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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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警視庁メールマガジン第23号

==警視庁メールマガジン第23号==
                                   発行日:02/05/10



目次
[〜お知らせ〜総務部広報課より]
●朝日新聞社襲撃事件時効成立
●気を引き締めていきましょう

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●時効

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●依頼料、ぼったくられたらあかんで

[防犯ミニ知識]
●五月病対策はお済みですか
●テレビ番組の影響と教育

[ほんの一口〜読者の声]
●このチケットは安全ですか?
●隣りの夫婦喧嘩、通報してもいいの?

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●ファミレスで、皆の注文が早くそろうワザ

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜総務部広報課より]


●朝日新聞社襲撃事件時効成立

 今年5月3日午前0時、朝日新聞阪神支局襲撃事件の時効が成立しました。メディアでも大きく取り上げられたので、ご存知の方も多いでしょう。
 この事件は87年5月3日、朝日新聞阪神支局に目出し帽を被った男が侵入して散弾銃を発砲、小尻知博記者を殺害、犬飼兵衛記者に重傷を負わせたものです。新聞社が襲われ記者が殺害された事件は日本史上例が無く、表現の自由を脅かす卑劣な事件として大規模な捜査が行われましたが、国民の皆様から提供いただきました情報並びに捜査員らの努力も空しく、ついに時効を迎えました。
 捜査を担当している兵庫県警では、一連の朝日新聞襲撃事件(警察庁指定116号)のうち来年3月を迎える静岡支局爆破未遂事件の時効まで、現在の態勢を維持して捜査を継続することを明らかにしています。現在、静岡県警と資料や情報を交換しています。何か情報をお持ちの方はお寄せいただけましたら幸いです。
 皆様のご協力をお願い致します。


●気を引き締めていきましょう

 楽しかったゴールデンウィークもとうとう終わってしまいました。そろそろ皆さん、元の生活に戻られていると思いますが、いまいち朝起きた時に倦怠感が残っている、どうもダラダラしてしまうという方はおられませんか?
 それはまだ、連休中の生活から体が抜け出せていないということです。
 連休中は帰宅時に疲れて交通事故を起こすケースが急増しますが、連休明けでは、注意力散漫によるわき見や信号の見逃しなどで事故が多発します。この傾向は、連休中いつもの生活リズムから外れて昼頃起きだしたり、夜遅くまで騒いで翌日睡眠不足でレジャーに出かける、といった人に多いようです。
 この週末は平日分の睡眠不足を取り戻そうとお昼まで寝るのではなく、多少眠くてもきちんと平日どおりの時間に起床し、早めに就寝するようにしましょう。そうすれば月曜日快適な状態で過ごすことが出来ます。
 連休を有効に使いたいという気持ちは分かりますが、最終日はもとの生活リズムに戻すようにしておけば、少なくとも休日明けに憂鬱な状態で起きることはなくなります。
 体の調子を整えて、元気良く通勤、通学して下さい。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●時効

 朝日新聞社阪神支局襲撃事件の時効成立のニュースは、もうご覧になられていると思います。今回はこの「時効成立」ということについてお話しましょう。
 時効という言葉を知らない人は殆どおられないと思います。警察を扱った話であれば必ずといっていいほど取り上げられる言葉ですね。しかし時効には2つの種類があることを知っている人は少ないでしょう。
 「刑の時効」と「公訴の時効」といいまして、大抵話に出てくるものや、朝日新聞社事件の時効は後者にあたります。犯罪が行われても、犯人がわからないなどの理由から一定期間起訴がなされなければ、刑罰権がなくなるという制度で、刑事訴訟法で規定されています。警察にとっては犯人検挙に至らなかったということになり、非常に残念な結果です。先の朝日新聞社事件でも、田中節夫警察庁長官が定例記者会見に於いて、「全国の警察が懸命に捜査してきたが、現時点で検挙にいたっておらず残念」と発言しています。
 刑の時効というのは、裁判で判決が確定した後、それが執行されないまま一定の期間が過ぎた時は、刑が免除される制度のことです。確定した刑の執行をやめるのですから、公訴の時効よりも長くなっています。参考までに死刑相当罪の場合公訴の時効が15年、死刑判決の場合刑の時効は30年となっています。
 人が犯罪を犯して仮に捜査の手を免れ、時効を待つ身になったとしても、非常に長い間戦々恐々として過ごさなければなりません。軽犯罪を除く一般の犯罪でも時効成立は最低3年です。その間身元を明かすことなく、人知れず潜伏するという日々を過ごしてまで時効成立を待つ価値が、その犯罪にあるというのでしょうか。
 私はそんな価値があるとは思いません。そして、あくまでも罪を償わず逃げようとする者に対して警察の捜査は容赦しません。
 万が一犯罪を犯してしまったなら直ちに出頭し、罪を償っていただきたいものです。時効が成立する、ということは思われているほど簡単なものではないのですから。 
 皆さんが一生犯罪と無縁であり、平穏な毎日が過ごせることを祈っています。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●依頼料、ぼったくられたらあかんで

 ゴールデンウィーク終わってもーたな。皆USJに来てちゃーんと銭落としていってくれたか?大阪府が一発逆転狙って作ったもんやから一つ頼むで。
 銭といえば、世間では探偵雇うとごっつ金かかるように思われてるみたいやけど、実際はどれくらいか知っとるか?まあ、あんまり探偵を頼みなれとる人もおらんやろから、頼む段階になって初めて知ってビックリ、ゆーことになるやろな。
 探偵は別に資格とか設けてへんし、それほど競争の激しい職業でもない。せやから頼むところによってまちまちになりよるねん。よー間違われるけど、興信所とはまた違うんやで。興信所ゆーのは主に身元調査とかが仕事。まあ浮気調査とか産業スパイとか探したりとかやな。探偵はどちらかと言うと失せ物や事件捜査が得意かな。かといっても興信所のような仕事を引き受ける探偵もおるから(まあ誰とはいわんが、推理してる時にはよく寝とると評判のおっちゃんとか…)、一概に明確な線引きは出来へんけど。
 警察のOBが探偵になってるのはある意味最強やな。現役時代の人脈がまんま生きとるし、警察にも顔が利くから、警察が事件捜査で被害者に報告してくれんことがあったら調べてもらうことは出来る。けどまあ、警察に不利なことは言わんのが欠点やな。それはどうしてもしょうがないんやけどな。警察は退職しても「秘密事項の漏洩」はしたらあかん、て決められとるから。
 で、本題からずれてもーたけど、相場としては大体10万〜っちゅーことになるかな。これは事件依頼な。興信所がやるような浮気調査とかやとグッと安くなるはずや。日数にもよるけど、1週間くらいやったら実費別で10万前後。実費は別途かかるで。あと、何人かでやる場合は人件費もかかってくるな。せやなー、弁護士に依頼するのと同じくらいの料金、ゆーて考えてもろたら間違いないと思うわ。
 俺は実費しかもらわんけどな。事件捜査は趣味と勉強かねてやっとることやから、依頼料なんかもらうわけにいかんのや。たまに依頼料を一方的に送ってきて「これで事件を解決してくれ」、ゆー人もおるけどそれは勘弁したってや。どんな事件かも知らんのに引き受けるわけにいかんのや。面倒でもちゃーんと詳細を話してくれたら殆ど断ることはないで。
 探偵や興信所に依頼する時は電話帳から適当に拾ったりするんやなくて、料金体系がちゃんと表示されているかとか、事務所がちゃんとあるかとか(近くの喫茶店で会いましょうとか言われたらそこはダメや)、話をしてみて信用できそうか、とかチェックしたってな。高額な料金を請求された割に、調査内容が全然役に立たんかったらどうしようもないやろ?
 困ったことに巻き込まれて、その上さらに悪徳業者にまで騙されてもーたらどないもならん。焦らず、じっくり選んでな。




[防犯ミニ知識]


●五月病対策はお済みですか〜石川県警総務課より〜

 5月といえばゴールデンウィークや端午の節句が連想されますが、同時に、五月病という言葉も取り上げられます。
 この五月病は新入生や新入社員がかかるもので、小さい頃から有名大学に入るために頑張ってきた人、どうしても入りたい会社に入社した人、というふうに目標が大きかった人ほど顕著になりやすい病気です。
 とはいえ、五月病という言葉自体は医学用語ではなく、決まった定義や概念はありません。新しい環境に適応出来ずストレス状態になったものを総括して呼んでいるだけです。4月中は環境に慣れるのに精一杯ですが、5月に入り慣れてくると、どうも馴染めないと感じたりふと疑問を感じたりということが生じます。それだけならいいのですが、その症状が積もり積もって、勉強や仕事への関心が失せたり、家から出たくなくなったりすると五月病の始まりです。それだけでなく、実際に体に変調をきたす場合もあり、生活に支障が出始めます。
 当県警でも時折新規採用の警察官が五月病になり、上司に相談してくる場合があります。そのため、警察病院の協力のもと五月病対策を毎年指導しています。
 では具体的にどういった対策が有効なのでしょうか。
 一つには、ストレスを解消することがあげられます。例えば、週末においしいものを食べたり自分の趣味を実行してみたりなど。短いスパンでストレスのはけ口を設定し、それを目標とすることによって、「週末になればストレス解消が出来る」という意識が生まれ、精神的に負担が軽減されます。
 次に、友人や信頼できる人に、今の自分の状況を正直に話すことです。かといって、愚痴をこぼすだけで終わってしまっては今の状況を再確認するだけになってしまい、負担を倍増させるだけです。愚痴をこぼした後、「今度暇が出来たら家でゆっくり読書でもしたいなぁ」「明日会社が終わったら豪華な晩御飯でも食べたいなぁ」と、いいことを考えましょう。こうした解消法ではちっとも改善できない、という人は薬を用いるのも一つの方法です。
 また、子供さんが学校に行きたくないと言い出した時は、無理に行かせようとせず話を聞いてあげたり、話せる状態でない場合は、山や海などに連れて行き自然を見せてあげたりと、気分転換出来るように努めて下さい。親子でスポーツをするのもいいですね。学校に行きたくないと言うと、無理矢理行かせようとしたり理由を問いただそうとする親御さんがおられますが、自分の状態をうまく説明できないから学校に行きたくないという理由になるのです。気持ちに余裕を持って子供さんと接触するようにしましょう。
 通常は2、3ヶ月で症状が治りますが、改善が見られない、症状が酷くなるなどの場合は速やかに医師に相談しましょう。
 五月病は誰にでも起こりうるものです。だらしがないからそんな病気になるんだなどと思わず、気にせず焦らずの精神で過ごしてください。


●テレビ番組の影響と教育〜和歌山県警生活指導課より〜
 
 先日愛知県で、ある番組の真似をして食べ物の早食いをきそっていた中学生が、これを喉に詰まらせ窒息死するといういたましい事件が発生しました。
 元々危険であると判断された番組内においては、「危険ですのでまねをしないで下さい」というテロップを流すように指導しております。しかし、今回のように食べ物を扱った番組を真似して死者が出るというのは例を見ない事件であり、今後の放送のあり方が見直されることになりそうです。
 テレビ番組は人に影響を与えやすく、ある程度真似をする人が出るのは当然といえますが、昔は真似をしたことによって周囲から叱責されたり痛い目に遭って学習したものです。ですが今日、親と子のコミュニケーションが取れていない、何か間違ったことをしても誰からも注意されないなどの状況下に於いて、テレビ番組に影響された子供の事故は非常に発生しやすくなっています。これを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。
 有効な対応策はやはり、親と子が日常生活に於いてきちんとコミュニケーションを図れるようにすることです。子供はテレビを見ていて生返事、親は親でそれを気にしない、というのではまったく意味がありません。普通の人に出来ること、出来ないことの違いを教えてあげられることが重要です。一緒にテレビを見ながら感想を話し合ったりするだけで、十分な効果があります。
 テレビ番組を「下らない」「つまらない」と決め付ける前に、何故子供がそれに夢中になるのか、考えることは必要です。
 事故を防ぐために、番組を一方的に規制するのではなく、根本的な問題解決に取り組みましょう。
 



[ほんの一口〜読者の声]

 
●このチケットは安全ですか?
「ワールドカップの観戦チケットが手に入らず困っていたら、人づてで、定価より割高だが確実に手に入ると言われました。チケットはちゃんと本物なのですが、価格が倍ぐらいするのです。これは本当に購入しても大丈夫なのでしょうか」

 暴力団対策課からお答えします。
「ご質問いただきました件はおそらく、『ダフ屋』と一般に呼ばれている人間が販売しているチケットと思われます。定価の2倍というのはまだまだ安い値段ですが、それでも購入なさらないようにお願いします。こういった、チケットを買い占めて高額で売りさばく行為は法律で禁じられておりまた、それが暴力団の資金源にもつながるのです。また中には、巧妙に複製した偽物を売りつける人間もいます。チケットが手に入らないというのは残念ではありますが、正規ルート以外からは購入なさらないようにお願い致します」

●隣りの夫婦喧嘩、通報してもいいの?
「変な質問なんですけど、民事不介入ってありますよね。住んでいるところの隣りの部屋が、夫婦で入居しているらしいんですが、時々物の壊れる音や、明らかに殴っているらしい音もするんです。こういった場合って通報してもいいんでしょうか?逆に迷惑がられないでしょうか」

 通信指令本部からお答えします。
「この事例につきましてはおっしゃる通り、民事不介入との微妙なラインにあると思われます。しかし、前号でも取り上げましたように昨年よりDV防止法が施行されていますので、かなり切迫した状況であると判断される場合は通報をお願い致します。尚、通報で警官が現場に向かっても、通報者の名前を当事者に伝えるようなことはありませんのでご安心下さい」

 


[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●ファミレスで、皆の注文が早くそろうワザ

 こんにちは!交通課の由美ですvv長いお休みも終わっちゃって残念だけど、皆元気に過ごしてる?
 今回はファミレスでのちょっとした裏ワザ。普通のレストランなんかだと、友達とか家族で行っていろいろ頼んだりすると、皆の注文したものがなかなかそろわなくて、先に届いた人のが冷めちゃったり、早く食べ終わっちっゃて皆が終わるのを手持ち無沙汰に待つ、なんてこともあるわよね。だから同じ物を注文したり…なんてことになるけど、ファミレスの場合は別々のものを注文した方が早くくるのよ。
 レストランと違ってファミレスでは調理担当者がメニューによって決まってるから、同じ物の注文が来るとその担当者だけが忙しくて後の人は暇、なんてことになるの。それはファミレスが、いろいろな注文に同時に対応できるようにしてあるためなのよ。
 だから、ファミレスで食事する時は、別々のものを頼んだ方が早くそろうってわけ。もちろん、企業によっても差はあるから絶対とはいえないけど、大抵のシステムは同じだから利用してみてね。
 



[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 いつも「急がば回れなんだよっ!焦ればミスをするからな」というくせに、仕事をせかす某さん。
 ある日私がエレベーターに他の人達と乗り込んだ時、外出先から帰ってきた某さんが乗ろうと思ったらしくて走ってきましたが、ドアの前ですってんと転びました。それはもう見事な転び方でした。
 爆笑の中私は「某さん、急がば回れですよ」と言って、ドアの「閉」ボタンを押しました。あーすっきりした。




[あとがき]

 ワールドカップまであと3週間。毎日のニュースでも必ず1度は報道を目にします。
 自分はどちらかといえば家でゆっくりビールでも飲みながら観戦と行きたいです。騒いでもそれほど叱られませんから。(もっとも、家族にビールの飲みすぎを怒られそうですが…)
 グッズもいろいろと売り出されているようで、息子がお小遣いをもらうのと引き換えに家事の手伝いを始めました。目的が無くてもこうやって家のことを手伝ってくれるといいんですけど。
 次のメールマガジンでは、観戦に当たっての注意事項も掲載できればいいかなと思っています。
 それではまた次号でお会いしましょう。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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