネタだな…)
ファンは彼の才能を見抜き、サッカーチームを作ることを提案します。
少林寺を広められる願ってもない機会と思ったシンは、兄弟子たちを説得して回りますが、
誰も彼も今はすっかりそれぞれのら生活になじんでおり断られてしまいます。

中に無職の兄弟子がいたんですが、シンらが来たらドアを開けて、「いいところに来た」と
言うので、シンとファンが入ろうとしたらバタンとドアが閉められちゃって、ぶつかって痛がる
二人が面白かったです。つーかそこでドア閉めるか!?やっぱおもろい。

がっくり肩を落とすシン。
しかしそこに、何の脈絡もなく兄弟子たちがやってきました。
普通もっとこうさぁ、思い出に浸ったりしないんですか?(笑)
山は燃えますか?(何の歌詞だよ)
それはいいとしてなんで半そでシャツにマフラー、サングラスなのかがわかりません。
すごく恥ずかしいのでやめてください。
あと、シャツにボクシングのようなガウンまとってきた人も。
確かこれはサッカー映画…。

それはそうと、早速練習が始まります。
が、サッカーのサの字もしらないのでルールや基礎から教えないといけません。
シンはシンで、卵を割らないようにトラップしたりしています。まあ食いしん坊の兄弟子が、
卵を割るたびに突進してきて大変でしたが…(笑)。
そしてあっという間にマスターした彼らは、練習試合にでることになります。
この相手というのがあいにく、シンがこの前叩きのめした客。おまけにリーダーからして
凶器を隠し持っているというとんでもないやつらです。

案の定、ボールを持っていない人間に数人で突っ込んだり、頭からタックルをかましたり
と反則やりたい放題。
なんとか逃げ出したシンは鉄条網をくぐり、銃弾が飛び交う中を逃げ、マシンガンを撃ち、
無線で応援を頼みます。頭上には軍用ヘリが…。
ってだから何の映画ですか。
ハッとわれに返ったシンは、目の前の惨状に言葉も出ません。
少林寺をマスターしていたのは遠い過去のことなのでしょうか。

その時突然、彼らは開眼します。本当に突然だな。
それぞれのポーズをとりお経を唱えている6人。
目覚めた彼らは少林寺であっというまにパスをまわし、シンにボールを。
シンの鋼鉄の右脚がうなります。
一直線に飛ぶボール。
ガツン、とゴールポストに。って入らんのかいっ!ここぞという場面で外すなー(笑)。
しかしそのぐにゃりと曲がったポストを見て相手チームは降伏します。
その上彼らのチームに入りたいとまで言ってくれました。
少林チーム、ここに完成です。

シンが饅頭の代金代わりにムイに渡してきたボロ靴があったのですが、その靴を
ムイは丁寧に直してくれていました。
その靴を履いて出撃です。
第1回戦。
審判の笛が鳴った直後、少林チームのけったボールは相手ゴールにシュート。
まるで某K国対トルコの、開始11秒後のゴールを見ているようです。
結果40対0というムチャクチャな勝ち方をしました。
マスコミは大騒ぎ。
突然ふってわいた新星チームに取材が相次ぎます。その間も順調に勝ち進み、彼らは
有頂天。
その試合の中でひとつ、10人全員がゴールキーパーに向かってシュートしていて、ゴール
キーパーも当然少林寺の使い手なのでなんなく防いでしまう、というシーンがあるんですが。
シン。
お前らも止めなさい。
10人そろってシュートさせとくな(笑)。
まあそのゴールキーパーが投げた球が相手のゴールに入ってしまうわけですが。
(これは、実際のゲームでもありました。ゴールキーパーの蹴ったボールが、相手ゴール
に入ってしまうという…。1970年ブラジルのカリオカカップ戦)

あれほど欲しかったシューズも、今では向こうの方から宣伝代わりにあげるのではいてくれ
といってくる有様。
店長をすっ飛ばして突進してます。
古くなったシューズはポイ。
まあその前に、着っぱなしの衣装をなんとかした方が。洗ってんのかちゃんと。
と、饅頭屋で大騒ぎしていると、シンはムイがものすごい厚化粧をしていることに気づきます。
それはもう、どこのニューハーフですか?というくらいすごい。
ビューティサロンに入ったのはいいですが、ムイ、もうちょっと店を選べ(汗)。

ムイはシンのためにきれいになろうと努力した結果でした。
しかし天然シン。期待を持たせるだけ持たしといてムイには友達と思ってると言い切ってしまい
ます。こういう男が週末路頭で、女にビンタ食らったりしてるわけです。
もうサッカーでウハウハなシンは、ムイの涙の意味もわからず、自分がどんなに慢心して
いるかも気づいていませんでした。

そしていよいよ決勝戦。
お待たせいたしました、ハンが監督しているチーム「デビル」との対決です。
もー薬剤で増強OK肉体改造OK、仮面ライダー予備軍のような奴らです。
増強しているから空を飛ぶわゴールポストを曲げるわで、バタバタと選手がやられて
いきました。
というかですね。ゴールポストをつかんでボールを止めるのはいいですが、あんたそれ、
間違いなく入ってましたよ、と。(ラインをボールが完全に超えたら入ったとみなされます)

少林チームは6人以外はきわめて普通の人なので、彼らが倒れてしまうと普通の人には
どうすることも出来ません。
このゴールキーパー、かなりかっこよかったんですけどねー…。
片手でゴールポストつかんで座禅組んでるんですよ。
まあ相手のキーパーも良かったですが。
オリバーカーンを思い出しつつ、ええなーと見てました。
カーンもなんかこの映画に出てきていても不自然でなさそうなところが…(笑)。
片手で難なく止めそうです。
最初にゴールキーパーが負傷して退場してしまったので残念でした。

で、兄弟子らが傷つきなんとチームは残り7人に。あと1人でも退場になると、自動的に
負けが決まってしまいます。審判もデビルのファウルを見て見ぬふり。ハンの手が回って
いるためです。
うーん香港は予測していたわけではないでしょうが、某国に対するキョーレツな批判の
ような気がしたのは私だけでしょうか(大笑い)。
そして兄弟子の一人、ウォンがやられとうとうメンバーは6人に。
絶体絶命の危機に陥った時、クリリン丸坊主の人物が入ってきます。
それはムイでした。
太極拳の使い手であるムイが加われば怖いものなしです。
彼女はシンにあのボロ靴を差し出します。きれいに直されたその靴を履いてシンは、
フィールドに立ちます。
ムイは胸を張って歩いていきます。ガンッとポストにぶつかって失笑を買います。
めげずにゴール前に立ちますがなぜか相手チームのキーパーが。
ムイはいきなり立つ場所を間違えていました。
恥ずかしそうに欽ちゃん走りで正しい位置に立つと、やっぱりやってきました、相手
チームの10番。凶悪なシュートで兄弟子達を次々退場させてきたつわものです。

ところが彼の放ったシュートをムイは太極拳でなんなく受け止めてしまいます。
そう、あの、饅頭を作っていた手さばきです。
そんな無茶なとか思うんですが、その奇妙な回転力がついたボールはシンの
もとへ。
シンは絶妙なシュートを放ちました。
それは地面を削りつつキーパーのもとへ飛び、止めようとしたキーパーはなぜか
服が吹っ飛んで全裸になってすっ飛ばされていきました。
まあ相手チーム全員巻き込まれてすっ飛んだんですが。
そんなこんなで少林チームは見事優勝しました。
ハンもドーピングが暴かれ実刑に。

それからのち。
うっかりバナナを踏んづけたねーちゃんは見事空中で一回転して降り立ち、駐車場
には少林寺で車をスペースにいれる人、走っているバスに少林寺で乗り込む人と、
町中少林寺だらけ。
なんかものすごいオチな気もしますが、イタリアやスペイン、ポルトガルがこれを見たら
きっとスッとするだろうになぁと思いました。

これを見なきゃソンするぞー。
というわけで実録オリバー・カーン物語でした(違)。


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