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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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警視庁メールマガジン第15号

==警視庁メールマガジン第15号==
                                   発行日:02/01/18



目次
[〜お知らせ〜総務部広報課より]
●偽一万円札が出回っています!
●110番通報について

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●リストラ社員の警察官

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●お礼参り、すな!

[防犯ミニ知識]
●10月より警察手帳一新

[ほんの一口〜読者の声]
●大事件にかかりきりで、小さな事件がおざなりになることは?
●警察上層部の人達が直接指示する事件ってあるのですか?
●おとり捜査はどんな風にするのですか?
●所轄の刑事が犯人を逮捕できないなんてことがあるのですか。

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●交通量の多い所で安全に右折しよう!




[〜お知らせ〜総務部広報課より]


●偽一万円札が出回っています!
 
 今現在、東京を中心に全国で透かしの入った巧妙な偽一万円札が大量に出回っています。浅草の商店街で発見された偽一万円札については、所持していた自称中国人男性を逮捕、背後に偽造組織があるものとして取調べ中です。
 この一万円札は本物とほぼ変わらない程度の透かしが入っており、僅かに小さく赤みがかかっている程度です。注意深く観察すれば本物と見分けることが出来ます。所有している一万円札に不審な点が見受けられた場合は最寄の交番もしくは銀行にてご相談下さい。
 昨年発見された偽一万円札の数は2840枚に上り、5年前の約24倍に急増しています。00年8月以降より、関東、中部地区を中心に約1500枚出回った偽造1万円札事件については昨年7月、本庁と愛知県警が東京都内の偽造拠点などを摘発し、容疑者を検挙、印刷に使用したとみられるパソコンなどOA機器類を押収しました。(偽札の記番号NF292682E)
 また、先日は岡山で偽一万円札を使用した人間が逮捕されていますがこちらはカラーコピーでの偽造であり、これまでの事件とは係わり合いがないものと判断しています。
 コピー機などで紙幣や硬貨、有価証券をコピーすることは法律で禁じられており、また、コピー機に搭載された検知機能により警報が鳴り事情聴取を受ける可能性もありますので、いたずらにコピーするようなことのないようにしましょう。


●110番通報について

 警視庁を始めとする全国都道府県への110番通報件数は年を追うごとに増えていますが、同時にいたずらや番号の問い合わせ、道案内などでの通報も増えてきました。
 平成12年中警視庁への通報数は1,215,700件でしたが、重複した通報を含めて本来緊急性のない件での通報数が23.2%を占めています。事故が発生した場合、通報が重複するのはやむを得ないことではありますが、「○○という場所にはどういけばいいのか」「××課の番号を教えて欲しい」「最寄の交番の電話番号を知りたい」という件につきましては110番通報するのではなく、電話帳に記載されている代表番号までお問合せ下さい。
 こういった緊急を要しない通報のため、警視庁への110番通報が非常につながりにくくなっており、8回に1度はつながらない可能性があるという報告がなされています。本当に必要としている人のために、軽い気持ちで110番回線を使用しないようにして下さい。
 先日宮城県では虚偽の通報をして警察官を呼び出していた少年らが、警察業務を妨害する悪質な犯罪であるとして、偽計業務妨害の疑いで逮捕されています。
 携帯電話からの通報も全体の41%を占め増加していますが、移動しながらの通報が非常に多いため、途中で通話が途切れたり場所を特定できないために、警察官が現場へ到着できないという事態も発生しています。近くの目印となる建物や住所がわかる場合は出来るだけ報告してください。また、県境で通報があった場合は隣りの隣接県の警察へつながる場合がありますが、転送しますのであわてて切ったりしないで下さい。車で走行中の通報は危険ですから絶対に止めましょう。
 通報後も、改めて通信指令本部から状況を尋ねたりすることがありますので、携帯電話の電源は落とさずにおいてください。
 正しい110番通報へのご理解とご協力をお願いします。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●リストラ社員の警察官

 タイトルをご覧になって、変な日本語だなぁと思われた方もいらっしゃるでしょう。今回の記事を読み終わったらきっと「ああ、そういうことか」と納得されると思いますよ。
 さて、警察官も公務員である以上、土曜日曜と週休二日制の毎日を送っているはずです。はず、と言いますのは、全員がそんな安定した休みをもらっているわけではないからです。
 一つに、交番勤務の警察官です。「非番」という言葉を皆さんご存知だと思いますが、ローテーション制で勤務している警察官の場合、平日が休みであることは珍しくありません。もちろん消防士さんや看護婦さんもそうですよね。
 次に、我々私服刑事です。特に捜査一課所属の場合は年中事件の捜査にあたることになりますから、土日が休みと言っても捜査中の場合は休むどころか家にも帰れないことが殆どです。私のように指揮をとる立場の人間は違いますが(一つの事件だけ受け持つわけではありませんので)、実際に捜査をする刑事らは土日だからといって休みを取ることは出来ません。そのかわり事件が解決したり、担当外である場合は待機という形で休みを取ることが出来ます。
 さて長い前置きになりましたが、そういったわけで警察官は平日休みを取っていることが自然と多くなります。ただしあまり長期間の休みは取れないため(せいぜい数日が限度です)、激務になればなるほど家で体を休めたりしているようです。
 ある刑事が午前中を寝て過ごし、どれ散歩でもと近くの公園へ行った時のことです。彼は井戸端会議をしている主婦の奇妙な視線に気がついたそうです。なにかしきりにヒソヒソとやっているので、仕事の癖が出て声をかけたそうですが、主婦達は慌てたように立ち去ってしまったとのこと。首をひねりながら家に戻り、彼は奥様から「平日にあまりこの辺をウロウロしないで欲しい」と言われました。
 理由を問いただしてみれば、「あそこの旦那はいつも平日に公園をうろついている。リストラされたに違いない。仕事先を探そうともしないで奥さんばかり働かせている」と、近所の噂になっていたそうです。それから彼は平日公園に行く時はスーツを着て行くようになったそうです。たかが散歩にどうしてここまで、と嘆いていたようですけどね。断っておきますが、彼自身は非常に優秀な刑事です。
 平日公園でボーッと空を見上げている、妙に目つきの鋭い人間がいたら、非番の警官だと思ってあげてください。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●お礼参り、すな!

 この前の週刊なんたらとかいう雑誌見てくれたか?俺のインタビューが載っとるで!俺宛の相談は大阪府警宛でも届くで。あまり警視庁の総務課さん、困らせたらんといてな。
 全国の都道府県警で警察を恐れへんのは大阪くらいのもんやけど、別に権威を振り回したからでもなく単純に「警察好かん」やからちょっと困る。通報があって警察がかけつけてきても、今度は警察に絡み始めるから始末に負えんねん。
 交番を襲って警官から拳銃奪おうとしたり、警官相手に刃物平気で振り回すのも大阪が多い。タチ悪いで、ホンマ。交通の取り締まりでもたまに平気で突っ込む奴もおるらしいしな。検問を突破しようとするんやない。警官を驚かせたろ、いう理由でや。
 俺も探偵なんぞやっとるから、いらん逆恨み買うことはなんぼもある。捕まった犯人の家族に罵倒されたこともあるし、お礼参りみたいなこともあった。
 けどな。自分の家族が犯罪をしでかしとる以上捕まえた人間を恨むのは筋違いやで。警察にしても、なんで警察がいるから治安が守られとる、いう考え方ができひんのや。
 被害者に対するお礼参りが問題になって、出所の際には日時を知らせるとか、居場所を知らせるとか法が改正されたけど、お礼参りが逮捕した側に対して行われることも珍しない。せやから直接現場に関わる刑事は住所とか名前は一切非公開。テレビに出たりしとるのもごく一部や。まあ顔が出んのは捜査のためもあるけどな。
 お礼参りしてくる人間は大抵自分勝手な人間や。殺人おかしたんも被害者が悪い、逮捕されたんも警察や俺が悪い、としか思えへん。まぁそう思っとる限り救われることはないわな。
 二本の足で立っとる以上人によりかかってばかりおらんと、たまには自分で歩いて欲しいわ、ホンマに。




[防犯ミニ知識]


●10月より警察手帳一新〜警察庁総務課より〜

 既にニュースなどでご存知の皆様も多いことと思いますが、本年10月1日より全国都道府県警の警察手帳デザインが一新となります。
 従来の様式は縦12センチ横8センチの横開き型(こげ茶色、ただし警視庁のみエナメル加工製)でしたが、新式は縦10.8センチ横6.9センチの縦開き型(チョコレート色)となります。サイズとしては一回り小さくなりますが、縦開きという欧米型を取り入れています(下部につけたバッジの重みで開く方式)。上部には顔写真や階級、氏名が書かれた身分証明書が入り、下部には都道府県名と「POLICE」と表示されたバッジが付きます。1935年の旧内務省時代に警察手帳規定ができて以来、67年ぶりの変更です。
 かねてより、身分証明欄が市民にとって読み取りにくいことや、氏名や所属が分からないなどの指摘があり、警察手帳のデザイン一新を検討してまいりました。手帳のデザイン一新に併せ、制服警官には所属と個人を識別できるように、アルファベットと数字を組み合わせた「識別章」を新たに着装させます。
 警察手帳規則を改正した上で、10月1日から全国約23万人の警察官に一斉に配備となります。
 尚、今回のことに限らず警察の事情聴取や職務質問などにあたって、不審な点があれば警察手帳の提示を求めて下さい。




[ほんの一口〜読者の声]


 今回は、年明けに放映されたある刑事映画を見たと思われる質問をたくさん頂きました。

●大事件にかかりきりで、小さな事件がおざなりになることは?

「大事件が起きると、たくさんの警察官が投入されますよね。あれって、その間に他の事件がおきたら警察官の数が足りないというようなことにはならないんですか?」

 捜査一課課長にお聞きしました。

「ご心配はごもっともなことです。しかし、現在警視庁捜査一課には約300人の人員を配属しており、事件を捜査する刑事の数は係単位で分けられ、投入する数が決まっています。ですので、大事件で投入する数を増やすことはあっても、待機組がいますので、事件が起きても誰も駆けつけないということはありません。捜査一課だけでは足りない場合には、所轄署員を動員します」


●警察上層部の人達が直接指示する事件ってあるのですか?

「誘拐事件とかで、身代金を警視庁とか警察庁が出したりとか、捜査に関わらないような人達がああしろこうしろと直接指示をするということは実際あるのでしょうか」

 捜査一課課長にお聞きしました。

「あれはドラマならではの脚色だと思ってください。実際にはそういうようなことはありえんです。指示系統がメチャクチャになります。確かに身分の高い人が誘拐されたような時には、国際問題に関わってきたり、様々な要因から上層部が指示することもありますが、原則発生した所轄署と警視庁で捜査を受け持ちます。誘拐については慎重な捜査を必要とするためこれ以上はお答えできません」


●所轄の刑事が犯人を逮捕できないなんてことがあるのですか。

「あるドラマで所轄署の刑事が犯人を逮捕しようとしたら『本庁の刑事が行くまで待て』とか言われてました。そんなことホントにしてたら犯人逃げちゃうんじゃないの?」

 某所轄署のある捜査員の方にお聞きしました。

「ドラマだからねー。実際は犯人に遭遇したらその場に居合わせた者が逮捕するのが普通。ただし、本庁の人間がいた場合は気を遣って譲ることが多いかな。手錠かけた人の手柄になるからね。本庁差し置いて所轄がパクったとなると大変なんスよ。署長とかうるさくて。俺もね、上の人が大変なの見てきてるからあんま言えませんけど。あン時刺されたのは明らかに俺の注意不足が原因でした。えーと…何の話だっけ?そうそう、世間が注目していたりとか、ちょっと被害者が特殊な立場にいる場合は本庁の捜査員が逮捕ってことになりますね」


●おとり捜査はどんな風にするのですか?

「捜査のために、社員になってその企業に就職したりとか、麻薬の売人になったりとか、本当の捜査でもそんな風にやっているのですが。教えて下さい」

 警察庁刑事局局長から回答をいただきました。

「原則として日本の法律ではおとり捜査は禁止しています。欧米やテレビ番組のように、怪しいと思われる対象に潜入し証拠を掴んだとしても正規の調査で得た情報と認められず、また裁判でも証拠能力がないとされます。ただし麻薬捜査においては捜査官は薬物の所持は認められていますが、捜査官は厚生労働省所属でありますので、警察官が同様に捜査のために所持したり売買を行うと違法行為として処罰されます。結果としてご質問いただいたおとり捜査は一切行っていないという回答になります」

 皆さんお忙しい中ご回答ありがとうございました。




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●交通量の多い所で安全に右折しよう!

 こんにちは!交通課の由美ですvv
 最近警らしていて思うんですけど、交差点でいつまでも右折できず、後ろからクラクション鳴らされてあわてて曲がったら対向車と事故しちゃった…っていうことが結構多いです。右折は苦手〜と言って曲がらないようにしている人もいるようだけど、チャレンジしないとつまで経っても上手くなりませんよ?
 混雑した道路で、うまく右折するにはまずクラクションで煽られてもムリして曲がろうとしないコト。タイミングを見極めなければダメです。
 まずセンターラインに沿って車をとめます。時差式信号などのある交差点ならきちんと中央まで進入してください。次に対向車とのタイミングを見て発車することになりますけど、直前には横断歩道の様子とかもチェックしておきます。横断歩道直前でとまることになると対向車に迷惑がかかるからね。あとはこれをひたすら繰り返して慣れるだけです。
 たまに、強引に歩行者を立ち止まらせて突っ込んでくる車もいますけど、それは交通違反です!
 交通ルールを守って楽しく運転しましょうvv




[あとがき]

 正月に「警視庁のある1日」が放映されました。落ち着いた明智警視の受け答えに、翌日から警視庁へはかなりの数のファンレターや相談事が寄せられました(苦笑)。ファンになったという人も多いみたいですね。また、未解決事件、捜査中の事件に対してもたくさんの情報が寄せられました。この場を借りてお礼申し上げます。
 我々一同も思いのほか好評だったことに胸をなでおろしています。捜査に対して警察も日々体制の整備や法改正を検討しています。皆さんの忌憚ないご意見をいただけましたらと思います。
 
 これから寒さの増す時期ですが、日々の安全に気をつけ、何事もなく暮らしていきたいものですね。
 それではまた次号でお会いしましょう。

[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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