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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
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警視庁メールマガジン第20号

==警視庁メールマガジン第20号==
                                   発行日:02/03/29



目次
[〜お知らせ〜総務部広報課より]
●調査にご協力を
●出回る防犯グッズの正しい使用方法

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●刑事の退職

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●俺も困った!盗難防止機能

[防犯ミニ知識]
●とんでもない通報事件

[ほんの一口〜読者の声]
●どうして車は左側通行なのですか
●横断歩道がはしご型じゃなくなりました

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●これは新しい卵?古い卵?




[〜お知らせ〜総務部広報課より]


●調査にご協力を

 平成13年度も今日で終わり、週が明ければ平成14年度の始まりです。4月は全国的に新住民の転入が増えるため、アパートや賃貸住宅を中心に、交番から警察官が調査に回ることがあると思います。これは、どこの部屋に誰が住んでいて、その人に何かあった時の緊急連絡先はどこか、というのを把握するためのものです。
 ここ数年110番通報は急増していますが、通報者の元へ迅速に駆けつけるためには常に新しい住居情報にしておく必要があります。通報を受けたが場所がわからなかった、そんなアパート名は知らない、では話になりません。
 管理人さんが一緒に住んでおられるようなところでは一括で提出してくれるところもあります。大学進学や転勤などで賃貸に引越しした場合は、こういった警察の調査にご協力下さい。
 ただし、新しい環境でその土地の情報に疎いのをいいことに、何らかの調査と偽って個人情報を聞き出したり、セキュリティのため必要だと言ってものを売りつける悪質な業者が増えるのもこの時期です。怪しいと思ったらドアをむやみに開けないようにしましょう。


●出回る防犯グッズの正しい使用方法

 凶悪な事件の増加に伴い、都内の防犯グッズ販売店でもグッズの売上数が年々増加しているとの報告を受けました。
 しかし中には慣れない人が使うには不便なグッズであったり、一部過剰防衛になってしまうものを購入される人もおられるようです。これらは実際に使う場面になった時、手順を把握していなければ逆に危険になってしまうものです。
 以下簡単に防犯グッズの有効性と使い方について説明します。
・防犯ブザー
 もっともオーソドックスなグッズです。夜道を歩く時手に持つほか、自転車に乗る時はハンドルにぶら下げるのが一番いい持ち方です。バッグの中にしまっておいては、使おうと思ってもなかなか取り出せません。かなり広範囲に音が鳴り響くので、女性や子供さんが持つには良いでしょう。

・催涙ガス
 実際に暴漢に襲い掛かられた場合などに有効です。霧状タイプと液状タイプがありますが、霧状は広範囲に拡がりますが風向きによっては自分自身が危険になることもあります。液状タイプは的確に相手の顔を捉えることが必要になりますが、風向きに関係なく噴射することが出来ます。またこのグッズも、バッグに入れておいては意味がないと言えるでしょう。

・特殊伸縮棒
 手に持って強く振ると、数倍の長さに伸びる警棒ですが、ものによっては著しく強度が劣るものもありまた、相手に奪われた場合は凶器となりやすいことから、あまりお薦め出来ません。また威嚇として使用後元の大きさに戻そうとしたところ、曲がって戻らなかったという報告もあります。

・サバイバルナイフなど
 刃物を購入する必要はまったくありません。意味なく刃物を所持していた場合は、銃刀剣類所持で逮捕されることもあります。

・スタンガン
 こちらももつ必要はありません。露出した皮膚に五秒以上押し付けるということは、突然襲われた場合なかなか出来ないものです。また、最近は衣服の上からでも押し付けられる強力なものが出ているようですが、こちらを使用して相手にケガを負わせた場合傷害罪が適用される可能性も有ります。(過剰防衛とはなりません)

 防犯グッズを購入・使用する際はお店の人に十分な説明を受けた上で行って下さい。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●刑事の退職

 警視庁内でも、本日付で退職される方がいらっしゃいます。長年の勤務に敬意を表すとともに、これまでの分ゆっくり休養していただけたらと思います。
 公務員の中で警察官という職業は、定年退職で職を辞する人が比較的少ないものになるでしょう。激務であることと慢性的なストレスから体を壊して、やむを得ず退職する人も多いためです。刑事の場合は過労で倒れることもあります。かといって定年で退職した刑事が熱心に働いていなかったというわけではありませんよ。
 そして、定年退職した刑事は翌日からパタリとこなくなるかというと、不思議なことにそうでもないのです。辞める前までは「疲れた」ですとか「定年が待ち遠しい」と言っていたとしても、管轄内での事件発生を聞くと現場にやって来て、顔見知りの刑事を見つけ状況を聞いたり、逆に捜査に行き詰まった時の相談役になるなど何かと警察に関わっている人も少なくありません。自分の関わっていた捜査が現職中に解決しなかった場合は特に、気になって自ら元職場へ足を運ぶこともあるようです。
 また、上からのお願いで警察学校の講師になったり指導員になることもあります。ですから、刑事が警察を退職したからといっても一般企業のように、まったく係わり合いがなくなることの方が珍しいといえますね。
 それに、刑事といえば泥棒の手口や格闘術に通じているため、警備会社や民間セキュリティーの会社が退職後は是非うちの顧問に、とやってくることもあります。そういう意味では、警察に就職すれば一生生活には困らない、と言ってもいいかも知れません。
 あなたの周りの人で今日定年を迎えられた人、職を辞された人がおられたら、どうぞその労をねぎらってあげてください。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●俺も困った!盗難防止機能

 なんや今年は桜の開花が早いんやてなぁ。大阪も大分咲いてきたから、日曜日にでも通り抜け、行ってみよかて話しとるわ。あ、通り抜けゆーのんは造幣局の桜並木なんや。
 今はちょうど年度末と重なって、御堂筋なんて車で通ろ思たら渋滞30分待ちくらいは覚悟せんとあかんねンけど、この前な、ちょい事件の関係で現場を見に行ってん。
 御堂筋の道路で起きた事件なんやけどまだ間もない頃やから、路上にはきっちり白線残っとるし、立ち入り禁止のテープも貼ってあったんやけどな、図々しい奴がそこに路駐かましとったんや。見張っとる警官が連絡で持ち場を離れた、ほんの数十秒の隙をついたらしいんやな。俺も現場を見なあかんし違法駐車邪魔やしと思って、携帯から府警に電話してレッカー呼んでもろてん。
 でな、こう、車の前を持ち上げて…とやっとった時に警報が鳴り出しよってん。俺も府警もえらいびっくりして「どこや!」、て周り見回したけど通行人はこっち見とるし思て改めて確認したら、その車に振動を感知して鳴り出す警報装置が取り付けてあったんや。つまり車用の盗難防止装置やな。
 えらいうるさいから、聞きつけて所有者が来るかと思ったんやけどそれもなし、ここを動かさんとどうにもならん(その前に違法駐車やしな)から急いでレッカーしてもろてんけど…。
 結局車の持ち主はそれから一時間くらいしてやっと府警に電話入れてきよって、違法駐車と警察が決めた立ち入り禁止区域に入ったっちゅーことでえらい怒られよったらしいねん。
 警報装置つけるくらいなら違法駐車しなや。図々しいにもほどがあるで。それから「KEEP OUT」いう黄色いテープが貼られとるところは興味があっても入ったらアカン。下手すると公務執行妨害になんで。




[防犯ミニ知識]


●とんでもない通報事件〜福岡県警自動車警ら隊より〜

 今は丁度学生さんは春休み真っ盛りですが、休みだからといって羽目を外すのもほどほどに、という意味をこめたお話です。
 ある所轄の管轄内を警ら中のパトカーが、無線で出動要請を受けとある民家に急行しました。無線の内容は、「通報者、女子高生。自宅に戻ったところ家の明かりもついておらず、すべての鍵がかかっている。家に電話を入れても呼び出し音ばかりでつながらない。今晩出かける予定はなく、犯罪に巻き込まれた可能性あり」というものでした。
 通報があったのは深夜1時。就寝しているにしても、子供の電話にも出ないというのはおかしな話です。すわ事件かと、無線連絡を受けた警官も緊張しました。念のため、もう1台パトカーも急行し、住宅街のこともありサイレンを止めて静かに2台のパトカーが乗り付けました。
 玄関では、女の子が携帯を手に泣き出しそうな顔でこちらを見ています。学生証を提示してもらい、確かにその家の子であることを確認しインターフォンを鳴らしましたが、反応はありません。この家のものと思われる車も車庫に入っており、警官が本署から自宅に電話をしてもらいましたがやはり呼び出し音が響くだけです。
 そうこうしているうちに隣近所の人も物音を聞きつけて出てきて野次馬の人だかりになってしまいました。
 これ以上長引かせても進展しないため、警官の一人がベランダから中をうかがうことにしました。1階の窓は雨戸が閉められており入ることが出来なかったからです。観衆や仲間の警官らが見守る中、思ったよりも簡単にベランダにたどり着き、鍵がかかっていないのを発見してガラリとあけたところ……。
「ドロボー!!!!!」という叫び声と共に、物の壊れる音や悲鳴が。あわてて仲間の警官が、パトカーに乗せていたスピーカーで中に呼びかけようやく事態は収拾しましたが、事情を聞いてまたもビックリ。
 何と家人はちゃんと家の中にいて、突然ベランダから入ってきた人間を泥棒と勘違い。押さえつけて殴るわ蹴るわ、大騒ぎ。しかしその警官は日頃鍛えていただけあって、軽い打撲程度で済んだとか(でもよりによって泥棒に間違われたショックの方が大きかったそうです)。家人はとにかく平謝りでした。
 そもそもどうしてこのようなことになったのかと聞くと、最近春休みで娘が夜遊びをして遅くまで帰ってこない。何度言っても聞かないので今夜こそは家に入れまいと雨戸を閉め電気を消した。電話にも出なかった。しかしまさか娘が警察沙汰にするとは思わなかった、とのこと。
 その後この家族はしっかり油を絞られ(家人は過剰防衛、娘さんは夜遊びのため)、また、ベランダの防犯対策も教えられた上で警察署から帰宅しました。
 家人に連絡が取れなくて何かあったのかも!と通報をするのもいいですが、夜遊びをして帰宅した場合は出かける前に何か言われなかったか、もう一度考え直していただきたいものです。

 


[ほんの一口〜読者の声]

 
●どうして車は左側通行なのですか
「アメリカ人の友人が、外国の殆どは車は右側通行なのにどうして日本だけ左側通行なのかと聞いてきます。考えてみればどうして日本だけ左側通行なのですか。何か特別な理由があったんですか」

 総務部企画課からお答えします。

「まず、最初左側通行を義務付けられたのは車ではなく人々でした。1900年に人々は道路の左側を歩くように『道路取締規制』というものが当時の警視庁で制定されました。それまでには、馬車は道の真ん中を走れ、という決まりはあったものの原則として道路は勝手に歩くものとされていました。そして、この左側と定めた理由について考案者の松井茂博士は、『特別な理由や研究によってではない』と述べています。それによると武士は、刀を左側にさしているため右側を歩くと鞘の一部が触れ合ってしまう。また、左側から攻撃された時に不利になる。そこで自然と左側を通る習慣がついていた。人力車や馬車も左側に避ける決まりになっていたから、規則で左側に決めたということです。この左側通行の規制は歩行者を主なものとしていましたが、自動車の増加につれ何時の間にか車を対象としたものとなり、そして戦後の1949年には、車と向かい合って歩いた方が安全ということで、歩行者には右側通行が義務付けられたのです」

●横断歩道がはしご型じゃなくなりました
「確か少し前までは、横断歩道ははしご型だったと思うのですが、この前ふと見たら左右の縦棒がなくなっていました。あの変更は何かあったんでしょうか」

 警察庁にお聞きしました。
「正式には1992年11月より変更を行いました。元々横断歩道は、車が通行してもなかなか消えないように数ミリの厚さでペンキを塗っています。しかしその為逆に、雨が降ると白線が囲いの役割を果たして雨水がたまってしまい池のようになっていました。また、泥やゴミが溜まることも多く、歩行者が足を滑らせる事故が少なくありませんでした。以上のような結果から、デザイン変更に踏み切ったものであります」
 ご回答ありがとうございました。




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●これは新しい卵?古い卵?

 こんにちは!交通課の由美ですvv私の職場でも今日付けで転勤する人がいて、今晩は送迎会!明日のメルマガ意見会議、ちゃんと起きられるかなぁ…。
 今回の裏ワザは、冷蔵庫の卵が新しいか古いか確かめる裏ワザ!パックから出して並べて入れておいたらいつ買ったか忘れちゃった、うっかり新しい卵と混ぜて並べちゃった、という時に試してみてね。
 普通は卵の表面がザラザラしているものは新しいんだけど、今は拭いて出荷していたりして見分けがつかない時があるのね。そういう時は、お日様に透かしてみて、透き通っているものは新しくて、黒ずんでいるものは古くなってます。
 水につけて見分ける方法もあるよ!(冷蔵庫に入ってた卵は室温に戻してからやってね)
 ボールに十分水を張って卵を入れると、新しいものは沈んで底に横たわるけど、古いものは卵の丸い部分が浮いてきます。
 どう?試してみてねー(^o^)丿




[あとがき]

 今日で平成13年度も最後かと思うと、やっぱり一年というものは早いものだなぁと痛感します。この一年は公私にわたり様々な出来事がありました。自分が一番大きな出来事だったと思うのは、警察の組織体制に関わる法案や規範の変更(及び草案)があったことでしょうか。
 警察だけに関わらず組織というものはなかなか変わりにくいものです。デジタル化が進む中で未だ、アナログどころか明治時代の規則が平然と受け継がれているところもあります。それは伝統という言葉で美化されがちですが、実際に犯罪と向かい合う際は邪魔な制限でしかありません。
 平成14年度も様々な大幅改正がありますが、一層市民の安全を守れるものとなるよう努力していきたいと思っています。これからも警視庁メールマガジンをよろしくお願いします。
 

[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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