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スーパー時代劇
 陰陽師・安倍晴明〜王都妖奇譚〜

最終話(02/07/30)

都を守り命を落とした将之。その死相を知りながら防げなかった晴明。
彼らは一体どうなってしまうのでしょうか。

都を守った陰陽寮に対して帝はその功績を称えますが、晴明は嬉しそうではありません。
しかも将之の兄のなんたら(名前忘れた)は、弟が亡くなったというのにどこか嬉しそう
な顔。まあこのころは身内といえども違う家に婿入りすりゃ敵だからなぁ…。

昭陽舎でも彩子を筆頭に沈んでいます。
いくら都が無事だったとはいえ、自分達のせいで将之が命を落としたとあっては
気にするなという方が無理なのかもしれません。
特に千早の君は、自分が将之を罵り、結果彩子に化けた鬼が将之を殺した、という
こともあってとても気にしています。

さてさて。最終回だからとても大張り切りな影連君は、そんな晴明の負の力を
暴走させ(自分を憎ませることによって)、誰だったかなー、えー、封印されている
人をよみがえらせようとします。あーそうそう。早良親王。
このあたりの動機は、「陰陽師」の道尊と同じですので割愛。んー、最後の最後
で安易なトコにいっちゃったな。もっとこう、影連との最終決戦という面を
押し出して欲しかった。
つまり、将之を失ったことによって、自分を憎んで倒そうとするから、その時の
力を利用して早良親王を生き返らせようとしているわけですな。
影連君。先生、人の力で目標を果たしても、努力したことにならないと思いますよ。

んでもって、晴明は賀茂忠行から反魂の術の秘法を授けられます。これをもって
将之を蘇生させよと。晴明が負の力を暴走させないように押さえきれるのは
将之だけだと。
蘇生を決心し、晴明は術にのぞみます。
ここまでくるのに何日かかったかは知りませんが、将之の死体はまるで眠って
いるかのように保存されています。
冥界の番人、氷月が死体を保存していたのです。
その事実を知り感謝する晴明。
というか皆のん気やなー。蘇生の術を行う前に一番に気にすべきことではないかと
思うんですけど…。ゾンビで将之生き返ったらどうすんじゃ。「こんなことをさせるため
に生き返らせたのではない!」(後で出てきます)と言っても説得力ないぞー。
(原作では死んだ時点で氷月が、「ダメじゃない、時の流れから切り離しておかないと」
ってすぐにやってくれます。私は原作の気の強い氷月が好きだー)

しかし生き返った将之の体には、鬼の魂が入り込んでいました。蘇生術を行うこと
を予測していた影連が、鬼の魂を入れておいたのです。つかいっそあんたが入った
方が面白かったと思うんだけど…。つくづくバカよのー。なんか絶対通信簿とかで
「発想力が足りないタイプ」とか書かれていたな、ありゃ。あと協調性がないとか。

将之の術を解き、晴明は「こんなことをさせるためによみがえらせたのではない」と
言います。影連のどこまでも卑怯なやり方に晴明はついに、影連との戦いを決心
しました。
最終決戦です。
どうでもいいけど、聖闘士星矢の一番最後の映画。「最終聖戦の戦士たち」という
タイトルだったんですが、すっげぇ言いづらかった。もっと考えてつけてくれよ…。

まあゴタゴタありまして、将之の兄に化けていた影連が姿を現します。
晴明に向かって「憎ければ我を打ってみせよ」と挑発する影連。両手を広げて叫んで
いる姿は、どちらかと言えばバスケとかで「パスくれ!」とかゆーてるように見える
んですが、まあこれはスラダンの読みすぎだな。
弓矢になんたらまるとかいう、鬼を切る刀(折れたので溶かして矢の切っ先にした)
の矢をつがえて晴明は影連を見据えます。
「そやつ(将之)の魂、邪魔だったから鬼どもに食らわせてやった」
影連の言葉に少なからず動揺する晴明。
しかし晴明は影連をうたず鬼の乗り移った将之に向かって矢を放ちました。
将之を信じて。
そして影連には術で対抗。見事影連は破れます。
燃え盛る炎を背に倒れる影連。
晴明はそんな彼に「まだやり直せます」と手を差し出します。
しかし影連はニヤリと笑って、「だからお前は甘いというのよ」と、炎の中に消えて
いきました。
かっこいいなぁ影連。でも陣内さんだと改心したように見えないのはどうしてだろう。

そして将之は。
立ち上がり、笑顔で晴明の元へ。反魂の術は成功したのでした。

というわけで、コミックスのおいしいところだけをとった構成でしたが、まあまあ良かった
かな。
あとはキャスティングとか…(汗)。2人ももっと打ち解けてほしい。
最後らへんはかなり仲良くなっていたのでいいですけどね。
将之が「ところで晴明、お前俺に矢を放った時、何か確信を持っていたのか?」と
聞かれて答えない晴明とか。
しかしその頃。影連が消えた、あの建物から不気味な青白い炎が立ち上っていました。
影連は死んでいなかったのでしょうか?
それはまた、次回のお話に…。


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第4話(02/07/23)

俄然面白くなってきた第4話です。

晴明ともすっかり打ち解けた将之は、千早の君に対してどうしたもんかなーと相談
持ちかけてます。
鬼を祓うなんたら丸という刀を千早の君はお守り代わりに持っているのですが、
将之はそれを借りては鬼を切り、千早の君に返すということをやっていました。まあ
口実つけて会いにいってただけなんですけど。
だけども千早の君はわかんないもんだから、「いちいち取りに来るのも大変でしょう」
と、将之にあずかってていいよ、と言うわけです。
将之、そりゃ確かに言わなきゃわかんないわさ(笑)。
つーか恋の相談を晴明にするか。
人の心がのぞける術がないかなーとぶーたれる将之に、晴明は「何だ、千早の君が
すきなのか」とあっさり。
まあ晴明じゃなくても分かりますわなー。
もう2人の友達っぷりは原作にも負けず劣らず。晴明がもうちょっと毒舌ぶりを発揮
してくれるといいですけどね。もうちょい堅い。
でも下らないこと話していたせいで、将之は姉のとりもってくれた見合いをすっぽかす
ハメに。鬼より怖い彩子さんに叱られました。ケケケ。そこを千早の君がかばってくれ
たのですが、本当に友情だけで助けたようです(笑)。

で。またもぼくちんさびしいんだよぉぉぉん影連君が(いい加減肩書きもなくなってきた…)、
ちょっかい出してきて、死者を葬ってあるとかいう土地から瘴気が噴出すわけですよ。
それを沈めに行く陰陽寮の面々。
晴明は都の結界として前に切り落とした鬼の手を使うことにするんですが、将之は
そういうものがいまいち信用ならず、都に残ることにします。
そんな将之の顔に晴明は死相を見てしまいます。
鈴を渡し、「これが鳴れば目の前のいかなる人間であろうとも、鬼の化けたもの」と
言います。
将之は一度晴明の予言を外していますから自信満々。今度も死なない!と言って
ます。まあ1度あると続きますが、だからといってそうとも限らん。
不安になりながらも将之を信じて晴明は封印の地へ。
これが2人の決別となるとも知らずに。

宮中に現れた鬼を退治した将之ですが、千早の君はそのなんたら丸を使わずに
鬼が消え去ったことを不審がります。普通の刀では鬼は死なないからです。
そんなことはいざしらず、単純王の将之君は大喜び。もうそりゃあ、道頓堀に飛び込み
そうな勢いです。このことが、死相が出ていると言われても動じないことにつながった
んですけどねー。

そして宮中を守らんと、座り込んでいる将之。あたしゃてっきり、もっと中にいるのかと
思ってましたよ。つかそもそも、晴明の結界があるのになして鬼は入れるですか。
宮中ではのん気に彩子らが談笑中。千早の君に「将之ってあなたに気がある
ようですよー」と、真昼の主婦同士のような話をしてます。
そして将之。
退屈していたところに彩子がやってきます。つーか冷やかしにきた模様。
こんな時に、千早の君のことを持ち出してきます。
しかし。
将之があきれ果てて口を開きかけた時、腰の鈴が鳴りました。
晴明が渡してくれた、鬼を見破る鈴です。
目の前の姉がと信じられない将之。でも、晴明の力は本物です。
将之は刀を抜きました。
「この姉に刀を向けるのですか」
彩子は言います。

宮中では彩子の姿が消えて大騒ぎになっていました。

将之の腰にある鈴は、彩子が近づくにつれてどんどん音を大きくしていきます。
そして将之は彩子の右手が一瞬鬼の手にかわったのを見ました。
覚悟を決めて彩子を切る将之。
そこへ、千早の君があわてて飛んできます。
倒れた彩子を庇い、将之をなじります。
彩子も将之の名を呼びます。
よもや…と将之が彩子を助け起こした時。
彩子の両手が将之の体を貫きました。やはり将之は正しかったのです。

持っていた鈴が地に落ち、眉をひそめる晴明。
将之の身に何か起きたことを感じ、急いで引き返します。
彩子は倒れているところを氷月に発見されます。彩子は「私の体から鬼が!」
と言いました。
宮中で将之が鬼を切り捨てた時飛び散った血が彩子に付着。鬼はそこから、彩子
の体に乗り移っていたのでした。

将之は、最後の力を振り絞って、彩子に化けた鬼を切り捨てました。
しかしそこで力尽きてしまいます。
千早の君に「また刀をお借りしにいっていいですか」と尋ねる将之。
やっと晴明が戻ってきました。
晴明に将之は、「俺の死相はどうだ」と尋ねます。
消えている、と叫ぶ晴明。「お前はすごい男だ」と言います。
「俺は死なんよ」
そう言って将之は息を引き取りました。
晴明の叫びも届かず。

影連の狙ったとおり、晴明に人を憎む心が生まれてしまうのでしょうか。
せっかく心を開きかけていた晴明は?
そして将之はどうなってしまうのでしょうか。
衝撃の最終回です。
これを見逃したら、うなぎ屋でうな重が出てきた途端呼び出しかかったような、
大損をすることになります。皆さん見ましょう。

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第3話(02/07/16)

この話はとても凝縮されていていい話でした。面白かった。これを見逃した人は
損したね(笑)。

今回は、晴明が自分の過去の確執(っていうんかいな)と決別するお話です。
草むらを必死で逃げる女と、それを追いかける男の子。その後ろからは検非違使
達が刀を抜いてやってきます。
女の名は玉藻の前。晴明の母でありあだしのの狐の化身でもあります。
晴明の声も届かず目の前で母親は切り殺されてしまいます。
ただ、原作じゃ死んでないのでなしてこんなアレンジを加えたのかはわからんです。
これだけが不満といえば不満だったなぁ。

そんな夢を見て飛び起きる晴明。どうやら随分昔から見ていたようですね。
自分の目の前で母親が死んだらそらトラウマにもなりますわな。
その頃都では、神隠しが相次いでいる様子。
えーと。千と千尋の神隠しのDVDが出るのでそれにひっかけた…ワケはないですね、
ハイ。
えーでもって、陰陽寮にもその話は届いて、調査とかを命じられるのですが、何故か
命じた人は晴明を加えないようにと言います。
晴明は狐の子だからかかわりたくないらしいです。
晴明もそんな噂はよく知っていて気にしたふうもなく、ま、いっかという感じです。
ドライといえばドライだけど言われなれてるみたいですね。
まあ人ってそんなもんだ。

将之は将之で、神隠しの犯人を突き止めたくて仕方がない様子。陰陽寮に行って
晴明が狐だから皆避けているという噂を知って激怒。狐でも狸でも構わん!と言います。
藤哉が「…狸?」とかいってましたがなしてそんなとこにひっかかってんだキミは。
でもってさりげなく保徳を見ないように。それじゃあ保徳が狸と言っているようなもの
じゃないですか(笑)。いや実際そうかもしらんけど。…顔が。

晴明は晴明で、神隠しの犯人が男の子の幽霊であることを見抜きましたが、そこは
それ、暇を持て余して売りさばきたいくらいの影連君が(陣内さんの影連は、さんという
より君って感じ…)やってきて、晴明に「やーいやーい狐の子ー」とか余計なこと
言います。
もうカーンに「黙れ貴様」と言ってもらいたいくらい鬱陶しいですね。(カーンも迷惑だろう)
いやどっかで見たように、パンチングでボールを影連の頭に…。
もー影連君はいらんことしとらんで早く探偵業に戻ってください。(by日テレ)

えーそれで、その男の子は何か寂しくて仕方がなくて、若いねーちゃん達を連れて
きている様子。こんなうちからハーレムはいかんよキミィー。
そのうちの1人は何故か戻ってきたものの、ずっと琴を弾いており、周囲に目もくれようと
しません。保徳が呼ばれてきて祈祷を行ったとたんいきなり意識をなくして倒れる
始末。保徳もーダメダメ。もーギャグマンガ日和で言ったら「メッチャめり込んでるぅー!」
みたいな。
結局晴明が連れてこられました。晴明は一目で魂が抜かれていると見抜き、その
魂を探して、男の子の幽霊と出会った場所へ。当然将之もついて行きます。
んでまあ男の子が実は、お母さんを探してさまよっていたと知るわけです。
お母さんの霊を呼び寄せて会わせてあげる晴明。
彼はその親子の姿に、自分の中の想いが浄化していくのを感じます。
そして2人は空の上へ。
いやあとてもいいシーンでした。晴明が浄化させつつ泣いているのがかっこよかった
ですよー。

そんでもって。
皆無事に帰ってきて、彩子を始めとする昭陽舎(こんな字だったかな…)の女御達は
「晴明様が狐の子だなんて馬鹿馬鹿しい」と笑い飛ばします。
将之も「お前になら別に化かされてもなぁ」と笑います。
晴明は「では、お望みとあらば」と呪を唱え始めます。えぇ!?という感じの将之達。
でもそれは晴明の冗談だったのでした。
つかこれで、その座っている晴明が式神だったりとかしたら面白かったのに。
映画「陰陽師」の晴明はくどいほど博雅を騙していたからなー(笑)。
まあ晴明の茶目っ気が段々でてきたって感じでよかったですよ。



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第2話(02/07/09)

もしかしてこのドラマの晴明は、ガチガチに堅い性格づけなんでしょうか。
原作の持ち味が殺されていて面白くもなんともないのですが。

今回は、先先代の帝のえー、息子であり現帝のいとこにあたる四の宮という人が
出てきます。この方は自分が帝になれなかったことを恨み、呪殺を企てたため都を
追われていたのが、心を入れ替えて戻ってきたというものです。
まあ実はまだうらんでいたりするというのは定番ですな。

その頃将之は。千早の君を口説こうとしていました。「あのご活躍は本当に見事で
輝いておられました」
将之ガッツポーズ。
「本当にステキな方ですねぇ、晴明様は」
将之がっくり。

四の宮は戻ってくるなり都の人々の病気を治したり、憑き物を落としたりして尊敬
されます。晴明も、四の宮の目を見て改心していることを確信します。
しかしその夜影連が現れて、四の宮の心の隙をついて洗脳してしまいます。
なんかこの人、ホントどこにでも現れますねー。暇なんですか?仕事何してる
んでしょうねー。
そして洗脳された四の宮は晴明に呪術対決を申し込みます。何か様子が
おかしいと思っていた晴明はこれを受諾。対決へとなるわけです。
大体この辺りで晴明と将之は一応打ち解けてはいるのですけど、晴明はまだ将之
に対して心を開いた様子がありません。ガチガチに堅いです。つまらん。
第一笑顔がねぇ。
例えば原作の晴明様は、将之と打ち解けてから、将之を呪術の攻撃の的にしたり
(一応不可抗力)、寒い冗談こいて将之をフリーズさせたりとなかなかブラックユーモア
あふれる方だったりするのですが、テレビの晴明はそんな気配がないどころか、
うっかりボケをやらかそうものなら都から失踪しかねない性格なので、とてもとても
残念です。

えーと。あ、それで結局拮抗していた呪力対決ですが、晴明が箱の中身を替えて
しまい一応四の宮は勝負に破れます。そこで晴明は四の宮に目を覚ましてくれと
呼びかけますが一向に気配はありません。
それどころかイカサマであることを即座に見破った帝や賀茂保徳によって、晴明は
謹慎処分を受けてしまいます。まあちょっとやるところを間違えたとは思いますが。
人を大勢の前で恥かかせちゃダメです。本当にその人がミスをおこしていたとしても、
恥をかされたという恨みが残りますから。四の宮の場合は呪力勝負は適当に
流しておいて、裏で決着つけるべきだったのではと。
原作だと立ち会ったのは賀茂忠行。彼は弟子の勝利を目にして「無様な勝ち方じゃの」
と言い捨てます。(その理由は上の通り)

まあ結局のところ四の宮のところに晴明がやってきて、対峙することになります。
晴明のおかげで洗脳が解けた四の宮ですが、また構ってクンの影連がやってきて
余計なちょっかいを出し、操られたくないと必死で対抗した四の宮は自ら命を絶ちます。
せっかく洗脳が解けたのにと呆然としている晴明と将之。
影連は高笑いしながら去っていきました。このさびしんぼめ。

今回の話は、あまりにもお約束過ぎてちょっとつまらなかったかなと思います。
結局影連との確執をより深めたいだけにこーゆーことをしたんじゃないかと。
四の宮があまりにも救われなくてかわいそうでした。
次回もかなり暗い話なんですが(影連と晴明の本対決みたいな)、あの時間帯を
考えると投げやりなつくりはしょうがないのかなと…。
(裏番組のさんまさんのやつ、視聴率15〜20%前後ですからねー。火曜日はフジ
惨敗状態ですから)
ただ、まだ実写よりアニメの方が人気はいったかなと思うんですけどねー。
話もですがあの綺麗な絵が人気を得たのもありますから。
あと三上さん、髪をまとめていた方が似合いますよ…。

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第1話(02/07/02)

出来としてはまずまず。人物相関図を手っ取り早く分からせるために、藤原将之と
彩子に死相が出ているというふうな運び方はいいと思います。

都の行く末を占っている賀茂保徳。しかし彼ではハッキリとしたものが見えてきません。
父親であり偉大なる陰陽師、賀茂忠行と違って、少々劣るようです。
そうこうしているうちに護摩壇から炎が立ち上りそれが鬼の形に。悲しいかな保徳は
後ずさりするばかり。
こうも晴明との力の差をつけなくてもいいと思うんですけどね。保徳もそれなりに力は
あったわけですから。
将之にはそれらが見えないため、千早の君が「鬼が!」と叫んでいてもまったく何の
ことだか分かりません。
そこへ現れたのが安倍晴明。あっという間に魔を退散させてしまいます。
しかしそれだけでは収まらず、そこに橘影連が現れます。彼こそは晴明が兄弟子であり、
都を滅ぼさんとする男。
彼は不敵に笑い、立ち去っていきました。…何のために出てきたんですか、あんたは。

そこで晴明は、将之と彩子に死相が出ている、と言います。始めは憤るものの、晴明が
暗い目をしていることに気付く将之。どうやら晴明が抱えている心の闇に気付いた
ようです。
んー、最悪の出会いがその後唯一無二の親友となることはよくあるわけで、まずまず
の演出ですね。というか、安倍晴明の登場シーンが思っていたよりもかなりかっこいい
と思いました。三上さん原作を相当読み込まれたみたいですね。いやあ期待しない
なんて言って悪かったです。保坂@将之もかなりいい役作りをされていました。
もともと踊る大捜査線では、安西という警官殺しの凶悪犯を完璧にこなしただけに、
どんな役を与えられてもうまくこなしてしまうのはさすがというべきでしょう。
あと、橘影連役の陣内さん。こっちもどうかと思ってましたが、まずまずだと思います。
惜しいのは、ヅラの質が良くなかったってことかな。もう少しさらりとしたものがいいと
思うんですけど…。ちょっとあれではいかにもって感じです。引田天功さんみたいな
髪の毛(髪型ではない)がいいんだけどなー。
晴明についても、髪の毛はやっぱ原作にならって金髪がよかったなー…とか思ったけど
三上さんには似合わな…ゲフッゴフッ。ちょっともっさりしすぎです、あれは。

でまあ話ですが、彩子が神隠しにあってしまい、賀茂保徳が行方を占います。
八卦盤とか星の位置とか見ながら占っているんですが、将之にはそれが我慢ならない
ようす。「こんなんで分かるのか?」とか言って、占いの邪魔しまくり(笑)。
イライラしすぎて、晴明に「少し座られよ」とたしなめられるほど。
何故か晴明と向き合って座った将之は(なしてわざわざ…)、晴明があまりにも静かな
もんで、「俺は陰陽師が嫌いだ」とわざわざ言います。
晴明もまた、「俺もだ」と答えます。いぶかしげな顔をする将之。
晴明は自分が持つ力がゆえに、的中する先読みが嫌になっていたのです。
助言をしてもなすすべなく成呪してしまう予言のために晴明は、誰に対しても心を
閉ざし続けていたのでした。
とまあこう書くといいんだけど、ちょっと分かりづらいかなと思うんですよ。
晴明のもの静かな面ばかりが強調されてしまって、心のうちに抱えている悩みと、
その重圧がものすごく分かりづらい気がします。
なんも知らずに見ると、ただの無愛想なおっさ…お兄さんかと。
ただ、去年やった「陰陽師」でも晴明が心を閉ざしている様子はやっていたので、
安倍晴明が好きな人は分かっているとは思うんですけどね。新しいファン獲得には
ちょい難しいかな。

さて、えーとどこまでいったかな。大概話があっちいきこっちいきしますが、えー、
無事彩子は戻ってきたものの、何かに憑かれており寝込んでしまいます。とりついた
鬼は彩子の魂に絡み付いており、晴明の術をもってしても祓うことが出来ません。
それを祓うには山中奥深く封印されている刀が必要と知った晴明は、急いで将之と
その場所へ。晴明が封印を解き、将之がその刀を手に。
彼らは彩子の元へ戻り鬼を払います。負傷しながらも鬼の片腕を切り落とす将之。
晴明は将之が自らの手で死相を振り払ったことに気付きます。
というかここで、「あんなに濃かった死相が消えている」というのですが、ここはやはり
原作のようにお茶目さを出して、「そうだな…。出血は多く、呼吸も浅い。顔色も悪い
ようだし…」と言っておいて将之がガーンってなったところに「だが、あんなに濃かった
死相が消えている」とやって欲しかったです。それこそが王都妖奇譚であるところの
将之と晴明だと思うんですけど…。
そこを除けば面白かったかな。でめたしでめたし。

…と終わるわけもなく、実は彩子と将之の呪詛を影連に依頼したのは、将之の兄
だったのでした。波乱の予感。そして切り落とされた鬼の手が動き出す…?
都の運命が動き出しました。

この頃の相関図なんて私は分からんのであれですが、藤原氏は歴史にも出てくる
通りこの時代栄華を誇った一族です。しかしその中では内部争いや継承者争いも
多く、身内でさえも殺し合いをするドロドロとした争いが絶えませんでした。
藤原将之は、この話の中ではそんな継承者争いが嫌で嫌でたまらず、一族の中では
異端児と称されている人物です。しかしそんな自由奔放な性格であるがゆえに、
出世の声も多く、逆に意図しないまま継承者争いに巻き込まれていくことになります。
姉の彩子もまた、帝の寵愛を一身に受ける今をときめく女御であり、宮中の女性達
からは羨ましがられる反面、妬みの対象となる人物です。しかしあの将之によく似た
自由奔放な性格でそんな妬みそねみをものともしません。だからこそ帝に好かれる
んですけどね。
やっぱ原作の方が面白いので(失礼)、興味をもたれた方は一読をお薦めします。


多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページドラマ&もろもろの感想→陰陽師・安倍晴明〜王都妖奇譚〜