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天才柳沢教授の生活

第4話(02/11/06)

さて問題です。
あなたの大切なものが盗まれてしまいました。どうしますか?
私なら地の果てまで追いかけて絶対に取り戻します。私の所有しているものの中には
手放していいものはないからです。

 いつもと変わらない柳沢家の風景。それを物陰からこっそりと見つめる影がありました。
なにやら怪しい雰囲気です。
 おっとお母さん、鍵を植木鉢の下なんかに隠してはいけません。泥棒100人に聞いた
ところ、家に入る時鍵が隠してないか真っ先に探す場所ナンバーワンが植木鉢の下
なのです。
 その鍵をこっそり取って忍び込む男…どうやら彼は泥棒のようです。

 さてさて。せっちゃんはヒロミツと相変わらずアホな会話をしています。
 ヒロミツ君はいい子だと思っていましたが、まさか初版本だから売れば金になるとか、
教授の部屋には1冊百万もする本がゴロゴロあるとかいう会話を平気でするとは
思いませんでした。せっちゃんもとめろよとか思うのですが、物の価値観が私たちとは
違うようですからどうしようもないですね。原作のヒロミツ君は「いいひと。」という作品の
主役をはれるくらいお人よしでいい子なのですが、どうやらドラマでは頭の足りないところ
だけが強調されてしまったようです。

 さて泥棒は家の中に何もないのにあきれ果てて(教授の給与はすべて本に消えて
いるのですから当たり前です)、開けてはならない禁断の扉を開けてしまいます。
 そう、柳沢教授の部屋のドアを。
 まあ人が寝ているのに気がつかないほど間抜けな泥棒もどうかと思いますが、
いきなり部屋に人がいるのに平然と「どなたですか」と聞く教授も教授です。
 泥棒、自分はお母さんのお習字教室の先生、エノモトとごまかしました。
 しかもうっかり「素晴らしい本が一杯」と言ってしまったためにドツボにハマって
います。相手は柳沢教授です。目がキラキラしています。
 さあドキドキいつばれるかな選手権の始まりです。

 お母さんはお母さんでいつこさんのアパートに、ハガキを届けに行ってあげて
いました。そこへまさしが帰ってきますが、そのハガキを読んで顔色を変えます。
そのハガキは知らない男性、藤村からのものでなにやら秘密めいた文面。お母さんは
「昔近所に住んでいた子。いつ子は彼のポエムが好きだった」と、火に油一斗缶を
注いでしまいました。
 こっちもこっちでアホ全開ですな。

 さて泥棒が教授にとっ捕まってる間に、ヒロミツとせっちゃんが帰宅。さあいよいよ
泥棒ドツボにハマる。つーか、急用思い出したフリして帰ればいいと思うんですが、
真面目に教授の話を聞いてるあたり気が弱いのか大胆不敵なのか。
 そこへさらにまさし君がやってきました。いつこさんを探しているのですが、来客中
であることを知り、エノモトを藤村だと思い込んでしまいます。なんでこー短絡的なんで
しょうか…。
 こいつは絶対中学時代の数学、方程式が3つ以上になると解けなかったと思われます。

 教授は習字について話がしたいようです。今でも「いろは」から教えているのか
とたずねます。
 そこへアホ全開のヒロミツ君乱入!もー宝の山を前に目が輝いています。泥棒に
本が相当な値段になるって確認してます。なんかもう救いようねーな…。
 しかも泥棒を藤村と勘違いしたまさし君に確認してきてと言われたらしく、教授が
言っていたいろは歌を「やつはポエム歌ってました」とかゆーてます。
「アロハのポテトはちり味で わかめのタレをつけてはならん」
 やつにはいろは歌がこう聞こえるらしいです。一度耳鼻科に行く以前に脳外科へ
行った方がいいと思います。空耳にしてもひどすぎます。
 しかしそれを「素晴らしいポエムだ。ボクなんてかないっこない」というまさしもまさし
です。日本語を冒涜していると思います。

 そこに奈津子さんも帰宅。またも教授の部屋へ乱入してエノモトに「アレやって!」と
言い、わけ分からんエノモトはアホなパフォーマンスをし、奈津子さんが「ポエムが
斬新になってる」と言い出したために、こんがらがってた糸がもうコンクリートで固められた
ぐらいにどーしよーもなくなってしまいます。
 そこに奈津子さんのダンナが帰宅して「大きな荷物を抱えていたいっちゃんを見た」
と言ったために事態が収集つかなくなってしまいました。
 まああれですな、普通は黙ってるものをポンポン言っちゃうから大騒ぎになるって
ことに気がつかないんですな、ホントに。

 今度は自ら教授の部屋を覗きに来たまさし君は、教授が出て行った隙に乱入!
しかし泥棒の姿を見て愕然とします。
 そう、ポエマー藤村君が自分のポエム集を手にしていたからです。しかも「かなり
売れてる」と言われショック倍増。
 がっくりと肩を落として出て行ってしまいます。

 …そりゃ「(島崎)藤村詩集」だ。
 
 そしてお母さんが帰宅。
 いよいよバレてしまうかと思ったその時。
「泥棒!庭の鉢植えがないわ!」
 泥棒、心臓バックバクです。
 お母さんが大切に育ててきた桔梗の花が誰かに盗まれてしまっていたのでした。
 まあ私が知ってる桔梗は惚れた男の前ではぶりっこするクセにライバルのかごめちゃん
には殺意丸出しでいじわるするイヤーな女ですが、まあこんなドラマに出てくるわけが
ないのでおいておきます。
 ヒロミツ君と勉強しようと思ったせっちゃんももーバタバタの連続で我慢の限界。
 とうとう自分が付き合っていることをカミングアウトしてしまいました。あーあ。

 さてそろそろ長居もまずいと思った泥棒は(十分長居してると思いますが)、本を
手に入れるべく教授の説得を試みます。
 端的に言うと、教授が死んだら本の価値が分からない家族ばかりになってしまう。
だから自分によこせと。
 それはいのですが、今日日初版本で高い値がつくのはそうそうありません。
本当に欲しいと思う人がいるから値がつりあがるのであり、重版が繰り返されている
ものでも、分野によっては定価以下にしかならないです。何でも初版本は高くなる
と思うのは素人ですね。(私も素人ですが)
 そんな泥棒に教授は心快く、本の譲渡を承諾します。
 なぜなら教授にとって本とは、新たな出会いをもたらしてくれるものであり、お金
などに替える存在ではないからです。
 そして別の人が読めばそこから新たな発見が生まれる。教授はそれが嬉しくて
たまらないのでした。
 泥棒は、教授が価値があるから本をためこんでいるのではなく、本当に心から
本を大切にしているから所有していることに気がつきました。
 教授から譲られた沢山の本を抱え、彼は静かに帰っていきました。

 さて。
 帰宅したいつこさんは、藤村さんとタイムカプセルをほっていたのでした。その中から
どーしよーもないポエムを発見して喜んで読んでいます。
 しかしやっとヒロミツ君が気がつきました。
 いつこさんは藤村君とタイムカプセルを掘っていた。とすると、教授と一緒にいたのは
誰だったのでしょう?
 つーか気づけお前ら。
 そこへお隣から回覧板が。
 やっと皆、ヤツが泥棒だったことに気がついたのでした。サザエさん家じゃないんだから。

 泥棒が抱えていた本を見てそれが教授所有のものと気づいた古本屋の通報に
よって泥棒は無事逮捕。教授はショックを受けているようでした。
 しかし泥棒が、もらった本だけは金に替えておらず、本は読み終わるまで返却を
待って欲しいと言っていたことを聞くと教授は「返却の必要はありません。あれは私が
彼に差し上げたものです。ただし、読後のレポートを提出するように伝えてください」と
言って部屋に戻ります。
 まるでレ・ミゼラブルのようですね。
 教授は泥棒が本というものの真価を理解したことに気づいたのでしょう。

 そして翌朝ドアを開けた教授は、庭の張り紙に気づきます。
「鉢植えを盗んだ人、返してください」という張り紙が、「鉢植えを持っていった人へ、
大切にしてくださいね」と変わっていました。
 教授はにっこりして門を出て行きました。


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