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天才柳沢教授の生活

第5話(02/11/13)

 またまた問題です。
 夫婦の間に、一緒に過ごした時間によって作られる絆というものは存在すると思いますか?
 私は思います。それは、子供との間に出来るものとはまた違うものだと思います。


 朝っぱらから教授、本の山と格闘しています。
 あれですよ、そんなに本があるならもっとうまい収納方法考えて欲しいもんです。
 乱雑に積んでおくだけでは必要な時に必要な本が見つかりません。
 そんな本の山からなんとピアノが!
 いえ、正しくは本が積み上げられて埋もれてしまったピアノなのですが。
 長年調律されてこなかったそれは、すっかり音程が狂ってしまっていました。
 教授、それではいけないと調律することにします。
 まったくもって人の話なんか聞きやしません。
 ごーいんぐまいうぇーです。
 しかも本の山をそのままにして、時間だからとさっさと出勤してしまいます。
 片付けの最中ふと現実逃避する私にそっくりです。

 さてさて。
 夫に先立たれた奥様がいらっしゃいました。
 彼女の名前は田丸要。さまざまな分野を手がける田丸財閥の創始者が亡くなった
のです。
 葬儀の手配に弁護士が追われている中、彼女は楽しそうに駆け出しました。
 「今日は家庭教師の良則さんがいらっしゃる日だわ。早く帰らなくては」
 彼女は、ショックのあまり18歳に記憶が退行してしまったのでした。

 大学についた教授。とても楽しげです。しかもさっきから一生懸命に何か書き付けて
いると思ったら、毎年調律師を呼んで調律させた場合と、新しくピアノを買い換えた場合、
どちらがよりお買い得か計算していたようです。教授、研究はいいんですか…。
 吉田助教授は、コンサートホールがあると勘違い、そこにさらに新しいピアノ購入と
聞いてしきりにうらやましがっています。
 教授は高給取りですがそんなに思うほど高給じゃないですよ。そら管理職よりは
いい額もらっていますが。
 ちなみにうちんとこの大学の教授に、きっちり朝7時半に来てきっちり夜7時に帰宅
される教授がいらっしゃいました。ものすごーくマジメでした。
 しかしその隣の研究室の教授は驚くほどいい加減おおらかな方で、部屋に遊びに
行くと焼き芋作ってたり、必死こいてマージャンしてました。…研究して下さい…。
まあビーカーでラーメン作って食ってたやつもいたのでどっこいどっこいですが。

 えー、んで、新しいピアノを購入する方がいいという結論に達した教授。
 お母さんを呼び出しピアノ店に入りました。
 お母さんがピアノなんかいらない、というのにもお構いなしです。
 まあ確かに家にあるピアノは調律狂ってますが、ピアノってのは高いので、そう
ひくわけでもないのに買い換えるってのも…。
 と思うのですが、教授は出した結論を疑ってもいません。早速一つに見当をつけると
お母さんにひいてみて、と言います。
 仕方なく弾きだしたお母さん。すばらしい旋律です。
 が、教授は何故か納得いかない様子。
 別のピアノをお母さんに勧めます。一体何があったのでしょう。

 その頃。帰宅したせっちゃんは家の前に佇む女性を見つけます。喪服姿の中年の女性
です。
 声をかけるとせっちゃん、女性の友達に認定されてしまいました。しかもなんとその
 女性、ここが自分のうちだと言い出します。つかつかと中に入っていく女性。
 そう彼女こそ、田丸要その人でした。
 一体これはどういうことでしょう。
 というか警察に通報すりゃいいのに…徘徊老人が家に来ているのですが、って。
 偶然やってきた奈津子さんが彼女の正体に気づき、ダンナに連絡を取って、葬式の
場所から奥さんが消えていることを確認します。
 ここはとっとと引き取ってもらわねばなりません。

 そうこうしているうちに、プリプリしながらお母さんが帰ってきました。
 あれやこれやとピアノを弾かされた挙句、教授が「どうも音がおかしうように感じる」と
言ったためです。
 しかしお母さんは要さんに「トメ!何やってたの!」と叱られて何がなにやら分かりません。
娘達が事情を説明したものの、踏んだり蹴ったりです。
 そらそうでしょう…帰宅したら、自分の家で他人がくつろいでいたら。あーた、ドッキリカメラ
じゃないんだから。

 更に教授が帰宅。「良則さん、お待ちしておりましたわ」と出迎えてきたのは、せっちゃん
の衣装を身にまとったババァ…もといオバさん。教授のリアクションが少なかったのが残念
ですが、私なら黙ってドアを閉めます。
 えードラマではジュディオングがやっていましたが、このシーン少し違いますが原作を
読まれることをお勧めします。原作の方がエグいです。ええ、ちょっとしたホラー映画
みたいです。
 事態のまったく飲み込めない教授に、皆が説明します。
 納得した教授は、数学を教えてとねだられて教えています。

 その頃せっちゃんとお母さんはピアノについての思い出話をしていました。
 ピアノを持ってきてくれといったのは教授の方だったのに、いつの間にか本の置き
場になってしまって、新婚の最初の頃ぐらいしか弾いてないこと、どうせまた本置き場
になってしまうだろうこと…。
 お母さんは調律のずれたピアノを弾き始めます。
 静かな旋律を聴いて教授ははたと思い当たったことがあるようでした。
 どうでもいいですがお母さん。
 ピアノを廊下に置いておくと、緊急時の避難路としては非常に危険かと思われます。
 まあ別な部屋を通って玄関にいけるようですからいいですが。

 まだまだイケイケな要さん。だんすぱーちーを始めてしまいます。
 やってきたヒロミツ君やゆきひろさんなども巻き込んで大騒ぎ。
 お前ええかげんにしろよとか思うのですが、皆優しい人ばかりなのでちゃんと付き
合ってあげます。
 しかしだんすぱーちーのために着替えようと、せっちゃんの部屋に行きかけた要さん
に対して「それ、お似合いですよ」と言った教授。ナイスです。多分本当にそれだけ
の意図だったと思うのですが、いいタイミングでした(笑)。
 つーかヒロミツ君にマクレガーさんって…ユアン・マクレガー?(なわきゃない)

 その頃、教授の家をうらやましそうに眺めている吉田助教授。あんた、そうやってっと
ストーカーみたいですが。
 それを白い目で見ながら入っていく弁護士さん。やーっと到着です。
 トメさんとお話ししてます。
 要さんが夫を失ったショックで18歳に戻ってしまったこと、教授が要さんの家庭教師
をしていて自分の知らない教授の姿を知っているということ、お母さんは夫婦って何
だろうと思ったようです。
 そんなお母さんに教授が、「ダンスパーティなのでピアノを弾いてくれ」とやってきます。
でも調律がずれているから、というお母さんに教授はいいます。
 「私の耳はお母さんがあのピアノで弾く音が基準になっているのです。だから私は、
他のどのピアノも気に入らなかった」
 長い時間を過ごしたという証明でこれ以上のものがあるでしょうか。
 お母さんは静かにピアノを弾き始めました。
 なるほど脳に直接届く毒電波みたいですが、教授には聞きなれた音楽でしょう。

 教授と踊っているうち要さんは誰かに呼ばれているような感覚に陥ります。
 教授は「その方の下へ行ってあげなさい」と送り出します。
 お母さんと教授は静かにその後を見送りました。

 長く連れ添うということ。共有した時間があるということ。相手のすべてを知っていなくても、
 夫婦の絆というものは存在するのです。
 帰宅した要さんは、だんなさんの遺影に語りかけていました。
 「私、昔ある男性に好意を持ってましてね、踊ったこともあるんです。まあ、三十数年前の
ことですけど」
 そういった指に、だんなさんが買ってくれたという指輪が光っていました。

Will you love her, honor her, comfort her and keep her in sickness and in health,
and forsaking all others, be true to her as long as you both shall live?


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